Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 6キキョウキキョウ科のキキョウの根を用いた生薬で 痰又は痰を伴う咳に用いられる 7セネガ オンジセネガはヒメハギ科のセネガ又はその同属植物の根を用いた生薬 オンジはヒメハギ科のイトヒメハギの根を用いた生薬で いずれも去痰作用を期待して用いられる これらの成分の摂取により糖尿

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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

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Ⅰ. 咳の症状の基礎知識登録販売者用 症状 部位別 ネットセミナー 基礎講座 ⅩⅢ-2 咳 Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 ( 登録販売者試験問題作成に関する手引き より ) 10) 生薬成分 (1) 手引き の記載比較的穏やかな鎮咳去痰作用を示し 中枢性鎮咳成分 気管支拡張成分 去痰成分又は抗炎症成分の働きを助けることを期待して 次のような生薬成分が配合されている場合がある 1キョウニンバラ科のアンズの種子を用いた生薬で 体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢 咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる 2ナンテンジツメギ科のナンテンの果実を用いた生薬で 知覚神経 末梢運動神経に作用して咳止めに効果があるとされる 3ゴミシマツブサ科のチョウセンゴミシの果実を用いた生薬で 鎮咳作用を期待して用いられる 4シャゼンソウオオバコ科のオオバコの花期全草を用いた生薬で 種子のみを用いたものはシャゼンシと呼ばれる 去痰作用を期待して用いられる 日本薬局方収載のシャゼンソウは 煎薬として咳に対して用いられる 5オウヒバラ科のヤマザクラ又はその同属植物の樹皮を用いた生薬で 去痰作用を期待して用いられる 1

Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 6キキョウキキョウ科のキキョウの根を用いた生薬で 痰又は痰を伴う咳に用いられる 7セネガ オンジセネガはヒメハギ科のセネガ又はその同属植物の根を用いた生薬 オンジはヒメハギ科のイトヒメハギの根を用いた生薬で いずれも去痰作用を期待して用いられる これらの成分の摂取により糖尿病の検査値に影響を生じることがあり 糖尿病が改善したと誤認されるおそれがあるため 1 日最大配合量がセネガ原生薬として 1.2g 以上 又はオンジとして1g 以上を含有する製品では 使用上の注意において成分及び分量に関連する注意として記載されている 8セキサンヒガンバナ科のヒガンバナ ( 別名マンジュシャゲ ) の鱗茎を用いた生薬で 去痰作用を期待して用いられる セキサンのエキスは 別名を白色濃厚セキサノールとも呼ばれる 9バクモンドウユリ科のジャノヒゲ又はその同属植物の根の膨大部を用いた生薬で 鎮咳 去痰 滋養強壮等の作用を期待して用いられる (2) コメント 生薬名主成分主な作用 キョウニン ゴミシ 青酸配糖体 ( アミグダリン ) * キョウニンを粉砕し水を加えると酵素 ( エムルシン ) によって青酸とベンズアルデヒドを生じる リグナン類 ( シザンドリン ゴミシン A) 有機 酸 ( クエン酸 リンゴ酸 ) 糖類など シャゼンソウフラボノイド ( プランタギン ) など 鎮咳去痰作用 鎮咳去痰作用 強壮作用 鎮咳作用 利尿作用 シャゼンシ粘液多糖類など鎮咳作用 利尿作用 キキョウサポニン類 ( プラチコジン ) など鎮咳去痰作用 排膿作用 セネガサポニン類 ( セネギン ) など去痰作用 オンジサポニン類 ( オンジサポニン ) など去痰作用 バクモンドウステロイド配糖体 ( オヒオポゴニン ) 鎮咳去痰作用 消炎作 用 滋養強壮作用 2

Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 11) 漢方処方製剤 (1) 手引き の記載甘草湯のほか 咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤としては 半夏厚朴湯 柴朴湯 麦門冬湯 五虎湯 麻杏甘石湯 神秘湯などがある これらのうち半夏厚朴湯を除くいずれも 構成生薬としてカンゾウを含む 1 半夏厚朴湯気分がふさいで 咽喉 食道部につかえ感があり ときに動悸 めまい 嘔気などを伴う人における 咳 しわがれ声 不安神経症 神経性胃炎に適すとされる 2 柴朴湯別名を小柴胡合半夏厚朴湯ともいう 気分がふさいで 咽喉 食道部につかえ感があり ときに動悸 めまい 嘔気 ( 吐き気 ) などを伴う人における 小児喘息 気管支喘息 気管支炎 咳 不安神経症に適すとされるが 体の虚弱な人には不向きとされる まれに重篤な副作用として間質性肺炎 肝機能障害を生じることが知られている また その他の副作用として 頻尿 排尿痛 血尿 残尿感等の膀胱炎様症状が現れることがある 3 麦門冬湯痰の切れにくい咳 ( 喉の乾燥感 ) 気管支炎 気管支喘息の症状に適すとされるが 水様痰の多い人には不向きとされる まれに重篤な副作用として間質性肺炎 肝機能障害を生じることがある 4 五虎湯 麻杏甘石湯 神秘湯いずれも咳や喘息に用いられるが 体の虚弱な人 ( 体力の衰えている人 体の弱い人 ) で軟便下痢になりやすい人 胃腸の弱い人 発汗傾向の著しい人には不向きとされる いずれも構成生薬としてマオウを含む 3

Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 (2) コメント 漢方処方構成生薬効能 効果副作用 甘草湯 半夏厚朴湯 柴朴湯 麦門冬湯 五虎湯 麻杏甘石湯 神秘湯 カンゾウ ハンゲ ブクリョウ コウボク ソヨウ ショウキョウ * カンゾウを含まない サイコ ハンゲ ショウキョウ オウゴン タイソウ ニンジン カンゾウ ブクリョウ コウボク ソヨウ バクモンドウ ハンゲ コウベイ タイソウ ニンジン カンゾウ マオウ キョウニン カンゾウ セッコウ ソウハクヒ * 麻杏甘石湯にソウハクヒを加えた処方 マオウ キョウニン カンゾウ セッコウ マオウ キョウニン コウボク チンピ カンゾウ サイコ ソヨウ 激しい咳 咽喉痛 口内炎 しわがれ声 ( 体力に関わらず使用できる ) 体力中等度を目安として 気分がふさいで 咽喉 食道部に異物感があり ときに動悸 めまい 嘔気などを伴う次の諸症 : 不安神経症 神経性胃炎 つわり 咳 しわがれ声 喉のつかえ感 体力中等度で 気分がふさいで 咽喉 食道部に異物感があり かぜをひきやすく ときに動悸 めまい 嘔気などを伴うものの次の諸症 : 小児喘息 気管支喘息 気管支炎 咳 不安神経症 虚弱体質 体力中等度以下で 痰が切れにくく ときに強く咳込み 又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症 : 空咳 気管支炎 気管支喘息 咽頭炎 しわがれ声 * 痰が多く 切れやすいものには禁忌 体力中等度以上で 咳が強く出るものの次の諸症 : 咳 気管支喘息 気管支炎 小児喘息 感冒 痔の痛み 体力中等度以上で 咳が出て ときに喉が渇くものの次の諸症 : 咳 小児喘息 気管支喘息 気管支炎 感冒 痔の痛み 体力中等度で 咳 喘鳴 息苦しさがあり 痰が少ないものの次の諸症 : 小児喘息 気管支喘息 気管支炎 重大 : 偽アルドステロン症 ミオパチー 重大 : 間質性肺炎 肝機能障害 偽アルドステロン症 ミオパチー その他 : 膀胱炎様症状 重大 : 間質性肺炎 肝機能障害 偽アルドステロン症 ミオパチー 重大 : 偽アルドステロン症 ミオパチー 重大な副作用 : 偽アルドステロン症 ミオパチー 重大な副作用 : 偽アルドステロン症 ミオパチー 12) 相互作用 (1) 手引き の記載一般用医薬品の鎮咳去痰薬は 複数の有効成分が配合されている場合が多く 他の鎮咳去痰薬 かぜ薬 抗ヒスタミン成分やアドレナリン作動成分を含有する医薬品 ( 鼻炎用薬 睡眠補助薬 乗物酔い防止薬 アレルギー用薬等 ) が併用された場合 同じ成分又は同種の作用を有する成分が重複摂取となり 効き目が強すぎたり 副作用が起こりやすくなるおそれがある 一般の生活者においては 咳止め と 鼻炎の薬 等は影響し合わないものとの誤った認識がなされることが考えられるので 医薬品の販売等に 4

Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 従事する専門家において適宜注意を促していくことが重要である (2) コメントマオウとエフェドリンマオウはエフェドリンやプソイドエフェドリンを主成分とし 交感神経刺激作用 ( 気管支拡張作用 発汗作用 心刺激作用 血管収縮作用など ) を示す そのため 交感神経刺激成分 ( アドレナリン作動成分 ) を含有する医薬品と併用すると 両者の作用が重複し 作用が増強するおそれがある マオウを含む漢方薬には 葛根湯 小青竜湯 麻黄湯など 比較的よく知られているものもある 漢方薬は作用がおだやかで 副作用の心配もない と思われがちだが 鎮咳去痰薬や鼻炎用内服薬 総合感冒薬などとの安易な併用は避ける必要がある 13) 受診勧奨 (1) 手引き の記載鎮咳去痰薬に解熱成分は配合されておらず 発熱を鎮める効果は期待できない 発熱を伴うときは 呼吸器に細菌やウイルス等の感染を生じている可能性がある 咳がひどく痰に線状の血が混じることがある 又は黄色や緑色の膿性の痰を伴うような場合には 一般用医薬品の使用によって対処を図るのではなく 早めに医療機関を受診することが望ましい 痰を伴わない乾いた咳が続く場合には 間質性肺炎等の初期症状である可能性があり また その原因が医薬品の副作用によるものであることもある 咳や痰 息切れ等の症状が長期間に渡っている場合には 慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の可能性があり 医師の診療を受けることが望ましい 喫煙 ( 当人の喫煙だけでなく 生活環境に喫煙者がいる場合の受動喫煙も含む ) は 咳や痰などの呼吸器症状を遷延化 慢性化させ COPD のリスク要因の一つとして指摘されており 喫煙に伴う症状のため鎮咳去痰薬を漫然と長期間に渡って使用することは適当でない 喘息については 気管支粘膜の炎症が慢性化していると 一般用医薬品の鎮咳去痰薬で一時的に症状を抑えることができたとしても しばらくすると発作が繰り返し現れる 喘息発作が重積すると生命に関わる呼吸困難につながることもあり 一般用医薬品の使用によって対処を図るのでなく 早期に医療機関での診療を受けることが望ましい なお ジヒドロコデインリン酸塩 メチルエフェドリン塩酸塩等の反復摂取によって 5

Ⅰ. 咳の症状の基礎知識 依存を生じている場合は 自己努力のみで依存からの離脱を図ることは困難であり 薬 物依存は医療機関での診療が必要な病気である (2) コメントコデインリン酸塩水和物 ジヒドロコデインリン酸塩を含有するOTC 薬の鎮咳去痰薬について 次のような通知が出ている ( 薬食総発 0601 第 6 号 / 薬食安発 0601 第 3 号平成 22 年 6 月 1 日 ) コデインリン酸水和物及びジヒドロコデインリン酸塩等を含有する 一般用医薬品の鎮咳去痰薬 ( 内用 ) の販売に係る留意事項について (1) 当該医薬品の販売又は授与については 次の点に留意すること 1 販売量等は原則として一人一包装単位とすること 2 購入者等から症状を聞き 当該医薬品の効能 効果に該当することを確認すること 3 購入者等に対しては 用法 用量等に関し十分な服薬指導を行うこと (2) 購入等希望者が当該医薬品の大量使用者又は長期連用者と思われる場合には販売等を行わないこと (3) 購入等希望者が高校生 中学生等若年者の場合には次のいずれかの確認を行うこと 1 購入等希望の事実について保護者による確認 2 身分証明書等による氏名 住所 年齢 学校名等の確認 6

Ⅱ. 症状別の対応方法 Ⅱ. 症状別の対応方法こんな顧客が来店したら どんな対応をとりますか < ケース 1> 1) 顧客の訴え 30 代男性 風邪をひいたようで 咳と鼻水が出る 今のところ 熱はないが のどの痛 みもあるので総合の風邪薬がほしい 2) 対応総合のかぜ薬がほしいとのことだが 熱はないとのことなので 解熱鎮痛成分は不要と考えられる 抗ヒスタミン成分を配合した鎮咳去痰薬であれば 咳だけでなく 鼻の症状にも対応することができる のども痛いとのことなので トラネキサム酸やリゾチーム塩酸塩などの抗炎症成分を配合した鎮咳去痰薬を勧めてもよいだろう トローチやのどあめ 抗炎症成分 ( アズレンスルホン酸ナトリウム水和物など ) を配合したうがい薬の活用を考えてもよい Ⅰ-7) 参照 ) 抗炎症成分を配合した鎮咳去痰薬の例商品名抗炎症成分その他の配合成分 アネトンせき止め Z 液 エスエスブロン カリュー コルゲンコーワ咳止め液 ベンザブロックせき止め液 コデインリン酸塩水和物 dl-メチルエフェドリンリゾチーム塩酸塩塩酸塩 クロルフェニラミンマレイン酸塩 無水カフェイン セネガ流エキスリゾチーム塩酸塩ジヒドロコデインリン酸塩 クロルフェニラミンマレイン酸塩ジヒドロコデインリン酸塩 dl-メチルエフェドリリゾチーム塩酸塩ン塩酸塩 d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 グアイフェネシン セネガ流エキスジヒドロコデインリン酸塩 dl-メチルエフェドリトラネキサム酸ン塩酸塩 グアイフェネシン セネガ流エキス 7

Ⅱ. 症状別の対応方法 < ケース 2> 1) 顧客の訴え 60 代女性 先週 風邪をひいて熱があったが 今はだいぶよくなった 咳だけが残って いる 血圧が高く 降圧薬をのんでいる ( 薬剤名 成分名は不明 ) 2) 対応血圧が高いとのことなので 交感神経刺激成分 ( メチルエフェドリン塩酸塩 トリメトキノール塩酸塩 メトキシフェナミン塩酸塩 マオウなど ) やグリチルリチン類 ( カンゾウも含む ) を含まない鎮咳去痰薬を選択することが望ましい しかし OTC 薬の鎮咳去痰薬の場合 ほとんどが交感神経刺激成分を配合しているため 高血圧や心臓病などがあり この成分を避けたほうがよい人の場合は 選択肢がかなり狭められてしまう このような場合に備えて 交感神経刺激成分を配合していない商品も品揃えしておくとよいだろう また 西洋薬がダメなら 漢方薬で となるところだが マオウの主成分はエフェドリン カンゾウの主成分はグリチルリチン類で いずれも漢方薬に配合されることが多い生薬である 漢方薬を選ぶときも 十分な注意が必要である 交感神経刺激成分やグリチルリチン類を含まない OTC 薬の例 商品名エスエスブロン カリュー コンタックせき止めST スカイナーせき たん用 配合成分ジヒドロコデインリン酸塩 クロルフェニラミンマレイン酸塩 リゾチーム塩酸塩デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 ジプロフィリン リゾチーム塩酸塩デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 ジプロフィリン リゾチーム塩酸塩 < ケース 3> 1) 顧客の訴え 50 代後半くらいの男性 痰がからんで咳が出る タバコは 20 年以上吸っている 服用 中の薬や治療中の疾患はない 8

Ⅱ. 症状別の対応方法 2) 対応服用中の薬剤や治療中の疾患がないとのことから どの鎮咳去痰薬でも対応できると考えられる このような症状があったとき 今まではどういう薬で対応してきたか どんな剤型 ( 顆粒 錠剤 液剤など ) を希望するかなどを質問し より適切なOTC 薬を勧めるように努める 痰を出すために咳が出るようなときは 去痰成分だけを配合した商品 ( ストナ去たんカプセル など ) がよいこともある 9

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 1) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は服用しないこと本剤又は本剤の成分 鶏卵によりアレルギー症状を起こしたことがある人 リゾチーム塩酸塩 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 フェノールフタレイン酸デキストロメトルファン アミノフィリン水和物 テオフィリン クエン酸チペピジン又はチペピジンヒベンズ酸塩を含有する製剤に記載すること ただし 鶏卵 はリゾチーム塩酸塩を含有する製剤にのみ記載すること (2) 記載理由これらの薬剤でアレルギー症状を起こしたことのある人が 再びその薬剤を服用すると 重篤なアレルギー症状を起こす危険がある 特にリゾチーム塩酸塩は 鶏卵から抽出された成分であるため 鶏卵によりアレルギー症状を起こしたことのある人は 服用しないこととされている 2) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は服用しないこと 15 歳未満の小児 プロメタジン塩酸塩又はプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する製剤に記載すること (2) 記載理由フェノチアジン系抗ヒスタミン剤に分類されるプロメタジンでは 海外において乳児 (2 歳以下 ) が服用した場合 乳児の突然死症候群又は乳児睡眠時無呼吸発作が現れたとの報告があるため 15 歳未満の小児には使用しないこととされている 10

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 3) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載してはいけないこと本剤を服用している間は 次のいずれの医薬品も使用しないこと他の鎮咳去痰薬 かぜ薬 鎮静薬 抗ヒスタミン剤を含有する内服薬 ( 鼻炎用内服薬 乗り物酔い薬 アレルギー用薬等 ) (2) 記載理由鎮咳去痰薬には 鎮咳成分のほか 抗ヒスタミン剤が配合されていることが多いため 併用すると 同様の作用をもつ成分が重複し 作用が強く現れたり 副作用が出やすくなったりすることが考えられる 4) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載してはいけないこと服用後 乗物又は機械類の運転操作をしないこと 抗ヒスタミン剤 コデインリン酸水和物又はジヒドロコデインリン酸塩を含有する製剤に記載すること (2) 記載理由抗ヒスタミン剤及びコデインリン酸水和物 ジヒドロコデインリン酸塩では 服用後に眠気を生じるおそれがあるため 乗物又は機械類の運転操作はしないこととされている 5) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載 してはいけないこと 授乳中の人は本剤を服用しないか 本剤を服用する場合は授乳を避けること 11

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 アミノフィリン水和物 テオフィリン ジフェンヒドラミン塩酸塩 ジフェン ヒドラミンサリチル酸 タンニン酸ジフェンヒドラミン コデインリン酸塩水 和物又はジヒドロコデインリン酸塩を含有する製剤に記載すること (2) 記載理由アミノフィリン水和物及びテオフィリンは 乳汁中に移行し 乳児に神経過敏を起こすおそれがある ジフェンヒドラミンを含有する成分では 乳汁中に移行し 乳児に昏睡がみられたとの報告がある さらにコデインリン酸塩水和物は体内で代謝されてモルヒネとなり 作用を発現するが この代謝能が著しく高い母親では高い効率でモルヒネへの変換が起こり 乳汁中へより高い濃度で移行するため 乳児がモルヒネを過剰に摂取することになり モルヒネ中毒様症状がみられるおそれがある 類似化合物のジヒドロコデインリン酸塩についても 同様の注意が必要とされている 6) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載してはいけないこと過量服用 長期連用しないこと コデインリン酸塩水和物又はジヒドロコデインリン酸塩を含有する製剤に記載すること (2) 記載理由コデインリン酸塩水和物 ジヒドロコデインリン酸塩はいずれも麻薬性鎮咳成分であり 大量服用や連用により 倦怠感や虚脱感 多幸感などが現れることがある 薬物依存につながるおそれもあるため 過量服用 長期連用はしないこととされている 鎮咳去痰薬の内服液剤の一気飲みによる事故も発生しているので 頻繁な購入やまとめ買いなどに対しては毅然とした態度で対応することが必要である 12

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 7) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載してはいけないこと長期連用しないこと グリチルチリン酸等を 1 日最大量がグリチルリチン酸として 40mg 以上又は甘草として1g 以上 ( エキス剤については原生薬に換算して1g 以上 ) 含有する製剤で 漢方生薬製剤以外の製剤に記載すること (2) 記載理由グリチルリチン酸及び甘草の長期摂取により 偽アルドステロン症を起こすおそれがある 高齢者やむくみのある人 心臓病 腎臓病又は高血圧の診断を受けた人では 偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため 1 日最大量がグリチルリチン酸として 40 mg 以上 甘草として 1g 以上含有する製剤については 服用前に医師 薬剤師等に相談することとなっている これらに該当しない人についても 長期連用はしないこととされている 8) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談すること授乳中の人 dl メチルエフェドリン塩酸塩 l- 塩酸メチルエフェドリン トリプロリジン塩酸塩水和物又はペントキシベリンクエン酸塩を含有する製剤に記載すること また 安息香酸ナトリウムカフェイン カフェイン水和物又は無水カフェインを無水カフェインとして 1 回分量 100mg 以上を含有する製剤に記載すること (2) 記載理由上記の成分は 乳汁中に移行することが知られているため 摂取を控えることが望ましい 特にカフェインは あまり心配しなくてもよいという意見もあるが 乳汁中に移行し 乳児にいらいら感や不眠などがみられたとの報告があることから カフェイン含 13

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 有飲料の大量摂取や頻回摂取などは避けるように伝える必要がある 9) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談すること乳児 ( 乳児において 本剤に含まれるリゾチーム塩酸塩を初めて服用した時に ショック ( アナフィラキシー ) があらわれたとの報告がある ) リゾチーム塩酸塩を含有する 3 歳未満の用法がある場合に記載すること (2) 記載理由鶏卵アレルギーの有無を確認されていない乳児が リゾチーム塩酸塩を服用したところ ショック等のアナフィラキシー反応が現れたとの報告がある 乳児へのリゾチーム塩酸塩の使用は なるべく避けることが望ましく やむを得ず使用した場合は 服用後の状態をよく観察し 異常がみられた場合は直ちに医療機関を受診する必要がある 10) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談すること発熱している小児 テオフィリン アミノフィリン水和物を含有する製剤( 小児の用法 用量を有する製剤 ) の場合に記載すること (2) 記載理由 小児の場合 テオフィリン等の血中クリアランスが不安定であり また 機序不明な がら 発熱時にテオフィリン等の血中濃度が上昇し 痙攣が誘発されるおそれがある 14

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 11) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談することけいれんを起こしたことがある小児 テオフィリン アミノフィリン水和物を含有する製剤( 小児の用法 用量を有する製剤 ) の場合に記載すること (2) 記載理由 テオフィリン等のキサンチン系成分には中枢神経刺激作用があるため 痙攣が誘発さ れるおそれがある 12) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談すること高齢者 トリメトキノール塩酸塩水和物 メトキシフェナミン塩酸塩 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 l- 塩酸メチルエフェドリン又はマオウを含有する製剤に記載すること またグリチルリチン酸等を 1 日最大配合量がグリチルリチン酸として 40mg 以上又は甘草として1g 以上 ( エキス剤については原生薬に換算して1g 以上 ) 含有する製剤に記載すること (2) 記載理由トリメトキノール塩酸塩等のアドレナリン作動成分は交感神経系を刺激する作用をもち 心収縮力増大 心拍数増加 末梢血管抵抗の増大 グリコーゲンの分解促進等による動悸 心悸亢進 血圧上昇 血糖値上昇等を招くおそれがある 高齢者では心臓病や高血圧 糖尿病等の基礎疾患を有していることが多いため 副作用が発現しやすい 症状が悪化しやすいといったリスクが増大する可能性が考えられる また グリチルリチン酸や甘草では むくみや血圧上昇等を主症状とする偽アルドステロン症の副作用が知られている 高齢者では 偽アルドステロン症を起こすリスクが高いとされているため 相談事項とされている 15

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 13) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談すること次の症状のある人高熱 むくみ 1) 2) 排尿困難 1) は グリチルリチン酸等を 1 日最大配合量がグリチルリチン酸として 40mg 以上 又は甘草として1g 以上 ( エキス剤については原生薬に換算して1g 以上含有する製剤に 2) は 抗ヒスタミン剤を含有する製剤に記載すること (2) 記載理由鎮咳去痰薬には 解熱鎮痛成分は配合されていないため 高熱に対応することはできない また 高い熱を伴うときはインフルエンザ等の可能性も考えられ 受診を勧めたほうがよいケースも考えられる また グリチルリチン酸や甘草では偽アルドステロン症によるむくみを生じることがあり もともとむくみのある人では 症状が強く現れるおそれがある 抗ヒスタミン剤では 抗コリン作用により排尿筋の弛緩と括約筋の収縮が起こるため 尿の貯留や排尿障害を来たしやすく 排尿困難の症状を悪化させるおそれがある 14) 鎮咳去痰薬 (1) 添付文書の記載次の人は服用前に医師 薬剤師又は登録販売者に相談すること次の診断を受けた人 1)2) 1)2) 1) 2) 3) 1)4) 心臓病 高血圧 糖尿病 腎臓病 緑内障 甲状腺機能障害 てんかん 4) 1) は トリメトキノール塩酸塩水和物 メトキシフェナミン塩酸塩 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 l- 塩酸メチルエフェドリン又はマオウを含有する製剤に 2) は グリチルリチン酸等を 1 日最大配合量がグリチルリチン酸として 40mg 以上又は甘草として1g 以上 ( エキス剤については原生薬に換算して1g 以 16

Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 上 ) 含有する製剤に 3) は 抗ヒスタミン剤又はペントキシベリンクエン酸塩を含有する製剤に 4) は ジプロフィリンを含有する製剤に記載すること (2) 記載理由トリメトキノール塩酸塩等のアドレナリン作動成分は交感神経系を刺激する作用をもち 心収縮力増大 心拍数増加 末梢血管抵抗の増大 グリコーゲンの分解促進等による動悸 心悸亢進 血圧上昇 血糖値上昇等を招くことがある 心臓病 高血圧 糖尿病の診断を受けた人では それぞれの症状を悪化させるおそれがあるため 相談事項となっている グリチルリチン酸や甘草では むくみや血圧上昇等を主な症状とする偽アルドステロン症の副作用が知られている 高血圧や腎臓病の診断を受けた人では これらの症状が現れやすいと考えられるため 相談事項となっている 抗ヒスタミン剤及びペントキシベリンクエン酸塩では 抗コリン作用により散瞳とともに房水通路が狭くなって眼圧が上昇し 緑内障の症状を悪化させるおそれがある ジプロフィリンは中枢神経刺激作用を有するため てんかんと診断された人では発作が誘発されるおそれがある 17

Ⅳ. 添付文書の読み方 Ⅳ. 添付文書の読み方 添付文書には様々な医薬品の情報が収録されています 一般用医薬品の添付文書は使用者であるお客様向けに記載されていますが 医薬品販売の専門家は それらの情報をよく整理して さらに専門家ならではの店頭での情報提供や 相談応需に活用できるようにしておくことが大切です ここでは 実際の商品に添付されている添付文書を参考に それぞれの項目ごとに 読み方やポイントを解説していきます なお 文頭の数字は それぞれ添付文書中の数字と対応していますので 実際の添付文書と見比べながら学習してください 使用上の注意してはいけないこと 1 本剤には 鎮咳成分 抗ヒスタミン成分 カフェインなどが配合されているため 他の鎮咳去痰薬やかぜ薬 抗ヒスタミン成分を含有する内服薬などと併用すると 同様の作用をもつ成分が重複し 作用が強く現れたり 副作用が出やすくなったりするおそれがあります 2 本剤には 眠気を催す作用を有するジヒドロコデインリン酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されているため 服用後の乗物又は機械類の運転操作は避けることとされています 18

Ⅳ. 添付文書の読み方 3 本剤に配合されているジヒドロコデインリン酸塩の類似物質であるコデインリン酸塩水和物は 体内で代謝されてモルヒネとなり 作用を発揮します この代謝能が著しく高い母親では 高い効率でモルヒネへの変換が起こって乳汁中へより高い濃度で移行するおそれがあります その結果 乳児がモルヒネを過剰に摂取することになり モルヒネ中毒様症状がみられるおそれがあるため 授乳中の服用は避けることとされています 4 本剤に配合されているジヒドロコデインリン酸塩は麻薬性鎮咳成分であり 大量服用や連用により 倦怠感や虚脱感 多幸感などが現れることがあります 薬物依存につながるおそれもあるため 過量服用 長期連用はしないこととされています 19

Ⅳ. 添付文書の読み方 相談すること 1(1) 医師の治療を受けている場合には 本剤の適応となる症状が 治療中の疾病による可能性や使用中の薬剤の副作用による場合もあります (2) 妊娠中の薬の使用については 慎重に対応する必要があります (3) 本剤中のメチルエフェドリン塩酸塩は交感神経系を刺激し 心悸亢進 血圧上昇 血糖値上昇などを引き起こすことがあります 高齢者は心臓病や高血圧 糖尿病などの基礎疾患を持っていることが多く その症状を悪化させたり 副作用が発現しやすくなったりするおそれがあります (4)(5) アレルギー体質の人 今までに薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人では 本剤の服用によってアレルギー症状を引き起こすリスクが高いと考えられます (6) 本剤には解熱成分は配合されていないため 発熱に対応することはできません 高熱を伴う場合はインフルエンザなどの可能性も考えられ 受診を勧めたほうがよい場合もあります また本剤には 抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されているため 抗コリン作用により 排尿困難の症状を悪化させるおそれがあります (7) 本剤に配合されているメチルエフェドリン塩酸塩は交感神経系を刺激する作用を有するため 高血圧 心臓病 糖尿病 甲状腺機能障害の症状を悪化させるおそれがあります また 抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩が眼圧を上昇させ 緑内障の症状を悪化させることも考えられます 2(1) 本剤により現れることのある副作用です 服用後 体調の変化や異常を感じた場合は 服用を中止し 医師 薬剤師などに相談することが大切です (2)5 6 回服用してもよくならない場合は 本剤が適していない あるいは本剤による副作用が引き起こされているなどの可能性が考えられます 重大な疾患が隠れているケースもありますから 受診の機会を逸しないためにも 相談事項となっています 3 便秘や口の渇きは比較的よくみられる副作用ですが 症状が継続 増強するときは医師 薬剤師などへの相談が必要となります 20

Ⅳ. 添付文書の読み方 効能 効果本剤は鎮咳去痰薬で 咳や痰に効果があります 用法 用量たくさん服用したり 何度も服用したからといって効果があがるわけではありません 副作用のリスクを高めることになってしまう場合もありますから 用法 用量を守って使用することが大切です 成分と作用 ジヒドロコデインリン酸塩: 麻薬性鎮咳成分で 延髄にある咳中枢を抑制し 咳を鎮めます dl メチルエフェドリン塩酸塩: 交感神経刺激成分で 気管支を広げて呼吸を楽にして咳を鎮め 痰の排出を助けます クロルフェニラミンマレイン酸塩: アレルギー性の咳を鎮めます 他の成分の働きを助 21

Ⅳ. 添付文書の読み方 けます 無水カフェイン : 眠気を軽減します 他の成分の働きを助けます 保管 取扱い上の注意 (1) 高温になる場所 直射日光の当たる場所などに本剤を置いておくと 中身が変質したり 性状が変わったりするおそれがあります (2) 小児は 好奇心からいろいろなものを口に入れたり 誤った使い方をしてしまったりすることがあります 誤飲 誤食 誤用による事故を防ぐため 小児の手の届かないところに保管して下さい (3) 他の容器に入れ替えると 本剤が変質したり 性状が変わったりするおそれがあります また 何の薬かわからなくなり 誤用につながることもあります (4) ぬれた手で本剤を扱うと 糖衣が溶けてムラになったり 変色したりすることがあります (5) ビンの中のつめ物は 輸送中の破損を防ぐためのものです (6) 商品に表示されている使用期限は未開封の状態でのものです 開封後は速やかに使い切るようにしましょう 開封してから何年もたったようなものは 処分するようにして下さい 22