H30建築基準法改正(詳細版)

Similar documents
条例解説6~11条

事務連絡 平成 27 年 3 月 31 日 各都道府県消防防災主管課 東京消防庁 各指定都市消防本部 御中 消防庁予防課 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部 局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドラインに係る執務資料の送付 認知症高齢者グルー

Microsoft PowerPoint - 【資料2】 H29 建物もあなたと同じ健康診断

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

2 スプリンクラー設備の設置基準の見直し 消防法施行令第 12 条第 1 項関係 スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に 次に掲げるもの 火災発生時の延焼を抑 制する機能を備える構造として総務省令で定める構造を有するものを除く で延べ面積が 275 m2未満のものが追加さ

Microsoft Word - æ›‰æŁ°æŒŽ.docx

国土技術政策総合研究所 研究資料

1 届出の趣旨工事中に建築物を使用する場合は, 建築基準法に基づいて当該建築物に設置されている避難施設等の機能に支障を来たすことがよくあります もとより建築基準法は, 建築物の最低限の安全性能を定めたものですから, 避難施設等の機能に支障が生じているときに出火したりすれば, 大災害につながるおそれが

消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

消防用設備・機械器具等に係る最近の検討状況等


<4D F736F F D CA A30312D AD8F6F93FA817A8FC A192CA926D>

第 3 章 1. の既往調査研究 1で紹介した 小規模多機能サービスに関する調査報告書 にも指摘されていたように 小規模多機能サービス事業所の整備にあたっては 建築基準法 消防法上の取り扱いの点で検討の余地を残している これに関して 2006 年 1 月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発

①法改正の趣旨と社会的背景


各都道府県消防防災主管部長 東京消防庁 各指定都市消防長 殿 消防予第 2 6 号 平成 30 年 2 月 1 日 消防庁予防課長 消防法施行令別表第一 (5) 項ロ ( 下宿等 ) の防火対策に係る注意喚起等について 1 月 31 日に北海道札幌市で発生した消防法施行令 ( 昭和 36 年政令第

Microsoft Word - ★事務連絡 (2)

第 1 章はじめに (1) 計画の目的西東京市耐震改修促進計画 ( 以下 本計画 という ) は 西東京市内の住宅 建築物の耐震診断及び耐震改修を計画的かつ総合的に促進することにより 西東京市民の生命と財産を保護し 災害に強いまちづくりを実現することを目的とする (2) 計画の位置づけ本計画は 建築

東京都建築安全条例の見直しの考え方

第3章 附置義務駐車場の台数                     

< F2D30362D30318E7B8D7397DF82C98AEE82C382AD8D908EA62E6A74>

Microsoft PowerPoint - 建篛å�ºæºŒæ³Łï¼‹è£œè¶³ï¼›2018.pptx

新旧対照表 (1/15)

東京都建築安全条例(昭和二十五年東京都条例第八十九号)新旧対照表(抄)

防火対象物における火災の予防(e-college予防編) ver

Microsoft Word - 10用途地域.docx

新千里西町B団地地区地区計画

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

介護保険施設等における利用者の安全確保及び非常災害時の体制整備の強化・徹底について

< F2D30315F95FB906A81798B6A8D5B928682CC91F2817A2E6A7464>

2-1 防災関連施設の現状 概ねすべての施設で耐震性能を有することを確認しているが 救急告示病院につい ては 耐震性能を確認している施設は 21 施設の内 13 施設である 区分 内容該当施設施設件数 耐震性能を有することが確認できている施設件数 防災拠点施設 医療機関 避難者滞留施設 災害拠点病院

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

伊勢原市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 ( 素案 ) 伊勢原市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例 ( 昭和 63 年伊勢原市条 例第 5 号 ) の一部を次のように改正する 別表第 1に次のように加える 横浜伊勢原線沿道地区 都市計画法第 20 条

2 消防法令違反等の是正の徹底消防法令違反等の防火安全上の不備事項が認められた施設等について 特に違反が多く認められた防火管理面の対策の徹底等 重点的な是正指導を推進する 3 避難対策の充実等夜間を想定し 施設等の構造 入所者の人数 管理体制等の具体的状況に即した避難訓練の実施により 適切な避難誘導

一について人口密集地域であり 簡易宿所が密集する地域を抱えていることから 全国的に見てもいわゆるホームレスの数が多い地域であると推測される東京都(特別区の区域に限る ) 川崎市 横浜市 名古屋市及び大阪市における野宿生活者等の数について各地方公共団体に聴取したところ それぞれの地方公共団体で 野宿生

( 参考 ) 業務報酬基準の概要について ( 告示 15 号の構成 ) 建築士事務所の開設者が業務に関して請求することのできる報酬の基準を示しており 第一 ~ 第三の実費加算方法に関する項と第四の略算方法に関する項で構成されている 実費加算方法 ( 第一 第二 第三 ) 実費加算方法 : 各経費等に

建築基準法第43条第1項ただし書に係る一括同意基準

予防課関係の要綱,通達改正案

防火設備定期検査報告のご案内 ( 平成 30 年度用 ) 東京都 23 区 八王子市 町田市 府中市 調布市 三鷹市 武蔵野市 日野市 立川市 国分寺市 西東京市 このご案内は 建築基準法第 12 条第 3 項の規定に基づき 防火設備定期検査報告書 を提出していただく可能性がある建築物の管理者の方等

<4D F736F F D B A815B836782CC8A C98C5782E9834B C4>

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

消防法施行令 昭和 36 年 3 月 25 日政令第 37 号最終改正平成 27 年 12 月 16 日政令第 421 号 ( 防炎防火対象物の指定等 ) 第 4 条の3 法第 8 条の3 第 1 項の政令で定める防火対象物は 別表第 1 協会注: 本紙は第 1 表を省略しております 防炎物品に係る

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D B756B65696B616B752D31332D3293E096EC81458CB48E528BDF97D7835A E815B926E8BE6>

稲毛海岸5丁目地区

計画書 阪神間都市計画防災街区整備地区計画の変更 ( 尼崎市決定 ) 都市計画今福 杭瀬寺島地区防災街区整備地区計画を次のように変更する 名称 位置 面積 地区計画の目標 区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設及び地区防災施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 その他当該区域の

日影許可諮問(熊野小学校)

Microsoft Word - 3

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

放置自転車 ( バイク ) のない安全で快適な住みよいまちづくりを 自転車は 通勤 通学 買物等のための手軽で便利な乗り物として 多くの人に愛用され 今や 日常の生活に欠くことのできない重要な交通手段となっております しかし 一方では 自転車の利用の増大は 大量の自転車の放置を引き起こし 歩行車 特

<4D F736F F D20CADFCCDEBAD D9595B68E9A816A8AEC91BD95FB8E735F5F91E682558AFA89EE8CEC95DB8CAF8E968BC68C7689E >

通常の届出に係る加算等のサービス種類算定の開始時期 定期巡回 随時対応型訪問介護 届出が毎月 15 日以前になされた場合には看護翌月から 複合型サービス( 看護小規模多 16 日以降になされた場合には翌々月から機能型居宅介護 ) 夜間対応型訪問介護 ( 介護予防 ) 認知症対応型通所介護 ( 介護予

. 条例のあらまし () 対象地域 駐車場整備地区 (3ページの図参照) または商業地域若しくは近隣商業地域建築物の敷地が 地区または地域の区域とこれら以外の区域にわたる場合は 敷地の過半が属する区域に建築物があるものとみなします () 対象建築物 建築物の用途 対象建築物の規模 表ー 特定用途建築

<4D F736F F D20819A288FB E6318D E6318D E633308D868B6388C429964C8CE391E596EC8E738D7390AD FF097E182CC88EA959489FC90B382D982A932398C8F2E646F6378>

南部地区 地区の名称 南部地区建築物の用途の制限 ( ほなみ町 桜新町 ) 敷地面積の最低限度 ( 東原町 苗津町 長者町の各一部 ) 22.5ha 沿道業務地区 17.6ha 合計 40.1ha 建築物等の形態又は意匠の制限 沿道業務地区には 次に掲げる建物は建築してはならない マージャン屋 ぱち

Microsoft PowerPoint - 資料3 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に.pptx

スライド 1

基準2 消防用設備等の設置単位の取扱いに関する基準

広島市都市計画関係手数料条例の一部改正について ( お知らせ ) 建築基準法施行令の改正に伴い, 小荷物専用昇降機に係る建築物に関する確認申請手数料等を定める とともに, 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の制定に伴い, 建築物エネルギー消費性能 向上計画認定申請手数料等を定める条例改正を

< 千代田五丁目地区地区計画運用基準 > 1 建築物等に関する制限について 閑静な住宅地として良好な住環境の形成 保全及び向上を図るため 地区計画 で次のように定めています (1) 建築物の用途 地区計画で次のような建築物の用途の制限をしています 1 住宅地区 A 2 住宅地区 B 下記の建築物は

建築物定期調査関係

Microsoft Word - 法第43条第2項第2号許可基準

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

< E8BE68C7689E696BC8FCC A2E6169>

1) 超高層建築物 2) 高さが 31m を超える部分又は地下 3 階以下の部分が 安全措置建築物に該当するもの 3) 大規模建築物で 安全措置建築物の部分を有するもの 4) 特に高度な手法により設計された建築物等で 特定行政庁では適正な対応が困難と判断されるもの 2 公的機関に評価の申し込みをする

川越地区消防局 消防署組織図 消防局長 消防局 ( 代 ) 総務課 総務担当 消防団担当 財務担当職員担当 管理担当 予防課 予防担当 査察指導担当 保安担当 警防課 警防担当 装備担当 救急課 0

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

第3章 指導・監査等の実施

総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当

第 6 内装制限 防火材料 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 ( 平成 11 年法律第 87 号 ) が平成 12 年 4 月 1 日に施行されたことに伴い これまでの建設省等の通達等の取扱いについては建築主事等 の執務上の取扱いによることとなった 1 防火材料 (1) 不燃材

病院, 診療所 大西病院 対象外部分 ( 新耐震 ) 昭和 63 年以降増築 2,878 m2 5 階以下 (RC 造部分 ) 旭川市 4 条通 丁目 2230 番 ほか 病院 Is/Iso = 0.2 (.0 ) Z= 0.8, G=.0, U=.0 建替え C TU S D = 0.0 ( 0.

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ

基本方針

社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

2 病院次のいずれにも該当する病院のうち 相当程度の患者の見守り体制を有するもの ( 火災発生時の消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるもの ) 以外のもの ( ア ) 特定診療科名を有するもの ( イ ) 一般病床又は療養病床を有する病院 火災発生時の延焼を抑制

用語集

Data RC 環境の時代

Microsoft Word - 増改築の取扱い

< F2D30315F95FB906A817990BC8B6A8D5B93EC817A2E6A7464>

用途地域変更の考え方 ( 素案 ) 1 駅 駅前広場 アクセス道路沿道の土地利用の促進 駅 北側沿道 25m 以内及び沿道南側街区を近隣商業地域へ変更 18

第2 令別表第1の取扱い

総企第237号

医療事故調査・支援センター~センターの役割と手引~

Microsoft PowerPoint - ①介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて

様式第7の2

(Microsoft PowerPoint - \201w\220\263\201x\223V\210\344\220\340\226\276\211\357.pptx)

< F2D92B78AFA974497C78F5A91EE96408E7B8D738B4B91A C>

地区計画とは 安全で快適な街並みの形成や良好な環境の保全などを目的に, 地区の特性にあったきめ細かな計画を都市計画として定めるものです 建築物等の計画については, 用途, 敷地の最低面積, 壁面の後退, 垣又はさくの構造のルールを定め, 健康で良好な市街地の形成を促し, 周辺の街並みと調和した市街地

目次 1. 用語の説明 1 2. 既存建築物の用途変更のポイント ポイント1. 確認申請の手続き 2 ポイント2. 既存建築物の適法性 3 ポイント3. 用途変更部分の適法性 4 ポイント4. 既存不適格建築物への現行規定の適用 4 3. その他 1) 用途変更の流れ 7 2) 関係法令と手続き窓口

第11回地域活性化WG 資料1-1(その2)

技術的助言

別表 有料老人ホームの類型及び表示事項 類型介護付有料老人ホーム ( 一般型特定施設入居者生活介護 ) 介護付有料老人ホーム ( 外部サービス利用型特定施設入居者生活介護 ) 住宅型有料老人ホーム ( 注 ) 健康型有料老人ホーム ( 注 ) 類型の説明介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で

Microsoft Word - Ⅰ-7_(資料7)_留意事項_

Transcription:

防火安全対策に関する関係機関との連携体制について 資料 2 別添 建築行政マネジメント計画策定指針において 警察 消防 福祉等の関係機関との連携により 執行体制の強化を図ることとしていることを踏まえて 各機関において所管している建築物等について 違反の疑いがある場合等には情報共有を図るよう依頼する等 平時から連絡や相談を行うことができる体制を整備することが必要である 平成 27 年 3 月に 厚生労働省 総務省消防庁 国土交通省の連名でガイドラインを策定し 介護保険部局が介護保険法に基づく新規のサービス事業者の指定の申請を受ける際 消防部局及び建築部局と連携しながら 消防法令及び建築基準法令への適合状況を確認することにより 新たな不適合施設の発生を防止する体制を構築した 例 : 介護保険の事業者指定時の法令適合状況確認フロー 事業者介護保険部局消防部局 建築部局 申請 相談 提出 新築 増改築に限る 適合確認 検査済証 による法令適合確認 審査へ 適合未確認 情報提供文書照会 文書回答 あり又は手続き不要 台帳等の確認 法令上必要な手続きの実施の有無 ( 略 ) 求め 申請に際して 法令への適合状況について消防部局又は建築部局の確認を受けるよう求める 文書回答 なし 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドライン ( 平成 27 年 3 月 31 日 厚生労働省 総務省消防庁 国土交通省 ) より抜粋 また 平成 30 年 1 月に発生した札幌市の寄宿舎火災を受け 平成 30 年 3 月に 厚生労働省 総務省消防庁 国土交通省の連名で通知を発出し 地方公共団体の福祉部局 消防部局及び建築部局が連携して 生活困難者等が居住する施設について 防火上の課題がある旨の情報を把握した福祉部局は 消防部局 建築部局に対して情報提供を行い 合同で防火安全対策を助言する等の体制を構築した 1

生計困難者等の住まいにおける防火安全対策の助言等について ( 平成 30 年 3 月 20 日厚生労働省 消防庁 国土交通省連名通知 ) 1. 緊急点検 防災査察等の早期実施 消防 建築部局は 木造の寄宿舎等 1 に係る防火安全性についての緊急点検 防災査察等を早期に実施 (2 月 1 日既出の通知に係る対応 ) 1: 昭和 50 年以前に新築された木造 2 階建て以上の寄宿舎又は下宿で 延べ面積 150 m2以上のもの 2. 福祉部局 福祉事務所 消防部局 建築部局の連携による防火安全対策の助言等 (1) 福祉事務所は 生活保護受給者への訪問調査時に 未届施設 ( 未届の無料低額宿泊所及び有料老人ホーム ) やその可能性のある類似施設 2 を把握した際には 助言等 3 及び防火上の点検 4 を実施するとともに 福祉部局と情報共有 福祉部局は 未届施設及び類似施設の実態把握並びに未届施設への届出励行を実施 2: 例えば 高齢者世帯が 10 世帯以上あり かつ 介護が必要な方や障害のある方が複数居住している建物で 食事提供を行っているものを中心に確認 3: 助言の内容は別紙 1 4: 点検項目は別紙 2 (2) 福祉部局は 以下の建物についての情報を消防 建築部局に提供 5 1 (1) により把握した情報を踏まえ 福祉部局が 未届施設と判断 6 した施設 6: 今後 制度改正等にあわせて届出指導の対象となる判断基準を厚生労働省において示す際には 改めて情報提供に係る通知を予定 2 (1) により把握した情報を踏まえ 福祉部局が 類似施設であって 避難の困難性 ( 入居者の状況 7 ) や防火安全性 ( 建物や設備の状況 8 ) から特に助言等を行う必要があると考えるもの 7: 福祉部局 福祉事務所が把握した入居者の状況も共有 8: 点検項目は別紙 2 (3) 福祉 消防 建築部局は (2) の施設 ( 平成 30 年度においては 1 の緊急点検 防災査察等を行っていないもの ) について 必要に応じて 合同で訪問し 助言等を実施 9 9 特に優先して当該三部局による助言等を行う建物を 別紙 2 を参考として 福祉部局が中心となり選定 (4) 福祉部局 福祉事務所は (1) による点検や (3) による助言等の結果 改善が見込まれず 消防 建築部局の協力を得て 明らかに危険な建物と判断されるときは 入居者の生活実態に配慮しつつ 転居等を支援 3. 無料低額宿泊所 有料老人ホームにおける防火上の安全性の確保 無料低額宿泊所 有料老人ホームの事業者に対して 防火安全対策にかかるリーフレットを送付するとともに 個々の生活保護受給者 ( 無料低額宿泊所 有料老人ホーム以外の住まいを含む ) に対しても注意喚起のためのリーフレットを順次送付 2

訪問調査時の入居者向け助言 注意喚起事項 以下の着眼点について 助言 注意喚起を実施 別紙 1 入居者向けの助言 注意喚起事項 着眼点 1 たばこの吸い殻の管理状況 2 ストーブの使用状況 助言 注意喚起の内容 たばこの吸い殻は 灰皿に水を入れて処理すること 寝たばこは 絶対しないこと ストーブは 燃えやすい物の近くで使わないこと ( 例 : ストーブの近くに洗濯物を干さないこと等 ) ストーブの灯油は 建物管理者が決めた場所 時間での給油を行うなど 適切に管理すること ガスこんろの周りに 物を置かないこと 3 ガスこんろの使用状況 ガスこんろは 壁から離して使うこと ガスこんろから離れる時は 必ず火を消すこと コンセントは たこ足配線をしないこと 4 コンセントや電気コードの使用状況 使わない電化製品のコンセントを挿したままにしないこと 電気コードは家具の下敷きにしたり 束ねたりしたままで使用しないこと 5 廊下や階段の状況 灯油のポリ容器や多量の段ボール 新聞紙など 燃えやすいものを廊下や階段に置かないこと 廊下や階段に 避難の妨げになる物を置かないこと 6 住宅用火災警報器の点検状況 住宅用火災警報器を定期的に点検すること 3

訪問調査時の防火点検事項 確認項目欄の各項目をチェックし その結果を踏まえて 特に当該三部局による助言等を行う必要がある建物を選定 別紙 2 特に火災危険性や避難の困難性が高い状況であることの確認事項 確認項目 確認結果 1 3 階建以上の建物で 階段室に扉が設置されていない該当 / 非該当 2 避難経路に妨げになる物が大量に置かれ 人ひとりが通行することもできない状況である 該当 / 非該当 3 各世帯に火災警報器が設置されていない該当 / 非該当 4 外壁の屋外面に 木材が露出して使用されている該当 / 非該当 5 灯油が大量に置かれている該当 / 非該当 6 住室間の壁のうち 増設されたもの がある該当 / 非該当 ひとつの窓を分断するように設置されているものや 住室が極端に狭くなるように設置されたものなど 特に当該三部局による助言等を行う建物の選定に際し 優先するもの ( 例 ) 1 昭和 50 年以前に新築された木造 2 階建て以上の下宿 寄宿舎又は共同住宅注 ) で 延べ面積 150m2以上のもの 2 特に火災危険性や避難の困難性が高い状況であることの確認事項 の1~6のうち 該当する項目の多いもの 注 ) 平成 30 年度においては 平成 29 年度の緊急点検において対応済みの下宿又は寄宿舎を除く 4

定期報告の対象となる建築物 現行制度 政令指定 現行制度において 定期報告対象として一律に政令で指定されている建築物は下表に掲げられているものであって 用途部分の床面積が 100 m2を超えるもの ( この他 特定行政庁で指定するものが あわせて定期報告の対象となる ) 今回の改正法案により 定期報告対象として一律に政令で指定されるものは 用途部分の床面積が 200 m2を超えるものに限られることとなる 一方で 用途部分の床面積 200 m2以下であっても 下表に掲げる建築物については 避難上の配慮が必要であることから 特定行政庁において定期報告対象として指定することが望ましい ( 今後 改正法案が成立した場合には 技術的助言などで あらためて依頼する予定 ) 劇場 映画館 演芸場 観覧場 ( 屋外観覧場を除く ) 公会堂 集会場 病院 有床診療所 旅館 ホテル 就寝用福祉施設 ( 別表 ) 対象用途対象用途の位置 1 規模 2 ( いずれかに該当するもの ) 体育館 博物館 美術館 図書館 ボーリング場 スキー場 スケート場 水泳場 スポーツの練習場 ( いずれも学校に附属するものを除く ) 百貨店 マーケット 展示場 キャバレー カフェー ナイトクラブ バー ダンスホール 遊技場 公衆浴場 待合 料理店 飲食店 物品販売業を営む店舗 13 階以上の階にあるもの 3 主階が1 階にないもの 13 階以上の階にあるもの 3 地階にあるもの 2 客席の床面積が200m2以上のもの 4 地階にあるもの 2 客席の床面積が 200 m2以上のもの 13 階以上の階にあるもの 22 階の床面積が 300 m2以上であるもの 3 3 地階にあるもの 13 階以上の階にあるもの 2 床面積が 2,000 m2以上であるもの 1: 該当する用途部分が避難階のみにあるものは対象外 2: 病院 有床診療所については 2 階の部分に患者の収容施設があるものに限る 13 階以上の階にあるもの 22 階の床面積が500m2以上であるもの 3 床面積が3,000m2以上であるもの 4 地階にあるもの 就寝用福祉施設 サービス付き高齢者向け住宅 認知症高齢者グループホーム 障害者グループホーム 助産施設 乳児院 障害児入所施設 助産所 盲導犬訓練施設 救護施設 更生施設 老人短期入所施設 小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護の事業所 3 老人デイサービスセンター ( 宿泊サービスを提供するものに限る ) 4 養護老人ホーム 特別養護老人ホーム 軽費老人ホーム 有料老人ホーム 母子保健施設 障害者支援施設 福祉ホーム 障害福祉サービス ( 自立訓練又は就労移行支援を行う事業に限る ) の事業所 ( 利用者の就寝の用に供するものに限る ) 3 老人短期入所施設 に該当 4 老人短期入所施設に類するもの に該当 5

定期報告の対象となる建築物 建築設備等 現行制度 特定行政庁指定 特定建築物 特定建築設備等のうち 政令で指定されていない建築物 建築設備等を それぞれの特定行政庁において指定する 指定にあたっては 地域の実情 ( 特に物件数の多い用途 規模のものなど ) に応じて 定期的な報告を求めておく必要性が高いものに配慮する必要がある 法別表第一に掲げる用途事務所その他これに類する用途 1,000 m2超かつ階数 5 以上 1,000 m2以下又は階数 4 以下 100 m2超 100 m2以下 特定建築物 ( 一定規模の ) 劇場 観覧場 病院 旅館 飲食店 物販など 学校 共同住宅 小規模な劇場 病院など昇降機特定建築物に設置特定建築物以外の建築物に設置 特定建築設備等防火設備建築設備 政令指定の建築物 政令指定の建築設備等 給排水設備 換気設備 排煙設備 非常用照明装置など 政令指定の建築物に設置 2 0 0 m2以上の病院 就寝用福祉施設に設置 エレベーター エスカレーター 小荷物専用昇降機 ( フロアタイプ ) 6