Microsoft PowerPoint - 資料2 防衛省資料(セット).pptx

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1. 自衛隊と関係機関の連携 < 発災当初から 被災者の捜索や人命救助活動を全力で実施 > 警察 消防 海上保安庁等と協力し 津波等により孤立した地域や倒壊家屋等から多数の被災者を救出 米軍 警察 消防 海上保安庁等と共同し 被災 3 県の沿岸 河口部を中心とした集中捜索を実施 関係機関との連携 1

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自衛隊の原子力災害派遣に関する達

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

1/5 総括調査票 事案名 (36) 予備自衛官制度の運用 調査対象予算額 平成 24 年度 :8,049 百万円平成 23 年度 :8,081 百万円 所管防衛省組織防衛本省会計一般会計 調査区分 取りまとめ財務局 本省調査 - 1 調査事案の概要 事案の概要 予備自衛官制度は いざという時に必要

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

☆配布資料_熊本地震検証

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも


02一般災害対策編-第3章.indd

30 第 1 部現地における災害応急活動 阿蘇大橋付近の被害状況 ( 熊本県阿蘇郡南阿蘇村 ) 熊本城の被害状況 ( 熊本県熊本市 ) 2

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

Microsoft PowerPoint ★最終取りまとめ★【最終セット版】【公表HP用】(片面)

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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1 検査の背景 我が国の防災の基本法として災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) が制定されている 同法によれば 内閣府に中央防災会議を置くとされ 同会議は 災害予防 災害応急対策及び災害復旧の基本となる防災基本計画の作成 その実施の推進 防災に関する重要事項の審議をそれぞれ行うな

(6) 行方不明者の捜索 (7) 治安の維持 (8) 被災者等への情報伝達 (9) 前各号に掲げるもののほか 派遣先都道府県警察の長が特に指示する活動一部改正 平成 25 年第 15 号 ( 即応部隊の活動 ) 第 4 条即応部隊は 大規模災害発生時に直ちに被災地等へ赴き それぞれ次に掲げる活動を行

二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

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火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

平成16年新潟県中越地震 JR西日本福知山線列車事故 16年10月23日に発生した新潟県中越地震は 死者68人 災害関連死を含む という被害を もたらしました この地震を契機に 警察では 極めて高度な 救出救助能力を必要とする災害現場において 迅速かつ的確に被災者の救出救助を行う専門部 隊として 1

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

Microsoft PowerPoint - 【参考配布】広域.pptx

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

中央防災会議議事次第 日時 : 平成 25 年 3 月 26 日 ( 火 )7:47~8:02 場所 : 官邸 4 階大会議室 1. 開会 2. 会長発言 ( 内閣総理大臣 ) 3. 議題 (1) 災害対策法制の見直し 南海トラフ巨大地震対策及び首都直下地震対策の検討状況について 報告事項 (2)

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

先行的評価の対象とするユースケース 整理中. 災害対応に関するユースケース. 健康に関するユースケース. 移動に関するユースケース. 教育に関するユースケース. 小売 物流に関するユースケース 6. 製造 ( 提供した製品の保守を含む ) に関するユースケース 7. 農業に関するユースケース 8.

各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

2. 防災拠点の代替施設の指定防災拠点施設が被災し使用不能となれば 災害対策本部等が設置できず 活動体制全体に遅れが生じ 迅速な災害対応を指揮することが困難となるとともに 災害対応以外の業務 ( 通常業務 ) を行うことも困難となるため 代替施設での対応が必要となります そのため 防災拠点施設におい

( 災害医療調整本部の所管事務 ) 第 4 条災害医療調整本部は 次の事務をつかさどる (1) 全県域を対象とした医療資源の配置調整及び患者搬送調整に関すること (2) 国や他都道府県等に対する医療支援の要請及び受入れと その派遣調整に関すること (3) 地域災害医療対策会議の支援に関すること (4

事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

定された 東海地震 の地震防災対策強化地域において 自衛隊法第 83 条の2の規定により 地震防災派遣を実施する部隊の長をいう ⒁ 南海トラフ地震 とは 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第 2 条第 2 項に規定する南海トラフ地震をいう ⒂ 日本海溝 千島海溝周辺海溝型地震

Microsoft PowerPoint - 修正●【HP版】概要版.ppt

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前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

第3編 災害応急対策

新規文書1

00 表紙・目次

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

災害時に必要な物資の備蓄に関する行政評価・監視<中間報告>

2

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1青森県防災ヘリコプター運航管理要綱

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(取組名を記載)

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九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

Taro-309 緊急事態における新潟県警察の組織に関する要綱の制定について(例規通達)

内閣官房内閣情報調査室 Cabinet Intelligence and Research Office 2013

平成 30 年 7 月豪雨に係る初動対応検証レポート 平成 30 年 11 月 平成 30 年 7 月豪雨に係る初動対応検証チーム

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大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保

大規模イベント開催時の危機管理等における消防機関のあり方に関する研究結果について ( 概要 ) 研究の趣旨 現在 国際社会では各地で多様な形態のテロが発生し また NBCテロ災害等 特別な備えが必要となる事案が発生する恐れも増してきている 2019 年のラグビーワールドカップ 2020 年のオリンピ

( ウ ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認め

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10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

Microsoft Word - RIN81_第8章.doc

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

Microsoft Word - 目次

病院機構災害医療センター ( 以下 災害医療センター という ) に DMAT 事務局を設置する 都道府県は 通常時に DMAT 運用計画の策定 医療機関等との協定の締結等を行い 災害時に 計画に基づき DMAT を運用し 活動に必要な支援 ( 情報収集 連絡 調整 人員又は物資の提供等 ) を行う


1 第節 警察の組織 1 警察の組織 (1) 公安委員会制度 公安委員会制度は 強い執行力を持つ警察行政について その政治的中立性を確保し かつ 運営の独善化を防ぐためには 国民の良識を代表する者が警察の管理を行うことが適切と考えられたため設けられた制度であり 国に国家公安委員会を置いて警察庁を管理

熊本地震検討WG方向性について(案)

2. 大規模津波防災総合訓練実行委員会設立準備会 日 場 時 : 平成 29 年 12 月 19 日 ( 火 ) 午後 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 所 : 四日市市役所 6F 本部員会議室 準備会参加機関 : 中部管区警察局 陸上自衛隊第 10 師団海上自衛隊横須賀地方総監部 航空自衛隊中部

各部会の活動状況予定200505

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国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

Microsoft Word - 06_資料6_災害廃棄物対策に関して今後取組むべき事項とその進め方について(案)

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福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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資料 -3 事業継続ガイドラインの改定について 平成 25 年 7 月 24 日内閣府 ( 防災担当 ) 普及啓発 連携担当

[平常時及び災害時におけるそれぞれの役割]災害時におけるペットの救護対策ガイドライン

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時間災害状況等の推移関係機関関係機関の活動内容道府県 ( 防災本部 ) の留意事項 ( 評価の視点 ) 1 日目 3.1 地震に基因する標準災害シナリオ 9:00 (0:00) 地震発生 ( 震度 6 強 ) 特定事業所 施設等の緊急停止措置 災害拡大防止上必要な施設の手動停止操作 地震発生後 速や

Transcription:

24.4.26 第 8 回防災対策推進検討会議資料 資料 2 防衛省 自衛隊における 防災対策の取組について 防衛省

防衛省の防災対策取り組みの現況と今後の重視事項 平成 23 年 3 月 11 日 ~8 月 31 日東日本大震災における 大規模震災災害派遣の実施 部隊の災害派遣活動は 9 月 9 日まで継続原子力災害派遣については 12 月 26 日まで継続 平成 23 年 8 月東日本大震災の対応に関する教訓事項 ( 中間とりまとめ ) 1 各関係機関の役割明確化 複合災害を想定した計画の見直し 2 自治体 関係機関等との共同訓練による計画等の実効性向上 3 各国からの支援受入れに関し 関係省庁との態勢や要領に関する検討が必要 4 行政機能が低下した自治体が生じる状況下で 防衛省 自衛隊がどのような役割を担うべきか検討が必要 平成 24 年 3 月防災対策推進検討会議 中間報告 1 広域災害 大規模発生時における地方公共団体への円滑な支援のための計画策定 指揮命令系統の一元化 2 複合災害への対応時の優先順位 担当主体の明確化 3 海外支援受け入れについての体制の整備 4 人命救助を最優先とした人員 資源配分の見直し これまでの対応状況 部隊輸送力の強化 関係機関等と体制強化 第一線部隊等の人員確保 情報共有手段の強化 駐屯地等機能や体制の維持 強化 予備自衛官施策の充実 各種メンタルヘルスの充実 災害対処能力の向上 ( 装備品 ) の推進 防衛省は 省教訓及び政府 中間報告 に基づき 下記の事項を重視し 防災対策を充実 政府 各関係機関及び米軍との連携強化 複合事態対応 各種地震対処計画の見直し 防衛省 自衛隊の体制整備及び自衛隊統合防災演習等訓練実施 人命救助を重視した対応 内閣府 ( 防災担当 ) と連携し 関係省庁等との役割分担の明確化 指示系統の一元化により人命救助に係る応急対策活動の優先順位及び輸送に係る事項等の課題解消 1

中間報告 各種計画の見直し等の実施及び体制の整備 複合災害に備えるための体制や対策について各種計画への盛り込みを図るべき 災害対応業務を円滑に行うことができるよう 災害対応業務の体制 訓練等の標準化 シナリオ化について検討を進めるべき 今後取り組むべき事項等 自衛隊地震対処計画の見直し 政府の総合防災訓練大綱を踏まえた想定 複合災害を考慮した部隊運用計画ー計画の柔軟性保持 自衛隊の指揮関係の整理等 日米共同の枠組み ( 米軍と自治体との関係を含む ) 検討 24 年度に自衛隊首都直下地震対処計画を見直し ( 今後逐次に各種地震対処計画を見直し ) 防災体制の整備 ( 別紙第 1) 輸送力強化 通信手段確保等体制の整備 政府の対応を踏まえた上での業務の継続性向上を検討 2

訓練による政府関係機関等との連携強化 中間報告 国と地方公共団体 行政と民間等多主体が参画 連携した訓練により実効性を一層確保し脆弱点の洗い出しを行うべき 訓練に当たってより実践的な課題発見型 検証型の訓練への転換を図るとともに 訓練の結果得られた課題や検証の結果を踏まえ 仕組みや対策の具体的見直しを行うべき 今後取り組むべき事項等 年 1 回を基準とし 各種地震を想定した自衛隊統合防災演習を実施 24 年度自衛隊統合防災演習 ( 別紙第 2) の実施 (7/16~7/20) 統合防災演習に関係省庁 地方公共団体 米軍等の参加 ( 依頼中 ) による連携強化するとともに 連携要領について検証 検証結果に基づき 平成 24 年中に首都直下地震対処計画に反映 政府の総合防災訓練大綱を踏まえたシナリオにより演習 政府が実施する総合防災訓練参加 各地の部隊単位での防災訓練の実施 参加による関係機関 地方公共団体等との連携強化 3

関係機関等との役割分担の明確化 中間報告 発災当初は人命救助を最優先とした人員 物資の資源配分を行うこととし 資源配分を見直すべき 大規模災害時に緊急消防援助隊及び警察 自衛隊 医療機関 建設会社等の関係機関 組織が連携して効果的な救助活動を展開するための方策を検討すべき 今後取り組むべき事項等 初動において自衛隊の活動として最も期待される人命救助活動に特化した対応ができるよう その他の活動要領等について内閣府 ( 防災担当 ) を中心として各省庁等と調整し 役割分担を明確化 ( 別紙第 3 第 4) 24 年度自衛隊統合防災演習の実施 政府が実施する総合防災訓練参加 各地の部隊単位での防災訓練の実施 参加による 関係機関 地方公共団体等の役割 権限について検証 検討し 連携強化 4

防災対策の充実 強化に向けた体制整備 別紙第 1 体制整備の一例 部隊輸送力の強化 輸送機等の取得 ヘリ搭載護衛艦の建造 共同転地演習で民間船舶利用 関係機関等と体制強化 関係機関との連携 部隊運用調整機能強化等のための組織力強化 ( 防衛政策企画官 事態対処調整官 日米運用調整官の新設 ) 第一線部隊等の人員確保 後方業務の非常勤職員導入に伴う配置転換により109 名を第一線部隊へ配置 情報共有手段の確保 関係機関 民間通信事業者との現場における情報共有手段の強化 駐屯地等機能や体制の維持 強化 沿岸部に所在する駐屯地等における津波対策や民間委託の在り方の検討 予備自衛官等 円滑 迅速な招集に関し企画調整機能強化のため 予備自衛官室 を設置 各種メンタルヘルス 派遣隊員等の心のケア推進に係る政策立案機能強化のため メンタルヘルス企画官 を新設するとともに 臨床心理士を増員 隊員の健康管理 隊員の被ばく管理のため 被ばく管理簿を人事記録と一体的に保管開始 5

防災対策の充実 強化に向けた取組の検証 別紙第 2 平成 24 年度統合防災演習 ( 指揮所演習 ) 自衛隊統合防災演習 ( 指揮所演習 ) 目的主として自衛隊の災害派遣に係る統合運用について 指揮所活動を演練し 災害対処能力の維持 向上を図る ( 平成 18 年度以降 昨年度を除き毎年実施 ) 平成 24 年度 (7/16~20( 予定 )) 想定 : 首都直下地震 ( 東京湾北部震源 ) 東日本大震災対処の教訓を反映した対処要領を各級部隊等司令部で図上検証 演練 今回の演習のポイント 1 地震の想定マグニチュード 最大震度ともに現行想定を上回る事態を想定する予定 2 他の関係機関の参加他の関係機関との連携強化が重要とする東日本大震災対処の教訓を踏まえ 関係省庁 地方自治体 米軍等に参加を調整 連携要領を検証 3 自衛隊による対処計画の見直し東日本大震災対処の教訓等を踏まえ見直し作業中の自衛隊首都直下地震対処計画に 今回の演習検証結果をさらにフィードバック 6

大規模震災対処原子力災害対処東日本大震災における自衛隊の活動 別紙第 3 3/11 人命救助 大規模震災災害派遣 行方不明者捜索 入浴支援 8/31 終結 (174 日間 ) 給水支援 活動実績 人命救助 :19,286 人 ( 全体の約 7 割 ) ご遺体収容 :9,505 体 ( 全体の約 6 割 ) 物資輸送 :13,906t 給水支援 :32,985t 給食支援 :5,005,484 食入浴支援 :1,092,526 人参加人員 : 延べ人員約 1,058 万人 (1 日の最大派遣人員約 10.7 万人 ) 自衛隊に期待 3/11 12/26 終結原子力災害派遣 ( 中央即応集団主体 ) 7/19 引継原子力災害派遣 ( 東部方面隊主体 ) (291 日間 ) 住民避難支援原発への空中放水 活動実績 原発への空中放水 :4ソーティ 合計約 30t 原発への地上放水 : 合計約 340t ご遺体収容 :62 体 ( 原発 30km 圏内 ) 参加人員 : 延べ人員約 8 万人 緊急患者空輸 原発への地上放水 行方不明者捜索 ( 原発 30km 圏内 ) 一時立入等除染支援 拠点除染 7

東日本大震災における救援物資輸送の対応に関する課題 別紙第 4 今般の大震災の発災当初 自衛隊は人命救助を最優先に活動を実施したが 防衛省 自衛隊に対し各方面から様々な物資の輸送依頼も同時に殺到し 物資の輸送調整に多くの時間を費やした 今後 首都直下地震など更なる大震災が発生した際には 輸送の優先順位や被災者ニーズの把握等の調整まで自衛隊が行うこととなると 初動の自衛隊の活動として最も期待される人命救助活動にも支障を来すことが考えられる また 輸送を一元的に管理せず 各機関等から提供された物資をプッシュ型の輸送により 長期にわたり継続すると 大量の滞留物資が発生し 払い出し ( 仕分け ) や処分に多くの労力を費やすことになる このため 政府緊急災害対策本部の必須の機能として 全体の輸送能力 提供される物資及び被災者ニーズを把握するとともに 輸送の優先順位を速やかに決定するなどの一元管理を行う物資輸送スキームを明確に構築することが重要である 東日本大震災における輸送スキーム 各省庁 自治体 要望 被災地 要望 緊急災害対策本部 防衛省自衛隊 救援物資の輸送にかかる活動の概要 被災地 避難所への輸送 各方面からの輸送依頼の調整 被災地の要望把握主な役割は下記参照 救援物資の駐屯地等への集積 滞留物資の仕分け 処分 民間企業 一部委託 外国 個人 自衛隊輸送スキームを構築 民間輸送事業者 緊急災害対策本部事務局業務マニュアルでは 既に C 班 ( 事案対処班 ) が輸送にかかる統制を担うこととなっているが 東日本大震災では機能せず 見直し及び輸送に係る強化が必要 問題点 救援物資の輸送統制 ( ) が行われず プッシュ型の輸送を継続したため 大量の滞留物資が発生し 払い出し ( 仕分け ) に膨大な時間を費やすとともに 一部の物資は消費期限超過等に伴い処分 提供物資の把握 被災地の要望把握 輸送の優先順位付等 8