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1. 研究開発の背景 目的 目標 2 1.1. 背景 我が国のエネルギー消費の節約は今後の最も大きな課題の一つである 住宅やビルなどの冷暖房および家電製品 輸送機器 エネルギー貯蔵などにおける大幅な省エネ CO 2 削減効果をもたらす断熱材料開発は重要なテーマである 使用期間の長い住宅や建築物で真空断熱材を使用するためには長期間高性能を保持できる高耐久性が求められている 本研究開発は NEDOマルチセラミックスPJ(2007-2011) で開発したナノ多孔構造セラミックス粒子を用いた低真空下で高い断熱性を示す真空断熱材 ( 図 1 図 2) を基本としており 現在のフィルム封止技術では不可避な真空度の経時劣化に対して 耐久性に優れた真空断熱材を提供する事を目指す 10µm 100nm (a) 粒子概観 (b) 粒子断面 熱伝導率 (W/m K) 0.03 0.02 0.01 0.00 空気 粒子系 0.01 0.1 1 10 100 1000 10000 真空度 (Pa) 図ナノ多孔構造セラミックス粒子 図ナノ多孔構造粒子系芯材の熱伝導率

1.2. 従来の課題 目的 目標 3 < 従来の課題 > 取扱いの難しい粒子を真空封入する技術は世の中で確立されておらず 将来的な国際競争力を獲得するためには革新的な高効率製造技術の開発が 必要である < 目的 目標 > 取扱いの難しい粒子を封入する革新的製造要素技術の研究開発と耐久性評価のための試験条件の検討を行う事を目的とし 下記目標項目を達成した 個別研究開発項目の目標 研究開発項目最終目標成果 1) 真空封入向上技術 (min/ サイクル ) 2.5 2.5 2) 初期断熱性能向上 (W/(m K)) 0.004 0.004 3) 耐久性向上技術の開発 30 年間平均の熱伝導率 (W/(m K)) 0.010 0.007 4) 要求性能の検討必要要件検討 品質機能展開表作成し検討済

2. 研究開発体制 研究開発内容 2.1. 研究開発体制 NEDO 株式会社 LIXIL 分担テーマ名 : 高耐久超断熱材に関する研究開発 助成率 :2/3 4 2.2. 研究開発内容 (1) 真空封入向上技術 乾燥などプロセス要素技術の開発 (2) 初期断熱性能向上 封入するシリカ粒子の乾燥プロセスの開発 断熱性向上に向けた複合化検討 (3) 耐久性向上技術の開発 内圧依存性による寿命予測方法の検討 促進試験結果を用いた寿命即方法の開発 (4) 要求性能の検討 品質機能展開表を作成し 必要要件を検討

3. 成果 実績 展望等 3.1. 成果 5 (1) 真空封入向上技術の達成状況 乾燥プロセス 製造プロセスの最適化により目標値を達成した 当初 5.0(min/ サイクル ) 2.5(min/ サイクル ) (1) 乾燥プロセスの検討 粒子の吸湿による影響を評価し 適切な取扱方法によりサイクルタイムの短縮が出来た (2) 製造プロセスの検討 新規製造プロセスの開発による効率化で サイクルタイムの短縮が出来た 1) 真空封入向上技術 (min/ サイクル ) 最終目標 H25 成果達成度 2.5 2.5 達成済

3.1. 成果 6 (2) 初期断熱性能向上の目標と達成状況 粒子設計により初期断熱性能の目標値を達成した 当初 0.005(W/(m K)) 0.004(W/(m K)) (1) 粒子の乾燥プロセスの検討 封入する粒子の乾燥が不十分だと内圧が上昇し 断熱性能を低下させる 粒子毎の吸湿しやすさや乾燥条件について検討し 製造プロセスにおける必要要件を見出した (2) 断熱性向上に向けた複合化検討 他成分系の材料との複合化と混合方法の最適化により初期断熱性能を向上させることが出来た 最終目標 H25 成果達成度 2) 初期断熱性能向上 (W/(m K)) 0.004 0.004 達成済

3.1. 成果 7 (3) 耐久性向上技術の開発の目標と達成状況 今回設定した促進試験条件では 加速度 4.4 倍と 30 年後の予測には 長期間の試験が必要であることがわかった (1) 促進試験による長期耐久性評価 熱伝導率はその真空度依存性より 一定の変化ではないことから 内圧変化量に換算する方法にて耐久性評価を進めた 促進のため 温湿度条件を設定したが 高温すぎるとフィルム破壊による性能劣化が支配的となり 適度な条件が必要であることがわかった 表各促進条件における内圧変化と加速度 20,60%RH 40,90%RH 60,dry 60,90%RH 内圧変化速度 (Pa/day) 0.43 1.01 0.95 1.90 加速度 ( 対 20,60%RH) 1.0 2.3 2.2 4.4

3.1. 成果 (3) 耐久性向上技術の開発の目標と達成状況 真空断熱材の劣化モードについて 8 真空断熱材の熱伝導率は断熱材内部の圧力に依存 熱溶着部からの気体 水蒸気透過をゼロにすることは困難 上面フィルム 気体 水蒸気透過 熱溶着部からの気体 水蒸気透過表面保護層バリア層 (AL) 熱溶着層気体 水蒸気透過 劣化することを前提とした寿命予測が重要ただし 内圧測定は困難 芯材 下面フィルム 図気体および水蒸気透過の模式図 熱伝導率の内圧依存性を測定し寿命予測 1 各内圧での熱伝導率の真空度依存性測定 2 各温湿度条件による促進試験を実施 3 促進試験による熱伝導率変化を測定 4 熱伝導率変化量から 1 の近似式を用いて内圧変化を推定 ( フィルムの気体透過量は一定と仮定 ) 5 各促進条件の内圧変化率からアレニウス式を算出 6 アレニウス式より使用条件下での寿命予測 熱伝導率 (W/m K) 0.04 0.03 0.02 0.01 0 繊維系粒子系 1 10 100 1000 10000 100000 内圧 (Pa) 図真空断熱材の熱伝導率の真空度依存性測定結果

3.1. 成果 9 (3) 耐久性向上技術の開発の目標と達成状況 促進試験の内圧変化率からアレニウス式を算出し 長期間経過後の 熱伝導率変化の予測方法を確立した アレニウス式による寿命予測方法の確立寿命予測は可能だが 温度条件により大きく耐久性は変動する 断熱材の大きさや差圧 温度環境など検証し さらなる推定値の精度向上が必要 ln 内圧変化速度 (Pa/day) 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0-0.5-1.0-1.5-2.0-2.5-3.0 y = -3920.2x + 12.536 y = -4664.5x + 13.558 製造条件 A 製造条件 B 0.0029 0.003 0.0031 0.0032 0.0033 0.0034 0.0035 1/T (K) 図促進条件ごとの内圧変化量のアレニウスプロット 熱伝導率 (W/m K) 0.04 0.03 0.02 繊維系芯材粒子系芯材 30 年後 0.01 30 年後初期 初期 0 1 10 100 1000 10000 100000 内圧 (Pa) 図 30 年後の熱伝導率予測値 ( 製造条件 B,20 ) 初期内圧 : 粒子系 300Pa 繊維系 1Pa で計算

3.1. 成果 10 (3) 耐久性向上技術の開発の目標と達成状況 促進試験より寿命予測方法を確立し 目標値を達成した 30 年間平均の熱伝導率 0.010(W/(m K)) 0.007 (W/(m K)) (1) 製造プロセス改善により耐久性向上 フィルム成型条件 フィルム構成を最適化することで 耐久性向上した (2) アレニウス式による寿命予測方法の確立 促進試験の結果より 内圧変化量からの耐久性評価方法を確立した これにより 30 年間平均の熱伝導率の目標値を達成した 寿命予測は可能だが 温度条件により大きく耐久性は変動する断熱材の大きさや差圧 温度環境など さらなる推定値の精度向上の検証が必要である 最終目標 H25 成果達成度 3) 耐久性向上技術の開発 30 年間平均の熱伝導率 (W/(m K)) 0.010 0.007 達成済

3.1. 成果 11 (4) 要求性能の検討の目標と達成状況 品質機能展開表を作成し 必要要件を抽出することで目標を達成した 品質機能展開表 ( 一部抜粋 ) 初期性能 長期耐久性能 使用適正 高断熱性能 耐久性 高断熱性能 耐久性 使用しやすい 芯材 内袋 評価対象 外装材 V I P 本体 パネル パネル梱包 ラミネート強度 機械特性 耐ピンホール性 シール強度 深絞り性 耐熱温度 熱特性 VIPの熱伝導率が小さい パネルでの熱抵抗が大きい フィルムのガスバリア性が高い 物理ダメージに強い 熱伝導率の内圧依存性が小さい フィルムのガスバリア性が高い 内圧変化が少ない 断熱性能の維持 フィルムの経時劣化が少ない フィルムが化学的ダメージに強い フィルムが物理的ダメージに強い フィルムに耐湿 耐熱性がある 安定した製造ができる 輸送時にダメージがない 施工時のダメージに強い 廃棄しやすい 耐湿熱試験 耐熱クリープ試験 熱冷サイクル試験 断熱特性形状特性 熱伝導率 真空度依存性 熱貫流率 厚み 寸法精度 サイズ 重要度 最終目標 H25 成果達成度 4) 要求性能の検討 必要要件検討 品質機能展開表を作成し検討済 達成済

3.2. 実績等 12 H24 年度 H25 年度 H26 年度 計 特許出願 ( うち外国出願 ) 0 3 1 4 件 論文 ( 査読付き ) 0 0 0 0 件 研究発表 講演 0 0 0 0 件 受賞実績 0 0 0 0 件 新聞 雑誌等への掲載 0 0 0 0 件 展示会への出展 0 1 0 1 件 平成 26 年 9 月 16 日現在

3.3. 今後の展望 13 住宅向け用途の課題と今後の方針 リフォーム向け真空断熱材断熱性能向上により 30~50% の省エネ化を実証済みであり 今後は効果の周知等による市場への展開を目指す 課題は 断熱材区分と耐久性保証についての基準 規格の確立 新築向け真空断熱材市場規模は大きく魅力的であるが ヒアリング等での市場調査の結果 断熱材区分と耐久性保証についての基準 規格が必要