日本医療機器学会第2種滅菌技士講習会

Similar documents
日本医療機器学会第2種滅菌技士講習会

Ⅳ 標準予防策


学校歯科健診器具の消毒に関するガイドライン

PowerPoint プレゼンテーション

それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ

Ⅶ. カテーテル関連血流感染対策血管カテーテルに関連して発生する血流感染であるカテーテル関連血流感染は 重要な医療関連感染の一つである 他の感染巣からの 2 次的な血流感染は除外される 表 1 カテーテル関連血流感染における微生物の侵入経路侵入経路侵入機序カテーテル挿入部の汚染挿入時の微生物の押し込

洗浄・消毒・滅菌

CHGエタノール消毒液1%製品情報_PDF

<8AC7979D895E CC81698DC A2E786477>

目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/ PDF

トイレの便座 ドアノブなどの消毒方法 トイレの便座 便器の水洗の取っ手 ドアノブ 手すり等は定期的に清掃し 0.1~0.2% の逆性石けんや両性界面活性剤などで拭きます 消毒薬の散布や噴霧は適しません 食器 調理器具の消毒方法 包丁 食器 まな板 ふきん たわし スポンジなどは使った後すぐに 洗剤と

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案)

1 2

第3類危険物の物質別詳細 練習問題

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ


2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

針刺し切創発生時の対応

医療機器添付文書の手引書第 5 版 第 3 章第 3 節 < テンプレート > についての補足解説 1. パルスオキシメータ (WG2 6.1から6.4) テンプレートを利用する場合 以下 5 点の解説を参照すること パルスオキシメータ ( 本体 ) 6.2 パルスオキシメータ ( 一体

HPM_381_C_0112

カテーテル管理

血管留置カテーテルに関連した血流感染対策

DNA/RNA調製法 実験ガイド

<4D F736F F F696E74202D208B678FCB8E9B D C982A882AF82E98AB490F5975C966891CE8DF482CC8A B8CDD8AB B83685D>

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

2)感染予防策ガイドライン

第2章マウスを用いた動物モデルに関する研究

4. 加熱食肉製品 ( 乾燥食肉製品 非加熱食肉製品及び特定加熱食肉製品以外の食肉製品をいう 以下同じ ) のうち 容器包装に入れた後加熱殺菌したものは 次の規格に適合するものでなければならない a 大腸菌群陰性でなければならない b クロストリジウム属菌が 検体 1gにつき 1,000 以下でなけ

<4D F736F F D2093C58C8088C38B4C A F94708AFC96405F2E646F63>

Microsoft Word - sa_niflec_ doc

日本泌尿器科学会雑誌第100巻第4号

Introduc>on 鎖骨下 内頚および大腿への中心静脈カテーテル挿入は 感染 血栓形成 機械的合併症と関連性がある カテーテル関連血流感染 (CRBSI) は 患者予後および医療費の増加に重大な影響を及ぼしている

PowerPoint プレゼンテーション

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

内視鏡技師学会抄録 日本環境感染学会 東京医療保健大学大学院准教授伏見了 様々な消化器疾患の予防 検査 診断および処置において 消化管用軟性内視鏡は非常に有益な電子装置 ( 器具 ) である しかし スコープ本体内に基本的に洗浄が困難な細径チャンネルを内蔵し また対象患者数に比較して一般的に所有スコ

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

感染症対策

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

PowerPoint プレゼンテーション

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

院内感染対策相談窓口 質疑応答集(平成26年度)

Microsoft Word - 酸塩基

GPS 安全性要約書 苛性ソーダ(48%)

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

血管留置カテーテルに関連した血流感染対策

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

Microsoft PowerPoint - リーダー養成研修(通所)NO1 

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

遡及調査にて77日前の献血時のHBVウイルス血症が確認できた急性B型肝炎の一例

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

もくじ 手洗い 衛生的手洗い 1 手術時手洗い 3 器具 器械等の消毒 5 環境消毒 12 生体の消毒 15 参考文献 22 抗微生物スペクトル 23

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

実践!輸血ポケットマニュアル

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

A6/25 アンモニウム ( インドフェノールブルー法 ) 測定範囲 : 0.20~8.00 mg/l NH 4-N 0.26~10.30 mg/l NH ~8.00 mg/l NH 3-N 0.24~9.73 mg/l NH 3 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

資料4-3 木酢液の検討状況について

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

Taro-SV02500b.jtd

Transcription:

医療関連感染対策 平成 24 年 11 月 21 日 7. 消毒 滅菌保証 消毒の定義 洗浄 : 有害な微生物を減少または除去 消毒 : 有害な又は目的の微生物を化学的に減少 福島県立医科大学 感染制御学 滅菌 : すべての微生物を殺滅または除去 金光敬二 病院にあるさまざまな物品 手すり 床 内視鏡 点滴台 どのような機材 物品をどのような消毒薬で消毒するのかスポルディングの分類 クリティカル 体温計 ガーグルベースン セミクリティカル ノンクリティカル 傷口 術創 1

芽胞 消毒薬のスペクトル結核菌一般細菌糸状真菌ウイルス酵母様真菌薬薬薬熱水 消毒薬の分類 分類消毒薬効果 グルタラール フタラール 次亜塩素酸ナトリウム アルコール ポビドンヨード 塩化ベンザルコニウム クロルヘキシジン 両性界面活性剤 大量の芽胞を除きすべての微生物を殺滅 芽胞以外のすべての微生物を殺滅 結核菌 ウイルス 消毒薬に抵抗性の菌を除いた微生物を殺滅 消毒薬の抗菌スペクトル : 有効 : 常温温度 短時間または規定時間の背接触で抵抗性を示す菌が報告されている : 一部有効または効果が劣る : 無効 分類 消毒薬一般名 エンベロープ有 HIV HCV ウイルス HBV エンベロープ無 芽胞 分類 グラム陽性菌 グラム陰性菌 真菌 消毒薬一般名 抗酸菌 一般菌 MRSA 一般細菌非醗酵 酵母菌 糸状菌 グルタラール フタラール グルタラールフタラール次亜塩素酸ナトリウム 次亜塩素酸ナトリウム ポドドンヨード 消毒用エタノール ポビドンヨード消毒用エタノールイソプロパノール イソプロパノール クロルヘキシジングルコン酸塩 クロルヘキシジングルコン酸塩 ベンザルコニウム塩化物 塩酸アルキルジアミノエチル グリシン ベンザルコニウム塩化物 塩酸アルキルジアミノエチルグリシン 薬 損傷のない粘膜創のない皮膚のある 内視鏡呼吸器装置麻酔装置経食エコーペッサリング に接触するものグルタラールフタラール 大腸内視鏡によって伝播した C 型肝炎ウイルス N Engl J Med. 1997 Jul 24;337(4):237-40 2

背景 1995 年 6 月 55 歳男性 ( 症例 1) とその妻 54 歳 ( 症例 2) が悪心腹痛 結膜黄疸の肝炎様症状があった 1995 年 10 月両症例とも肝機能異常があり精査目的で入院 両症例とも ALT 上昇 HCV 抗体陽性 両症例とも 同年の献血時には陰性であった 輸血歴はない 結腸癌の家族歴がある 両症例とも発症 3 ヶ月前に大腸内視鏡の施行歴 内視鏡検査との時期的な関係より院内感染を疑う 血清アラニンアミノトランスフェラーゼ HCV 抗体 HCVRNA HCV 抗体 HCVRNA (U/L) -- -- 1 2 3 4 6 7 - - 大腸内視鏡 大腸内視鏡 + NT 悪心 5 8 9 10 11 12 + + + NT 嘔吐悪心 + + 月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 症例 1 55 歳男性 症例 2 54 歳女性 調査 感染経路の特定 その検査に関わったスタッフのHCV 感染の有無 同じ日に大腸内視鏡検査をした患者 麻酔 内視鏡検査の手順の確認 大腸内視鏡の洗浄と消毒の手技の確認 医療従事者でHCV 感染者はいなかった 同日に42 歳の女性のみが内視鏡によるポリープ切除を受けていたことが判明 ( 症例 3) この患者はHCV 抗体陽性であった 遺伝子型による裏づけ 3 人の患者とも 1b 型で NS3 領域の相同性は 100% であった 原因の特定 当日の検査の順番 ( 症例 3) 10:10~10:30 ( 症例 2) 11:00~11:30 ( 症例 1) 12:00~12:30 大腸内視鏡 内視鏡 生検鉗子は同一いずれも生検標本を採取 2% グルタールアルデヒドに 5 分浸漬 水洗 乾燥した 生検用吸引チャンネルのブラッシングが不十分生検鉗子洗浄後グルタールアルデヒドで消毒していた 結論 内視鏡の再処理が適切でないことによる感染 グルタラール ( グルタルアルデヒド ) OHC-CH 2 -CH 2 -CH 2 CHO ( 商品名 : ステリハイド サイデックス ) 作用メカニズムアルデヒドによる蛋白の凝固組織浸透性は低い常用濃度 2%( 内視鏡の消毒などに使用される ) 副作用皮膚 脱色 皮膚炎 角化症呼吸器 鼻炎 喘息 気管支炎 呼吸障害 咽頭痛眼球 結膜刺激 結膜炎 流涙消化器 悪心 嘔吐空気中の基準 0.2ppm( 米国 OSHA 英国) 3

フタラール ( オルトフタールアルデヒド ) -CHO -CHO 性質 ( 商品名 : ディスオーパ ) 高温 (40 度以上 ) アルカリ性 (ph>9) 光により分解する 作用メカニズムアルデヒド基と蛋白のアミノ基の脱水反応 常用濃度 0.3%( 内視鏡の消毒などに使用される ) 副作用経尿道的検査に使用する機材に使用しないこと 超音波白内障手術器具類に使用しないこと 経食エコーのプローブでショック 皮膚 衣類の蛋白質と結合し着色する 0.55% フタラール ( 商品名 : ディスオーパ ) 0.55% 0.3% 以上であることを確認することまた14 日を超えないこと 1) テストストリップストリップを消毒液に1 秒ひたす結果は 90 秒後に判定保存は 室温で ( 冷蔵は禁 ) 価格 : 無償で提供 2) 簡易濃度測定機器薬液を少量採取して測定する目視判定でないコンピューター管理も可能定価 :30 万円 ( 保守費用 1 年 3 万 5 千円 ) 酢酸 (CH 3 COOH) と過酸化水素 (H 2 O 2 ) の化合物 お酢の臭い作用メカニズム ( 商品名 : アセサイド ) ヒドロキシラジカルによる細胞蛋白の変性それに基づく輸送阻害 代謝の不活化常用濃度 0.3w/v%( 内視鏡の消毒などに使用される ) 第一剤 50ml 及び第二剤 50mlと精製水 900mlを混合する ) 特徴腐食性のため鉄 胴 真鍮 亜鉛 炭素鋼などには使用できない変異原性なしアレルギーや感作の報告なし作業環境にもやさしい 6% ( 商品名 : アセサイド ) 6% 自動内視鏡洗浄消毒装置 実用濃度 0.2% 以上であることを確認すること また 14 日を超えないこと 1) アセサイドチェカー 試験紙タイプ開封後は6カ月間有効保存は 要冷蔵価格 :3000 円 (100 枚 ) 2) ポータブル濃度チェッカーオリンパス薬液を少量採取して測定する目視判定でない定価 :9 万 5 千円 ( メンテ不要 ) ただし セルセット1 万円 (60 回分 ) OER-3 オリンパス エンドクレンズ-D ジョンソンエンドジョンソン 耳鼻咽喉ビデオスコープ OER-S 4

消毒薬の分類 分類消毒薬効果 グルタラール フタラール 次亜塩素酸ナトリウム アルコール ポビドンヨード 塩化ベンザルコニウム クロルヘキシジン 両性界面活性剤 大量の芽胞を除きすべての微生物を殺滅 芽胞以外のすべての微生物を殺滅 結核菌 ウイルス 消毒薬に抵抗性の菌を除いた微生物を殺滅 次亜塩素酸ナトリウム (NaOCl) 性質塩素臭あり 水溶液はアルカリ性血液 蛋白などの有機物と接触するとNaClとなるハイポライト作用メカニズム細菌の細胞膜 細胞質中の有機物を酸化分解 ウイルスの蛋白を酸化常用濃度 0.001%~1%(10000ppm) 副作用金属に対し腐食性 10% 溶液 6% 溶液 1% 溶液 酸性液と混合し塩素ガス発生 血液 体液 排泄物などに汚染された器具 リネン 環境の消毒医療用具の消毒 (1 分以上浸漬 ) 手術室 病室 家具 物品などの消毒 ( 清拭 ) 哺乳瓶 乳首 遮光し 冷所保存 ハイポライト ピューラックス ミルトン ハイポライト 添付文書より 次亜塩素酸ナトリウムの用途別の濃度 消毒用エタノール エタノール (CH 3 -CH 2 -OH) 15 でエタノール 76.9v/v%~81.4v/v% を含んでいる 無色 速乾性であり 引火性あり作用メカニズム菌体の蛋白の変性 溶菌作用 代謝機構阻害用途注射部位の消毒 体温計などの消毒特徴 に対し消毒効果が弱い 粘膜には使用しない 創傷部位もさける イソプロパノールは エタノールより吸入毒性が強い イソプロパノールは エタノールに比べ親水性ウイルス ( アデノ ロタ ) 万能壷 単包化 適切な管理が必要 アルコールが揮発する 管理しやすい 低コストになってきた 5

ポビドンヨード ( 商品名 : イソジン ネオヨジン ) 作用メカニズム H 2 OI + が微生物の蛋白に直接働くと考えられている常用濃度 10%( 原液 ) 使用方法手術部位の皮膚の消毒手術部位の粘膜の消毒その他 創傷部位の消毒 熱傷部位の消毒 注意点 塗布後乾燥させる ( 接触性皮膚炎の防止 ) 直射日光を避ける ( 製品の温度が上昇 ) オートクレーブにはかけない ( 消毒効果が低下 ) 揮発性あり性 ( 蓋をあけたままにしない ) 胎盤通過性あり着色性あり 化膿性股関節炎の手術風景 消毒薬の分類 分類消毒薬効果 グルタラール フタラール 次亜塩素酸ナトリウム アルコール ポビドンヨード 塩化ベンザルコニウム クロルヘキシジン 両性界面活性剤 大量の芽胞を除きすべての微生物を殺滅 芽胞以外のすべての微生物を殺滅 結核菌 ウイルス 消毒薬に抵抗性の菌を除いた微生物を殺滅 ベンザルコニウム 作用メカニズム陽イオンが菌体の表面に吸着され蛋白の変性を起こす 常用濃度皮膚消毒 0.05%~0.1% 特徴 [C 6 H 5 CH 2 N(CH 3 ) 2 R]Cl 皮粘膜 創傷部位 0.01%~0.025% 結膜のう洗浄液 0.01%~0.05% 経口毒性が強い 大量の場合 嘔吐 腹痛 咽頭 食道の腐食 血圧低下 呼吸麻痺 チアノーゼなどの症状がある ( 商品名 : オスバン ザルコニン ) 有機物の共存は消毒効果を減弱 ( 石鹸は良く洗い流す ) 蜂窩織炎症例 クロルヘキシジングルコン酸塩 9 月 11 日入院時 9 月 24 日 栄養型細菌に効果がある 耐性菌が報告されている (Pseudomonas spp Burkholderia spp Serratia spp) 5% 作用メカニズム ( 商品名 : ヒビテン ) 細胞膜に障害 ( 低濃度 ) 細胞質内の蛋白を変性 ( 高濃度 ) 常用濃度手指 皮膚消毒 0.1%~0.5% 皮膚の創傷部位の消毒 0.05% 特徴経口毒性が少ない 粘膜の使用禁止 6

クロルヘキシジンの用法用量 ヒビテン 添付文書より 血管内留置カテーテル関連感染予防のための CDC ガイドライン 2011 皮膚の前処置 1. 末梢静脈カテーテルを挿入する前に 消毒薬 (70% アルコール ヨードチンキ ヨード製剤 クロルヘキシジン製剤 ) を用いて皮膚を消毒する IB 2. CVC 末梢静脈カテーテルを挿入する前あるいはドレッシング交換時は 0.5% より高濃度のクロルヘキシジンを含むアルコール製剤で皮膚を消毒する もしクロルヘキシジン製剤が禁忌なら ヨードチンキ ヨードフォ 70% アルコールが代替として使用できる IA 3. 皮膚消毒において クロルヘキシジン含有アルコール製剤とポビドンヨード含有アルコール製剤の比較検討はなされていない未解決の問題 4. 2 カ月未満の乳児における クロルヘキシジンの安全性と有効性に関する推奨はない未解決の問題 5. カテーテル挿入時は 製造販売業者の推奨に従って消毒薬が乾燥するのを待つ IB 福島医大のマニュアル中心静脈ライン挿入時には マキシマルバリアプレコション皮膚消毒 綿球を用いて広い範囲を消毒挿入部の管理は 綿棒を用いて 様々なクロルヘキシジン製剤 Solu I.V. TM Maxi Swabsticks Solu I.V. TM Swabsticks 適応末梢カテーテルの挿入カテーテル挿入部のケア血液培養の血液採取時 10cm 10cmの皮膚消毒 Tegagerm TM CHG Securement Dressing 適応中心静脈カテーテル末梢穿刺中心静脈カテーテルミッドラインカテーテル透析用カテーテル CV 挿入時 ChloraPrep Sepp 0.67mL Applicator ChloraPrep 26mL Applicator 患者の清拭 CRBSI を低減させるために 2% クロルヘキシジン製剤を用いて毎日 患者を清拭する II 2% クロルヘキシジンを含ませたタオルを用いた ICU 患者の毎日の清拭は 一次性 BSI の発生率を低下させるための簡便かつ効果的な対策かもしれない ICU 患者 836 人を対象としたある単一施設の研究では クロルヘキシジンによる介入を受けた患者では 石鹸と水で洗浄を受けた患者よりも一次性 BSI に罹患する確立が優位に低かった (4.1/1000 患者日対 10.4/1000 患者日 ; 発生率差 6.3[95%CI 1.2-11.0] ) 7

カテーテル挿入部のドレッシング 1. カテーテル挿入部は 滅菌ガーゼあるいは透明 半透明のドレッシング材で覆う IA 7. 半透明ドレッシング材は少なくとも 7 日毎に交換する ただし カテーテル抜去のリスクがドレッシング交換のメリットを上回るかもしれない小児の場合はこの限りでない IB 12. もし 教育 トレーニング クロルヘキシジンによる皮膚消毒 マキシマルバリアプリコーションなどの基本的な CLBSI 予防のための感染対策を遵守しているにもかかわらず 感染率が減少しなければ 短期留置 CVC に対しクロルヘキシジン含有スポンジをドレッシング材として使用する IB 13. その他 クロルヘキシジン含有ドレッシングについての勧告がない未解決の問題 ニードルレスカテーテルシステム 1. 少なくとも輸液セット交換時と同じ頻度でニードルレスシステムのパーツを交換する 72 時間以内に交換する有益性はない II 2. 感染率を低減する目的でアクセス部のキャップを 72 時間以内に交換しない あるいは製造販売業者の推奨に従う II 3. システムにリークや破損が起こる可能性を最小限にするために すべてのパーツのシステムへの適合を確実にする II 4. コンタミネーションのリスクを最小限にするために ポート部にアクセスするときは適切な消毒薬 ( クロルヘキシジン ポビドンヨード ヨードフォー 70% アルコール ) で擦って消毒する ポート部にアクセスするものは滅菌器具のみとする IA 8