Q&A 集 採用活動のよくあるお問い合わせ Vol.1 採用活動にお役立てください 実際に求人広告をご掲載されたお客様から多くいただくご質問に弊社からご提案させていただく解決集です 一般的な考え方や法的なリスクについてまとめておりますので 採用活動の際にご参考にしていただければ幸いです Index 1. 掲載開始後に選考プロセスを変更しても問題ないでしょうか 2. 広告と異なる労働条件で採用しても問題ないでしょうか 3. 履歴書は返却しなければならないものでしょうか 4. 不採用にした方から理由を聞かれて困っています 5. 年齢で不採用と判断するのはいけないのでしょうか 6. 出身地を質問することにはどんなリスクがありますか 発行元株式会社リクルートジョブズ
1. 掲載開始後に選考プロセスを変更しても問題ないでしょうか Q. 広告には メールでの応募後面接 と記載していましたが 予想以上に応募者が多く 全員と面接が出来る状態ではありません 応募メールの段階で一旦選考をして 面接者の人数を絞りたいのですが 問題はないでしょうか? A. 広告に メールでの応募後面接 と書かれていますので 応募者は応募後に面接をしてもらえると思っています 企業としての対応姿勢が問われることにつながりますので まずは今一度 全員を面接する方法の検討をお願いします そのうえで面接の実行が難しく やむを得ず採用プロセスを変更される場合には 既に応募のあった方全員に連絡をとり 事情をきちんと説明したうえで 書類選考を実施することになった旨を丁寧に説明してください 応募プロセスの違いもカスタマーには 広告相違 と捉えられます いきなり広告と異なる応募方法を提示してしまうと応募者から 虚偽の広告を出した会社 と見られてしまうリスクが生じます 応募プロセスについても広告通りに対応することが大切です 諸事情で どうしても応募プロセスを変更せざるを得ない事態が発生した場合には 応募者に対して丁寧に事情を説明し理解していただくような対応が求められます < トーク例 > せっかくご応募いただいたのですが 今回は応募者が多数となり 全員と面接を行うことが難しくなってしまいました そのため面接の前に書類選考を行わせていただくこととなりました 履歴書を広告表記の住所まで送っていただきたいのですがよろしいでしょうか
2. 広告と異なる労働条件で採用しても問題ないでしょうか Q. 面接をしたところ 広告に掲載した職種での採用は難しいと判断した応募者から どうしても働きたいと 要望されています せっかく応募いただいたので 給与は下がってしまいますが 広告とは別の職種で採用してあげようかと考えています 問題はあるのでしょうか? A. 問題があります 応募者は広告内容を見て応募しています たとえ 応募者から勤務したいと強い要望があった場合でも 広告内容以外の職種や条件の案内をしたことにより 提示された条件が広告と全然違った と捉えられることがとても多いものです このような状態にならないためにも 広告内容以外の案内は行わないことが必要です 面接の際に いい人ではあるけれど 今回の採用条件には達していない という応募者がいた場合 せっかく応募してくれたのだから 別の職種を紹介したら喜んで働いてくれるのではないか と考える採用担当者もいらっしゃると思います しかし 募集内容と全く異なる職種であったり 給与等の労働条件が異なる場合 紹介された応募者はどのように思うでしょうか 応募者は広告に記載された職種や労働条件により 応募先を選んで応募していることがほとんどです 希望する職種 労働条件での採用でなければ 別の応募先を探す気持ちでいるでしょう 別の職種 労働条件を提示された場合 吊り広告だったのではないか? と疑われる可能性もあります 募集広告に沿って採用選考を行い その結果のみを伝えるという対応が最も適切と言えます
3. 履歴書は返却しなければならないものでしょうか Q. 不採用者の履歴書を返却しなかったところ 個人情報なのだから返却してほしい といわれています 履歴書に返却義務はありますか? A. 不採用者の履歴書については返却の義務はありませんが 職業安定所でも応募書類は本人に返却するよう啓発しています もし既にシュレッダーにかけるなどして廃棄してしまい 履歴書が手元にないのであれば 適正に処理を行った 旨を応募者に丁寧に説明し 理解を求めるようお願いします また 今後について 返却しない という方針なのであれば その旨を広告に記載するなどの対応や 事前に返却できないことを電話連絡時や面接時にきちんと伝えておくことでトラブルを防ぐことができます 応募のために提出された履歴書は企業に帰属しますので たとえ不採用と判断した方の履歴書であっても返却の義務はありません とはいえ履歴書は大切な個人情報ですので その取扱いについては慎重に行わなければなりません 履歴書の取り扱いルールを決めておく取り扱う担当者の範囲 保管の方法 不採用者の履歴書の取り扱い ( 返却 破棄等 ) などについて社内ルールを決めておきましょう 取り扱いルールを徹底する以下のような取り扱いは絶対に行わないよう注意しましょう 不採用の場合 履歴書を返却すると約束したのに返却しない 履歴書を机の上に放置するなど 他の従業員の目にふれる状態のままにしておく 紛失してしまう 採用選考とは別の目的で個人情報を利用する
4. 不採用にした方から理由を聞かれて困っています Q. 不採用にした応募者からその理由を聞かれています どうしたらいいでしょうか A. 不採用理由の開示義務はありませんが 企業によっては開示しているところもあるようですので 開示するかどうかは自社で決定していただく必要があります ただ 心苦しさから安易に不採用理由を話すと 逆に不信感を持たれてトラブルを招きかねません 開示しない と決めた場合には 何度お問い合わせいただいたとしても 強い意志を持って 理由はお答えしておりません とお伝えすることが大切です 応募者の中には不採用になった理由を聞いて 次の応募に生かそうと考える方も少なくありません とはいえ 不採用にした理由を説明する義務はありませんので あくまでも自社の判断によって対応していただければと思います < 伝え方のコツと基本トーク例 > 真摯に選考を行った結果 応募者の期待に応えられる結果にならなかったという姿勢で伝えることがコツです 選考の結果 大変残念ですが不採用になりました < 理由を尋ねられた場合のトーク例 > 弊社の採用基準に照らして選考した結果から出た最終決定です 申し訳ありませんが 弊社では選考に関する内容は非公開としています
5. 年齢で不採用と判断するのはいけないのでしょうか Q. 応募者の年齢が高いので 不採用と判断しました どのように伝えたらいいでしょうか? A. 年齢による選考を行うことは例外事由に該当する場合を除き 雇用対策法により禁止されています そのまま不採用の理由として伝えてしまうと 大きなトラブルになりかねません まずは年齢による選考は行わないようお願いいたします 求める能力 適性 から本当に必要な人物像を確認しましょう その仕事に就くにあたってどんな才能や素質があればいいのか 持っていてほしい知識や技術とは何か を見てみると必ずしも年齢では判断できないということが判ります 応募者が職務に必要となる採用基準を満たす方なのかを 能力や適性で判断することで適切な採用が可能になります 雇用対策法第 10 条では募集 採用における年齢制限を行わないように規定されており 例外的な 6 項目に該当する場合のみ 年齢制限を行うことができます また年齢制限は 広告に書かなければいい 不採用の理由として告げなければいい というものではありません 年齢制限ができる例外事由 1 号定年年齢を上限として 当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集 採用する場合 2 号労働基準法等法令の規定により年齢制限が設けられている場合 3 号のイ長期勤続によるキャリア形成を図る観点から 若年者等を募集 採用する場合 3 号のロ技能 ノウハウの継承の観点から 特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定して募集 採用する場合 3 号のハ芸術 芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合 3 号のニ 60 歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する施策の対象となる者に限定して募集 採用する場合
6. 出身地を質問することにはどんなリスクがありますか Q. 面接で 応募者に対して出身地を質問したら それって就職差別じゃないですか? と言われました 出身地についての質問は差別にあたるのでしょうか? どのようなリスクがあるのでしょうか? A. 面接は本人の適性 職務遂行能力を知るために行うものです 応募者本人の責任に属さない事項 本人の人権を侵す事項 本人の能力と適性に関係ない事項を採用条件とはできません 出身地についての質問を行うことは 憲法で保障された基本的人権を侵すおそれがありますので 十分な配慮が必要です 職業安定法に基づく厚生労働省の 指針 が定める 収集してはいけない個人情報 には下記のものがあります 1 人種 民族 社会的身分 門地 本籍 出生地 その他社会的差別の原因となる恐れのある事項 ( 例 / 本籍地 出身地 家族状況 生活環境 家庭環境 住宅状況 本人の資産 容姿 スリーサイズ ) 2 思想及び信条 ( 例 / 思想 宗教 人生観 生活信条 支持政党 購読新聞 雑誌 愛読書 尊敬する人物等 ) 3 労働組合への加入状況 ( 例 / 社会運動に関する情報 ) 職業安定法第 5 条の 4 でも 業務の目的の達成に必要な範囲 でのみ情報を収集することができると定めており 本人の適性や能力に関係しない情報を収集してはいけないことになっています