イ 地 学 基 礎 2 地 学 基 礎 2 地 学 4 地 学 4 理科課題研究 1 必履修科目は 科学と人間生活 物理基礎 化学基礎 生物基礎 地 学基礎 のうち 科学と人間生活 を含む 2 科目 又は 物理基礎 化学 基礎 生物基礎 地学基礎 のうちから 3 科目 各科目の特徴 < 科学と人間生

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「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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H30全国HP

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 3 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価及び 生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実現を

ICTを軸にした小中連携

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

スライド 1

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

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「標準的な研修プログラム《

第1学年 理科学習指導案

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指導案

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国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

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能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

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農 業 1 学習指導要領改訂の趣旨 職業に関する各教科 ( 農業 工業 商業 水産 家庭 看護 情報 福祉 ) においては 科学技術の進展 グローバル化 産業構造の変化等に伴い 必要とされる専門的な知識 技術の高度化への対応や 多様な課題に対応できる課題解決能力を育成することが重要で あることから

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

第3学年4組  理科  学習指導案

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

平成29年度 中学校英語科教育 理論研究

Gifu University Faculty of Engineering

講座授業事例集

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

成績評価を「学習のための評価」に

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

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理科学習指導案

目次 Ⅰ 研究主題 1 Ⅱ 研究主題設定の理由 1 Ⅲ 研究の目的 1 Ⅳ 研究の目標 1 Ⅴ 研究の見通し 2 Ⅵ 研究の構想 2 1 研究に対する基本的な考え方 2 ⑴ 現行学習指導要領における成果と課題について 2 ⑵ 理科における育成を目指す資質 能力について 3 ⑶ 理科における 見方 考

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福祉科の指導法 単位数履修方法配当年次 4 R 2 年以上 科目コード EC3704 担当教員佐藤暢芳 ( 上 ) 赤塚俊治 ( 下 ) 2017 年 11 月 20 日までに履修登録し,2019 年 3 月までに単位修得してください 2014 年度までの入学者が履修登録可能です 科目の内容 福祉科

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

理科

【学習指導要領改訂】 高等学校の新教科・科目構成(案)|旺文社教育情報センター

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

工業教育資料347号

(3) 指導観本単元の指導に当たっては, はじめに力の合力 分力に関する作図法を習得させるとともに, その力に関する知識を押さえ, 記録タイマー等の基本的な実験操作を習得させながら実験を行い, その結果を根拠に, 力と速さ, 運動の法則を考察させたい また,ICT を活用してイメージをもたせたり,

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

H27 国語

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

(2) 各学年の目標 ア 知識 に関する目標 社会生活についての総合的な理解 第 3 学年 身近な地域や市区町村の地理的環境 地域の安全を守るための諸活動や地域 の産業と消費生活の様子 地域の様子の移り変わりについて 人々の生活と の関連を踏まえて理解する 第 4 学年 県の地理的環境の特色 地域の

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

政経 311 政治・経済

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群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

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乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

り込んで獲得するものではなく 探究の過程を通して 自分自身で取捨 選択し 整理し 既にもっている知識や体験と結び付けながら 構造化され 身に付けていくものである そして こうした過程を経て獲得された知識は 実社会 実生活における様々な課題の解決に活用可能な生きて働く知識 すなわち概念として形成されて

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子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

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平成15年度 家庭科 年間指導・評価計画

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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Transcription:

理 科 1 学習指導要領改訂の趣旨平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申では P I S A 等の国際調査において 我が国の生徒は 理科を学ぶことに対する関心 意欲や意義 有用性に対する意識について諸外国に比べると肯定的な回答が低い状況にあることや 観察 実験の結果などを整理 分析した上で 解釈 考察し 説明すること などの資質 能力に課題が見られると指摘されている こうしたことから 理科においては 課題の把握 ( 発見 ) 課題の探究 ( 追究 ) 課題の解決という探究の過程を通じた学習活動を行い 資質 能力が育成されるよう改善が図られた また 理科を学ぶことの意義や有用性の実感及び理科への関心を高める観点から 日常生活や社会との関連が重視された 2 改訂の内容 (1) 教科の目標の改善 理科の目標 自然の事物 現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 自然の事物 現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 自然の事物 現象について 観察 実験などを行い 科 自然の事物 現象に主体的に関 の理解を深め 科学的に探究学的に探究する力を養う わり 科学的に探究しようとする するために必要な観察 実験 態度を養う などに関する技能を身に付け るようにする この目標は 小学校及び中学校理科の目標との関連を図りながら 高等学校理科に おいてどのような資質 能力の育成を目指しているのかを簡潔に示したものである なお 自然の事物 現象を科学的に探究するために必要な資質 能力については 相互に関連し合うものであり それぞれの目標に順序性はないことに留意する必要が ある (2) 科目の改善 ア 科目構成 6 全 改 訂 現 行 角分 科 目 名 標準単位数 科 目 名 標準単位数 科学と人間生活 2 科学と人間生活 2 物 理 基 礎 2 物 理 基 礎 2 物 理 4 物 理 4 化 学 基 礎 2 化 学 基 礎 2 化 学 4 化 学 4 生 物 基 礎 2 生 物 基 礎 2 生 物 4 生 物 4 - 理科 1 -

イ 地 学 基 礎 2 地 学 基 礎 2 地 学 4 地 学 4 理科課題研究 1 必履修科目は 科学と人間生活 物理基礎 化学基礎 生物基礎 地 学基礎 のうち 科学と人間生活 を含む 2 科目 又は 物理基礎 化学 基礎 生物基礎 地学基礎 のうちから 3 科目 各科目の特徴 < 科学と人間生活 > 科学と人間生活の目標 自然の事物 現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 自然の事物 現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 自然と人間生活との関わり 観察 実験などを行い 人 自然の事物 現象に進んで 及び科学技術と人間生活との間生活と関連付けて科学的に関わり 科学的に探究しよう 関わりについての理解を深め 探究する力を養う とする態度を養うとともに 科学的に探究するために必要 科学に対する興味 関心を高 な観察 実験などに関する技 める 能を身に付けるようにする ( ア ) 内容 (1) 科学技術の発展 (2) 人間生活の中の科学 及び (3) これからの科学と人間生活 の三つの大項目で構成されており これらの大項目は 日常生活や社会に関わる自然や科学技術について理解を深め 興味 関心を高めるという観点から 生徒にとって身近な内容で構成している ( イ ) 内容の取扱い (1) 科学技術の発展 においては この科目の導入として位置付け 身近な事例を基に科学技術に対する興味 関心を高めるように展開する 自然の事物 現象の中から新しい発見や理論が導き出され それらが発見や新しい技術を生み出し 人間生活の中に受け入れられてきた過程を学ぶことを通して 科学技術が時代とともに進歩して人間生活を豊かで便利にしてきたことや人間生活に不可欠であることを理解させる その際 話合い レポートの作成 発表を適宜行わせるなどして 科学的に考察し表現させることが大切である (2) 人間生活の中の科学 においては 人間生活の中の科学について 問題を見いだし見通しをもって観察 実験などを行い 光や熱の科学 物質の科学 生命の科学 宇宙や地球の科学との関わりについて認識を深めさせるとともに それらの観察 実験などに関する基本的な技術を身に付けさせ 思考力 判断力 表現力等を育成することを主なねらいとしている できるだけ幅広い分野の学習を可能にするため ( ア ) 光や熱の科学 ( イ ) 物質の科学 ( ウ ) 生命の科学 ( エ ) 宇宙や地球の科学 の四つの中項目を設けている また 各中項目では ア イの二つの小項目を設けており 生徒の実態等を考慮し いずれかを選択して扱う - 理科 2 -

こととしている (3) これからの科学と人間生活 においては (2) 人間生活の中の科学 で学習した内容を踏まえ 課題を設定し探究することでこれからの科学と人間生 活との関わり方について認識を深めさせるとともに 思考力 判断力 表現力等 を育成することを主なねらいとしており 例えば数名のグループによる協働的な 取組として 生徒の興味 関心 学校や地域の実態等に応じ 自然や科学技術と 人間生活との関わりについて 生徒が課題を設定し 自ら調べ 考察し それら について報告書にまとめたり発表を行ったりさせるなどの方法が考えられる こ のような活動を通して 自然環境の保全を図りながら持続可能な社会を築いてい くことのできる科学技術の在り方を考えさせ 科学に対して生涯にわたって興味 関心を持ち続けることができるようにすることが大切である < 物理基礎 > 物理基礎の目標 物体の運動と様々なエネルギーに関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 物体の運動と様々なエネルギーを科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 日常生活や社会との関連を 観察 実験などを行い 科 物体の運動と様々なエネルギ 図りながら 物体の運動と様学的に探究する力を養う ーに主体的に関わり 科学的に 々なエネルギーについて理解 探究しようとする態度を養う するとともに 科学的に探究 するために必要な観察 実験 などに関する基本的な技能を 身に付けるようにする ( ア ) 内容 物理基礎 は 中学校理科第 1 分野との関連を考慮し 物体の運動と様々なエ ネルギーについての理解を深め 日常生活や社会との関連を図ることができるよ うに (1) 物体の運動とエネルギー 及び (2) 様々な物理現象とエネルギー の利用 の大項目から構成されている また 観察 実験の一層の充実を図るた めに いくつかの小項目について実験などを行うことが明示されている ( イ ) 内容の取扱い (1) 物体の運動とエネルギー 及び (2) 様々な物理現象とエネルギーの利 用 では観察 実験などを通して 日常生活や社会と関連付けながら理解させる とともに それらの観察 実験などに関する技能を身に付けさせ 思考力 判断 力 表現力等を育成する なお (2) 様々な物理現象とエネルギーの利用 の指導に当たっては 物理 の原理や法則が日常生活や社会で利用されている技術の基礎として活用されてい ることについて 実感をもって理解させるように留意する必要がある < 物理 > 物理の目標 物理的な事物 現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 物理的な事物 現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のと - 理科 3 -

おり育成することを目指す 物理学の基本的な概念や原 観察 実験などを行い 科 物理的な事物 現象に主体的 理 法則の理解を深め 科学学的に探究する力を養う に関わり 科学的に探究しよう 的に探究するために必要な観 とする態度を養う 察 実験などに関する技能を 身に付けるようにする ( ア ) 内容 物理 は 物理基礎 との関連を図りながら 基本的な概念や原理 法則 を体系的に学習できるよう (1) 様々な運動 (2) 波 (3) 電気と磁気 (4) 原子 の四つの大項目から構成されている 観察 実験の一層の充実を図るため いくつかの小項目について実験などを行うことが明示されている 基本的な概念 や原理 法則の個々の理解に留まらず これらを関連させ系統的な理解にまで高 め 一貫性のあるまとまりとして全体を捉えられるようになることが重要である ( イ ) 内容の取扱い 観察 実験などを通して それぞれの内容について理解させるとともに それ らの観察 実験などに関する技能を身に付けさせ 思考力 判断力 表現力等を 育成する 思考力 判断力 表現力等を育成するに当たっては 観察 実験などを通して 探究し 規則性や関係性を見いだして表現させることが大切である その際 話 し合いや レポートの作成 発表を適宜行わせることも大切である < 化学基礎 > 化学基礎の目標 物質とその変化に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 物質とその変化を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 日常生活や社会との関連を 観察 実験などを行い 科 物質とその変化に主体的に関 図りながら 物質とその変化学的に探究する力を養う わり 科学的に探究しようとす について理解するとともに る態度を養う 科学的に探究するために必要 な観察 実験などに関する基 本的な技能を身に付けるよう にする ( ア ) 内容 化学基礎 は 中学校理科第 1 分野との関連を考慮し (1) 化学と人間生活 (2) 物質の構成 (3) 物質の変化とその利用 の三つの大項目から構成されている ( イ ) 内容の取扱い観察 実験などを通して (1) 化学と人間生活 では化学と物質について (2) 物質の構成 では物質と化学結合について (3) 物質の変化とその利用 では - 理科 4 -

物質量と化学反応式 化学反応 化学が拓く世界について理解させるとともに それらの観察 実験などの技能を身に付けさせ 思考力 判断力 表現力等を育 成する なお 化学が拓く世界 は 化学基礎 で学んだ事柄が 日常生活や社会を 支えている科学技術と結び付いていることを理解させることがねらいであり 日 常生活や社会で利用されている科学技術の具体的事例を取り上げながら 科目全 体のまとめを行う単元であることに留意する必要がある また 観察 実験に当たっては 保護眼鏡の着用などによる安全性の確保や 適切な実験器具の使用と操作による事故防止に留意する必要がある その際 試 薬は適切に取り扱い 廃棄物は適切に処理するなど 環境への影響などにも十分 配慮する必要がある < 化学 > 化学の目標 化学的な事物 現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 化学的な事物 現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 化学の基本的な概念や原理 観察 実験などを行い 科 化学的な事物 現象に主体的 法則の理解を深め 科学的学的に探究する力を養う に関わり 科学的に探究しよう に探究するために必要な観察 とする態度を養う 実験などに関する技能を身に 付けるようにする ( ア ) 内容 化学 は 化学基礎 との関連を図りながら 基本的な概念や原理 法則を体系的に学習できるよう (1) 物質の状態と平衡 (2) 物質の変化と平衡 (3) 無機物質の性質 (4) 有機化合物の性質 (5) 化学が果たす役割 の五つの大項目から構成されている ( イ ) 内容の取扱い観察 実験などを通して (1) 物質の状態と平衡 では物質の状態とその変化 溶液と平衡について (2) 物質の変化と平衡 では化学反応とエネルギー 化学反応と化学平衡について (3) 無機物質の性質 では無機物質について (4) 有機化合物の性質 では有機化合物や高分子化合物について理解させるとともに それらの観察 実験などの技能を身に付けさせ 思考力 判断力 表現力等を育成する (5) 化学が果たす役割 では理科の見方 考え方を働かせ 化学が果たす役割について 日常生活や社会と関連付けながら理解させるとともに 思考力 判断力 表現力等を育成する 思考力 判断力 表現力等を育成するに当たっては 人間生活の中の化学について これからの社会における化学が果たす役割を科学的に考察し 表現させることが大切である その際 話合い レポートの作成 発表を適宜行わせること - 理科 5 -

も大切である なお 観察 実験に当たっては 保護眼鏡の着用などによる安全性の確保や 適切な実験器具の使用と操作による事故防止に留意する必要がある その際 試 薬は適切に取り扱い 廃棄物は適切に処理するなど 環境への影響などにも十分 配慮する必要がある < 生物基礎 > 生物基礎の目標 生物や生物現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 生物や生物現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 日常生活や社会との関連を 観察 実験などを行い 科 生物や生物現象に主体的に関 図りながら 生物や生物現象学的に探究する力を養う わり 科学的に探究しようとす について理解するとともに る態度と 生命を尊重し 自然 科学的に探究するために必要 環境の保全に寄与する態度を養 な観察 実験などに関する基 う 本的な技能を身に付けるよう にする ( ア ) 内容 生物基礎 は 中学校理科第 2 分野との関連を考慮するとともに 平成 21 年 の学習指導要領改訂後の学習内容を基本的に踏襲しつつ改善が図られている 具 体的には (1) 生物の特徴 (2) ヒトの体の調節 及び (3) 生物の多様性 と生態系 の三つの大項目から構成されている ( イ ) 内容の取扱い 観察 実験などを通して (1) 生物の特徴 では生物の特徴及び遺伝子とそ の働きについて (2) ヒトの体の調節 では神経系と内分泌系による調節及び 免疫について (3) 生物の多様性と生態系 では植生と遷移及び生態系とその 保全について理解させるとともに それらの観察 実験などの技能を身に付けさ せ 思考力 判断力 表現力等を育成する なお 内容の (1) 生物の特徴 のアの ( ア ) の ア 生物の共通性と多様性 をこ の科目の導入として位置付けており 生物についての共通性と多様性がこの科目 を学習する上で重要な視点であり この視点を生かして以後の学習を展開してい くことが重要である また 観察 実験などを行う際に必要な生物材料は 生徒にとって身近な素材 を用いるなどの工夫が考えられる < 生物 > 生物の目標 生物や生物現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 生物や生物現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す - 理科 6 -

生物学の基本的な概念や原 観察 実験などを行い 科 生物や生物現象に主体的に関 理 法則の理解を深め 科学学的に探究する力を養う わり 科学的に探究しようとす 的に探究するために必要な観 る態度と 生命を尊重し 自然 察 実験などに関する基本的 環境の保全に寄与する態度を養 な技能を身に付けるようにす う る ( ア ) 内容 生物 は 生物基礎 で学習した生物や生物現象の基本的な概念の理解を 深めさせるよう構成されている 具体的には (1) 生物の進化 (2) 生命現 象と物質 (3) 遺伝情報の発現と発生 (4) 生物の環境応答 (5) 生態と 環境 の五つの大項目から構成されている ( イ ) 内容の取扱い 観察 実験などを通して (1) 生物の進化 では生命の起源と細胞の進化 遺伝子の変化と進化の仕組み 生物の系統と進化について (2) 生命現象と物 質 では細胞と分子及び代謝について (3) 遺伝情報の発現と発生 では遺伝 情報とその発現 発生と遺伝子発現 遺伝子を扱う技術について (4) 生物の 環境応答 では動物の反応と行動及び植物の環境応答について (5) 生態と環 境 では個体群と生物群集及び生態系について理解させるとともに それらの観 察 実験などの技能を身に付けさせ 思考力 判断力 表現力等を育成する なお 思考力 判断力 表現力等を育成するに当たっては 観察 実験などを 通して探究し 特徴を見いだして表現させることが大切である その際 話し合 い レポートの作成 発表を適宜行わせることも大切である また (1) 生物の進化 については この科目の導入として位置付け 以後 の学習においても 進化の視点を意識させるよう展開することが重要である < 地学基礎 > 地学基礎の目標 地球や地球を取り巻く環境に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 地球や地球を取り巻く環境を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 日常生活や社会との関連を 観察 実験などを行い 科 地球や地球を取り巻く環境に 図りながら 地球や地球を取学的に探究する力を養う 主体的に関わり 科学的に探究 り巻く環境について理解する しようとする態度と 自然環境 とともに 科学的に探究する の保全に寄与する態度を養う ために必要な観察 実験など に関する基本的な技能を身に付 けるようにする ( ア ) 内容 地学基礎 は 中学校理科第 2 分野までの学習を踏まえて 平成 21 年の学習指導要領改訂後の学習内容を基本的に踏襲しつつ改善が図られた 具体的には (1) 地球のすがた 及び (2) 変動する地球 の大項目から構成されている - 理科 7 -

( イ ) 内容の取扱い 観察 実験などを通して (1) 地球のすがた では惑星としての地球 活動 する地球 大気と海洋について (2) 変動する地球 では地球の変遷及び地球 の環境について理解させるとともに それらの観察 実験などの技能を身に付け させ 思考力 判断力 表現力等を育成する また (2) 変動する地球 では自然環境の保全に寄与する態度を育てるとと もに 持続可能な社会をつくることの重要性について認識を深めさせることが大 切である < 地学 > 地学の目標 地球や地球を取り巻く環境に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 地球や地球を取り巻く環境を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のとおり育成することを目指す 地学の基本的な概念や原理 観察 実験などを行い 科 地球や地球を取り巻く環境に 法則の理解を深め 科学的学的に探究する力を養う 主体的に関わり 科学的に探究 に探究するために必要な観察 しようとする態度と 自然環境 実験などに関する基本的な技 の保全に寄与する態度を養う 能を身に付けるようにする ( ア ) 内容 地学 は 平成 21 年の学習指導要領改訂後の学習内容を基本的に踏襲しつつ改善が図られた 具体的には (1) 地球の概観 (2) 地球の活動と歴史 (3) 地球の大気と海洋 (4) 宇宙の構造 の四つの大項目から構成されている ( イ ) 内容の取扱い観察 実験などを通して (1) 地球の概観 では地球の形状及び地球の内部について (2) 地球の活動と歴史 では地球の活動及び地球の歴史について (3) 地球の大気と海洋 では大気の構造と運動及び海洋と海水の運動について (4) 宇宙の構造 では太陽系 恒星と銀河系 銀河と宇宙について理解させるとともに それらの観察 実験などの技能を身に付けさせ 思考力 判断力 表現力等を育成する 思考力 判断力 表現力等の育成に当たっては 観察 実験などを通して探究し 規則性や関係性などを見いだして表現することが大切である その際 話し合い レポートの作成 発表を適宜行わせることも大切である 地学 は 科学の急速な進展に伴って変化した地球観や宇宙観も踏まえ 生徒に感動や驚きをもたせながら 身近な環境から宇宙全体まで様々な時間的 空間的スケールにわたる内容を学ぶように構成している また 自然災害の要因となる自然現象を扱う際には 自然災害についても触れることに留意する必要がある - 理科 8 -

3 質疑応答 問 1 理科の目標の 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を 行う とは どのようなことか 理科は 自然の事物 現象を学習の対象とする教科である 理科の目標において 理科の見方 考え方を働かせ とあるのは 自然の事物 現象を 質的 量的な関係や時間的 空間的な関係などの科学的な視点で捉え 比較したり 関係付けたりするなどの科学的に探究する方法を用いて考える という 理科の見方 考え方 を働かせることを示している また 見通しをもって観察 実験を行うこと とは 観察 実験を行う際 何のために行うか どのような結果になるかを考えさせるなど 予想したり仮説を立てたりしてそれを検証するための観察 実験を行わせることを意味する 理科の学習全般において 生徒が見通しをもって学習を進め 学習の結果 何が獲得され 何が分かるようになったかをはっきりさせ 一連の学習を自分のものとすることができるようにすることである 問 2 今回の改訂を踏まえた授業を進める上での留意点は何か 新学習指導要領の理科の目標では 自然の事物 現象に関わり 理科の見方 考え方を働かせ 見通しをもって観察 実験を行うことなどを通して 自然の事物 現象を科学的に探究するために必要な資質 能力を次のように育成することを目指す としており 授業を進める上では 観察 実験などを行い 探究の過程を踏まえた学習活動を行うこととしている 学習指導要領の 3 内容の取扱い において 科学と人間生活 や 基礎を付した科目 では 観察 実験などを行い との記載があり 基礎を付さない科目 では 同様に取り扱う との記載があることから 科学的に探究する活動をより一層重視することが大切である 問 3 全ての単元で探究の過程を通した学習活動を行わなければならないのか 新学習指導要領では 科学と人間生活 や 基礎を付した科目 の 3 内容の取扱い において 学習内容の特質に応じて との記載があり 科目の各単元において 学習の特質に応じて探究の過程の一部を取り扱うだけでもよいとしている また 基礎を付さない科目 においては この記載に加え この科目の学習を通して 探究の全ての学習過程を経験できるようにすること との記載があることから 科目の学習を通して 探究の全ての過程を経験させる必要がある 4 新学習指導要領を踏まえた現行学習指導要領における実践例 新学習指導要領への接続を踏まえ 生徒の資質 能力を育むために探究の過程を重視した学 習活動の実践事例を紹介する - 理科 9 -

(1) 物理基礎における実践事例 単元 ( 1) 物体の運動とエネルギー 育成する知識及び技能 育成する思考力 判断力 表現力等 物体の運動とエネルギーを日常生活や社会と関物体の運動とエネルギーについて 観察 実連付けながら 運動の表し方 様々な力とその働験などを通して探究し 運動の表し方 様々なき 力学的エネルギーについての知識及びそれら力とその働き 力学的エネルギーにおける規則の観察 実験などに関する技能性や関係性を見いだして表現する力 指導事例 1 ( イ ) ウ運動の法則 における思考力 判断力 表現力等の育成を図る 学びの一例 滑らかな水平面上で 力学台車に加える力の大きさを様々に変えた時に力学台車に生じる加速度 の大きさと 力学台車の質量を変化させ 一定の大きさの力を水平に加え続けた場合に力学台車に 生じる加速度の大きさを比較させるなどして グループ毎に仮説を立てさせる 検証計画を立案さ せ 実験 ( 図 1 ) を行い その結果をグラフを用いて処理させる ( 図 2 ) グループ毎に力学台車 に生じる加速度と力及び質量の関係について規則性を見いださせるなど分析 解釈し 考察したこと をレポートにまとめさせる a 2 m/s 0 0.5 1.0 1.5 2.0 F N 図 1 図 2 見通しを持ち 検証できる仮説を設定する力 観察 実験を実行する力 観察 実験の結果を処理する力は 探究の過程における 課題の探究 ( 追究 ) の場面を単元に位置付けることにより 思考力 判断力 表現力等を育むことができる 2.0 1.5 1.0 0.5 指導事例 2 ( イ ) ウ運動の法則 における知識及び技能の習得を図る学びの一例 力学台車にばねばかりを取り付け 水平方向へ加える力を一定にして力学台車を滑らかな水平面上を移動させる ( 図 3 ) 力学台車が一定の距離を指定した時間に移動させるためには 加える力の大きさをいくらにすればよいか 既習事項である等加速度直線運動の公式及び運動の第二法則を用いて 予想させる その後 力学台車 ばねばかり等を用いて予想した力の大きさについて検証させる ( 図 4 ) 図 3 図 4 学んだことを次の課題や 日常生活や社会に活用しようとする態度は 探究の過程における 課題の解決 の場面を単元に位置付けることにより 知識及び技能の習得につなげることができる - 理科 10 -

(2) 化学基礎における実践事例 単元 (2) 物質の構成 育成する知識及び技能 育成する思考力 判断力 表現力等 物質の構成粒子について 物質の構成粒子 物物質の構成について 観察 実験などを通し質と化学結合についての知識及びそれらの観察 て探究し 物質の構成における規則性や関係性実験などに関する技能を見いだして表現する力 指導事例 1 ( ア ) イ電子配置と周期表 における知識及び技能の習得を図る学びの一例 図 1 を用いて原子半径の規則性を個人でそれぞれ見いださせ グループ毎に共有させる 次に 見いださせた規則性がなぜ起こるのかを 図 2 の電子配置図と関連付けてグループで考察させ 発 表させる 図 1( 出典 : 化学基礎 実教出版 ) 図 2 ( 出典 : 化学基礎 実教出版 ) 抽出 整理した情報について それらの関係性 ( 共通点や相違点など ) や傾向を見いだす力は 探究の過程における 課題の把握 ( 発見 ) の場面を単元に位置付けることにより 思考力 判断力 表現力等を育むとともに 周期律について知識及び技能を習得することができる 指導事例 2 ( イ ) 物質と化学結合 における思考力 判断力 表現力等の育成を図 る学びの一例 イオン結晶である岩塩を割り へき開を観察させる ( 図 3 ) へき開した岩塩は再度接触させても接着しない 一方 金属結晶である釣り用のおもりを 2 つ削り むき出しになった金属の結晶面どうしを接触させると接着する ( 図 4 ) この結果の違いがなぜ起こるのかを グループで考察させ 根拠を示しながら発表させる 図 3 図 4 観察 実験の結果を分析 解釈する力は 探究の過程における 課題の解決 の場面を単元に位置付けることで育むことにより 物質と化学結合について思考力 判断力 表現力等を育むことができる - 理科 11 -

(3) 生物基礎における実践事例 単元 (2) ヒトの体の調節 育成する知識及び技能 育成する思考力 判断力 表現力等 ヒトの体の調節について 神経系と内分泌系にヒトの体の調節について 観察 実験などをよる調節 免疫についての知識及びそれらの観察 通して探究し 神経系と内分泌系による調節及実験などの技能び免疫などの特徴を見いだして表現する力指導事例 1 ( ア ) イ体内環境の維持の仕組み における思考力 判断力 表現力等の育成を図る学びの一例ある動物の食事前後の血糖値と血液中に含まれる物質 A Bの濃度の経時変化を示した資料 ( 図 1) を示す 資料を基にグラフを各自で作成させ ( 図 2) その後グループ毎にグラフの推移から物質 A の働きについて 考察 推論し結論を発表させる 導き出した結論から物質 A B が何と呼ばれる物質か教科書等を用いて調べさせる 同様に 体内環境に影響を与える物質について調べ 一覧にまとめさせる 図 1 図 2 観察 実験の結果を分析 解釈する力は 探究の過程における 課題の解決 の場面を単元に位置付けることにより 思考力 判断力 表現力等を育むことができる 指導事例 2 ( イ ) ア免疫の働き における知識及び技能の習得を図る学びの一例 白血球が異物を処理する仕組みについて グループで意見交換を行わせ仮説を設定させる カイコの腹脚から体腔内へ墨汁を注射し ( 図 3 ) 約 24 時間後の体液を光学顕微鏡を用いて 白血球が体内に侵入した異物 ( 墨汁 ) を細胞内に取り込む様子 ( 図 4 ) を観察させ 白血球が異物を処理する能力 ( 食作用 ) をもつことを検証させる 図 3 図 4 見通しを持ち 検証できる仮説を設定する力 観察 実験を実行する力は 探究の過程における 課題の探究 ( 追求 ) の場面を単元に位置付けることにより 知識及び技能の習得につなげることができる - 理科 12 -

(4) 地学基礎における実践事例 単元 (1) 地球のすがた 育成する知識及び技能 育成する思考力 判断力 表現力等 地球のすがたについて 惑星としての地球 活地球のすがたについて 観察 実験などを通動する地球 大気と海洋についての知識及びそれして探究し 惑星としての地球 活動する地球 らの観察 実験などに関する技能大気と海洋について 規則性や関係性を見いだして表現する力指導事例 1 ( ア ) ア地球の大きさと形 における思考力 判断力 表現力等の育成を図る学びの一例国土地理院地理院地図などのデジタル地図 ( 図 1 ) を用いて グループ毎に日本の高緯度地域と低緯度地域における 同一経線上の任意の 2 点間の距離と緯度の差をそれぞれ求めさせ 緯度 1 あたりの距離を計算させる 計算結果から 地球は厳密には球体ではなく どのような形になっているかをグループ毎に考察させ 根拠を示しながら発表させる 図 1 ( 出典 : 地理院地図電子国土 Web) 探究の過程における 課題の解決 の場面で 観察 実験の結果を分析 解釈する力を育むことにより 思考力 判断力 表現力等を育むことができる 指導事例 2 ( ウ ) ア地球の熱収支 における知識及び技能の習得を図る学びの一例 ある地点の高層の気象データの平年値 ( 図 2) を与え 高度と気温との関係を表やグラフでまとめさせる まとめさせた結果から 高度による気温の変化の割合を計算させ 対流圏の気温の変化傾向を見いださせる また ある高度から高さとともに気温が上昇していることから 成層圏の存在を見いださせる ( 気温の上昇に関係するオゾン層の存在を示唆してもよい ) 図 2 ( 出典 : 気象庁 HP) 抽出 整理した情報について それらの関係性 ( 共通点や相違点など ) や傾向を見いだす力は 探究の過程における 課題の把握 ( 発見 ) の場面を単元に位置付けることにより 知識及び技能の習得につなげることができる - 理科 13 -