為替相場展望2018年10月号

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為替相場展望2018年9月号

為替相場展望2018年12月号

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(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

今月の経済金融情勢2018年11月30日号

ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

今月の経済金融情勢2018年12月25日号

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

Microsoft Word ECB利下げ.doc

今月の経済・金融情勢

株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

Invesco Premia Plus Fund

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

目次 概況 p.1~ トピックス1: 米中貿易摩擦が本格化 p.3 トピックス :~6 月期以降 個人消費は持ち直しに転じる見込み 景気 金利見通し p. p.5 Fed Watch:18 年の利上げペースが注目点に p.6 調査部マクロ経済研究センター ( 欧米経済グループ ) 研究員長野弘和 (

Outlook201806

Outlook201812

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

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平成30年度第1四半期における運用状況等

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

一部新興国市場が動揺 アルゼンチンは前四半期から経済危機に陥っていましたが トルコでは 6 月に再選された大統領が米国と対立したこと等を契機に 8 月に通貨が急落しました ブラジルや南アフリカ インドの通貨も下落が加速する局面が見られ 中国元も緩やかに値を下げました これまでのところ個別国の問題とい

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

Outlook201805

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

経済金融・情勢資料  15年7月 

Microsoft Word - 21年度資産運用概況.doc

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第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

Outlook201609

○ 資産運用状況(平成15年度)

日経平均株価 22,27.3 NY ダウ工業株 3 種 25,9.32 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 2, 22, 1, 1, 1, 21 年 月 2 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~

日経平均株価 22,97. 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1,, 1,,, 21 年 7 月 23 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21 年 7 月第 3 週末 ) 短期 ( 日次ベース ) (217 年 1 月初

TFX_フィスコ通貨ウォッチャー

Outlook201603

スライド 1

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

マネーマーケットマンスリー

特別勘定の内容 目標値 110% または 120% の場合の特別勘定 種類 特別勘定の名称 投資対象となる投資信託 TMA 日本株式インデックスVA * 運用会社 資産運用関係費用 ( ( 年率 ) 注 ) 総合型 世界バランス 40TMA TMA 外国株式インデックスVA * TMA 日本債券イン

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

Microsoft Word - 20年度資産運用状況.doc

Outlook201601

日経平均株価 21,1. NY ダウ工業株 3 種 2,.31 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 22, 1, 1, 1,, 21 年 1 月 29 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21

Microsoft PowerPoint - ï¼fiã••PAL镕年+第ï¼fiQ;ver5.pptx

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Microsoft Word doc

Outlook201501

2012 年 10 月 15 日号

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

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Microsoft PowerPoint - Pictet_Market_Flash_ (直近の下落).pptx

PowerPoint プレゼンテーション

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マネーマーケットマンスリー 2018年3月

2016 年 メキシコペソ もとの状況と今後の 通し <メキシコペソ / 円は下落 > < 政策 利とインフレ率の推移 > メキシコペソは もとまで軟調に推移してきました しかし 原油先物価格は2016 年 2 に安値をつけて下落が続いてきた理由として 1 統領選 2メ以降 持ち直す展開

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金融市場2018年12月号

国家公務員共済組合連合会 厚生年金保険給付積立金の令和元年度第 1 四半期運用状況 第 1 四半期末の運用資産額は 6 兆 7,376 億円となりました 第 1 四半期の収益額は 実現収益額が 512 億円 総合収益額が 128 億円となりました 第 1 四半期の収益率は 実現収益率 ( 期間率 )

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

月例経済報告

月例経済報告

2013 年 8 月 19 日号

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

今月の経済・金融情勢2010年2月号

PowerPoint プレゼンテーション

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Outlook201901

平成29年度における運用状況等

米失業率と非農業部門雇用者数変化 ( 月次 25 年 1 月 ~214 年 11 月 ) 非農業部門雇用者数変化 ( 千人 前月比 左軸 ) 失業率 (% 右軸) /1 6/9 8/5 1/1 11/

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マネーマーケットマンスリー 2018年12月

MONEX 個人投資家サーベイ 2018年3月調査

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経済の見通し 欧州 欧州経済は グローバル経済の堅調さを背景とした外需セクターの回復 労働市場の回復を背景にした堅調な個人消費 従来に比べ拡張的な財政政策による成長押し上げ効果を背景に潜在成長率を上回る成長が続いています 物価については 労働市場や経済の回復を背景にコアインフレ率 賃金上昇率は今後緩

MONEX 個人投資家サーベイ 2017年3月調査

3. 資産購入プログラムの円滑な実施に向けた選択肢が検討されることに上述の通りECBの景気 物価見通しがほぼ変わらない中 記者会見においてドラギ総裁は 実施期間の延長や購入規模の拡大などは議論していない ことを明かした 理事会の前には 9 月理事会で資産購入プログラムの実施期間が延長されると予想する

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相場展望 2018 年 10 月 調査部マクロ経済研究センター https://www.jri.co.jp/report/medium/exchange

目次 回顧 : ドルは対円で年初来高値更新 対ユーロでは横這い圏 p. 1 ドル円分析 : 基調は米国景気 利上げ次第ながら 中間選挙が攪乱要因 p. 2 ユーロ分析 : ユーロ高再開にはコア物価の上昇がカギ 伊動向がユーロ安リスク p. 3 見通し : 当面はドルが底堅いものの 来年後半にかけてドル高はピークアウト p. 4 調査部マクロ経済研究センター副主任研究員井上肇 ( Tel: 03-6833-0920 Mail: hajime.inoue@jri.co.jp ) 本資料は 2018 年 10 月 1 日 9:00 時点で利用可能な情報をもとに作成しています 本資料は 情報提供を目的に作成されたものであり 何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません 本資料は 作成日時点で弊社が一般に信頼出来ると思われる資料に基づいて作成されたものですが 情報の正確性 完全性を保証するものではありません また 情報の内容は 経済情勢等の変化により変更されることがありますので ご了承ください

回顧 : ドルは対円で年初来高値更新 対ユーロでは横這い圏 9 月のドル円相場米国とカナダ 中国との通商問題に対する警戒感がくすぶるなか トランプ米大統領は日本との貿易関係に不満があると米紙が報じたことも加わり 7 日に110 円台前半まで円高ドル安が進行 その後は 総じて良好な米経済指標の発表が相次ぐなか ドルが底堅さを増す展開 月後半は 118 日に米国が2,000 億ドル相当の対中輸入品に追加関税を賦課することを発表したものの 関税率を当面は25% ではなく10% にとどめたこと 226 日の日米首脳会談では 日米物品貿易協定締結に向けた2 国間交渉入りで合意し 交渉期間中は米国が日本に対して自動車追加関税を発動しないことが確認されたこと なども加わり 月末には一時 113 円台後半と年初来高値を更新 9 月のユーロ相場対ドルでは 上旬は 良好な米雇用統計などを手掛かりに 1.15ドル台前半までユーロが下落 中旬以降は 1イタリア政府高官がEUの財政ルールを順守する姿勢を示し 財政不安が和らいだこと 2 米物価指標が市場予想を下回ったこと 3ドラギECB 総裁が24 日の欧州議会での証言で 基調的なインフレ率は 比較的力強い 上昇が見込まれることに自信を示したこと などを手掛かりに 1.18ドル台までユーロが上昇 もっとも 27 日には イタリア政府が発表した2019 年の財政収支目標が市場予想よりも赤字幅が大きかったため 財政不安が再燃し 一時 1.15ドル台までユーロが急落 対円では イタリア政府高官がEUの財政ルールを順守する姿勢を示し 財政不安が和らいだことや ドラギECB 総裁が楽観的な物価見通しを示したことなどから 下旬には133 円台までユーロが上昇 もっとも 月末近くには イタリア政府が市場予想を下回る財政収支目標を発表したことで 財政不安が再燃し 131 円台までユーロが反落 ドル円相場 ユーロ円相場の推移 140 ユーロ円相場 135 130 125 120 ドル円相場 115 110 105 100 17/10 11 12 18/1 2 3 4 5 6 7 8 9 ユーロドル相場の推移 ユーロドル相場の推移 ( ドル ) 1.30 ユーロ高 1.25 1.20 1.15 ユーロ安 1.10 17/10 11 12 18/1 2 3 4 5 6 7 8 9 ( 資料 )Bloomberg L.P. - 1 -

ドル円分析 : 基調は米国景気 利上げ次第ながら 中間選挙が攪乱要因 ドル円相場の基調は米国景気 利上げ次第 FRBは9 月 25~26 日のFOMCで 追加利上げを決定 同時に公表されたFOMC 参加者の経済 政策金利見通しは 当面 景気が堅調に推移するなか 着実に利上げを続ける一方 期間後半にかけて成長ペースは鈍化し 20 年に利上げを打ち止めとすることを示唆する内容 当面のドル円相場を展望すると 政策金利見通しを反映しやすい米 2 年国債利回りの上昇とリスクオンの市場環境に支えられる形で 基調としては円安ドル高の流れが続く見込み ただし 市場では F OMC 参加者の長期の政策金利見通し (3.0%) を上回る水準まで政策金利が引き上げられることに懐疑的な見方が根強いなか 米 10 年国債利回りの伸び悩みがドルの重石に 来年後半にかけては 米国で財政拡大や金融緩和の効果が減衰するにつれて景気減速が明確化し 早期利上げ打ち止め観測が高まりやすくなる公算大 10 年国債利回りだけでなく 2 年国債利回りも頭打ちとなるなかで ドル高はピークアウトへ 11 月の米中間選挙が攪乱要因となる可能性 11 月 6 日の米中間選挙は 最近の世論調査によると 上院で共和党が過半数を維持 下院で民主党が過半数を奪取 という戦前予想であり 議会に ねじれ が発生するシナリオが最有力 金融市場の反応は読み難いものの 短期的には 議会での予算審議の難航や大統領の弾劾 トランプ大統領が自らの権限で実行可能な範囲内で一段と強硬な政策運営を行うことなどを懸念し 株安 円高に振れる可能性 ただし 米国ではトランプ政権の政策運営に関わらず 当面は既往財政刺激策に支えられ 景気が腰折れすることはないとみられるため 株安 円高圧力は一時的にとどまる見通し 過去の経験則として 中間選挙後は米株高 円高ドル安となる傾向 近年では 米株高となるようなリスク選好の局面では 円安となる傾向があることも踏まえると 米景気が減速し 利上げ打ち止め観測が高まっても 株価の調整色が強まらない限り 大幅な円高方向への揺り戻しは回避される公算大 7 6 5 4 3 2 1 米 FOMC 参加者の経済 政策金利見通し ( 中央値 %) 2018 年 19 年 20 年 21 年 長期 実質 GDP 9 月見通し 3.1 2.5 2.0 1.8 1.8 成長率 6 月見通し 2.8 2.4 2.0-1.8 失業率 9 月見通し 3.7 3.5 3.5 3.7 4.5 6 月見通し 3.6 3.5 3.5-4.5 PCE 9 月見通し 2.1 2.0 2.1 2.1 2.0 デフレータ 6 月見通し 2.1 2.1 2.1-2.0 コアPCE 9 月見通し 2.0 2.1 2.1 2.1 - デフレータ 6 月見通し 2.0 2.1 2.1 - - FF 金利 9 月見通し 2.4 3.1 3.4 3.4 3.0 ( 利上げ回数 ) 年 4 回 年 3 回 年 1 回 年 0 回 6 月見通し 2.4 3.1 3.4-2.9 ( 利上げ回数 ) 年 4 回 年 3 回 年 1 回 ( 資料 )FRB を基に日本総研作成 ( 注 ) 実質 GDP 成長率 インフレ率は 各年第 4 四半期の前年比 失業率は 各年第 4 四半期の平均値 FF 金利は 誘導レンジの中央値もしくはピンポイント誘導値 米国の政策金利と長短金利米国の政策金利と国債利回り 10 年債利回り 2 年債利回り政策金利 (FF 金利 ) FOMC 参加者の長期の政策金利見通し 0 1998 2000 02 04 06 08 10 12 14 16 18 ( 年 / 月 期 ) ( 資料 )NBER FRB Bloomberg L.P. を基に日本総研作成 ( 注 ) シャドー部は景気後退期 FOMC 参加者の長期の政策金利 見通しは中央値 ドル円相場と米国金利 米国金利とドル円相場 米 10 年国債利回り ( 左 ) 米 2 年債利回り ( 左 ) 3.2 3.1 ドル円相場 ( 右 ) 3.0 2.9 2.8 2.7 2.6 2.5 2.4 2.3 2.2 2.1 2.0 1.9 1.8 18/1 2 3 4 5 6 7 8 9 ( 資料 )Bloomberg L.P. を基に日本総研作成 ドル円 米国株 日本株 ドル円相場 日米株価の平均変化率 115 114 113 112 111 110 109 108 107 106 105 104 ( 四半期は前期末比 年間は前年末比 %) 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目大統領中間選大統領就任年数挙年選挙年 1~3 月 4.1 0.9 1.5 0.1 4~6 月 0.0 3.9 0.4 0.8 7~9 月 1.0 1.0 2.3 0.5 10~12 月 5.2 1.4 3.7 1.6 年間 8.3 7.2 7.0 2.0 1~3 月 0.4 4.4 6.0 1.2 4~6 月 5.8 0.8 5.9 0.1 7~9 月 2.9 3.7 0.3 0.2 10~12 月 6.2 7.5 3.1 1.0 年間 15.3 7.4 14.8 2.4 1~3 月 2.2 2.9 2.5 2.5 4~6 月 7.3 0.5 3.3 3.7 7~9 月 0.1 6.9 1.7 3.2 10~12 月 4.5 4.8 0.0 0.1 年間 13.9 0.3 7.4 4.3 ( 資料 )Bloomberg L.P. を基に日本総研作成 ( 注 ) 米国株はダウ工業株 30 種平均 日本株は日経平均 集計期間は プラザ合意翌年の 1986 年から 2017 年まで - 2 -

ユーロ分析 : ユーロ高再開にはコア物価の上昇がカギ 伊動向がユーロ安リスク 当面は基調的なインフレ率の上昇を見極めドラギ ECB 総裁は 9 月 13 日の政策理事会後の会見や 24 日の欧州議会での証言で 先行きの物価上昇に自信を示す発言 労働市場がひっ迫するなか 賃金の伸びが高まっていることなどを踏まえ ECB は今後数ヵ月で基調的なインフレ率も上向くと想定 実際 ユーロ圏では 非自発的パートタイム従事者などを含めた広義の失業率が低下するなか ECB が賃金指標として注目する一人当たり雇用者報酬や協約賃金の上昇率が高まる兆し 一方 ECB が基調的なインフレ率として重視するコア消費者物価上昇率は 1% 前後で伸び悩み ECB の来年秋以降の利上げ着手を本格的に織り込むには 基調的なインフレ率が上向いてくるかを見極める必要があるため 当面はユーロの上値の重い展開が続く見込み 短期的には イタリア動向がユーロ下振れリスクこうしたなかで 短期的には イタリアの財政政策を巡る動向次第で引き続きユーロが下振れするリスク 9 月 27 日 イタリアのコンテ政権は 2019 年の財政赤字対 GDP 比の目標を前政権の18 年の予算ベースの見通しよりも高い2.4% に設定すると発表 市場の事前予想である2% 程度よりも高い水準であったため いったん縮小していたイタリア国債利回りの対独スプレッドは再び拡大 今回イタリア政府が発表した財政赤字対 GDP 比の目標は EUの財政ルールである3% は逸脱していないものの イタリアの政府債務残高対 GDP 比は2017 年で132% とEU 基準 (60% 以内 ) を大きく超過しており 財政収支の改善を通じて 政府債務残高対 GDP 比の低下が求められる状況 今後 イタリア政府は 10 月 15 日までにEUに予算を提出する予定となっているものの EU( 欧州委員会 ) が財政赤字の削減を要求する可能性があるほか 10 月中に大手格付け機関 2 社がイタリア国債の格付けを見直す予定で 格下げされるリスクも 広義失業率 ( 左逆目盛 ) 14 協約賃金 ( 前年比 右目盛 ) 4.0 15 1 人当たり雇用者報酬 ( ) 3.5 16 17 18 19 20 21 6 5 4 3 2 1 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ( 資料 )Eurostat ECB ユーロ圏の広義失業率と賃金 イタリアの一般政府の財政収支 現政権が 9 月 27 日に発表した目標 (19 年 ) 0 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 ( 年 ) ( 資料 ) 欧州委員会を基に日本総研作成 ( 注 )2018 年は前政権の予算ベースの見通し 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 ( 年 / 期 ) ユーロ圏の単位労働コストと物価 ユーロ圏の単位労働コストと物価 ( 前年比 :%) 労働生産性 ( 逆目盛 ) 7 一人当たり雇用者報酬単位労働コスト 6 コアHICP 5 4 3 2 1 0 1 2 3 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ( 年 / 期 ) ( 資料 )ECB Eurostatを基に日本総研作成 10 年国債利回りの対独スプレッド 10 年国債利回りの対独スプレッド フランス 3.0 イタリアスペイン 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 17 18 ( 資料 )Bloomberg L.P. - 3 -

見通し : 当面はドルが底堅いものの 来年後半にかけてドル高はピークアウトへ ドル円相場 : 当面はドルが底堅く推移当面は米国景気の順調な拡大が見込まれるなか 着実に利上げを進めるFRBと金融緩和の出口に向けて容易に動けない日銀との金融政策の方向性の違いを反映して 基調としては円安ドル高の流れが続く見込み ただし 11 月の中間選挙後もトランプ大統領の政策運営を巡る不透明感が払拭されないなか 円安ドル高進行余地は限られる見通し 来年後半にかけては 米国で財政拡大や金融緩和の効果が減衰するにつれて景気が減速し 利上げ打ち止め観測が高まるなかで ドル高トレンドがピークアウトへ ユーロドル相場 : 当面はユーロ軟調地合い ECBは金融政策の正常化を着実に進めているものの 少なくとも来年夏にかけて現行の政策金利水準を維持する方針を示すなか ユーロの上値の重い展開が続く見込み 年内はイタリアの財政不安の高まりなどが引き続きユーロ下振れリスク 来年入り以降は ユーロ圏景気の底堅い回復が続くなかで 秋以降の利上げ着手が意識されるE CBと 利上げの打ち止めが意識されるFRBという金融政策の局面の違いを反映して ユーロが堅調さを取り戻していく見込み ユーロ円相場 : 当面はユーロの上値の重い展開 ECBが利上げを急がない姿勢を示すなか 当面は対円でもユーロの上値の重い展開が続く見込み 年内はイタリアの財政不安やBrexit 交渉を巡る不透明感の高まりなどが リスク回避の動きを通じて折に触れ円高ユーロ安要因に 来年入り以降は ユーロ圏景気の底堅い回復が続くなかで 金融政策の正常化を進めるECBと金融緩和の出口に向けて動けない日銀との金融政策の方向性の違いを反映して ユーロ高基調に復していく見通し ドル円相場見通し 2018 年 2019 年 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 期中平均 111.45 113 114 113 111 ( 高値 ) 113.73 ~117 ~118 ~117 ~116 ~レンジ ( 安値 ) 109.77 107 108 107 106 ( ドル ) 2018 年 2019 年 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 期中平均 1.1630 1.17 1.19 1.21 1.23 ( 高値 ) 1.1815 1.22 1.24 1.26 1.28 レンジ ( 安値 ) 1.1301 1.12 1.14 1.16 1.18 2018 年 2019 年 7~9 10~12 1~3 4~6 7~9 期中平均 129.62 133 134 136 136 ( 高値 ) 133.13 ~140 ~141 ~143 ~143 ~レンジ ( 安値 ) 124.90 126 127 129 129 ドル円相場見通し 120 115 110 105 ユーロドル相場見通し ユーロ円相場見通し 100 17/9 12 18/3 6 9 12 19/3 6 9 ( 年 / 月末 ) ( ト ル ) 1.30 1.25 1.20 1.15 1.10 17/9 12 18/3 6 9 12 19/3 6 9 ( 年 / 月末 ) 145 140 135 130 125 120 17/9 12 18/3 6 9 12 19/3 6 9 ( 年 / 月末 ) - 4 -

内外市場データ ( 月中平均 ) _ 相場 国内市場 米国市場 欧州市場 商品市況 /$ / $/ 無担 O/N TIBOR 国債 日経平均 FF O/N LIBOR 国債 NYダウ S&P500 EONIA EURIBOR 独国債 英国債 ユーロ WTI COMEX (NY 終値 ) (NY 終値 ) (NY 終値 ) 3ヵ月 10 年物 株価 3ヵ月 10 年物 工業株 3ヵ月 10 年物 10 年物 ストックス50 原油先物 金先物 ( ドル ) ($/B) ($/TO) 15/10 120.16 134.81 1.1220 0.0761 0.17 0.31 18374.11 0.12 0.32 2.06 17182.28 2024.81 0.14 0.05 0.55 1.81 3275.48 46.29 1157.86 15/11 122.63 131.56 1.0729 0.0781 0.17 0.31 19581.77 0.12 0.37 2.26 17723.77 2080.62 0.14 0.09 0.55 1.94 3439.57 42.92 1084.99 15/12 121.58 132.51 1.0899 0.0749 0.17 0.30 19202.58 0.24 0.53 2.23 17542.85 2054.08 0.20 0.13 0.60 1.88 3288.63 37.33 1068.83 16/1 118.29 128.54 1.0867 0.0745 0.17 0.22 17302.30 0.34 0.62 2.08 16305.25 1918.60 0.24 0.15 0.51 1.74 3030.50 31.78 1096.42 16/2 114.67 127.31 1.1104 0.0325 0.11 0.02 16346.96 0.38 0.62 1.77 16299.90 1904.42 0.24 0.18 0.23 1.44 2862.59 30.62 1201.08 16/3 112.95 125.83 1.1142 0.0027 0.10 0.06 16897.34 0.36 0.63 1.88 17302.14 2021.95 0.29 0.23 0.22 1.47 3031.42 37.96 1243.96 16/4 109.58 124.25 1.1339 0.0366 0.08 0.09 16543.47 0.37 0.63 1.80 17844.37 2075.54 0.34 0.25 0.18 1.48 3031.18 41.12 1242.08 16/5 109.00 123.13 1.1298 0.0589 0.06 0.11 16612.67 0.37 0.64 1.80 17692.32 2065.55 0.34 0.26 0.16 1.44 2983.70 46.80 1256.37 16/6 105.46 118.55 1.1242 0.0553 0.06 0.16 16068.81 0.38 0.65 1.64 17754.87 2083.89 0.33 0.27 0.01 1.18 2910.80 48.85 1276.23 16/7 104.09 115.17 1.1064 0.0431 0.06 0.26 16168.32 0.39 0.70 1.49 18341.18 2148.90 0.33 0.30 0.09 0.79 2919.08 44.80 1339.84 16/8 101.31 113.51 1.1205 0.0434 0.06 0.09 16586.07 0.40 0.81 1.56 18495.19 2177.48 0.34 0.30 0.07 0.61 2992.87 44.80 1338.44 16/9 101.83 114.18 1.1213 0.0516 0.06 0.05 16737.04 0.40 0.85 1.62 18267.40 2157.69 0.34 0.30 0.05 0.77 3012.09 45.23 1326.45 16/10 103.85 114.48 1.1024 0.0368 0.06 0.06 17044.51 0.40 0.88 1.75 18184.55 2143.02 0.35 0.31 0.04 1.04 3042.33 49.94 1265.84 16/11 108.63 117.09 1.0786 0.0492 0.06 0.01 17689.54 0.41 0.91 2.15 18697.33 2164.99 0.35 0.31 0.24 1.34 3026.40 45.76 1234.22 16/12 116.12 122.35 1.0538 0.0440 0.06 0.05 19066.03 0.54 0.98 2.49 19712.42 2246.63 0.35 0.32 0.29 1.39 3207.27 52.17 1150.49 17/1 114.92 122.17 1.0632 0.0448 0.06 0.06 19194.06 0.65 1.03 2.43 19908.15 2275.12 0.35 0.33 0.35 1.37 3298.77 52.61 1192.47 17/2 112.99 120.23 1.0641 0.0381 0.06 0.09 19188.73 0.66 1.04 2.42 20424.14 2329.91 0.35 0.33 0.32 1.25 3293.10 53.46 1234.97 17/3 112.92 120.67 1.0687 0.0416 0.06 0.07 19340.18 0.79 1.13 2.48 20823.06 2366.82 0.35 0.33 0.39 1.20 3427.10 49.67 1231.31 17/4 110.04 117.93 1.0717 0.0545 0.06 0.03 18736.39 0.90 1.16 2.29 20684.69 2359.31 0.36 0.33 0.25 1.06 3491.83 51.12 1271.21 17/5 112.24 124.09 1.1057 0.0527 0.06 0.04 19726.76 0.91 1.19 2.30 20936.81 2395.35 0.36 0.33 0.38 1.09 3601.87 48.54 1245.50 17/6 110.97 124.70 1.1238 0.0556 0.06 0.05 20045.63 1.04 1.26 2.18 21317.80 2433.99 0.36 0.33 0.29 1.05 3547.85 45.20 1259.99 17/7 112.38 129.59 1.1532 0.0542 0.06 0.08 20044.86 1.15 1.31 2.31 21581.25 2454.10 0.36 0.33 0.54 1.25 3483.89 46.68 1237.66 17/8 109.84 129.81 1.1818 0.0493 0.06 0.04 19670.17 1.16 1.31 2.20 21914.08 2456.22 0.36 0.33 0.42 1.10 3451.34 48.06 1284.21 17/9 110.81 131.93 1.1906 0.0579 0.06 0.02 19924.40 1.15 1.32 2.20 22173.41 2492.84 0.36 0.33 0.41 1.21 3507.10 49.88 1315.37 17/10 112.93 132.75 1.1755 0.0371 0.06 0.06 21267.49 1.15 1.36 2.36 23036.24 2557.00 0.36 0.33 0.43 1.35 3614.75 51.59 1280.89 17/11 112.82 132.48 1.1744 0.0483 0.06 0.04 22525.15 1.16 1.43 2.35 23557.93 2593.61 0.35 0.33 0.36 1.28 3601.43 56.66 1282.11 17/12 112.93 133.68 1.1838 0.0422 0.06 0.05 22769.89 1.30 1.60 2.41 24545.38 2664.34 0.34 0.33 0.35 1.22 3564.66 57.95 1267.01 18/1 110.97 135.28 1.2193 0.0396 0.07 0.07 23712.21 1.41 1.73 2.57 25804.02 2789.80 0.36 0.33 0.55 1.33 3612.16 63.66 1330.67 18/2 107.86 133.14 1.2344 0.0419 0.07 0.06 21991.68 1.42 1.87 2.86 24981.55 2705.16 0.37 0.33 0.72 1.57 3426.71 62.18 1331.70 18/3 106.10 130.87 1.2336 0.0617 0.07 0.04 21395.51 1.51 2.17 2.84 24582.17 2702.77 0.36 0.33 0.59 1.45 3374.30 62.77 1326.41 18/4 107.62 132.08 1.2273 0.0627 0.09 0.04 21868.79 1.69 2.35 2.87 24304.21 2653.63 0.37 0.33 0.55 1.44 3457.62 66.33 1335.00 18/5 109.71 129.59 1.1813 0.0612 0.10 0.05 22590.05 1.70 2.34 2.98 24572.53 2701.49 0.36 0.33 0.52 1.42 3537.09 69.98 1303.30 18/6 110.13 128.55 1.1672 0.0710 0.08 0.04 22562.88 1.82 2.33 2.91 24790.11 2754.35 0.36 0.32 0.40 1.32 3442.77 67.32 1280.40 18/7 111.47 130.27 1.1686 0.0700 0.09 0.05 22309.06 1.91 2.34 2.89 24978.23 2793.64 0.36 0.32 0.36 1.27 3460.89 70.58 1237.70 18/8 111.03 128.22 1.1548 0.0593 0.09 0.10 22494.14 1.91 2.32 2.89 25629.99 2857.82 0.36 0.32 0.36 1.31 3436.83 67.85 1200.43 18/9 112.05 130.62 1.1660 0.0586 0.06 0.12 23159.29 1.94 2.35 2.99 26232.67 2901.50 0.36 0.32 0.44 1.53 3365.23 70.08 1198.08