ダイエット検定 インストラクター養成コース インストラクターとしての基礎知識 - 基本用語説明 - 日本タ イエット健康協会理事 医学博士永田 永田孝行 日本ダイエット健康協会 http://www.diet-kyoukai.com/
1. カロリー (kcal) 摂取と消費の算出法についてカロリーの収支バランスとは? 1 摂取カロリー = 消費カロリー = 体重維持 2 摂取カロリー < 消費カロリー = 減量可能 3 摂取カロリー > 消費カロリー = 体重増加 カロリーの算出方法は? 摂取カロリー = 爆発熱量計による水温 (1リットル) 上昇 (14.5 14.5 15.5 15.5 =1kcal 1kcal) =タンパク質 4kcal(4.35kcal) 脂質 9kcal(9.45kcal) 糖質 4kcal(4.10kcal) 消費カロリー = 酸素消費量 1リットル=5kcal =Mets 計算 1Met( 安静時酸素摂取量 )=3.5ml/kg/ 分 消費エネルギー量 (kcal)= 体重 (kg) METS 数 運動時間 (h) 1.05(kcal/METS/kg/h) *3.5(ml/kg/ 分 ) 60( 分 /h) 5(kcal/ リットル ) 1000=1.05kcal
2.GI 値 説明と算出法及び汎用性について GI 値の算出方法は? 各食材の血糖曲線下面積 基準食の血糖曲線下面積 100 基準食 ( ブドウ糖 白米飯 食パン ) を 100% とした各食材の面積比 (%) 基準 (0 分 ) 15 分 30 分 60 分 90 分 120 分 150 分の血糖値を手順よく測定してグラフ化する ( 0 分 ~ 15 分迄の三角形の面積 ) + ( 15 分 ~ 30 分迄の台形の面積 ) + ( 30 分 ~ 60 分迄の台形の面積 ) + ( 60 分 ~ 90 分迄の台形の面積 ) + ( 90 分 ~120 分迄の台形の面積 ) + (120 分 ~150 分迄の三角形の面積 ) 各食材総面積 基準食総面積 100
経過時間 基準食 対象食材 A 比較食材 対象食材 B ( 分 ) 血糖値 (mg/dl ( mg/dl) 血糖値 (mg/dl ( mg/dl) 血糖値 (mg/dl( mg/dl) 血糖値 (mg/dl( mg/dl) 0 86 86 86 86 15 118 113 111 115 30 143 131 123 138 45 158 125 118 148 60 147 118 110 128 90 125 109 103 100 120 109 103 99 86 150 86 86 86 91 血糖値 (mg/dl) 180 170 160 150 140 130 120 110 100 90 80 0 30 60 90 120 150 経過時間 ( 分 ) 基準食対象食材 A 比較食材対象食材 B
経過時間 基準食 対象食材 A 比較食材 対象食材 B 0-15 240.0 202.5 187.5 217.5 15-30 667.5 540.0 465.0 607.5 30-45 967.5 630.0 517.5 855.0 45-60 997.5 532.5 420.0 780.0 60-90 1500.0 825.0 615.0 840.0 90-120 930.0 600.0 450.0 210.0 120-150 150 345.0 255.0 195.0 75.0 面積総計 5647.5 3585.0 2850.0 3585.0 回復までの時間 150.0 150.0 150.0 120.0 面積 / 回復時間 37.7 23.9 19.0 29.9 GI 値 100.0 63.5 50.5 79.3 面積比 100.0 63.5 50.5 63.5 1 面積総計 : 全ての面積の合計 2 回復までの時間 : 基準の 0 に戻るまでの時間 ( 分 ) 3 面積 / 回復時間 : 面積総計 回復までの時間 4 面積比 : 各食材の面積総計 基準食の面積総計 100(%) 5GI 値 : 各食材の 3 基準食の 3 100(%)
3. 代謝 同化作用と異化作用 基礎代謝の季節変動 ( 環境変動 ) について 代謝 = 異化作用 + 同化作用 睡眠時代謝 基礎代謝 安静時代謝 生活活動代謝 食事誘導性体熱産生などの消費エネルギー 筋肉 骨など細胞組織の補修や血液やホルモンなどの補充
4. 自律神経とモナリザ症候群 4. 自律神経とモナリザ症候群 4. 自律神経とモナリザ症候群 4. 自律神経とモナリザ症候群 肥満者の多くは交感神経の働きが低下している肥満者の多くは交感神経の働きが低下している肥満者の多くは交感神経の働きが低下している肥満者の多くは交感神経の働きが低下している肥満肥満肥満肥満になっになっになっになっもいったんもいったんもいったんもいったんの働きがきがきがきがしてもしてもしてもしても効果効果効果効果まうまうまうまう ったったったった原因原因原因原因は過食過食過食過食であであであであん肥満肥満肥満肥満になってしまになってしまになってしまになってしま低下低下低下低下してしまうのでしてしまうのでしてしまうのでしてしまうので果的果的果的果的な減量減量減量減量が出来出来出来出来あったとしてあったとしてあったとしてあったとしてまうとまうとまうとまうと交感神経交感神経交感神経交感神経で食事食事食事食事を減らなくなってしなくなってしなくなってしなくなってし
5. セットポイントとリバウンド 危険なメカニズム ( ウェイトサイクリングとヨーヨー症候群 ) 人には長期間維持した体重にセットするメカニズムが備わっているために増えたら減らし 減ったら増やしながら体重の増減を調節している この増減幅が大きくなると代謝機能や脳内中枢神経の働きが過剰に反応する 食事制限によってエネルギー不足を生じると体内の蓄積エネルギー ( グリコーゲンや体脂肪及び筋肉中のアミノ酸 ) が分解して活動エネルギーに使われるが 初動活動 ( 動き始めなどの大きな力 ) にはグリコーゲンが使われ 体脂肪は使われない 筋肉内のアミノ酸 ( アラニン ) が分解されてエネルギーに使われる 筋量の低下 交感神経の低下で消費エネルギーを低下させながら脳内の摂食中枢を亢進させてエネルギー不足を補う 補われるエネルギーによって体脂肪だけが増えて体重を元に戻す ( セットポイント ) 代謝の低下 太りやすく痩せにくい体質となり 繰り返す度にこの体質へのセットポイントセットポイントが強く定着してしまう
6. 皮下脂肪と内臓脂肪 6. 皮下脂肪と内臓脂肪 6. 皮下脂肪と内臓脂肪 6. 皮下脂肪と内臓脂肪脂肪細胞 ( 褐色脂肪と白色脂肪 ) 脂肪細胞 ( 褐色脂肪と白色脂肪 ) 脂肪細胞 ( 褐色脂肪と白色脂肪 ) 脂肪細胞 ( 褐色脂肪と白色脂肪 ) 脂肪細胞の役割脂肪細胞の役割脂肪細胞の役割脂肪細胞の役割皮下脂肪の役割 エネルギー源としての利用 外部からの衝撃緩和作用 内臓位置固定作用 寒冷防御作用 ホルモンなどの原料 皮下組織に蓄えられる内臓脂肪の役割 エネルギー不足への即座の補給源 腹腔内で小腸を覆っている腸間膜に連なるように蓄積されるエネルギーのエネルギーのエネルギーのエネルギーの貯蔵庫貯蔵庫貯蔵庫貯蔵庫が生じたじたじたじた場合場合場合場合にはにはにはには供給供給供給供給されるされるされるされる主に体温保持体温保持体温保持体温保持に必要必要必要必要供給供給供給供給するためのエネするためのエネするためのエネするためのエネ全身に分布する 内臓脂肪は男性に多く 皮下脂肪は女性に多いが更年期以降は男女類似する 幼少期には目立った分布があり 成人期以降には肩甲骨周囲や腋下に少し分布するのみで男女同様 庫でエネルギーでエネルギーでエネルギーでエネルギー不足不足不足不足必要必要必要必要に応じてじてじてじて分解分解分解分解要な熱エネルギーをエネルギーをエネルギーをエネルギーをネルギーネルギーネルギーネルギー貯蔵庫貯蔵庫貯蔵庫貯蔵庫
7. 異所性脂肪 = 第三の脂肪 体脂肪は 皮下脂肪や内臓脂肪として脂肪細胞内に貯蔵されるが 異所性脂肪は脂肪細胞に蓄えられにくくなった場合の反応として 脂肪細胞内ではなく筋肉組織や内臓組織の細胞に直接ポツン ポツン と多数付着して内臓に悪影響を及ぼす 異所性脂肪 とは 本来蓄えるべき場所ではない所の脂肪と言う意味で付けられた名称 心臓に付着 = 心臓の働きが悪化して心臓発作や動脈硬化を誘発しやすくなる 肝臓に付着 = 脂肪肝になりやすくなる 膵臓に付着 = 膵臓の β 細胞を破壊してインスリンの分泌異常を起こし 糖尿病を誘発する
8. アディポサイトカイン 脂肪細胞から分泌される生理活性物質の総称 アディポネクチン ( 血管保護と血圧低下作用 ) レプチン ( 体脂肪蓄積抑制作用 ) 脂肪細胞 TNF α ( インスリン抵抗性 ) PAI -1 ( 血栓生成作用 ) アンジオテンシノーゲン ( 血圧上昇作用 ) 脂肪細胞は単なる余剰エネルギーの蓄積作用のみではなく臓器としての機能を備えている
9. 倹約遺伝子 β-3 アドレナリン受容体 Trg64Argのミスセンス変異は 日本人では3 人に1 人の高頻度で存在する β-3アドレナリン受容体は白色脂肪細胞 褐色脂肪細胞 骨格筋に存在するが この受容体に変異があるとノルアドレナリンの刺激が伝わりにくいために体脂肪分解による熱産生が低下することで 基礎代謝が約 200kcal/ 日低下する UCP1( 脱共役タンパク質 1) UCPは数種あり UCP1は褐色脂肪細胞に存在し UCP2は白色脂肪細胞や骨格筋 脾臓 小腸など全身に広く分布し UCP3は主に骨格筋に UCP4とUCP5は主に脳に存在する UCP1は褐色脂肪細胞での熱産生に大きく関与し この遺伝子が標準と異なると基礎代謝が約 100kcal/ 日低くなる β-2 アドレナリン受容体 β-2 アドレナリン受容体は心臓 気管支平滑筋 前立腺などに存在するが 脂肪細胞にも存在し 体脂肪分解に関わっている この遺伝子が標準と異なると体脂肪が分解されやすく 基礎代謝が約 300kcal 上昇する また同様に筋肉組織も分解されやすいために根本的に基礎代謝は低下する
10. 満腹中枢と空腹中枢 空腹となって食事を食べ始めるメカニズムの全てを説明することはできないが それには脳内の視床下部外側野にある 空腹中枢 が関与していることは間違いない! ダイエットして空腹感に負け 挫折するのは脳内メカニズムの仕業であり 精神が弱いとか根性がないせいではない また人が満腹になるメカニズムは胃の膨張と共に脳内視床下部腹内側核にある 満腹中枢 に刺激が伝わるためで 血糖値の上昇と深く関わっている 満腹中枢への刺激は 20 分 ~30 分要し 咀嚼によってその刺激が強くなることから意識的に噛む回数を増やしながらゆっくり食べることにより比較的少量でも満腹感が得られやすくなる
11. 認知性食欲と代謝性食欲 認知性食欲 ( 認知性調節 ) 人が食事するタイミングは空腹で我慢できなくなってからではなく 食事の時間配分や都合の良い時間帯或いは予め決めていた時間帯に食べることが殆どであり 長期間の食生活でつくられたサーカディアンリズムによって認知された生活習慣である 代謝性食欲 ( 代謝性調節 ) 胃から腸内の消化過程を経て空腹となり血糖値が低下することでホルモンが分泌されて脳内視床下部がエネルギー不足を感知すると空腹中枢が刺激されて強い空腹感を与える ダイエットなどでの意識的食事制限下では代謝性食欲が働きやすいので空腹が我慢できなくなっていく
12. 成人病 生活習慣病とメタボリックシンドローム成人病 ( 昭和 32 年 ) ( 脳卒中やガンなど死因の中で上位を占め 40 歳 ~60 歳に多い疾病 ) 疾病やその危険因子の早期発見 早期治療をめざす二次予防対策 生活習慣病 ( 平成 8 年 12 月 18 日 ) ( 食習慣 運動習慣 休養 喫煙 飲酒などの生活習慣がその発症 進行に関与する疾患群 ) 生活習慣を改善して殆どの疾病を事前に予防する一次予防対策 メタボリックシンドローム ( 平成 20 年 4 月 1 日 ) ( 高齢者医療費確保 疾病の兆候を察知して進行する前にその要因を防ぐ保健指導対策 )
メタボリックシンドローム ( 内臓脂肪症候群 ) の診断基準 内臓脂肪蓄積 内臓脂肪蓄積 ( 内臓脂肪面積 100m² 以上相当値 ) ウエスト周囲径 男性 85cm 以上女性 90cm 以上 ( 内臓脂肪面積 100cm 以上相当 ) + 下記 2 項目以上 BMI BMI ( ボディマスインデックス / 体格指数 ) 体重 (kg)/ 身長 (m)2 = 体重 身長 (m) 身長 (m)=22( 適正値 ) 18.5 未満 = 痩せ 18.5~25 未満 = 標準 25~30 未満 = 肥満 30 以上 = 高度肥満 血清脂質異常 トリグリセリド値 150mg/dL 以上 HDL コレステロール値 40mg/dL 未満 血圧高値 最高 ( 収縮期 ) 血圧 130mmHg 以上 最低 ( 拡張期 ) 血圧 85mmHg 以上 高血糖 空腹時血糖値 110mg/dL 以上 = 保健指導対象者 ( 自己管理出来なかった人 ) 情報提供 動機付け支援 or 積極的支援
肥満だけではなく 痩せ過ぎ の疾病率も高い 男性 女性 BMI と疾病合併率 ( 人事院 ) 保健指導に関する検討会 脳血管疾患及び心臓疾患予防のための保健指導マニュアル より)
13. カルボーネン法 超回復 オーバーロードの原則 カルボーネン法 ( 目標心拍数の算出法 ) 安静時心拍数 : 起床時に横になったまま 或いは座位で15 分安静後に60 秒間脈拍を数える ( これは実測値です ) 最大心拍数 : 220- 年齢 = 回 / 分目標心拍数 : ( 最大心拍数 - 安静時心拍数 ) 目的別レベル + 安静時心拍数 ( 例 ) 40 歳で安静時心拍数 60 回 / 分の人 ( 男女共通 ) が 50% の目的別レベルで運動する為の目標心拍数最大心拍数 220-40 歳 =180 回 / 分目標心拍数 (180-60) 0.5+60=120 回 / 分 超回復 ( 体力レベルアップの仕組み ) 筋力 体力アップ休養 回復オーバーロードの原則 ( 段階的レベルアップ法 )= 漸進性の原則 維持 オーバーロードの原則 ( 段階的レベルアップ法 )= 漸進性の原則 筋力トレーニングなら筋力アップに伴って徐々に負荷 ( 重さ ) や回数又はスピードを増して より強い体力に近づける 長距離走 ( マラソンなど ) なら心肺持久力の向上に伴ってより長い距離を走る 短距離 (100m など ) なら自力で速く走るには限界があるのでより速く走ることが出来るようにやや下り坂を走ったり逆に上り坂を走ったりとそれぞれ負荷を増して行く
14. 有酸素運動と無酸素運動 赤筋 ( 遅筋 ) と白筋 ( 速筋 ) 1 筋肉内の ATP( アデノシン三燐酸 ) を利用 ( エネルギーの源 ) 2ADP( アデノシン二燐酸 ) から P( 燐酸 ) が分離されてそのエネルギーが ATP を再合成する 3CP( クレアチン燐酸 ) から P( 燐酸 ) が分離するエネルギーで ATP を再合成 筋肉中には乳酸と共に水素イオン ( 疲労物質 ) が発生 4 酸素によって乳酸を分解しながらエネルギーを再生
15. ルーの三原則と SAID (Specific Adaptation to Imposed Demands) の原則 ルーの三原則 筋肉は適度に使うと発達し 使わないと退化し 過度に使うと障害を引き起こす 従って 自らの体力に適った無理のない運動を休養を挟みながら定期的に繰り返す SAID の原則 ( 特異性の原則 ) 与えられた負荷に対するある特定の適応能力 体脂肪と違って筋肉だけはターゲット部分だけを集中的に変化させることが可能
16.DIT (Diet Induced Thermogenesis) 食事誘導性体熱産生 DIT DIT= 食べ物を噛んだり消化 発酵 吸収する過程で使われる消費エネルギーのこと =SDA SDA(Specific Dynamic Action/ 特異動的作用 ) =TEF TEF (Thermic Effect of Food) 1 運動習慣 あり > なし 2 活動量 多い > 少ない 3 体温 ( 平熱 ) 高い > 低い 4 食事の時間帯 早い > 遅い 5 食事環境 リラックス > 慌ただしい 6 味覚 美味しい > 不味い辛い > 甘い 7 料理の温度 温かい > 冷たい 8 食事の満足感 満足 > 不満 9 咀嚼 良く噛む > 良く噛まない 10 栄養素 タンパク質 > 炭水化物 ( 糖質 ) > 脂質