調査実施の背景 2015 年 1 月からの相続税における基礎控除の引き下げを前に 孫等への教育資金一括贈与の非課税制度に対する社会的反響が続いています 一般社団法人信託協会のとりまとめによれば この制度に基づく教育資金贈与信託の受託契約件数は取り扱い開始以降増加を続け 2014 年 9 月現在で 8

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調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合

調査実施の背景 わが国は今 人口構造の変化に伴う労働力の減少を補うため 女性の活躍を推進し経済成長を目指しています しかし 出産後も働き続ける女性は未だ多くないばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も少ない状況が続いています 女性の活躍を促進させるためには 継続就業のための両立支援策ととも

調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高

調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

調査の実施背景 介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました 同制度は 家族介護をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものですが 実際には 介護の担い手としての家族の負担 ( 経済的 身体的 精神的負担 ) は小さくありません 今後 ますま

調査の実施背景 近年の消費スタイルは 長引く不況下での節約志向の定着の中で 環境問題や節電が 心がけられたり 東日本大震災の復興支援を目的とした応援消費 支援消費が意識され るなど 単に 安くていいもの を基準としたコストパフォーマンスだけでは説明でき なくなってきています こうした動きの中で 消費

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 30~60 代の既婚男女 2. サンプル数 800 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2006 年 1 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 769 名 (96.1%

Microsoft Word - Report (北村)最終版2.docx

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調査実施の背景 今日 様々な調査において 仕事上重要な能力の1つとして コミュニケーション能力 が上位にあげられています しかし 一言でコミュニケーション能力といっても 企業で求められるそれは多岐にわたり 具体的にどのような能力がどのような人で重要ととらえられ 各人においてそれぞれのコミュニケーショ

三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

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2009年9月●日

「教育資金贈与信託」、資産の世代間移行を後押し

調査の背景と目的 健康長寿社会の実現がわが国の重要課題となる中 企業が人々の健康づくりに取り組むことを促す動きが広がっています また 健康経営 という観点から 企業が従業員の健康づくりに取り組んだり それを推進したりする動きもあります こうした動きと並行して 従業員の健康づくりへの取り組み状況等に関

質問 1 敬老の日 のプレゼントについて (1) 贈る側への質問 敬老の日 にプレゼントを贈りますか? ( 回答数 :11,202 名 ) 敬老の日にプレゼント贈る予定の方は 83.7% となり 今年度実施した父の日に関するアンケート結果を約 25% 上回る結果となった 敬老の日 父の日 贈らない

質問 1 敬老の日 について (1) 贈る側への質問 プレゼントは何を贈る予定ですか? ( 回答者数 :4,450 名 ) (2) 贈られる側への質問 プレゼントは何がほしいですか? ( 回答者数 :1,061 名 ) 昨年同様 贈る側 贈られる側ともに 食事 グルメ がトップ 贈られる側は 旅行

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孫のために教育資金を支援するならどの制度?

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業

基本情報

平成13年8月29日

調査実施の背景 第一生命経済研究所は 生活者の意識や行動の現状と変化をとらえるため 1995 年より 今後の生活に関するアンケート を実施し ライフデザイン白書 を出版してまいりました 第 8 回目となる ライフデザイン白書 2015 ( ) では 家族 地域 消費 就労 健康 介護 人生設計 とい

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

調査の実施背景 戦後 日本の平均寿命は飛躍的に延び 平成 年 7 月に厚生労働省が発表した 平成 年簡易生命表 によると 65 歳の平均余命は 男性は 8.86 歳 女性は.89 歳となっています 約 0 年あるセカンドライフをより有意義に 楽しく暮らすためには人生設計や事前の準備が必要なのではない

調査の背景 埼玉県では平成 29 年度から不妊に関する総合的な支援施策として ウェルカムベイビープロジェクト を開始しました 当プロジェクトの一環として 若い世代からの妊娠 出産 不妊に関する正しい知識の普及啓発のため 願うときに こうのとり は来ますか? を作成し 県内高校 2 年生 3 年生全員

<4D F736F F D20838C837C815B83675F89C68C7682C98AD682B782E992B28DB E342E646F63>

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

<4D F736F F D20819D819D F F9193C18F FEA816A8DC58F4994C52E646F6378>

平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(概要版)2/4

日本の富裕層は 122 万世帯、純金融資産総額は272 兆円

<4D F736F F D C835894AD955C8E9197BF EE CC B83678E9E8E96816A8F4390B38CE32E646F63>

新信託商品受容性把握のための基礎調査 調査結果報告書 相続意識編 2013 年 8 月

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一人暮らし高齢者に関する意識調査結果 <概要版>2

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「終活」に関する意識調査

◎公表用資料

Microsoft Word 年10月(HP).doc

調査の結果 問 1 あなたの性別は 調査に回答していただいた生徒の性別は 男 が問 % 女 が 49.5% です 男 女 問 2 あなたは, 生まれてからずっと鈴鹿市に住んでいますか 生まれたときから鈴鹿市に ずっと住ん

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「学び直し」のための教育訓練給付制度の活用状況|第一生命経済研究所|的場康子

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PDF化【公表】290606報告書(横計入)

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ECONOMY TOPICS

2017 年 2 月 27 日株式会社カカクコム 価格.com 生命保険 に関する調査結果を発表加入率は約 8 割 若年層ほど低い傾向 加入中の生命保険は終身タイプがトップ将来への不安?20 代の加入目的 老後保障 貯蓄 が他世代よりも高い結果に補償内容への理解度 十分理解できていない加入者が 53

長く働き続けるための「学び直し」の実態と意識|第一生命経済研究所|的場康子

                                        

平成23年度 旭区区民意識調査

自分がこだわりのある部分には 積極的にお金をかけたい (P.9) の学生では特に こだわり消費 への意識が高い 将来を見据える一方 必要と思うものには積極的に消費する姿勢あり 選ぶのが難しいモノを購入 契約するときに 情報を収集したり調べたりするのは面倒くさい (P.1) の学生でも半数近くが情報収

「高齢者の日常生活に関する意識調査」結果(概要) 3

「シニアのリアル調査」結果第三弾

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調査の実施背景 第二次世界大戦後の 1948( 昭和 23) 年に新民法が施行され 家族の概念は これまでの家父長制の直系制家族から夫婦制家族へと移行しました たとえば相続財産については 現行の民法では 兄弟姉妹で均等に相続するのが原則となっています しかし墳墓の継承については 民法第八九七条による

家庭における教育

Microsoft Word - .\...doc

調査概要 調査方法 インターネット調査 調査目的 相続財産の受け取り経験や今後の可能性 相続対策の実態 相続税 贈与税改正論への意識などを把握し 今後の施策作りへの一助とする 調査対象者 50 歳以上の既婚者 サンプルソース 弊社インターネットモニター 調査実施期間 12 年 5 月 18 日 (

PowerPoint プレゼンテーション

自主調査レポート

(市・町)        調査

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

ニュースリリース 野村アセットマネジメント 第8回「NISAに関する意識調査」結果について (PDF)

3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

2007 年 10 月 子どもの生活に関するアンケート調査 より 学校教育に対する親の認識と子どもの関心 ~ 学校教育での学習に対して 非常に満足している 親はごく僅か ~ 第一生命保険相互会社 ( 社長斎藤勝利 ) のシンクタンク ( 株 ) 第一生命経済研究所 ( 社長小山正之 ) では 全国の

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日本、中国、米国の貯蓄に対する意識調査:東京スター銀行

ニッセイインターネットアンケート ~ 夏のボーナス について ~ 2019 年 6 月 2 8 日日本生命保険相互会社 日本生命保険相互会社 ( 社長 : 清水博 ) は ずっともっとサービス のサンクスマイルメニューのひとつ として ホームページ (

man2

(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

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第2章 調査結果の概要 3 食生活

調査概要 ゆとり世代 と 親世代 の住まいと距離に関する意識調査 調査結果詳細 調査方法 : インターネットリサーチ調査地域 : 1 都 3 県 ( 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 ) (1) 1987 年度以降生まれの 22~25 歳の社会人の男女 1 都 3 県に実家があり かつ現在も圏内に在

20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

調査概要 調査対象 : 東京都 愛知県 大阪府 福岡県の GF シニアデータベース 有効回答件数 :992 件 標本抽出法 :GF RTD( ランダム テレフォンナンバー ダイアリング ) 方式 調査方法 : アウトバウンド IVR による電話調査 調査時期 : 平成 23 年 8 月 4 日 (

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

平成17年5月11日

ニュースリリース 平成 3 1 年 3 月 2 8 日 消費者動向調査 : 軽減税率 株式会社日本政策金融公庫 消費税の 軽減税率制度 消費者の受け止め方を調査 ~ 約 7 割の消費者が制度を認知認知 制度運用には わかりやすさ を求める ~ < 平成 31 年 1 月消費者動向調査 > 日本政策金

調査概要 調査方法 調査目的 贈与者調査 ( 親や祖父母 ) 資金贈与者の立場から 結婚を契機とした既婚の子供への資金援助の実態や未婚の子供や孫に対する資金援助の意向 商品の受容性を把握し 贈与税制見直しなどの提言の一助とする 受益者調査 ( 子供や孫 ) 資金受益者の立場から 結婚の障壁や不安点

調査レポート

3 調査項目一覧 分類問調査項目 属性 1 男女平等意識 F 基本属性 ( 性別 年齢 雇用形態 未既婚 配偶者の雇用形態 家族構成 居住地 ) 12 年調査 比較分析 17 年調査 22 年調査 (1) 男女の平等感 (2) 男女平等になるために重要なこと (3) 男女の役割分担意

~親世代の資産に関する意識調査~:東京スター銀行

PowerPoint プレゼンテーション

長期失業者の求職活動と就業意識

質問 1 何歳から 長生き だと思いますか? 男性 女性ともに 80 歳 がトップ ( 合計 :42.3% 男性 :43.2% 女性 41.3%) 平均すると 男性が 81.7 歳 女性が 83.0 歳 と女性の方がより高年齢を 長生き と思うという 傾向があり 女性の 5 人に 1 人 (20.8

Transcription:

2014 年 1 月 21 日 孫の教育 将来に対する祖父母の意識 ~ 孫がいる 55~74 歳男女へのアンケート調査より ~ 第一生命保険株式会社 ( 社長渡邉光一郎 ) のシンクタンク 株式会社第一生命経済研究所 ( 社長矢島良司 ) では 全国の孫がいる 55~74 歳の男女 1,000 名を対象に 孫の将来 教育への関心や孫の教育費の支援意向等についてたずねるアンケート調査を行いました この程 その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします 本リリースは ホームページ (URL:http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/ldn_index.html) にも掲載しています 調査結果のポイント 孫の将来について考えることがあるか (P.2) 孫の将来について 考えることがある 祖父母は62.7% 最年長の孫が中高生の祖父母では 81.4% が 考えることがある 孫の教育に関心があるかう (P.3) 孫の教育に 関心がある 祖父母は70.7% 最年長の孫が中高生の祖父母では 81.1% が 関心がある 孫にもっと身につけてほしいと思うこと (P.4) 上位 3 項目は 体力 健康 (44.0%) 思いやり 優しさ (29.3%) 学力 知識 (26.2%) 最年長の孫が中高生の祖父母では第 2 位に 学力 知識 (31.6%) 孫の教育費に関する支援の相談経験と祖父母の支援意向 (P.5) 孫の親から支援を相談された経験がある祖父母は 7.3% 支援の意向をもつ祖父母は 24.8% 直近 1 年間に祖父母が孫世帯に行った経済的支援 (P.6) 最も多く行った経済的支援は 孫へのプレゼントやお祝いなど (74.2%) 直近 1 年間に孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合 (P.7) 82.6% の祖父母が直近 1 年間に何らかの経済的支援を行っている 老後資金が かなり足りない 祖父母の 75.7% が経済的支援を行っている直近 1 年間に孫の親から受けた経済的支援 (P.8) 約半数の祖父母が 直近 1 年間に何らかの経済的支援を受けている 1 孫の才能を伸ばすことや将来の経済的自立に対する祖父母の意識 (P.9) 祖父母の 95% 前後が 孫の才能はできるだけ伸ばしてやりたい 孫には将来 経済的に自立できるよう育ってほしい と考えている 本リリースは 当研究所から季刊発行している ライフデザインレポート Winter 2015.1 を もとに作成したものです 当該レポートは 下記のホームページにて全文公開しております < お問い合わせ先 > 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室広報担当 ( 津田 新井 ) TEL.03-5221-4771 FAX.03-3212-4470 URL http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi

調査実施の背景 2015 年 1 月からの相続税における基礎控除の引き下げを前に 孫等への教育資金一括贈与の非課税制度に対する社会的反響が続いています 一般社団法人信託協会のとりまとめによれば この制度に基づく教育資金贈与信託の受託契約件数は取り扱い開始以降増加を続け 2014 年 9 月現在で 89,095 件 信託財産設定額合計で 6,048 億円に達しています この背景には 高齢者に偏る金融資産を子や孫世代に移転することを促し 経済活性化をはかるという経済政策としての期待とともに 子育て世代の家計において子どもの教育費への負担感が高まるなかで その資金提供者としての祖父母の存在感が強まっていることもあると考えられます 他方 増税に加え 年金支給額や社会保険料負担をめぐる社会的な不安も広がっており この制度を利用できる層が限られ 教育格差を固定しかねないとする批判も依然根強いのが実情です このような中 当研究所では 孫がいる祖父母に対するアンケート調査を行い 祖父母における孫の将来 教育への関心や 孫の教育費への支援意向等についてたずねました 本リリースではこの調査結果に基づいて 祖父母が孫の将来 教育についてどのような意識をもち 自身の暮らし向きや老後資金の見通しによってそれらにどのような違いがみられるのかについてご紹介します 調査概要 1. 調査対象全国の孫がいる 55~74 歳の祖父母 1,000 名 2. 調査方法株式会社クロス マーケティングのモニターを用いたインターネット調査 3. 調査時期 2014 年 11 月 5 日 ~7 日 4. 回答者の主な属性 n % n % 性別 男性 500 50.0 孫の人数 1 人 329 32.9 女性 500 50.0 2 人 246 24.6 年代 55-59 歳 178 17.8 3 人 166 16.6 60-64 歳 275 27.5 4 人 147 14.7 65-69 歳 274 27.4 5 人以上 112 11.2 70-74 歳 273 27.3 最年長の孫 就園前 184 18.4 配偶 既婚 ( 配偶者あり ) 876 87.6 の学齢 園児 170 17.0 状況離別 死別 ( 配偶者なし ) 124 12.4 小学生 370 37.0 孫との 同居 67 6.7 中高生 196 19.6 同別居別居 933 93.3 大学生以上 80 8.0 1

孫の将来について考えることがあるか 孫の将来について 考えることがある 祖父母は 62.7% 最年長の孫が中高生の祖父母では 81.4% が 考えることがある 図表 1 孫の将来について考えることがあるか ( 全体 性別 年代別 最年長の孫の学齢別 ) 0 30 60 90 全体 (n=1,000) 20.2 42.5 62.7 < 性別 > 祖父 (n=500) 17.0 42.2 59.2 祖母 (n=500) 23.4 42.8 66.2 < 年代別 > 55-59 歳 (n=178) 13.5 40.4 53.9 60-64 歳 (n=275) 22.9 33.1 56.0 65-69 歳 (n=274) 18.2 52.6 70.8 70-74 歳 (n=273) 23.8 43.2 67.0 < 最年長の孫の学齢別 > 就園前 (n=184) 16.3 33.7 50.0 園児 (n=170) 20.0 41.2 61.2 小学生 (n=370) 19.5 45.4 64.9 中高生 (n=196) 37.0 44.4 81.4 大学生以上 (n=80) 16.2 47.5 63.7 よくある ときどきある 注 1: 回答の選択肢には このほか あまりない まったくない がある 注 2: 太字表記は よくある ときどきある の合計割合 はじめに 孫の将来について考えることがあるかをたずねたところ よくある と答えた人が 20.2% ときどきある と答えた人が 42.5% と 合わせて 62.7% の人が考えることがあると答えました ( 図表 1) この割合を 祖父母の性別や年代 最年長の孫の学齢別に比較した場合 祖父より祖母 64 歳以下より 65 歳以上 最年長の孫が中高生の人で特に高くなっています 最年長の孫が中高生の祖父母では 孫の将来について考えることが よくある と答えた人が 37.0% ときどきある と答えた人が 44.4% と 合わせて 81.4% を占めました 2

孫の教育に関心があるか 孫の教育に 関心がある 祖父母は 70.7% 最年長の孫が中高生の祖父母では 81.1% が 関心がある 図表 2 孫の教育に関心があるか ( 全体 性別 年代別 最年長の孫の学齢別 ) 0 30 60 90 全体 (n=1,000) 20.4 50.3 70.7 < 性別 > 祖父 (n=500) 20.2 48.8 69.0 祖母 (n=500) 20.6 51.8 72.4 < 年代別 > 55-59 歳 (n=178) 11.2 51.1 62.3 60-64 歳 (n=275) 21.1 49.1 70.2 65-69 歳 (n=274) 19.3 54.7 74.0 70-74 歳 (n=273) 26.7 46.5 73.2 < 最年長の孫の学齢別 > 就園前 (n=184) 16.3 47.8 64.1 園児 (n=170) 17.6 52.9 70.5 小学生 (n=370) 21.6 47.6 69.2 中高生 (n=196) 26.0 55.1 81.1 大学生以上 (n=80) 16.3 51.3 67.6 関心がある やや関心がある 注 1: 回答の選択肢には このほか あまり関心はない 関心はない がある 注 2: 太字表記は 関心がある やや関心がある の合計割合 次に 孫の教育に関心があるかをたずねたところ 関心がある と答えた人が 20.4% やや関心がある と答えた人が 50.3% と 合わせて 70.7% の人が関心があると答えました ( 図表 2) この割合を 祖父母の性別や年代 最年長の孫の学齢別に比較した場合 祖父より祖母 64 歳以下より 65 歳以上 最年長の孫が中高生の人で特に高くなっています 最年長の孫が中高生の祖父母では 関心がある と答えた人が 26.0% やや関心がある と答えた人が 55.1% と合わせて 81.1% を占めました 初めての孫が中高生期を迎える時期には 祖父母が孫の将来について考えたり 孫の教育への関心が最も高まるのかもしれません 3

孫にもっと身につけてほしいと思うこと 上位 3 項目は 体力 健康 (44.0%) 思いやり 優しさ (29.3%) 学力 知識 (26.2%) 最年長の孫が中高生の祖父母では第 2 位に 学力 知識 (31.6%) 図表 3 孫にもっと身につけてほしいと思うこと ( 全体 最年長の孫が中高生の人 ) <3 つまでの複数回答 > 0 10 20 30 40 50 体力 健康 44.0 39.8 思いやり 優しさ 29.3 24.0 学力 知識礼儀 マナー明るさ ほがらかさ根気 忍耐力自主性 積極性素直さ語学力友達づきあい責任感協調性向学心 26.2 31.6 22.1 19.4 16.4 14.8 15.5 16.8 14.6 17.3 13.8 10.2 11.6 15.3 9.7 9.7 8.2 10.2 6.6 6.1 5.9 9.7 国際性 3.0 1.0 全体 (n=1,000) リーダーシップ 1.4 1.5 最年長の孫が中高生 感性 芸術的センス 1.1 1.5 (n=196) 特にない 15.8 15.3 次に 孫にもっと身につけてほしいと思うことを3つまでの複数回答でたずねました その結果 体力 健康 (44.0%) 思いやり 優しさ (29.3%) 学力 知識 (26.2%) が上位 3 項目としてあげられました ( 図表 3) 特にない は 15.8% であったことから 8 割以上の祖父母は 孫に身につけてほしいことについて何らかの考えをもっていると考えられます なお 最年長の孫が中高生の祖父母では 孫に身につけてほしいと思うこととして 体力 健康 (39.8%) に次いで 学力 知識 (31.6%) をあげています 4

孫の教育費に関する支援の相談経験と祖父母の支援意向 孫の親から支援を相談された経験がある祖父母は 7.3% 支援の意向をもつ祖父母は 24.8% 図表 4 孫の教育費に関して孫の親から支援を相談された経験と祖父母の支援意向 ( 全体 孫世帯の暮らし向き別 祖父母の暮らし向き別 老後資金の見通し別 ) 孫の親から支援を相談された経験 祖父母の支援意向 50 40 30 20 10 0 0 10 20 30 40 50 7.3 全体 (n=1,000) 24.8 18.2 9.7 6.6 6.2 7.9 8.1 6.6 6.3 2.8 3.2 < 孫世帯の暮らし向き別 > ゆとりがあり 心配ない (n=289) ゆとりはないが 心配ない (n=557) 厳しく 心配 (n=154) < 祖父母の暮らし向き別 > ゆとりがあり 心配ない (n=206) ゆとりはないが 心配ない (n=566) 厳しく 心配 (n=228) < 老後資金の見通し別 > 十分または最低限ある (n=565) 少し足りない (n=198) かなり足りない (n=206) わからない (n=31) 注 1: 最も親しくつきあっている孫の 1 保育園 幼稚園の費用 2 塾や習い事のための費用 3 中学 高校への進学や受験のた めの費用 4 大学などへの進学や受験のための費用 5 海外留学に必要な学費や生活費 6 資格を取得するための費用 や学費 のいずれかについて 孫の親から支援を相談された経験がある 今後 支援の意向があると答えた人の割合 注 2: 孫世帯および祖父母の暮らし向きについての設問文とカテゴリーの詳細は次のとおり 設問文あなたは ご自分の ( そのお孫さん世帯の ) 経済的な暮らし向きについてどのようにお考えですか カテゴリー ゆとりがあり 心配ない = 家計にゆとりがあり ( あなたからみて ) まったく心配なく暮らしている ゆとりはないが 心配ない = 家計にゆとりはないが ( あなたからみて ) それほど心配なく暮らしている 厳しく 心配 = 家計にゆとりがなく ( あなたからみて ) 多少心配である 家計が苦しく ( あなたからみて ) 非常に心配である 注 3: 老後資金の見通しについての設問文とカテゴリーの詳細は次のとおり 13.5 11.2 9.7 14.5 設問文あなたは 現在 ご自分の高齢期の経済的な備えについて どのように感じていますか カテゴリー 十分または最低限ある = 十分だと思う 最低限はあると思う 少し足りない = 少し足りないと思う かなり足りない = かなり足りないと思う わからない = わからない 26.2 25.1 22.7 31.3 35.4 40.9 調査の結果 最も親しくつきあっている孫の教育費に関して 孫の親から支援を相談された経験がある祖父母は 7.3% 支援の意向がある祖父母は 24.8% でした ( 図表 4) 右側のグラフで祖父母の支援意向をみると 孫世帯の暮らし向きについて 厳しく 心配 と答えた祖父母では 40.9% 自身の暮らし向きについて ゆとりがあり 心配ない と答えた祖父母では 35.4% 老後資金の見通しが 十分または最低限ある と答えた祖父母では 31.3% が教育費の支援意向をもっています 5

直近 1 年間に祖父母が孫世帯に行った経済的支援 最も多く行った経済的支援は 孫へのプレゼントやお祝いなど (74.2%) 図表 5 直近 1 年間に 祖父母が孫世帯に行った経済的支援 < 複数回答 > 0 20 40 60 80 孫へのプレゼントやお祝いなど 74.2 孫と行った外食の費用 60.0 孫と行った旅行やレジャーの費用 39.4 孫世帯への生活費 生活用品の援助孫のための積み立てや預貯金孫世帯の住宅の取得費用孫の塾や習い事の費用孫の学費や受験のための費用どれもない 14.8 10.3 5.9 4.0 2.4 17.4 次に 直近 1 年間に祖父母が実際に行った 孫世帯への経済的支援の実態についてみてみましょう なお ここでの経済的支援には 教育費 ( 孫の塾や習い事の費用 孫の学費や受験のための費用 ) に加えて 孫へのプレゼントやお祝い 外食 旅行やレジャーの費用 孫世帯への生活費 生活用品の援助 使途を限らない孫のための積み立てや預貯金 孫世帯の住宅の取得費用などを含めています 調査の結果 直近 1 年間に祖父母が最も多く行った経済的支援は 孫へのプレゼントやお祝いなど (74.2%) であり 孫と行った外食の費用 (60.0%) 孫と行った旅行やレジャーの費用 (39.4%) が上位 3 項目としてあげられました ( 図表 5) なお どれもない と答えた祖父母は 17.4% であったことから 祖父母による孫世帯への経済的支援は その内容に違いはあるものの かなり広く行われていると考えられます また これらの平均回答項目数は 孫世帯の暮らし向きについて心配する祖父母や 自身の暮らし向きに心配がないと答えた祖父母 老後資金の見通しがついている祖父母で多く それ以外の祖父母に比べて多様な経済的支援を行っていることがうかがえます ( 図表省略 ) 6

直近 1 年間に孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合 82.6% の祖父母が 直近 1 年間に何らかの経済的支援を行っている老後資金が かなり足りない 祖父母の 75.7% が経済的支援を行っている 図表 6 直近 1 年間に 孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合 ( 全体 孫世代の暮らし向き別 祖父母の暮らし向き別 老後資金の見通し別 ) 0 20 40 60 80 100 全体 (n=1,000) 再掲 < 孫世帯の暮らし向き別 > 82.6 ゆとりがあり 心配ない (n=289) ゆとりはないが 心配ない (n=557) 厳しく 心配 (n=154) < 祖父母の暮らし向き別 > ゆとりがあり 心配ない (n=206) ゆとりはないが 心配ない (n=566) 厳しく 心配 (n=228) < 老後資金の見通し別 > 十分または最低限ある (n=565) 少し足りない (n=198) かなり足りない (n=206) 74.7 76.3 75.7 86.2 84.4 84.0 84.6 85.7 85.4 わからない (n=31) 54.8 注 : 図表 5でたずねた経済的支援 ( 孫へのプレゼントやお祝いなど 孫と行った外食の費用 孫と行った旅行やレジャーの費用 孫世帯への生活費 生活用品の援助 孫のための積み立てや預貯金 孫世帯の住宅の取得費用 孫の塾や習い事の費用 孫の学費や受験のための費用 ) のいずれかについて 直近 1 年間に行ったことがあると答えた人の割合 また 図表 6は 直近 1 年間に孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合を 孫世帯の暮らし向きや祖父母の暮らし向き 老後資金の見通し別に示したものです これをみると 老後資金の見通しについて わからない と答えた人を除いて おおむね8 割前後の祖父母が何らかの形で経済的支援を行っていることがわかります 注目されるのは 自身の老後資金の見通しに関して かなり足りない と答えた祖父母の75.7% わからない と答えた祖父母の54.8%( 参考値 ) が経済的支援を行ったと答えている点です この結果は自身の老後資金の見通しに不安を感じていたり 自身の老後資金の見通しについて考える機会をもたずにいる祖父母であっても 孫世帯への経済的支援を行っていることを示しています これらの結果は 祖父母自身の老後の資金プランや生活設計を考える場合に このような孫世帯への経済的支援も含めた形で検討していく必要があることを示唆しています 7

直近 1 年間に 孫の親から受けた経済的支援 約半数の祖父母が 直近 1 年間に何らかの経済的支援を受けている 図表 7 直近 1 年間に 孫の親から受けた経済的支援 < 複数回答 > 0 20 40 60 あなたや配偶者へのプレゼント お祝いなど 46.9 孫や孫の親と行った旅行やレジャーの費用 生活費 生活用品の援助 13.5 10.6 どれもない 51.3 続いて 祖父母の側が 直近 1 年間に孫の親から受けた経済的支援の実態をみてみましょう 孫の親から受けた経済的支援としてたずねた3 項目のうち 最も多くの祖父母があげたのは あなたや配偶者へのプレゼント お祝いなど (46.9%) でした ( 図表 7) このほか 孫や孫の親と行った旅行やレジャーの費用 では13.5% 生活費 生活用品の援助 では10.6% となっています なお どれもない と答えた人は51.3% を占め 祖父母自身が孫世帯に対して行った支援が どれもない と答えた17.4% を30ポイント以上も上回りました なお 祖父母による支援と孫の親による支援の関係をみた場合 祖父母による支援と孫の親による支援の双方が行われているケースが44.9% で最も多く 祖父母による支援のみが行われているケースが37.7% でこれに次ぎました また 祖父母による支援と孫の親による支援の双方とも行われていないケースは13.6% 孫の親による支援のみが行われているケースは3.8% でした ( 図表省略 ) 8

孫の才能を伸ばすことや将来の経済的自立に対する祖父母の意識 祖父母の 95% 前後が 孫の才能はできるだけ伸ばしてやりたい 孫には将来 経済的に自立できるよう育ってほしい と考えている 図表 8 孫の才能を伸ばすことや将来の経済的自立に対する祖父母の意識 ( 全体 孫世帯の暮らし向き別 祖父母の暮らし向き別 老後資金の見通し別 ) 孫の才能は 孫には将来 できるだけ伸ばしてやりたい 経済的に自立できるよう育ってほしい 100 94.8 80 49.4 60 40 20 45.4 0 全体 (n=1,000) 0 20 40 60 80 100 63.5 32.4 95.9 < 孫世帯の暮らし向き別 > 94.1 46.0 48.1 ゆとりがあり 心配ない (n=289) 65.7 29.8 95.5 94.7 49.6 45.1 ゆとりはないが 心配ない (n=557) 61.2 35.0 96.2 94.8 53.2 41.6 厳しく 心配 (n=154) 67.5 27.9 95.4 < 祖父母の暮らし向き別 > 95.1 41.7 53.4 ゆとりがあり 心配ない (n=206) 68.4 27.2 95.6 93.8 52.5 41.3 ゆとりはないが 心配ない (n=566) 61.3 34.1 95.4 95.6 47.4 48.2 厳しく 心配 (n=228) 64.5 32.9 97.4 < 老後資金の見通し別 > 94.3 46.7 47.6 十分または最低限ある (n=565) 64.8 31.0 95.8 94.9 52.5 42.4 少し足りない (n=198) 58.6 37.9 96.5 97.1 50.5 46.6 かなり足りない (n=206) 67.0 30.6 97.6 77.4 61.3 16.1 わからない (n=31) 48.4 35.5 83.9 そう思う どちらかといえばそう思う そう思う どちらかといえばそう思う 注 1: 回答の選択肢には このほか どちらかといえばそう思わない そう思わない がある 注 2: 太字表記は そう思う どちらかといえば そう思う の合計割合 最後に 孫の才能はできるだけ伸ばしてやりたい 孫には将来 経済的に自立できるよう育ってほしい という2つの考え方についての祖父母の意識をみてみましょう ( 図表 8) 前者 ( 左側のグラフ ) については 94.8% 後者( 右側のグラフ ) については 95.9% と いずれの考えについても 95% 前後の祖父母がそう思うと答えています ( そう思う どちらかといえばそう思う の合計割合 ) 孫世帯や祖父母自身の暮らし向き あるいは祖父母自身の老後資金の見通しによって これらの回答傾向に大きな違いはみられません つまり 孫世帯の暮らし向きや自身の経済状況の違いにかかわらず 祖父母のほとんどは 孫の将来の経済的自立を願い 孫の才能をできるだけ伸ばしてやりたいと考えていることがあらためて確認できます 9

研究員のコメント (1) 孫の教育や将来への祖父母の高い関心 今回の調査を通じて 祖父母の多くが孫の教育や将来に高い関心をもっていること なかでもはじめての孫が中高生となった祖父母では 孫に 体力 健康 とともに 学力 知識 を身につけてほしいと感じている人が多いことなどが明らかになりました また 孫世帯や祖父母自身の暮らし向き あるいは老後資金の見通しにかかわらず 祖父母のほとんどは孫の将来の経済的自立を願い その才能をできるだけのばしてやりたいと考えていました つまり 孫の教育や将来は 祖父母のだれもが関心をもつテーマだと考えられます 一方 孫の教育費に対する支援意向は 必ずしもすべての祖父母にみられるものではなく 意向をもつ祖父母はおよそ4 人に1 人でした しかしながら 調査結果は 自身の暮らし向きに安心感を得たり 老後の生活資金に見通しをつけることが 祖父母の支援意向を高める可能性があることを示唆していました これらの結果から 孫がいる祖父母が自身の老後の資金プランや生活設計について考える際には 孫への経済的支援も含めて検討することも大切な視点だと考えられます (2) 孫への経済的支援と祖父母自身の老後の生活設計 もちろん 祖父母世代の経済状況はさまざまです 冒頭で示したような まとまった額の教育資金の生前贈与を計画できる祖父母はごく限られています しかしながら 今回の調査結果からは 自身の老後資金について 足りない と感じている祖父母や わからない と答えた祖父母であっても 教育費に限らない孫世帯への多様な経済的支援を行っている実態が浮かび上がりました 祖父母にとって 孫にプレゼントやお祝いを贈ったり 孫やその家族と外食や旅行に出かける際の費用を負担することは 孫やその親と良好な関係を維持していくためにある程度必要であったり 祖父母自身にとっての楽しみとなる面があります 一方で 祖父母が自らの老後生活に必要な最低限の生活費を把握し それ以外に使える余剰資金がどの程度あるのかを見通す機会をもたないままに孫への経済的支援を行うことは 祖父母自身の生活設計という観点からみた場合に必ずしもよいとは言い切れない面があります このような視点からみた場合 孫の誕生や成長の節目をきっかけに祖父母が自身の老後の経済的な見通しを考えたり それらを見直すことは 孫をもつすべての祖父母にとって重要な作業になるといえるのではないでしょうか ( 研究開発室主任研究員北村安樹子 ) 10