20中期経営計画

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目 14 中期経営計画の総括 現状及び将来に対する認識 ありたい姿 指す 向性 17 中期経営計画の概要 基本 針 経営 標 事業戦略 既存事業の強化と成 戦略の策定 実 経営基盤の強靭化 - 経営の根幹強化 - 国家的プロジェクトへの対応 研究開発の強化 次 2

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2014 中期経営計画総括 (2012 年度 ~2014 年度 )

当期実績前期実績 ( 平成 ~ 平成 ) ( 平成 ~ 平成 ) 業績予想前期比業績予想比 売 上 高 186, , ,400 +7,438 3,331 営 業 利 益 10,971 12,750 11,410 1,779

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損益概要 ( 連結 ) 単位 : 億円 下段は利益率または増減率 (%) 通 期 前期当期 (2016 年度 ) 増減 受注高 4, , % 売上高 3, , % 売上総利益 (17.3

中期経営計画の前提となる環境認識 1 日本経済の予測 年初からの円高や株安の進行により 消費マインドは伸び悩み 景気動向は停滞している 今後は 消費税増税による駆け込み需要の発生とその反動減による景気縮小が予想される 中長期的には成熟社会として 多様な価値観とともに これまでとは異なる市場が生まれる

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責任ある行動 環境にやさしいしくみの提供 ととらえ 経営戦略と CSR が一体となった事業運営 を推進し 企業価値向上を図ります 3. 東洋製罐グループ第五次中期経営計画 における基本戦略本中期経営計画において 2018 年度を創業的出直しの年として位置づけ 東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略

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経営ビジョン 私たちが目指すヤーマン 1 業績ハイライト 5 セグメント別売上 6 セグメント別営業利益 7 売上構成 8 財務ハイライト 9 第 3 四半期以降の取り組み 10 業績予想について 11 配当について 12

2) 策定方法の変更課題である 外部環境変化への対応 及び 戦略重視の体制づくり に対応するため 19 中経においては次のように策定方法を変更致しました 従来の財務計画主体の 中期経営計画 から 成長戦略の立案 実行に重点を置いた 中期経営戦略 に名称を含め変更致します 戦略重視の体制とするため 財

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カプコン (9697) 平成 25 年 3 月期 決算短信 ( セグメント情報等 ) ( セグメント情報 ) 1. 報告セグメントの概要 (1) 報告セグメントの決定方法 当社の報告セグメントは 当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり 取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価す

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2007年度中間期 連結決算補足資料

目次 Review グループ経営方針 グループ経営方針 2016 の目指す方向性... 4 経営目標 新たなポートフォリオマネジメントの導入... 8 プロジェクト遂行体制の強化 グループ共通機能の強化 事業領域の目指す方向性... 13

様式第一六(第12条関係)

3. 平成 31 年 3 月期の連結業績予想 ( 平成 304 年月 1 日 ~ 平成 313 年月 31 日 ) 売上高営業利益経常利益 (% 表示は 通期は対前期 四半期は対前年同四半期増減率 ) 親会社株主に帰属する当期純利益 1 株当たり当期純利益 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円

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2016 年 10 月 31 日 各位 社名 代表者名 問合せ先 株式会社村田製作所代表取締役社長村田恒夫 ( コード :6981 東証第 1 部 ) 広報室長生嶌匠 (TEL ) ソニー株式会社からの電池事業の取得に関するお知らせ 株式会社村田製作所 ( 以下 当社 といい

本日の説明内容 総括 2019 年 3 月期第 1 四半期実績 2019 年 3 月期通期見通し 主要施策の進捗 1

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目次 212 年の実績 P3~5 213 年の見通し P6~9 事業別詳細 (212 年 4Q 年間実績 /213 年最新見通し ) 財務状況参考資料 P1~15 P16~18 P19~24 2


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お客様への約束 1. 安全の確保を最優先とします - 安全確保を最優先に 全てにおいて万全のコンディションでお客様をお迎えします 2. お客様の時間を大切にします - 欠航 遅延は最小限にします - やむを得ない場合は代替の移動手段の確保に努め お客様にご迷惑をおかけしないよう全力を尽くします -

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総括 3 総括 (1) 年 3 月期実績 売上高は 2 兆 6,922 億円 営業利益は 1,821 億円 当期純利益は 1,357 億円 グローバル販売台数は 133 万 1 千台 SKYACTIV 搭載車両は台数拡大 収益力改善 ブランド強化に貢献 CX-5 Mazda6/ アテンザ

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中期経営計画

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(3) 企業像農業情勢や経営環境の変化に的確に対応することが求められるなか 統合効果をさらに追及し競争力を強化します 2020 年に創立 100 周年を迎え 1 研究開発型企業 2 地域貢献型企業 3 環境共生型企業として 真に顧客から信頼される存在感のある企業を目指します (4) 資本政策の基本的

別紙 2 様式第十八 ( 第 13 条関係 ) 認定事業再編計画の内容の公表 1. 認定をした年月日平成 27 年 7 月 6 日 2. 認定事業者名 WAKUWAKU JAPAN 株式会社 3. 認定事業再編計画の目標 (1) 事業再編に係る事業の目標スカパー JSAT グループ ( 以下 スカパ

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

連結財政状態計算書分析 資産 1,85 億円増 5 兆 8,72 億円 ジュピターショップチャンネルの新規連結化な 営業債権及び現金及びその他の債権現金同等物 その他の流動資産 +22 5,87 どに伴う資産の増加に加え au WALLET クレジッ トカード事業の拡大 au 携帯電

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連結財政状態計算書分析 資産 3,832 億円増 6 兆 2,638 億円 その他 +23 6,264 有形固定資産が減少したものの ビッグローブな どの連結子会社化に伴う資産の増加 au WALLET クレジットカード事業の拡大やau 携帯電話端末の 営業債権及びその他の債権 +16 割賦販売によ

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各位 平成 30 年 5 月 10 日会社名太平洋セメント株式会社代表者名代表取締役社長不死原正文 ( コード番号 5233 東証第 1 部 福証 ) 問合せ先総務部長南野利幸 (TEL 03-5531-7334) 20 中期経営計画 策定に関するお知らせ 当社は このたび 2020 年代半ばをイメージした ありたい姿 目指す方向性 を実現するための 第 2 ステップとして 2018 年度から 2020 年度までの 3 年間を対象とした 20( ニーマル ) 中期経営 計画 を策定いたしましたので 下記のとおりお知らせいたします 記 Ⅰ. ありたい姿 目指す方向性当社グループは 太平洋セメントグループ経営理念を念頭におきながら 2020 年代半ばをイメージした ありたい姿 目指す方向性 として グループの総合力を発揮し 環太平洋において社会に安全 安心を提供する企業集団を目指す ことを掲げ その実現に至るまでを 3つのステップに分けて積極的に取り組んでおります Ⅱ.17 中期経営計画の総括当社グループは 2015 年度から 2017 年度までの3 年間を対象とした 17 中期経営計画 を ありたい姿 目指す方向性 の実現に向けた第 1ステップとして位置付け 収益力の創出 向上並びに柔軟かつ強靭な財務体質の構築を図ると同時に 株主還元の充実に取り組んでまいりました 収益力の創出 向上につきましては 国内セメント需要が想定よりも大幅に下振れするなど当社グループにとって厳しい事業環境となったこと等により 経営目標である売上高営業利益率及び ROA は計画を下回る結果となりました 収益力を創出 向上するための成長投資につきましては 計画どおりに実行することができましたが その効果の多くは 20 中期経営計画期間以降での発現になると見込んでおります 一方 柔軟かつ強靭な財務体質の構築につきましては 計画を大幅に上回る有利子負債の削減を進めた結果 経営目標を達成するためのガイドラインとして設定した財務指標 ( ネットDER 純有利子負債 /EBITDA 倍率 ) は 2016 年度末に 1 年前倒しで超過達成いたしました また 株主還元の充実につきましては 2015 年度の配当より 1 株当たり 6 円 ( 1) と 2014 年度対比で1 円増配して安定配当を継続するとともに 2016 年度に 100 億円の自己株式の取得を実施いたしました 以上のとおり 成長投資 柔軟かつ強靭な財務体質の構築並びに株主還元の充実は計画どおり実行できたと考えておりますが 収益力の創出 向上につきましては課題を残す結果となり 当社グループが引き続き取り組んでいくべき重要な経営課題であると認識しております 1

( 1) 当社は 2017 年 10 月 1 日を効力発生日として 普通株式 10 株につき 1 株の割合で株式併合を行いました その結果 2017 年度の期末配当金は 1 株当たり 30 円となりますが 株式併合考慮前に換算した場合の当 該期末配当金及び年間配当金は それぞれ 1 株当たり 3 円及び 6 円となります 17 中期経営計画 経営目標 2017 年度計画 2017 年度実績増減 売上高営業利益率 8.4% 以上 7.5% 0.9% ROA( 経常利益 ) 7% 以上 6.3% 0.7% 17 中期経営計画 ガイドライン 2017 年度計画 2017 年度実績 増減 売上高 9,500 億円以上 8,711 億円 789 億円 営業利益 800 億円以上 651 億円 149 億円 EBITDA (*) 1,250 億円以上 1,116 億円 134 億円 ネットDER 1 倍未満 0.6 倍 0.4 倍 純有利子負債 /EBITDA 倍率 2.6 倍以下 2.1 倍 0.5 倍 (*) EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 ( のれん償却含む ) Ⅲ. 事業環境及び将来に対する認識当社グループを取り巻く事業環境は 国内では東京オリンピック パラリンピックや大型インフラプロジェクト等に向けた投資が予定されており 2020 年頃までは一定の需要水準にあると言えます しかしながら 長期的には少子高齢化の更なる進行が確実視されており 経済規模の縮小に伴いセメント需要も漸減していくことが想定されます 一方で 福島県をはじめとする被災地の復旧 復興や 今後老朽化が急速に進むインフラへの対策が 早急に取り組まれるべき喫緊の課題となっています 更に 気候変動に対する緩和と適応の対策が求められており 激甚化する自然災害に対する防災 減災対策が急がれる状況にあります このように 解決しなければならない重要課題が山積しており これら課題への取り組みは当面継続するものと思われます また 海外においては 世界経済の不確実性が一段と高まっているものの アジアを中心とした新興国では経済成長による市場の拡大が見込まれています 経済成長に伴う都市化の急速な進展や生産と消費の拡大により インフラ需要の増加とともに資源制約や廃棄物処理の課題が顕在化し 環境関連規制の強化や持続可能な資源循環型社会の構築が求められるようになっています このような社会変化に対し 当社グループはその得意とする事業領域において 様々な貢献が可能であると考えております 更に 国内外を問わず 事業の健全性と持続可能性を維持 向上させるために 事業活動の基盤であるコンプライアンス及びリスクマネジメントの強化がより一層求められている状況にあります 当社グループは ESG( 環境 社会 ガバナンス ) の観点から 当社グループを取り巻くリスクと機会を認識 評価し 潜在的 中長期的な事業上のリスクの低減を着実に図ってまいります 同時に 当社グループが保有する商材 技術 ノウハウなど有形 無形の資本を最大限に活用し 社会課題解決への貢献を通じて社会的価値の創出と事業機会の拡大を両立させ 共有価値の創造を実践してまいります そして これらを通じて当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り グローバル社会共通の開発目標である SDGs( 2) へ貢献してまいります 2

( 2) Sustainable Development Goals( 持続可能な開発目標 ) 2015 年 9 月の国連サミットで採択された 先進国を含む国際社会全体が取り組むべき 2030 年までの開発 目標で 貧困や飢餓 経済成長 気候変動など 17 の目標と 169 のターゲットから構成されています Ⅳ.20 中期経営計画の概要 1. 位置付け 20 中期経営計画は 2018 年度から 2020 年度までの 3 年間を対象期間とし ありたい姿 目指す方向性 の実現に向けた第 2ステップとして位置付けております 第 1ステップである 17 中期経営計画で実行してきた事業戦略 財務戦略とその成果をベースに 残された課題に対する継続的な取り組みと新たな施策の確実な実行により 将来の持続的成長に向けた強固な事業基盤を構築し 次のステップへと着実につなげてまいります 2. 基本方針 20 中期経営計画では 以下の基本方針に基づき 強固な事業基盤の構築に向けて取り組んでまいります 1 将来の事業環境の変化を先取りし あらゆる角度からのイノベーションを図り 成長に向けて前進する企業集団を構築する 2 社会基盤産業として 国土強靭化への取り組みに向けて 高品質な製品の安定供給 ソリューションの提供及び先進的な技術開発を通じて安全 安心社会の構築に貢献する 3 徹底的なコスト削減による既存事業の収益基盤の強化と財務体質の更なる改善を進めるとともに 当社グループの持続的な成長に資する成長分野への投資を積極的に実行する 3. 経営目標 20 中期経営計画では 以下のとおり経営目標を設定し 強靭な収益基盤を構築してまいります 2020 年度目標 売上高営業利益率 ROA( 経常利益 ) 9% 以上 8% 以上 4. ガイドライン 経営目標を達成するためのガイドラインとして 以下のとおり財務指標を設定し 収益基盤の強 化と財務体質の更なる改善に取り組んでまいります 2017 年度実績 2020 年度計画 増減 売上高 8,711 億円 9,500 億円以上 789 億円以上 営業利益 651 億円 850 億円以上 199 億円以上 EBITDA (*) 1,116 億円 1,400 億円以上 284 億円以上 ネットDER 0.6 倍 0.5 倍以下 0.1 倍超 純有利子負債 /EBITDA 倍率 2.1 倍 1.5 倍以下 0.6 倍超 (*) EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 ( のれん償却含む ) 3

5. 財務戦略及び株主還元 20 中期経営計画期間の 3 年間で 3,000 億円の営業キャッシュフローを創出し 原則としてこの 範囲内で 設備投資 投融資 株主還元 財務体質の更なる強化を実施してまいります (1) 設備投資 投融資創出したキャッシュの配分につきましては 成長投資を重視し 資本効率を意識した積極的な設備投資 投融資を実行いたします 3 年間で計画する設備投資 投融資は合計で 2,300 億円とし このうち成長投資に 1,200 億円を配分いたします (2) 株主還元株主還元につきましては 重要な経営課題の一つとして位置付けており 安定的かつ継続的な配当を基本といたします 将来の成長投資や財務体質強化に向けた自己資本比率向上のための適正な内部留保とのバランスを考慮しつつ 総還元性向 30% を目安に機動的な自己株式の取得を検討いたします (3) 財務体質の更なる強化 有利子負債の削減や自己資本比率の向上 選択と集中の推進等を通じて財務体質の更なる強化 を図ります 2020 年度末までにネット DER0.5 倍以下の達成を目指します なお 強靭な収益基盤の構築と財務体質の更なる強化を図りつつ 株主資本コストを安定的に上 回る収益率の維持 向上を目指してまいります 20 中期経営計画期間中の ROE につきましては 10% 以上を安定的に維持してまいります 6. 事業戦略 (1) 既存事業の収益基盤強化と成長戦略の策定 実行徹底的なコスト削減やプロセス イノベーションの推進等を通じて収益基盤を強化するとともに 新たな価値創造と差別化により競争優位を追求してまいります 更に 収益力の創出に向けた成長投資を実行し 着実に事業戦略に取り組むことで 社会課題の解決に貢献してまいります 1セメント ( 国内 ) 適正価格の早期実現を目指すとともに 徹底的なコスト削減を行い 収益力の強化に取り組みます 生産面 物流面における安定供給体制の強化 拡充により 国家的プロジェクト等への安定供給責任を果たします 更に 生産プロセスにおける新たな技術開発 施策を通じて 気候変動の緩和策への取り組みを積極的に行います 適正価格の早期実現を目指し 販売政策及び生コン政策の実施により 安定した収益を確保します 徹底的なコスト削減を行い コスト競争力の強化を図ります 品質の維持 向上を徹底し 顧客ニーズに柔軟に対応します AI 活用の推進により更なる安定操業を追求するとともに 陸上 海上輸送力の増強と供給設備の拡充を行い 万全な安定供給体制を構築します 地球環境負荷低減に向けた新たなCO 2 削減技術やリサイクル資源活用技術の開発 拡充等に取り組み 戦略的施策の実施を通じて気候変動の緩和に貢献します 4

2セメント ( 海外 ) 環太平洋において戦略的な事業領域の拡大を図るとともに 品質 技術 環境のブランドイメージを確立することにより 更なるプレゼンスの向上を実現します 進出地域におけるインフラ整備や資源循環型社会の構築 環境関連規制強化への対応など 様々な社会課題の解決に貢献します 需要増加に応じた生産物流体制の構築と収益力の強化を図り セメント需要の最大限の取り込みと既存事業の収益最大化を目指します 戦略的セメント クリンカを活用した輸出販路の拡大を図ります また 資源 環境 建材事業との連携を強化するとともに 当社グループのリサイクル資源活用技術等を活かし 市場の創出 拡大につなげます 既存事業とのシナジーを最大限に発揮できる成長投資を実行し 当社グループの独自性や強みを活かした海外展開を積極的に行います 3 資源中長期を見据えた資源政策により持続的成長の礎を築き 盤石な資源安定供給体制を確立します また 当社グループが保有する豊富な資源を最大限活用し 既存事業の収益拡大を図ります 更に 将来的な事業の育成に注力するとともに 海外資源事業の構築を目指します 骨材事業 鉱産品事業及び土壌ソリューション事業の収益力を強化するとともに グループ内の最適供給体制の再構築を実施し シナジーの早期発現を図ります 増加が見込まれる建設発生土のセメント資源化を通じて 資源循環へ着実に貢献します 機能性マテリアル事業の推進と東南アジアにおける資源事業の本格展開に取り組みます 4 環境事業既存事業の収益力の最大化を図るとともに 先進的な技術開発による新たなビジネスモデルの構築を図ります 従来の静脈産業としての役割に加え 廃棄物や副産物から有用な資源を抽出して提供する新たな資源循環の役割を担うことで 更なる社会貢献に寄与します 都市ごみ焼却灰 処理困難物等のリサイクル事業の拡大 広域化により廃棄物等のセメント資源化事業の極大化を図ります 石炭灰リサイクルニーズに対し 最大限の取り組みを行います 都市ごみ焼却灰からの貴金属回収技術を確立し 素材産業が連携して実現を目指す資源コンビナート構想 ( 3) の一端を担います 新規事業を含めた戦略的な海外事業展開を推進します ( 3) 素材産業 ( セメント 非鉄製錬 電炉 金属リサイクラー等 ) が連携することで 各産業で必要 / 忌避物資とされていた資源の再資源化量を拡大させようとする資源循環システムを指します 各産業内での対応に留まらず 産業横断的な再資源化への取り組みを図ることで 再資源化の全体最適化を目指しています 5 建材 建築土木事業環境の変化に順応し得る持続可能な事業基盤を確立し 既存事業の競争力と財務体質の強化を図ります 更に 成長領域での新たな収益源の開拓と既存事業のシナジー最大化に取り組みます 収益構造改革に向けた対策を実行し グループ内の更なる連携強化と既存事業のコストミニマムを追求します 5

環境配慮型の製品や技術サービスの提供 更に省力化商材の市場投入などを通じて 環境保全や少子高齢化による人手不足に取り組む社会のニーズに応えます 東南アジア市場への展開を推進するとともに シナジーが期待できる領域のアライアンスを検討 実施し 新たな事業展開と成果発現の早期化を図ります 6その他 ( 個別企業群 ) 個別企業の収益力強化を図るとともに 当社グループとしてのシナジーが期待できる新たなビジネスモデルの構築を追求します 経営資源のグループ横断的な活用を図り 新たなシナジー創出に取り組みます バイオマス発電による電力卸供給事業の開始により 再生可能エネルギーの普及促進と 雇用創出等による地域経済の活性化に貢献します (2) 国家的プロジェクトへの対応今後本格化が見込まれる福島県の復旧 復興への取り組みや 東京オリンピック パラリンピック開催に向けた様々なインフラ整備 その他大型インフラプロジェクトなどの国家的プロジェクトに対し 当社グループの強みを最大限に活かし総力を結集して 高品質な製品の安定供給とソリューションの提供を着実に実行してまいります 7. 研究開発戦略各事業部門を支える成長のエンジンとして グループ全体の成長に資する研究開発に取り組んでまいります また 社会基盤産業としての社会課題解決の一翼を担う研究開発に注力するとともに 国家的プロジェクトへの対応として 必要とされる技術を的確に開発し提供してまいります (1) グループ全体の成長に資する研究開発既存事業の持続的発展に向けた品質の維持 向上及び安定化技術の確立とあわせ セメント製造コスト低減技術の開発 拡充により 既存事業の収益力の強化 向上に寄与します また 海外 資源 環境 建材などの成長分野において進めてきた研究開発成果を基盤として 20 中期経営計画での利益貢献とその後の持続的成長を確実にするための各種技術を構築し提供します (2) 社会基盤産業としての社会課題解決の一翼を担う研究開発 CO 2 削減技術やリサイクル資源活用技術 省エネルギー技術 水資源課題や生物多様性保全 に関する対応技術など 地球環境負荷低減に貢献する技術開発に積極的に取り組みます (3) 国家的プロジェクトへ対応するための研究開発 福島県を中心とした震災復興事業に貢献する技術開発や その他大型プロジェクトで求められ る部材等の開発と営業技術支援を行います (4) 戦略的な知的財産活動の遂行 既存事業を支える知的財産を確実に保持するとともに 新規事業に貢献する戦略的な知的財産 活動の遂行を通じて 当社グループの競争優位を維持 強化します 6

8. 経営基盤の強靭化 17 中期経営計画に引き続き CSR 目標 2025 で設定した 3つの定量目標の実現に向け 着実に取り組んでまいります また グローバル人材の確保 育成に取り組むとともに 働き方改革と健康経営の推進を通じて労働生産性の向上と快適な職場環境の構築に努めてまいります 更に グループガバナンスの強化とコーポレートガバナンスの充実 選択と集中の継続 バリューチェーンの競争力強化などに取り組むことにより 経営基盤の強靭化を図ってまいります (1)CSR 目標 2025 目標到達年度を 2025 年度とし 以下の 3 つの目標を設定しています 項目 1 災害防止 死亡災害ゼロ 目標 対象範囲 当社グループ各事業所 ( 含む海外 ) における従業員 協力会社従業員 2 温室効果ガス排出抑制 3 ダイバーシティ ネット CO 2 排出原単位 10% 以上削減 (2000 年度比 ) 女性採用比率 30% 以上 ( 総合職採用 ) 女性従業員比率 10% 以上 新任管理職登用の女性比率 10% 以上 当社及びグループ ( 含む海外 ) のセメント製造拠点 単体 上記目標に向けた取り組みを通じて 以下の実現を目指します 1 安全 健康を最優先とした安定操業体制の確立と当社グループ全体での安全文化の構築 2CO 2 削減技術の開発等による地球環境負荷低減と資源循環型社会構築への貢献 3 適正な人材ポートフォリオの構築とイノベーティブな労働力創出による企業価値の向上 (2) グローバル人材の育成 国籍や性別などにかかわりなく多様な個性 価値観を持った人材を確保することで イノベー ションの一層の促進を図るとともに 海外事業展開に対応できるグローバル人材を育成します (3) 働き方改革と健康経営の推進 様々な業務効率化施策による働き方改革の推進と 従業員一人ひとりの心身の健康増進に向け た健康経営の推進により 労働生産性の向上と活気ある働きやすい職場づくりに取り組みます (4) ガバナンスの強化 グループ会社を含めたコンプライアンスの徹底と より実効性の高いリスクマネジメントを実 施するとともに コーポレートガバナンスの継続的な充実に取り組みます (5) 選択と集中 選択と集中による資産構成の見直しを継続し 経営資源の効率的な活用を図ります (6) バリューチェーンの競争力強化ステークホルダーからの期待 要請に応え 直接的 間接的に良好な関係を構築し続けるとともに適切な協働を実践し ステークホルダーとの共有価値の創造を目指すことで 持続可能なバリューチェーンの競争力強化を図ります 7

参考 報告セグメント別売上高 営業利益 前提条件 20 中期経営計画期間 国内セメント需要想定 4,200 万 t~4,300 万 t 想定為替レート 110 円 /US$ 売上高 営業利益 ( 単位 : 億円 ) 2017 年度実績 2020 年度計画 2017 年度実績 2020 年度計画 セメント 国内 4,085 4,230 255 290 海外 2,034 2,230 151 255 計 6,119 6,460 406 545 資源 814 900 80 95 環境事業 902 1,110 74 90 建材 建築土木 770 880 47 60 その他 790 950 39 60 内部消去 685 800 2 0 合 計 8,711 9,500 651 850 以上 本開示資料に記載されている将来の計画等に関する内容につきましては 当社が本資料の発表日現在において入手可能な情報と 合理的であると判断する一定の前提に基づき判断した予想であり リスクや不確定要素を含んでいます 従いまして 記載されている将来の計画数値 施策の実現を当社として確約あるいは保証するものではありません 実際の業績は 今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります 8