外国人旅行者の受入環境整備方針 本文

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観光マーケティング調査

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

観光・サービス分科会 本編

訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート 調査の概要 訪日外国人旅行者を対象に 旅行中に困ったこと 受入環境 ( 多言語対応 通信環境 公共交通等 ) へのニーズ 満足度等に係るアンケートを実施した 訪日外国人利用者の多い成田国際空港 東京国際空港 関西国際空港を中心とした空港

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マートシティ2020 年に向けた政策展開のポイント 訪都外国人旅行者の更なる誘致を目指し 東京 2020 大会とその先を見据えた戦略的な観光プロモーションを展開 多様な旅行者が安心かつ快適に観光を楽しめるよう 観光案内機能の充実や多言語対応の強化等 受入環境の整備を推進 ナイトライフ観光の取組や地域

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別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市

1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

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な取組 日本や東京の文化 歴史を学び 日本人としての自覚と誇りを涵養主な取組 東京都国際交流委員会 * を再構築し 外国人への生活サポートを推進主な取 様々な広報媒体の活用などによる障害者への理解促進主2020 年に向けた取組の方向性 1 オリンピック パラリンピック教育を推進するとともに 多様性を

1 外国人傷病者対応 資料 1

報道発表資料(新宿駅屋内地図オープンデータ)

平成 29 年 1 月 13 日観光庁 カテゴリー Ⅱ 以上の認定外国人観光案内所への支援を開始します 二次募集 ~ 訪日外国人旅行者にとって利用しやすい観光案内所の整備を促進 ~ 観光庁は 平成 29 年 1 月 13 日より JNTO( 日本政府観光局 ) が認定するカテゴリー Ⅱ 以上 ( )

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

昇龍道フ ロシ ェクト 資料 3 昇龍道プロジェクトの 平成 31 年度活動方針 ( 案 ) 2019 年 3 月 8 日第 10 回昇龍道プロジェクト推進協議会

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観光立国の実現に向けて

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都市サービスの高度化アクションプラン 年には 4000 万人と想定される訪日外国人の方が 入国時から滞在 宿泊 買い物 観光 出国まで ストレスなく快適に過ごすことが可能となる ICT 基盤を整備することが重要 また東京大会以降の日本のレガシーとして実現を目指す 1 枚あれば電車 バス

ラグビーワールドカップ2019及び 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた 掛川市の取組基本方針

(2) 施策目標 施策目標 1 日本人と外国人が共に活躍できる環境の整備 東京で暮らす外国人が日本人と同様に能力を最大限発揮し 活躍できるよう 子供の教育支援等に着実に取り組む また 外国人ビジネスパーソン等の生活に関するサポートや外国人留学生等に対する就業 起業支援等を行い 外国人が東京で一層活躍


6光産業振興に向けた現状と課題 ( 東京の魅力の発信と多様な旅行者誘致の展開 ) 東京の旅行地としての魅力を効果の高い手法で海外に発信し その浸透を図ることが重要となっている そのため 国や地域ごとに旅行者の特性に応じた東京の魅力のPRと多様な形での旅行者誘致活動 ( プロモーション ) を進めるこ

都市サービスの高度化 ~IoT おもてなしクラウド事業の推進 1 IoT 時代の技術進歩の成果を踏まえ 訪日外国人等のスムーズな移動 観光 買い物等の実現に向け スマートフォン 交通系 IC カードやデジタルサイネージ等と 共通クラウド基盤を活用した多様なサービス連携 ( 個人の属性 言語等に応じた

別紙 おもてなしガイド を活用した多言語案内サービスの検証について 1. 駅改札口付近でのご案内について (1) 概要駅改札口付近に小型の音声トリガー再生機を設置し, 各改札口に応じた音声トリガーを配信 この音声トリガーをスマートフォンなどにインストールした おもてなしガイド アプリに 聞かせる こ

訪日外国人のICT利活用の 環境整備に向けた取組の加速化

別紙2

別紙3 平成25年度 国別外国人旅行者行動特性調査

4-(1)-ウ①

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(1)


取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

第4章 これまでの観光産業振興策の成果

目的 川越市は 埼玉県の南西部に位置し 新河岸川の舟運や川越街道を通じた江戸との交流により発展してきました 蔵造りの町並みや時の鐘などの歴史的な観光資源に恵まれ 都心からのアクセスも良いことから 毎年多くの観光客が本市を訪れています このような中 本市では 平成 20(2008) 年に 川越市観光振

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

PowerPoint プレゼンテーション

オリンピック パラリンピック東京大会におけるホストシティ タウン構想に係る自治体における国際交流の取組についてのアンケート 1. 調査概要配布先 : 都道府県 市区町村時期 : 平成 26 年 9 月 30 日 ~10 月 30 日 ( 年内にとりまとめ ) 調査趣旨 : 2020 年オリンピック

資料 4 外国人の利用のしやすさの向上について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

1. キャッシュレスの現状と推進 1

Ⅰ 観光振興計画制定の背景 1 観光による地域振興 観光立国推進基本法 に基づき策定された 観光立国推進基本計画 の中で 観光立国の実現は地域経済の活性化 雇用機会の増大 国民の健康の増進 潤いのある豊かな生活環境の創造 国際相互理解の増進等の意義を有するものである と位置づけられています また 東

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訪日外国人消費動向調査 1 韓国 訪日外客数 7,140,165 2,456,165 人 ( 前年比 増 シェア ) 1 人当たり旅行支出 80,529 71,795円 / 人 平均泊数 泊 旅行消費額 5,126 1,978 ( 億円シェア (

補助対象経費 別紙 旅行環境整備事業 旅行環境整備事業については 関係法案の成立後に実施する (1) 外国人観光案内所 カテゴリー Ⅰ 及び Ⅱ 以上で補助対象経費が異なります カテゴリー Ⅰ 以上の認定をされた又は認定される見込みがある観光案内所 先進機能の整備 ( 多言語案内用タブレット端末 多

中国韓国シアレーシアランスメリカネガルイツギリスナダ取組 ➀ 英語で通行止め情報をリアルタイム発信別紙 1 外国人ドライバーへのアンケートで 91% が道路の通行規制情報等の提供を重視 北海道地区道路情報 ( 英語サイト ) を開設し 道路の通行規制情報を提供 (PC スマホ) 英語サイトでは 外国

1-(1) 中部電力 ( 株 ) 大日本印刷 ( 株 ) と共同で 歩道上の路上変圧器を活用した情報発信の実証実験を実施 ~1/24 国交省実証実験の対象地域に選定 ~ 1 国交省実証実験の対象地域に選定 先週木曜日(1/24) 国土交通省から 無電柱化に伴う一般国道の歩道上に設置されている電力設備

公共サインガイドライン策定の基本的な考え方

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

地域子育て支援拠点事業について


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評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 の開催について 1 平成 26 年より 総務大臣の懇談会として 2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 を開催 アクションプランに基づき 2020 年以降のレガシーを視野に入れつつ ICT 化に向けた施策を進めてきた

1 取組の背景 東日本大震災(H ) ソーシャルメディア等インターネットを活用して安否確認が行われるなど 情報通信技術 (ICT) に基づく情報伝達手段が広範囲に活用される 一方 緊急時における情報の途絶や錯綜による不安感の増大 混乱から迅速 確実な情報伝達手段の確保の必要性 もしもの時

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「新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針」

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北海道ドライブ観光促進社会実験 実施結果 1 例N 3を表示凡アプリ利用者の属性 実験期間中 1,211 人の外国人観光客が北海道内でアプリ Drive Hokkaido! を利用 ( 実験期間中の全道の外国人レンタカー貸渡台数 19,543 台の約 6% に相当 ) 国 地域別では香港 シンガポー

はじめに スノーリゾート地域の活性化は 国内外の旅行者がともに減少する冬期の観光振興を進める上で極めて重要であり 観光庁では平成 27 年から スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 を開催し スノーリゾート地域を取り巻く状況の調査 分析等を通じて 本年 4 月に今後の取組の方向性等について最終報

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

東京都観光産業振興実行プラン2018(中間のまとめ)本文

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

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これらの取り組みを通じて 訪日外国人の満足度向上をめざすと共に 福岡市および近郊自治体 における外国人観光客の消費や周遊の促進等 地域社会や経済の活性化に寄与してまいります また 今後は 専用アプリによるサービスを提供する対象都市の拡大も検討していく予定です 3. 本トライアルのエリア福岡市および周

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

観光立国の実現に向けた政府の取組 26 年 12 月 観光立国推進基本法を制定 28 年 1 月 観光庁設置 212 年 3 月 観光立国推進基本計画を閣議決定 213 年 6 月 観光立国実現に向けたアクション プログラム策定 7 月 タイ マレーシア向けビザ免除 213 年 12 月 訪日外国人

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

東京オリンピック パラリンピックにおける ICT の活用場面 1 スマートな入国手続き スマートな移動 競技中 滞在中 駅 宿 競技場 選手村 空港 観光地 街 病院 店舗 全国各地 世界各国に展開

2 機器等 サービス名 ili ( イリー ) 提供会社 ( 株 ) ログバー サービス開始時期 2017 年 6 月 ~ 概要 ili ( イリー ) は 旅行 に特化したワンフレーズ音声翻訳デバイスです インターネットは不要 日英中の言語に対応しています 法人向けサービス ili for Gue

訪日外国人消費動向調査1

2014 年 4 月 14 日 ソネット株式会社 ****************************************************************************** So-net モバイル通信にて Prepaid LTE SIM が新登場国内初 国際空港にて

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なお 訪日外国人のお客さまにつきましては ソフトバンク株式会社が提供する訪日外国人向け無料 Wi-Fi サービス FREE Wi-Fi PASSPORT(SSID:.FREE_Wi-Fi_PASSPORT) も継続してご利用いただけます ( FREE Wi-Fi PASSPORT についてはソフトバ

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

2. 本市の上期観光入込客数について平成 27 年度上期観光入込客数は 総数 377,300 人で 前年の 351,600 人より 25,700 人 7.3% の増となった その内訳として 道内客が 84,900 人で 前年の 94,200 人より 9,300 人 9.9% の減 道外客が 292,

無料公衆無線 LAN 環境の整備の促進 年までに外国人の導線における主要な観光 防災拠点に Wi-Fi スポットを整備するため 自治体への支援を実施 訪日外国人旅行者が快適に利用できる無料公衆無線 LAN 環境の整備を促進するため 総務省 観光庁が事務局となり 駅 空港等のエリアオーナ

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5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

○ 訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備事業

東京都江戸東京博物館

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2/3 LAN LAN ( ) Excel 45KB

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別紙 1 観光拠点情報 交流施設の概要 補助対象事業者名 ( 一社 ) 観光協会 観光拠点 ( 地域の観光名所 ) 観光拠点名 観光拠点概要 城 特色 年に築城され 年の 合戦では 熾烈な攻城戦が繰り広げられたことで有名 特に二の丸にある 櫓は 江戸時代後期に建設され 国の指定文化財となっている 日

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

目次 第 1 章計画の基本方針 1 1 策定の趣旨 1 2 東京 2020 大会ビジョンの共有 1 3 基本コンセプト 2 4 基本目標 ( 創出するレガシー ) 2 5 計画の期間 2 第 2 章アクション 3 1 共通の取り組み 3 2 基本目標スポーツ振興 4 3 基本目標観光振興 5 4 基

Transcription:

外国人旅行者の受入環境整備方針 ~ 世界一のおもてなし都市 東京の実現に向けて ~ 平成 26(2014) 年 12 月 東京都

目次 Ⅰ 世界有数の観光都市としての環境整備 1 Ⅱ 受入環境整備の基本的な考え方 2 1 受入環境整備のための5つの視点 (1) 多言語対応の改善 強化 (2) 情報通信技術の活用 (3) 国際観光都市としての標準的なサービスの導入 (4) 多様な文化や習慣に配慮した対応 (5) 安全 安心の確保 2 受入環境整備の進め方 (1) 都の役割 (2) 区市町村に期待する役割 (3) 民間事業者等に期待する役割 (4) 各主体との連携について Ⅲ 観光案内機能の向上のための重点整備エリア 7 Ⅳ 5つの視点に基づく都の主な取組 9 1 ひとりでまち歩きを楽しめる観光案内機能の充実 (1) 観光案内所の拡充 (2) 多言語による案内サインの充実 (3) 観光ボランティアの育成と街なかでの観光案内の展開 (4) 情報通信技術の積極的な活用 2 旅行者を迎え入れる快適な滞在環境の整備 (1) 宿泊 飲食 観光施設における利便性の向上 (2) 公共交通機関利用における利便性の向上 (3) 決済環境における利便性の向上 (4) 旅行者に配慮した緊急時 災害時の対応の充実 参考 1 都内全域における受入環境の整備 28 参考 2 重点整備エリアにおける観光案内インフラの整備 29

Ⅰ. 世界有数の観光都市としての環境整備 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会 ( 以下 2020 年大会 という ) の開催が決定し 旅行先としての東京への関心が一段と高まっている 東京を訪れた外国人旅行者数は 昨年 過去最高の681 万人を記録し 2014 年もこれを上回るペースで増加している 都は 東京都長期ビジョン において さらなる旅行者誘致に取り組み 2020( 平成 32) 年に年間 1500 万人 2024( 平成 36) 年に年間 1800 万人の訪都外国人旅行者数を目標に掲げた 目標の達成のためには 東京が誇る豊かな自然や食 伝統 文化等の魅力を磨き上げ 世界に広く発信することはもとより 世界各国から訪れる旅行者がストレスなく 安心かつ快適に観光を楽しめるよう 旅行者の移動や滞在を支える基盤をソフト ハード両面から整えていくことが重要である 都 区市町村 民間事業者など多様な主体が 事業者やエリアの垣根を越えて 東京を訪れる旅行者の目線から最適なサービスを提供するよう 取り組むことが望ましい 本方針は 多様な主体が連携 協働して 2020 年大会までに計画的かつ集中的に外国人旅行者の受入環境の整備を都内全域で進めるための 基本的な取組の方向性を示すものである この取組の成果を 大会後も東京のレガシー ( 遺産 ) として継承し 旅行者が何度でも訪れたくなる世界有数の観光都市 東京を目指していく 訪都外国人旅行者数の推移と目標 ( 千人 ) 実績目標 20,000 18,000 18,000 16,000 15,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,812 6,000 4,180 4,000 2,000 0 平成 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 32 年 36 年 (2004 年 ) (2013 年 )(2020 年 )(2024 年 ) 出典 : 東京都観光客数等実態調査 ( 東京都 ) 1

Ⅱ. 受入環境整備の基本的な考え方 本方針は 2020 年大会を見据え 東京が一体となって外国人旅行者に安全かつ快適な東京滞在を提供するために 受入環境を整備する集中的な取組期間として 対象を2015 年から2020 年大会までの概ね5 年間とする 都 区市町村 民間事業者などの各主体が認識を共有し 都内全域で受入環境の整備を進めるため 5つの視点 を提示する 都の役割や今後の取組を示すとともに 区市町村や民間事業者にも 5 つの視点 に立った取組を働きかけていく こうした取組を支えるため 財源の面からも着実かつ機動的に整備が進められる方策を講じていく 1 受入環境整備のための 5 つの視点 (1) 多言語対応の改善 強化 外国人旅行者が都内観光を行う際 言葉が通じないことが大きな障壁となっていることから 多言語表記やピクトグラム ( 絵文字 ) 通訳アプリなどを活用した観光情報の提供を充実させ 旅行者が多言語での情報を容易に入手できる環境を整備することが必要である 2020 年オリンピック パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会 ( 以下 多言語対応協議会 という ) が策定した 多言語対応の基本的な考え方 や 多言語対応取組方針 ( 以下 取組方針 という ) 都が年度内に改定する 国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針 ( 以下 案内サイン標準化指針 という ) 等を踏まえ 官民一体となって取組を進める (2) 情報通信技術の活用 情報通信分野の技術革新が急速に進み 外国人旅行者が情報を入手 発信する手段が多様化していることを踏まえ ICT( 情報通信技術 ) を活用して 旅行者が手軽に観光情報等を入手 発信できる環境を整えていくことが必要である Wi-Fiやデジタルサイネージ アプリケーションソフトなどを 情報 2

伝達等のツールとして効果的に活用するとともに 提供する情報内容を充 実させていく (3) 国際観光都市としての標準的なサービスの導入 国際的な旅行者誘致競争が激化する中で 世界有数の観光都市としての環境づくりを進めるためには 日本ならではの優れたシステムやサービスを外国人旅行者も享受できるようにするとともに 世界各国で標準化されているサービス及び海外の主要な国際観光都市での先進的な事例を取り込み 発展させ 旅行者に提供していくことが必要である 海外の主要都市における取組事例等も参考としながら 公共交通機関の利用や消費行動などの面において 旅行者にとって利便性の高いサービスを提供していく (4) 多様な文化や習慣に配慮した対応 現在急増している東南アジアからのムスリム旅行者をはじめとして 今後ますます多様な国 地域からの旅行者の来訪が期待されている 日本とは異なる文化や習慣を持つ旅行者を正しく理解し これを尊重しながら 日本の文化や生活習慣等にも理解を求めるなど 相互理解を深めることが重要である こうしたことを踏まえ 多様な文化 習慣を持った外国人旅行者を温かく迎え入れるための環境を整えていく (%) 250 訪日旅行者数伸び率の推移 200 150 100 全体 東南アジア計 マレーシアインドネシア 50 平成 20 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 (2008 年 ) (2013 年 ) 平成 20 年を基準年とした場合の伸び率の推移 東南アジア 6 か国 ( タイ シンガポール マレーシア インドネシア フィリピン及びベトナム ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 訪日外客統計 より作成 3

(5) 安全 安心の確保 旅行中の災害や事故 病気など不慮の事態に備え 迅速かつ適切に対応できるよう 関係機関との連絡体制や情報提供の方法など 日頃から想定を行い 十分な準備を進めることが必要である 障害を持つ外国人旅行者や高齢の外国人旅行者のニーズにも対応できるよう ユニバーサルデザインの考え方に立った 安全 安心の取組を進めていく 外国人旅行者が快適に滞在できる東京 多言語メニューのあるレストラン デジタルサイネージ 都民誰もが道案内 観光案内 スマートフォンやタブレット端末 4

2 受入環境整備の進め方 (1) 都の役割 本方針や 案内サイン標準化指針 など 官民を挙げた取組の方向性を提示するとともに 受入環境整備に必要な基盤づくりや 各主体が取組を進めるために必要なツールの作成 普及を行う 都内全域における受入環境の整備を促進するため 各区市町村の計画的な取組を支援するとともに 民間事業者等と連携 協働した取組を推進していく 観光案内機能の更なる向上を図るため 重点整備エリア における観光案内インフラの重点的な整備を実施していく 1 (2) 区市町村に期待する役割 区市町村においては 地域の特色を活かし 地域の実情に応じて 前述の 5つの視点に基づき 旅行者の受入環境の整備を計画的に実施していくことが求められる さらに 民間事業者 観光協会等の観光関連団体 住民等による 地域に密着した取組を積極的に後押しするなど 都や民間事業者等と連携 協働した取組を実施することが期待される (3) 民間事業者等に期待する役割 交通事業者 宿泊施設 飲食店 美術館 博物館等の観光施設や観光関連団体などにおいては 多様化する旅行者ニーズに対応し 旅行者を温かく迎え入れる取組を 旅行者目線に立って進めていくことが求められる ICTなど民間が有する技術やノウハウ等を積極的に活用し 旅行者の満足度向上に資する取組をより一層充実させるなど 都や区市町村 他の民間事業者等と連携した取組を実施することが期待される (4) 各主体との連携について 観光立国実現に向けたアクション プログラム ( 平成 26 年 6 月公表 ) 等を踏まえた国による受入環境の早急な整備を実現させるため 平成 26 年 1 月に設置した 2020 年オリンピック パラリンピック東京大会関 1 p.7 参照 5

係府省庁連絡会議東京都との連絡協議会 を活用するなど 国の関係省庁 関係機関等と緊密な連携を図っていく 2020 年に向けて必要な施策を着実かつ迅速に実施するため 庁内外との連携体制を構築するとともに 東京オリンピック パラリンピック競技大会組織委員会や都内唯一の広域観光団体であり公 民の性格を併せ持つ公益財団法人東京観光財団などと連携して 取組を効果的に推進していく 区市町村や民間事業者等の主体的な取組を支えるため 財源の面からも着実かつ機動的に整備が進められる方策を講じていく 都 役割 受入環境整備に必要な基盤づくりや 各主体が取組を進めるために必要なツールの作成 普及 区市町村や民間事業者等の取組の促進 観光案内インフラの重点的な整備 5 つの視点 1 多言語対応の改善 強化 2 情報通信技術の活用 3 国際観光都市としての標準的なサービスの導入 4 多様な文化や習慣に配慮した対応 5 安全 安心の確保 区市 町村 民間 事業者 都内全域で連携 協働して受入環境を整備 期待する役割 地域の特色を活かし 地域の実情に応じた計画的な取組の実施 民間事業者 観光関連団体等の取組の促進 期待する役割 旅行者の移動 滞在 買物等における 旅行者目線に立った 満足度向上に資する取組の充実 6

Ⅲ. 観光案内機能の向上のための重点整備エリア 外国人旅行者が街なかを観光する際に 必要な情報の入手先として用いる のが 観光情報を多言語で提供する観光案内所や多言語表記による案内サイ ン ウェブサイトなどである 2020 年大会開催時には 外国人旅行者に人気の観光地や大会会場周 辺に旅行者が多く集まることを見据え 初めて東京を訪れた外国人でも必要 な情報を入手し また 迷わず目的地にたどり着くことができるよう 情報 を提供する拠点や手法の充実を図っていくことが重要である 都市としての観光案内機能の向上を今後集中的かつ計画的に進めるため 案内機能を有する施設やサービス等を 観光案内インフラ と位置付ける 具体的には 観光案内所 観光案内標識及び観光ボランティアによる街なか Fi 並びに情報提供の手段として汎用性が高いデジタルサイネージの 5 つ とする 整備に当たっては 外国人旅行者が多く訪れる 10 地域 2 ( 新宿 大久保 青山 お台場及び六本木 赤坂 ) 及び 20 20 年大会会場周辺を 重点整備エリア に位置付け 都が主体となり 区市町村や 民間事業者等とも連携して取り組んでいく 各地域は主要鉄道駅を中心とする徒歩圏 内とし 本エリア内では 旅行者はストレ スフリーでいずれかの観光案内インフラに アクセスが可能 ( 徒歩 2~3 分圏内で観光 情報を得られる環境 ) となるよう 整備を 進める 2 国別外国人旅行者行動特性調査 ( 東京都 ) による 外国人旅行者の 訪問した場所 のうち 上位 10 位の地域 参考 : 外国人旅行者が多く訪れる 10 地域の推移 6 10 平成 22 年 4 渋谷渋谷 4 5 秋葉原 原宿 表参道 青山 8 お台場 での観光案内 携帯情報端末を通じた情報の収集 発信に必要な無料 Wi- 銀座 浅草 渋谷 東京駅周辺 丸の内 日本橋 秋葉原 上野 原宿 表参道 東京駅周辺 丸の内 日本橋 平成 24 年度 平成 25 年度 1 新宿 大久保新宿 大久保 1 2 銀座銀座 2 3 浅草浅草 3 東京駅周辺 丸の内 日本橋 秋葉原 7 上野上野 7 原宿 表参道 青山 9 六本木 赤坂お台場 9 六本木 赤坂 10 出典 : 平成 25 年度 24 年度 国別外国人旅行者行動特性調査 ( 東京都 ) 平成 22 年 JNTO 訪日外客訪問地調査 ( 日本政府観光局 ) より作成 5 6 8 7

重点整備エリア 新宿 大久保 秋葉原 銀座 上野 浅草 原宿 表参道 青山 渋谷 お台場 東京駅周辺 丸の内 日本橋 六本木 赤坂 2020 年大会会場周辺 <2020 年に向けた整備目標 > 重点整備エリア内では 外国人旅行者は徒歩 2~3 分圏内で観光情報を 得られる環境の実現 8

Ⅳ. 5 つの視点に基づく都の主な取組 都の 平成 25 年度国別外国人旅行者行動特性調査 によると 外国人旅行者が訪都中に行った行動は 日本食を楽しむ ショッピング 街歩き が上位を占めている 旅行者が東京観光を堪能できるよう こうした場面を中心に 外国人旅行者の利便性や快適さを向上させる取組を実施していく 外国人旅行者が訪都中に行った行動 ( 複数回答 ) のうち上位 5 位 日本食を楽しむ 88.7 ショッピング 74.9 街歩き 73.1 歴史的 伝統的な景観 寺 神社 日本庭園自然 景勝地観光 34.0 51.7 n=11,890 0 20 40 60 80 100(%) 出典 : 平成 25 年度国別外国人旅行者行動特性調査 ( 東京都 ) 1 ひとりでまち歩きを楽しめる観光案内機能の充実 (1) 観光案内所の拡充 ア ) 現状 世界各国から東京を訪れる旅行者の裾野の拡大や個人旅行者の増加に伴い 旅行者のニーズは多様化している 都はこれまで 都内 3か所で日本語 英語 中国語及び韓国語で対応する東京観光情報センターを運営するとともに 区市町村や観光関連団体及び民間事業者と連携して 都内約 1 50か所に 観光案内窓口 を設置し 観光情報の提供を行ってきた 旅行者のニーズに的確に対応した観光情報を提供していくため 東京観光情報センター及び観光案内窓口において 多言語で観光情報を提供する体制をさらに充実させていくことが重要である 9

観光案内所にあってほしい情報 サービス ( 複数回答 ) のうち上位 10 位 無料公衆無線 LAN 環境情報 45.1 PC 利用環境情報 ( ネットカフェの場所等 ) 32.2 目的地までの公共交通の経路 情報 26.7 両替 クレジットカードが利用可能なATM 情報 25.9 観光情報 ( 見所 文化体験等 ) 25.3 割引チケット フリー切符の情報 24.9 飲食店情報 24.3 公共交通の利用方法 ( 乗り方 ) 利用料金 23.3 多言語スタッフの常駐 22.3 n=506 外国語の通じる医者 病院の情報 21.3 10 20 30 40 50(%) イ ) 今後の方向性 出典 : 外国人観光案内所を訪問する外国人旅行者に対するアンケート調査 ( 平成 23 年度 ) ( 観光庁 ) 都内各所にある観光案内窓口について 運営体制や必要な機能等の考え方 を整理し 区市町村や観光関連団体 民間事業者等と連携して 都内全域 で窓口数の拡大 通訳アプリやデジタルサイネージの導入によるサービス の向上など案内機能の拡充に向けた支援に取り組む 羽田国際空港の深夜 早朝便の利用者へのサ ービス向上を図るため 羽田空港国際線旅客 ターミナル内の東京観光情報センターの利 用時間を 24 時間化する 重点整備エリアのうち 外国人旅行者が多く訪れる 10 地域それぞれに 広域的な観光案内機能を担う 拠点を整備していく 重点整備エリア内 交通結節点として 高速バスターミナルやタクシ 羽田空港国際線旅客ターミナル内の東京観光情報センター ー 一般車乗降場の整備など機能が拡充される新宿駅南口に 新たな東京 観光情報センターを設置し チケット販売や宿泊予約など 旅行者のニー ズを捉えたワンストップサービスを提供していく その他の地域での設置 については 今後場所や手法などを調査検討していく 重点整備エリア内 今後の方向性 のうち 重点整備エリア内とあるものは 重点整備エリア内での取組 特に表記のないものは 都内全域での取組を指す 新宿南口における新たな東京観光情報センター 10

新宿駅南口における新たな東京観光情報センター 3F フロアに設置予定 画像提供 : 国土交通省関東地方整備局東京国道事務所 新たな観光情報センターで提供するサービスのイメージ ( 例 ) 多言語での観光情報の提供 チケット販売や宿泊予約 東京の食 文化 産業等の魅力発信 <2020 年に向けた整備目標 > 羽田空港国際線旅客ターミナル内の東京観光情報センターの利用時間の 24 時間化 10 地域に広域的な観光案内機能を担う拠点を整備 ( 新宿駅南口の新たな東京観光情報センターを含む ) 観光案内窓口の拡充 機能強化 : 外国人旅行者が多く訪れる 10 地域内に約 200 か所設置 11

(2) 多言語による案内サインの充実 ア ) 現状 東京を訪れる外国人旅行者は 案内サインを利用して困った理由として 多言語表記が小さくわかりづらかった 多言語表記がなかった ことを挙げている 旅行者が安心してまち歩きを楽しむためには 必要な情報を多言語で分かりやすく提供していくことが重要である 都はこれまで 平成 20 年に 案内サイン標準化指針 ( 歩行者編 及び 鉄道編 ) を策定し 区市町村や鉄道事業者に対して普及啓発を図るとともに 多言語での観光案内標識の設置を進めてきた 個人旅行者の増加や活動エリアの拡大等を踏まえ 分かりやすい案内サインの整備を一層進めていくことが必要である 多言語の観光案内標識 ( 街なかにおける観光案内標識と 4 か国語表記の凡例 ) イ ) 今後の方向性 今年度改定する 案内サイン標準化指針 について 美術館 博物館 自然公園 宿泊施設 飲食店 観光地等を対象とした 観光施設 宿泊施設 飲食店編 を新たに加えるとともに 対訳表の作成など内容の充実を図る 本指針を広く普及させ ピクトグラム ( 絵文字 ) 等も活用した分かりやすい案内サインの整備とともに ガイドブックやパンフレット ウェブサイ 12

ト等と表記の統一を進めていく 外国人旅行者が迷うことなくまちを歩き 東京観光を楽しめるよう 旅行者のニーズや動線等にも配慮しながら 都道や区市町村道の観光案内標識の設置 更新を計画的かつ集中的に実施していく 国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針 の改定のポイント 今年度改定する案内サイン標準化指針において ポイントとなる点は以 下の通りである 対象施設の拡大 歩行者編 鉄道編 の改定に加え 観光施設 宿泊施設 飲食店 編 を新たに作成 多言語対応の強化 観光庁策定の 観光立国実現に向けた多言語対応の改善 強化のためのガイドライン ( 平成 26 年 3 月 ) 等を踏まえ 翻訳ルールを整理するとともに 東京都版対訳表を作成 ピクトグラム等の有効活用 外国人旅行者のニーズが高い施設に関するピクトグラムを作成し 地図や案内サインに表示 飲食店におけるわかりやすさ向上のため 店頭表示用マークを作成 新たな取組事例の掲載 類似する案内サインの整理 統合 広告を掲載した観光案内サイン デジタルサイネージの活用など <2020 年に向けた整備目標 > 観光案内標識の設置 : 新規 600 基程度 更新 1,000 基程度 13

(3) 観光ボランティアの育成と街なかでの観光案内の展開 ア ) 現状 都はこれまで 外国人の個人旅行者を対象に 観光ボランティアによる多言語での都内観光ガイドや都庁舎内の案内ツアー等のサービスを提供してきた 観光ボランティアは 2020 年大会において空港や主要な駅 観光スポット等に設けたブースなどで 観光 交通 会場案内等のサービスを提供する 都市ボランティアの中核を担う存在としても期待されている 2020 年に向け 数多くの観光ボランティアを育成するとともに 街を散策する外国人旅行者のニーズに機動的かつきめ細かく対応できるよう 活動を一層充実させていくことが必要である 東京都観光ボランティアの活動 ( 都庁舎内の案内ツアーの様子 ) ( 東京味わいフェスタ 2014 での観光案内 ) イ ) 今後の方向性 観光ボランティアの裾野を拡大し 東京全体で旅行者を温かく迎え入れる機運を醸成するため 区市町村や観光関連団体 都内のボランティア活動団体等との連携を強化するとともに 中学 高校生を対象として 観光ボランティアの候補生となる おもてなし親善大使 を育成していく 観光ボランティア間での情報交換やノウハウの共有 旅行者の声をフィードバックする仕組みづくりなど ボランティアに対するサポート体制の充実を図っていく 重点整備エリアのうち 外国人旅行者が多く訪れる10 地域において 観光ボランティアが 街なかを巡りながら旅行者に声をかけ 目的地までの 14

経路など 観光に必要な情報の提供をタブレット端末も活用して多言語で 行う 街なか観光案内 を展開していく 重点整備エリア内 おもてなし親善大使育成塾における取組 都では 2020 年に向けて 中学生及び高校生を対象に 東京の観光スポットや外国人への接し方等を学ぶ おもてなし親善大使 育成塾を 今年度から新たに開催している 今年度は 109 名のおもてなし親善大使が誕生した おもてなし親善大使には 都内の観光スポット等の案内を行う観光ボランティアとしての活躍を期待している ( 実地体験 ) ( 座学研修 ) 他都市の事例 ロンドン市では ロンドンオリンピックの時に 駅及び主要な観光名所等で観光客への案内を行ったロンドン アンバサダー ( ボランティアガイド ) が 現在も 毎年クリスマス及び夏期に活動をしている ソウル市では 主要観光地において 自ら動いて 観光案内等を行う動く観光案内所を展開している ( ロンドンにおけるボランティアガイド ) ( ソウルの動く観光案内所 ) <2020 年に向けた整備目標 > 観光ボランティアの育成 :3,000 人 おもてなし親善大使の育成 :1,000 人 街なか観光案内 の実施: 外国人旅行者が多く訪れる10 地域 15

(4) 情報通信技術の積極的な活用 <Wi-Fi> ア ) 現状 ICTの発達に伴い スマートフォン等の携帯情報端末の利用が進むなど 旅行者の情報収集 発信方法が変化しており 空港や駅 飲食店等の民間事業者による無料 Wi-Fiサービスの提供が進んでいる 都はこれまで 都営バス等での無料 Wi-Fiサービスの提供や 観光案内窓口や宿泊施設でのWi-Fiアンテナの設置を支援してきたが 公共施設等での整備が進んでいないこと また 無料 Wi-Fiの利用に当たってはサービス事業者ごとに登録が必要であることなどから 更に利便性の向上を図る取組が必要である 訪都外国人旅行者の無料 Wi-Fi 利用環境に対する満足度 ( 満足 ほぼ満足 の回答割合 ) は 76.7% であり この割合を一層高めていくことが求められる 無料 Wi-Fi を利用した訪都外国人旅行者の満足度 n=891 出典 : 都内における外国人旅行者の Wi-Fi 等通信サービス利用状況調査 ( 平成 26 年 8 月 )( 東京都 ) イ ) 今後の方向性 無料 Wi-Fiサービスは 外国人旅行者にとっての主要な情報の収集 発信手段の一つとなっており 都内全域で接続環境を向上させるため 地域や民間事業者等における主体的な取組を促進していく これまで進めてきた観光案内窓口や宿泊施設等での アンテナの整備をさらに促進していくとともに 今後 接続可能な場所をより一層拡大していくため 公園 庭園 文化施設やスポーツ施設など 外国人旅行者が多く 16

訪れる都立施設での整備を推進していく 都立施設等で提供される無料 Wi-Fiサービスを利用する際に 一度の利用登録でどの施設でも利用が可能となる共通の仕組みを構築するとともに 観光情報や災害時の緊急情報等を提供していく (TOKYO CI TY Wi-Fi( 仮称 )) 民間事業者が整備する無料 Wi-Fiについても 国や民間事業者に働きかけ 外国人旅行者向けの無料 Wi-Fiサービスの利用手続きの簡素化へ向けた一体的な取組を促進していく 重点整備エリア内においては 旅行者がストレスフリーで無料 Wi-Fi に接続できる環境を整えるため 歩行空間における集中的な整備を推進し ていく 重点整備エリア内 TOKYO CITY Wi-Fi( 仮称 ) 接続時の初期画面イメージ <2020 年に向けた整備目標 > 訪都外国人旅行者の無料 Wi-Fi 利用環境に対する満足度 :90% 以上 都立施設等における TOKYO CITY Wi-Fi( 仮称 ) のサービス提供 街なか ( 観光案内標識周辺及び歩行空間に整備するデジタルサイネージ ) における Wi-Fi アンテナの設置 :700 基程度 17

平成 27 年度に Wi-Fi を整備する公園 庭園 文化施設等の一覧 葛西臨海公園 夢の島公園 潮風公園 武蔵野の森公園 日比谷公園 上野恩賜公園 代々木公園 井の頭恩賜公園 公園 (8 施設 ) 文化施設等 (9 施設 ) 東京都江戸東京博物館 東京都江戸東京博物館分館江戸東京たてもの園 東京都現代美術館 トーキョーワンダー サイト本郷 トーキョーワンダー サイト渋谷 東京都美術館 東京文化会館 東京芸術劇場 東京舞台芸術活動支援センター 浜離宮恩賜庭園 旧芝離宮恩賜庭園 小石川後楽園 六義園 向島百花園 清澄庭園 旧岩崎邸庭園 旧古河庭園 殿ヶ谷戸庭園 庭園 (9 施設 ) 東京都庁舎 恩賜上野動物園 多摩動物公園 井の頭自然文化園 葛西臨海水族園 庁舎 動物園 (4 施設 ) 自然公園 (2 施設 ) 高尾ビジターセンター 御岳ビジターセンター 18

<デジタルサイネージ等 > ア ) 現状 デジタルサイネージは 屋外 店頭 公共空間 交通機関などにおいて ネットワークに接続したディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムの総称で ICTの普及に伴って活用が広がっている 特に 映像や動画等の様々なコンテンツを提供できること コンテンツの入れ替えが容易であることから 広告媒体としての活用など 民間において普及が進んでいる 一方で 設置 管理コスト等の観点から 観光情報等の提供手段としての活用は進んでいない デジタルサイネージをはじめとしたICTについては 民間事業者等における技術開発が急速に進んでいることから 情報提供手段としてのICT を巡る状況の変化を踏まえながら 民間事業者とも連携し 旅行者が手軽に情報を入手できる環境の整備を進めていくことが必要である デジタルサイネージの設置例 ( 柏の葉スマートシティ内 ) ( 成田空港ターミナル内 ) タッチパネルにより情報取得が可能なデジタルサイネージの設置例 ( 柏の葉スマートシティ内 ) ( ゆりかもめ新橋駅 ) 19

イ ) 今後の方向性 デジタルサイネージは ネットワークを通じて旅行者が必要とする様々な観光情報を多言語で提供できることから 旅行者への新たな情報提供ツールとして積極的に活用していくこととし 観光案内窓口等における導入を促進していく 重点整備エリア内においては 地図情報に加え 観光情報や目的地までの交通手段など 旅行者が旅先で必要とする情報を多言語で提供する双方向 高機能型の観光案内標識として 歩行空間でデジタルサイネージの整備を進める また 緊急時 災害時には 災害情報等の提供手段として 活用していく 重点整備エリア内 観光案内窓口等への通訳アプリの導入など ICTを活用した観光案内機能の更なる充実を図っていく 観光情報や旅行者向けの緊急 災害情報などデジタルサイネージ等での提供 アプリケーションの開発など 旅行者目線に立った地域や民間事業者等における主体的な取組を促進していく デジタルサイネージのコンテンツのイメージ 具体的な機能 ( 例 ) タッチパネルを活用した 多言語での双方向の情報提供 地元のイベント等の観光情報や目的地までの経路 ショッピングやレストラン情報などを検索 Wi-Fiアンテナを内蔵 災害時の情報提供 ( 歩行空間に設置されたデジタルサイネージのイメージ ) <2020 年に向けた整備目標 > 歩行空間におけるデジタルサイネージの設置 : 約 100 基 20

2 旅行者を迎え入れる快適な滞在環境の整備 (1) 宿泊 飲食 観光施設における利便性の向上 ア ) 現状 東京には旅行者を支える多種多様な民間事業者が集積していることから 官民が連携 協働して 一体的に取組を進めることが必要である とりわけ 旅行の満足度を高めるうえで 旅の拠点となる宿泊施設 多くの旅行者が利用する飲食店や美術館 博物館等の観光施設における取組を促進していくことが重要である これまで都は 飲食メニューの多言語化や 急激に増加しているムスリム旅行者受入に関する基本知識等をまとめたハンドブックの策定 宿泊施設のバリアフリー化支援などを実施してきた 今後 ますます多様化する外国人旅行者のニーズに応えるためには 民間事業者におけるユニバーサルデザインの考え方に立った取組等をさらに促進していくことが求められる 都が宿泊事業者向けの研修で配布した資料 ( 受講生配布資料 おもてなし指さし会話集 ) イ ) 今後の方向性 多言語対応協議会が策定した 取組方針 等に基づき 宿泊 飲食 観光施設での多様な主体が連携 協働した多言語対応の取組を促進していく ムスリムなど多様な文化 習慣を持つ旅行者への理解を深めるため 飲食店や宿泊施設等に対して 普及啓発を図るとともに こうした旅行者の受入れに取り組む飲食店等の情報を旅行者に提供していく 21

また 地域や民間事業者の主体的な取組を促進していく 宿泊施設に対するWi-Fiアンテナの設置支援を充実し 旅行者が気軽に情報を収集 発信できる環境の整備を図るとともに 障害を持つ外国人旅行者や高齢の外国人旅行者等が 安全かつ安心して施設を利用できるよう バリアフリー化を加速させる 宿泊施設等に対して 24 時間対応のコールセンターを活用した多言語通訳サービスの導入や自主的な研修の実施など 旅行者との円滑なコミュニケーションを支援していく 外国語で表記された飲食メニューの提供が更に進むよう メニュー作成を支援するウェブサイトでの対応言語数の拡大 東京食材などを含めた用語や使用する食材を示すピクトグラムの充実とともにウェブサイトを利用する飲食店等の拡大に向けて 研修等の普及啓発を実施していく 美術館 博物館等の観光施設に対して パンフレットやウェブサイト 案内表示 展示解説等の多言語対応や施設のバリアフリー化など 外国人旅行者受入のための主体的な取組を促進していく 都立文化施設での取組事例 ( 庭園美術館の多言語の解説アプリ ) ( 日 英 中 ( 簡体字及び繁体字 ) 韓国語に対応した東京都美術館のウェブサイト ) ( 東京都庭園美術館で導入している多言語対応の解説アプリ ) <2020 年に向けた整備目標 > 宿泊施設バリアフリー化支援 : 約 100 施設 宿泊施設での Wi-Fi 整備 : 約 440 施設 22

外国語メニュー作成支援ウェブサイト 都は 外国語メニュー作成支援ウェブサイト を通じて 飲食店等による外国語メニュー作成を支援している 今年度 本ウェブサイトの再構築を進めており アジア圏などからの旅行者の増加にも対応するため 対応言語数を5 言語から11 言語に拡充し 新たにタイ語 ベトナム語及びアラビア語などを追加する さらに 多様な文化や習慣 アレルギーを持つ方などに配慮するため 食材や調理法 とうきょう特産食材 や お通し といった日本独特の習慣による用語を追加し 用語数を約 3,000 語から約 6,000 語へ拡充する 再構築後のウェブサイトは 平成 27 年 1 月に公開予定である 現行のウェブサイト 使用する食材を示すピクトグラムの例 URL: http://menu-tokyo.jp/umc/index.php/user/top ムスリム旅行者おもてなしハンドブック 都は ムスリム旅行者受入に関する基本知識や対応策などをまとめたハンドブックを作成し 宿泊施設 飲食店 商業施設 都内区市町村などに配布しているほか 内容を東京の観光公式ウェブサイト GO TOKY O にも掲載している URL:http://gotokyo.org/jp/administration/h26/documents/msrim.pdf ( 掲載内容 ) ムスリム 食 礼拝 習慣 マナー に関する基礎知識 おもてなしのポイント 都内での取組事例 都内の礼拝所マップなど 23

(2) 公共交通機関利用における利便性の向上 ア ) 現状 都の 平成 25 年度国別外国人旅行者行動特性調査 によると 外国人旅行者が訪都中に利用した交通機関は 地下鉄以外の鉄道 76.4% 地下鉄 62.2% タクシー 31.5% となっており 多くの旅行者が公共交通機関を利用し 都内の観光を楽しんでいることがうかがえる 東京の交通網は 正確かつ高密度であり 世界に誇れる安定したサービスを提供している 一方で 事業者が多数であり ルートが複雑であることから 旅行者には乗換や料金などが分かりにくいシステムとなっている 外国人旅行者の視点に立って公共交通機関を利用しやすいものとし 旅行者の回遊性と利便性を向上させる取組を促進していくことが重要である 外国人旅行者が訪都中に利用した交通機関 ( 複数回答 ) のうち上位 5 位 取組事例 地下鉄以外の鉄道 76.4 地下鉄 62.2 タクシー 31.5 空港リムジンバス 18.9 貸切バス 14.9 n=11,890 0 50 100(%) ( 都営地下鉄におけるコンシェルジュ ) 出典 : 平成 25 年度国別外国人旅行者行動特性調査 ( 東京都 ) イ ) 今後の方向性 多言語対応協議会が策定した 取組方針 等に基づき 各交通機関や施設の利用に当たり 旅行者が安心して円滑に移動できるよう 必要な案内を多言語で表示するなどの取組を促進していく 都営地下鉄での通訳サービスの活用や 地下鉄 都営バス 空港やJR 駅での無料 Wi-Fi のシームレスな利用環境の提供など ICTも活用して旅行者の利便性の向上を図っていく 民間事業者と連携し 複数の公共交通機関と観光施設等で相互利用可能な ICカードの開発 普及等を促進する 発行に当たり 物販等の割引を受けられる仕組みを導入するなど 旅行者の視点に立った取組を検討する 24

(3) 決済環境における利便性の向上 ア ) 現状 観光庁の 訪日外国人消費動向調査 によると 訪日外国人旅行者が利用した決済方法は 現金 の利用率が9 割を超えている また 平成 26 年 10 月から外国人旅行者向けの消費税免税制度の拡充により 免税販売の対象が食品類や薬品類 化粧品などの消耗品にも拡大し 旅行者にとって東京観光における 買い物 の魅力が一層増すことが期待される 海外発行クレジットカードでの決済や 現金引き出しが可能なATM( 現金自動預払機 ) の拡大など 旅行者のニーズに応え 気軽にストレスなく買い物や観光などを楽しめる環境の整備が重要である 訪日外国人旅行者が利用した決済方法 ( 複数回答 ) 現金 95.8 クレジットカード 48.9 デビットカード ( 銀聯カードなど ) 電子マネー (Edy Suicaなど ) トラベラーズチェック 1.2 0.2 8.7 0 20 40 60 80 100 (%) 出典 : 訪日外国人消費動向調査結果及び分析平成 26 年 7-9 月期報告書 ( 観光庁 ) イ ) 今後の方向性 クレジットカードやデビットカード等の取扱いが一層進むよう 店舗や公共 民間観光施設等における決済機器の導入など 決済時の利便性の向上を促進していく 海外で発行されたクレジットカードやキャッシュカードでキャッシングや現金引き出しが可能なATMの設置を促進していく 東京の観光公式ウェブサイト GO TOKYO や 東京ハンディガイド 等を通じて 海外のクレジットカードやATMの利用等に関する情報を外国人旅行者に積極的に発信していく 免税店制度や宅配運送サービスを利用した 利便性の高い旅行者向けのサービスを充実させる取組を促進していく 25

(4) 旅行者に配慮した緊急時 災害時の対応の充実 ア ) 現状 旅行者先での自然災害や事故への遭遇 不慮のけがや病気等の発生は 外国人旅行者にとって大きな不安となりうるものであり 旅行の満足度にも影響する これまで都は 外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアル を策定し 宿泊施設など観光関連事業者に周知するとともに 旅行者向けに多言語で作成 配布している 東京ハンディガイド の緊急時 災害時における対応を充実させるなど 対応を図ってきた 日頃から旅行者の安全性を確保するための対応策を準備することで 旅行者の不安を軽減し 安心感を高める取組をさらに進めていくことが必要である 東京ハンディガイド における情報提供 ( 英語版の例 ) ( 緊急時 災害時における対応についての記載 < 抜粋 >) イ ) 今後の方向性 外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアル の周知や 国の 自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドライン の活用等により 大規模災害等が発生した場合に 外国人旅 26

行者を円滑に案内 誘導 情報提供等ができるよう 地域や民間事業者等における主体的な取組を促進していく 東京の観光公式ウェブサイト GO TOKYO 等を活用し 旅行者の安全 安心確保に有益な情報を多言語で積極的に発信していく 災害や避難などに関する情報を多言語で提供するコンテンツを作成し デジタルサイネージなどを活用した迅速な情報発信を図っていく Wi-Fiアンテナの設置を進めるとともに Wi-Fiが利用可能な場所の周知を図るなど 災害時における旅行者の通信手段の確保に努める 外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアル 都は 地震等の大規模な災害が発生した場合に 都内を訪れている外国人旅行者に対し 宿泊施設を始めとした観光関連事業者が円滑に案内 誘導 情報提供等ができるよう 外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアル を作成し 普及を進めている マニュアルの概要 (1) 宿泊施設をはじめとする観光関連事業者が やるべきこと のチェックリスト (2) 地震をはじめとした災害発生時初動対応のための基礎知識 (3) 初動対応 (4) 初動対応のための関連データベース (5) ピクトグラムと災害発生時対応文例集 マニュアルは東京の観光公式ウェブサイト GO TOKYO にも掲載 ( ページ例 ) URL: https://www.gotokyo.org/jp/administration/h24/documents/0saigaimanyuaru.pdf 27

参考 1 都内全域における受入環境の整備 5 つの視点各主体による主な取組 多言語対応の改善 多言語対応取組方針 案内サイン標準化指針 等に基づく 分かりやすい案内サインの整備 観光案内所の設置 運営強化 観光ボランティアの育成 活用 都道 区道等での観光案内標識の設置 更新 Wi-Fi 接続環境の向上 デジタルサイネージの整備 パンフレットやホームページ ガイドブック マップ等での多言語での情報提供 多言語メニューの作成 提供 宿泊施設等へのコールセンターサービスの導入情報通信技術の活用 Wi-Fi 接続環境の向上 再掲 デジタルサイネージの整備 再掲 通訳アプリ等の活用国際観光都市として 決済環境の向上 ( クレジットカード等の決済機器の導入 海外発行カード対応のATM 設置 ) の標準的なサービス 交通機関 文化施設等共通フリーパスの開発 導入促進の導入 免税店制度や宅配運送サービス等の取組多様な文化や習慣に 多様な文化や習慣の対応に必要なリーフレットの作成 セミナーの実施 サービスの提供等 各種研修等を通じた人材育成配慮した対応 多言語メニューの作成 提供 再掲 安全 安心の確保 外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアル 等の活用 宿泊施設等のバリアフリー化 観光関連施設等での訓練の実施や緊急時対応の充実 宿泊施設等へのコールセンターサービスの導入 再掲 28

参考 2 重点整備エリアにおける観光案内インフラの整備 1 観光案内所 4 デジタルサイネージ 5 無料 Wi-Fi 観光案内拠点の整備 10 地域各々に広域的な観光案内機能を担う拠点を整備 新たな東京観光情報センターの整備 ( 新宿駅南口 ) 観光案内窓口の拡大 機能強化 観光案内所での設置を推進 観光案内所での Wi-Fi アンテナ設置を推進 2 街なかでの観光案内 ( ボランティア ) 観光ボランティアを活用し 10 地域で街なかでの観光案内を展開 タブレット端末を活用した観光案内 3 観光案内標識 ピクトグラムなどを用いた分かりやすい案内表示 高機能型の観光案内標識として歩行空間に設置 (100 基程度 ) 観光案内標識周辺へのアンテナ設置を推進 (600 基程度 ) デジタルサイネージに Wi-Fi アンテナを設置 街中で困ったときでも徒歩 2~3 分圏内で観光情報を得られる環境の実現 ) 29