第 2 学年国語科学習指導案 平成 25 年 1 月 30 日 ( 水 ) 第 5 校時 1 単元名 走れメロス をリライトしよう 2 生徒の実態と本単元の意図 (1) 生徒の実態 ( 省略 ) (2) 本単元の意図本単元は 学習指導要領第 2 学年内容 C 読むこと のイ 文章の全体と部分との関係 例示や描写の効果 登場人物の言動の意味などを考え 内容の理解に役立てること 同じくウ 文章の構成や展開 表現の仕方について 根拠を明確にして自分の考えをまとめること に深く関わっている また 詩歌や物語などを読み 内容や表現の仕方について感想を交流すること 表現の仕方を工夫して 詩歌をつくったり物語などを書いたりすること という 2 種類の言語活動を扱う単元である 本教材の内容は 友情 善悪 人間の強さ 弱さや変容の姿 など多様に捉えることができる 全体の構成が物語でよく見られる 導入 展開 クライマックス 結末 であること 展開がほぼ時間の経過にともなっていること 登場人物名がはっきりと設定されていることから 生徒が読みやすく興味を持つことができると考える この教材 走れメロス は 太宰治がシラー 人質 をもとにして書かれたものとされている そして 今では 映画や舞台を初め マンガや音楽など様々な表現形式で書かれている作品である そこには 必ずそれぞれの作者の意図によって 人物設定や構成 展開 表現の仕方が工夫されている 走れメロス は 人質 に 太宰治が新たに加えている人物の描写や情景の描写がある そのことが 先に書いたこの作品の主題の多様性を生んでいると考えられる このことからも この 2 作品を比較することで 学習指導要領 読むこと イ 文章の解釈に関する事項 にある 描写 の効果 を学ぶことができると考えた 第 2 学年の文学的文章の学習では 単元 続きを想像しよう では 書き出し 結末 などの表現の工夫や 読む観点について学習した 次の単元 きずな物語を書こう では 登場人物の人柄が表れている人物描写について学習した そこで 本単元では 第 3 学年での 批評 に向けて 描写が 作品全体の雰囲気に関わる という新たな視点を持たせることを目指したものである 生徒が読み取った作品に表れたものの見方や考え方は どの描写の効果によって感じたものか その 根拠 を明確にすることで 作品を読む視点を持つことができる また 言語活動でセリヌンティウス視点でのリライトを設定している しかし 今回はあくまで 第 3 学年で批評を行える基礎となる読む視点を増やすことがねらいである そのため 生徒のリライト作品の表現の工夫の善し悪しで 読み取れたかの評価をするわけではない あくまで リライトのために 作品の描写の効果を見つけ 考えていくのである この単元を貫いた言語活動 リライト を通して 生徒の読む観点についての変容も 1 枚のポートフォリオで確認し 生徒に自覚させていきたいと考える 3 単元の目標 (1) セリヌンティウス 視点のリライトをすることに関心をもち 進んで描写の効果や登場人物の言動の意味をつかもうとしている ( 関心 意欲 態度 ) (2) 人物設定 登場人物の言動 描写から作品で伝えたいことを際立たせる効果をつかむことができる ( 読むこと のイ ) (3) 自分が捉えた 作品のよさ の根拠を明確にして友だちと交流し 自分の考えを修正したり まとめたりすることができる ( 読むこと のウ ) (4) 情景描写の効果について理解し 他の作品からも見つけることができる ( 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 )
4 単元の評価規準と学習活動に即した評価規準 元の評価規準学習活動に即した評価規準ア 国語への エ 読む能力 オ 言語についての 関心 意欲 態度 知識 理解 技能 セリヌンティウス (1) 人物設定 登 (2) 自分が捉えた 情景描写の効果につい 視点のリライトをする 場人物の言動 描写 作品のよさ の根 て理解し 他の作品か ことに関心をもち 進 から作品で伝えたい 拠を明確にして友だ らも見つけている んで描写の効果や登場 ことを際立たせる効 ちと交流し 自分の 人物の言動の意味をつ 果をつかんでいる 考えを修正したり かもうとしている まとめたりしている 1 学習の見通しをも 1 練習教材で描写の 1 練習教材で描写の 1 練習教材で情景描写 ち 活動に取り組も 効果や登場人物の 効果や登場人物の を見つけている うとしている 言動の意味を考え 言動の意味につい 2 走れメロス で情 2 自分の読書経験や友 ている て 根拠を明確に 景描写を見つけてい だちとの体験 経験 2 走れメロス と している る を思い出そうとして 人質 を比較し 2 走れメロス と 3 他の作品から情景描 いる て 新たに加わっ 人質 を比較し 写を見つけている 3 走れメロス の作 た表現を見つけて て 自分が捉えた 品のよさを見つけよ いる 作品のよさについ うとしている 3 走れメロス と て 根拠を明確に 4 練習教材の描写の効 人質 を比較し している 果や登場人物の言動 て 描写の効果や 3 友だちと交流し の意味を進んでつか 登場人物の言動の 自分の考えを修正 もうとしている 意味を考えてい したり まとめた 5 学習した描写の効果 る りしている や登場人物の言動の意味を生かして取り組もうとしている 5 指導と評価の計画 ( 全 7 時間扱い ) 時主な学習活動学習内容評価規準 評価方法 1 思い出シート を使っ 学習課題の設定 アの1 2 3 オの1 て 自分の読書経験から 単元の見通し 学習に取り組む態度の観察 印象に残っている場面等 自分の読書経験の想起 思い出シート の記述内 を思い出す 自分の友だちとの体験 経験 容の考察 思い出シート を使っ の想起 初発の感想の記述内容の考 て 自分の友だちとの体 走れメロス について観点 察 験 経験を思い出す を定めた感想 走れメロス を読み 初発の感想を書く 2 ーノルド = ローベル ) と 1 人物設定の効果エの (2) の 13 オの 1 単 練習教材 お手紙 ( ア 読む観点の獲得アの 4 エの (1) の 1 2
教師作成の お手紙 を 2 会話文の効果 学習や班での交流活動に取 比較する 3 行動描写の効果 り組む態度の観察 本 走れメロス と 人質 4 情景描写の効果 ワークシートの記述内容の 時 を比較し 新たに加わっ 5 登場人物の言動と話の展開の 考察 たところを見つける 関わり 3 走れメロス と 人質 前時で学習した読む観点の活 イの (1) の3 イの(2) の違いを班で交流する 用 の2 3 自分の初発の感想の根拠 自分の初発の感想の根拠とな ワークシートの記述内容 となった描写の効果や登 る表現の仕方の工夫 班の交流での記述内容 場人物の言動を見つける 4 自分の感想の根拠につい 描写が文章全体に与える雰囲 イの (2) の3 5 て班 ( 同じ観点や異なる 気作りの効果 ワークシートの記述内容 観点の班 ) で交流する 登場人物の言動と話の展開や 班の交流での記述内容 作品全体に表れるものの見方や考え方との関わり 6 セリヌンティウスの視点 自分の考えにあう描写や登場 アの5 でリライトをする 人物の言動の選択 リライト作品の記述内容 7 友だちの書いたリライト 描写が文章全体に与える雰囲 イの (2) の3 作品を読み 自分の考え 気作りの効果 ワークシートの記述内容 をまとめる 登場人物の言動と話の展開や 1 枚ポートフォリオの記述 作品全体に表れるものの見方 内容 や考え方との関わり 単元を振り返り 自分の読む視点 姿勢についての再考 6 本時の学習指導 ( 本時 2/7 時 ) (1) 目標 練習教材 お手紙 と教師作成の お手紙 を比較し 描写の効果や登場人物の言動についての考えを持つ 走れメロス と 人質 を比較し 練習教材での読みの観点を生かして 新たに加わったところを見つける (2) 評価規準 ア 国語への エ 読む能力 オ 言語についての 関心 意欲 態度 知識 理解 技能 4 練習教材の描写の効 1 練習教材で描写の 1 練習教材で描写の 1 練習教材で情景描写 果や登場人物の言動 効果や登場人物の 効果や登場人物の を見つている の意味を進んでつか 言動の意味を考え 言動の意味につい もうとしている ている て 根拠を明確に 2 走れメロス と している 人質 を比較し 3 友だちと交流し て 新たに加わっ 自分の考えを修正
た表現を見つてい したり まとめた る りしている (3) 展開 学習活動学習内容指導と評価の創意工夫時間 1 本時の学習課題をつ 本時の学習課題 学習課題を提示し 単元全体の 3 かむ 見通しを持たせる 作品の違いを多く見つけ 走れメロス の比べ読みに生かそう 2 練習教材 お手紙 読む観点の獲得 評価場面 10 と教師作成の お手紙 学習活動に即した評価規準 を比較する 気づかせたい読みの観点 アの4 エの(1) の1 (2) 1 人物設定の効果 登場人物 かたつむり が の1 オの1 馬 ワシ ヤギ の場合との比較 評価方法 2 会話文の効果 手紙を送ってから届くまでの会 学習に取り組む態度の観察 話文がない場合との比較 ワークシートの記述内容 3 行動描写の効果 大いそぎで とび出しま 手立て した がない場合との比較 それぞれの違いについて なか 4 情景描写の効果 情景描写がある場合との比較 なか書けない生徒には 練習教 5 登場人物の言動と話の展開の関わり 手紙を目 材と教師作成教材を並べて 交 の前ですぐに書き 渡した場合との比較 互に読ませる 描写が表している特徴を助言す る 15 3 班で交流し 意見を 自分の考えの発表 評価場面 発表する 班の友だちの意見のメモ 学習活動に即した評価規準 予想される生徒の反応 エの (2) の3 1 馬 や ワシ の場合 すぐについてしまう 評価方法 ので 親友である2 人の関係の深まりは浅いと ワークシートの記述内容 思う ヤギ だと手紙を食べてしまい届かな 手立て い恐れがある かえるくんが嘘つきになり友情 交流が進まない班には 教師が が壊れてしまう 一時的に進行役となる 22 人の気持ちの動きがよく分かる どれだけ心 似た意見をまとめ 違う意見は 配したり 落ち込んでいるかが分かる その根拠を発表させる 3かえるくんががまくんを思う気持ちの大きさが よく分かる 42 人の気持ちの状態がよく分かる 作品の雰囲 気が変わる 5がまくんの苦悩が小さいため あまりかえるく んの思いやりに対して感動しない ワガママな がまくんに 仕方なくあげたように感じる 2 人は親友とは呼べない 4 走れメロス と 人 読む観点の活用 評価場面 15 質 を比較し 新たに 1 人物設定の効果 学習活動に即した評価規準 加わったところを見つ 2 会話文の効果 エの (1) の2 ける 3 行動描写の効果 評価方法 4 情景描写の効果 ワークシートの記述内容の考察
5 登場人物の言動と話の展開の関わり 手立て なかなか書けない生徒は 練習教材で行った読む観点を例示し 生徒にとって理解しやすい観点で見つけさせる 教師が例を挙げて 似た表現を見つけさせる 5 学習の振り返りを1 本時の学習内容の確認 本時の目標について振り返り 7 枚ポートフォリオに記 次時の予告 学習した読みの観点を自覚させ 入する る