花王の食品添加物 ベネコート BMI シリーズ ( 苦味マスキング剤 ) 花王が新しく開発した苦味マスキング剤 ベネコート BMI シリーズは 各種ビタミンやビタミン BB1 誘導 体 ペプチドなどの苦味や刺激味が気になる食品 食品原料に応用することにより それらの味を改善します 目 次 1. 苦味マスキング剤の開発の背景とその特長 1. 苦味の抑制メカニズムについて 3. 苦味の評価方法 3. 食品素材などへの応用 -1 各種苦味素材 - 塩酸キニーネ 5-3ビタミンBB1およびその誘導体 -ビタミンミックス錠 7-5ペプチド 8 - 貝殻未焼成カルシウム 9 5. 製品特性について 1
い味覚強度.1.1.1 1 1 1. 苦味マスキング剤の開発の背景とその特長 食品や医薬品の苦味を抑制する従来の技術には 食品では苦味以外の味が損なわれたり 医薬品ではカプセル化や糖衣錠化による服用のしにくさが生じたりなどという さまざまな問題点がありました 花王は 味覚受容にかかわる独自の研究を通じて これらの問題点を解決し 新しい苦味マスキング技術を開発しました 花王の新しい技術によれば 今後成長が期待される健康食品や医薬品のチュアブル錠などにも対応できます 味つけ 甘味を付与 酸味を付与 食品分野 苦味成分の分離 除去 苦味組織の除去 カラム処理 酵素処理 従来の技術と問題点 素材の味が変化強い苦味には不適 選択的分離が困難 矯味剤の添加 医薬品分野 糖( 甘味 ) の添加 有機酸( 酸味 ) の添加 苦味成分の封入 糖衣錠化 胃溶カプセル化 コーティング 強い苦味には不適 剤形の大型化小児 老人には難製剤工程の複雑化 新技術 苦味受容部位のマスキング 苦味マスキング剤 ベネコート BMI シリーズ うま味や甘味 酸味 塩味を損なわずに 苦味だけを選択的に抑制 苦味がなく おいしい食品 苦味がなく 服用しやすい医薬品 1 8 ベネコート BMI の添加量(%)強 味物質への影響 甘味 塩味酸味苦味 1
. 苦味の抑制メカニズム苦味物質は 味細胞上の味受容膜の疎水領域で受容されます 1) ベネコート BMI シリーズは味受容膜の疎水領域に吸着し 結果として苦味抑制効果を発揮します ~) だ液層 ベネコート BMI 苦味物質 受容タンパク質 味細胞 味受容膜 苦味受容サイト ( 疎水領域 ) イオンチャンネル 1) T. Kumazawa, T. Nomura, and K. Kurihara, Liposomes as model for taste cells: receptor sites for bitter substances including N-C=S substances and mechanisms of membrane potential., Biochemistry, 7, 139-1(1988). ) Y. Katsuragi and K. Kurihara, Specific inhibitor for bitter taste. Nature, 35, 13-1(1993). 3) Y. Katsuragi, T. Yasumasu and K. Kurihara, Lipoprotein that selectively inhibits taste nerve responses to bitter substances., Brain Res., 713, -5(199). ) Y. Katsuragi, T. Yasumasu, L. Cao, K. Otsuji and K. Kurihara, Selective inhibition of bitter taste of various drugs by lipoprotein. Pharmaceutical Res., 1, 58-(1995). 5) Y. Katsuragi, Y. Sugiura, L. Cao, K. Otsuji and K. Kurihara, Characteristics of phosphatidic acid - containing lipoproteins which selectively inhibit bitter taste., Biochim. Biophys. Acta, 189, 3-38(199). ) Y. Katsuragi, Y. Mitsui, T. Umeda, K. Otsuji, S. Yamasawa and K. Kurihara, Basic studies for the practical use of bitterness inhibitors: selective inhibition of bitterness by phospholipids., Pharmaceutical Res., 1 7-78(1997).
3. 苦味の評価方法 各種の苦味溶液に ベネコート BMI シリーズを添加して 等価濃度試験法による官能評価を行い 苦味を評価しました < 等価濃度試験法 > 1. あらかじめ苦味の強さが等間隔 (1~1) になるように 標準苦味溶液を作製する. パネラーに 試験したい苦味溶液 ( ベネコート BMI 無添加 ) の強さが標準苦味溶 液の何番に相当するかを選択させる 3. ベネコート BMI を添加した苦味溶液についても 同様に選択させる. 上記の と 3 の結果から 苦味の抑制度合いを評価する 苦味強度 苦い 1 3 5 7 8 9 1 ベネコート BMI を添加した苦味溶液 苦味溶液 < 苦味強度 > 1-: 苦味を感じない 3 : ほとんど苦味を感じない ( グレープフルーツ程度の苦味 ) : わずかに苦味を感じる 5 : やや苦味を感じる ( コーヒー程度の苦味 ) : 苦味を感じる ( ブラックコーヒー程度の苦味 ) 7 : やや強い苦味を感じる 8 : 強い苦味を感じる 9 : かなり強い苦味を感じる 1 : 強烈に苦味を感じる 3
. 食品素材などへの応用 -1 各種苦味物質 < 評価方法 > 各種苦味物質水溶液 :1 部ベネコート BMI :.~5 部 ( 対水溶液 ) 混合 官能評価 < 評価結果 > 苦味素材 ベネコート BMI の添加量 (%) オリゴペプチド ( 乳精タンハ ク 5% 水溶液 ) 5. カゼインペプチド (1% 水溶液 ) 1. ホエーペプチド (1% 水溶液 ) 1. 貝殻未焼成カルシウム ( ホタテ貝の貝殻粉末 ) 5. 大豆サポニン (.5% 水溶液 ) 1. ナリンギン (.1% 水溶液 ) 硝酸チアミン (.1% 水溶液 ). 塩酸キニーネ (.5mM 水溶液 ) 1. プロメタジン (1mM 水溶液 ) 1. プロプラノール (1mM 水溶液 ) 1..5mM ベルベリン (.5mM 水溶液 ) 1. グルタミンペプチド (1% 水溶液 ) 1. 苦味強度 8 1 ベネコート BMI の添加効果 ( 苦味以外 ) 乳味が低減する 乳臭が低減し 後味も改善する 味がまろやかになる 生臭み 粉っぽさが低減する エグ味が緩和し 後味も改善する エグ味が緩和する ビタミン臭が低減する 刺激味が 低減する 刺激味が 低減する 注 : ベネコート BMI の添加量は 苦味素材の重量に対する割合を示す 苦味強度 3 以下では ほとんど苦味を感じません
苦い- 塩酸キニーネ < 評価方法 >.5 mm 塩酸キニーネ水溶液 :1 部ベネコート BMI :.1~1. 部 混合 官能評価 < 評価結果 >.5 mm 塩酸キニーネ水溶液に対して ベネコート BMI を.3~.5% 添加すれば 苦味を感じない領域まで低減します 1 8 苦味強度 ほとんど苦味を感じない領域....8 1. ベネコート BMI の添加量 (%) 注 : ベネコート BMI の添加量は.5mM 塩酸キニーネ水溶液に対する割合を示します 5
-3 ビタミン B およびその誘導体 B1 < 評価方法 > 各種ビタミンB B1水溶液 (.~.5% 濃度 ) ベネコート BMI 混合 官能評価 :1 部 :.3~1. 部 < 評価結果 > 硝酸チアミン :.1% 水溶液 硝酸チアミン :.5% 水溶液 苦い 苦 味強度.3.1.3 1 ベネコート BMI の添加量 (%) 苦1 い 8 苦味 強度.3.1.3 1 ベネコート BMI の添加量(%) 塩酸チアミン :.5% 水溶液 8 い 苦味 強度.3.1.3 1 ビタミン BB1 誘導体 :.% 水溶液 苦苦1 い 8 苦 味強 度.3.1.3 1 ベネコート BMI の添加量 (%) ベネコート BMI の添加量 (%) 注 : ベネコート BMI の添加量は 各種ビタミン BB1 およびその誘導体水溶液に対する割合を示します
苦い 1 3 5 - ビタミンミックス錠 < 評価方法 > ビタミンミックス :15 部ベネコート BMI :~5 部賦形剤 フレーバーなど : 残部 (8~85 部 ) 1 部 混合 打錠 官能評価 ビタミンミックスの内容 :L- アスコルビン酸 ニコチン酸アミド (9.5%) トコフェロール パントテン酸カルシウム ジベンゾイルチアミン塩酸塩 (1.3%) ピリドキシン塩酸塩 ビタミン A 脂肪酸エステル 葉酸 ビタミン D3 シアノコバラミン < 評価結果 > 苦味 : ベネコート BMI を錠剤中 1~3% 添加すれば 苦味が低減します ( ビタミンミックスに対しておよそ 1% の添加量 ) におい : ベネコート BMI を錠剤中およそ.5~3% 程度添加すれば においが低減します ( ビタミンミックスに対しては 5~1% の添加量 ) その他 : ベネコート BMI の添加で 全体の味がまろやかになり 雑味が低減します また 刺激味も低減します 苦味強度 8 ベネコート BMI の添加量 (%) 注 : ベネコート BMI の添加量は 錠剤中での割合を示します 7
-5 ペプチド < 評価方法 > ペプチド ( 粉末 ) ベネコート BMI- 混合 官能評価 :1 部 :~1 部 < 評価結果 > カゼインペプチド ホエーペプチド 苦い8 い 苦 苦い 苦苦味味 強強度度 3 5 1 3 5 1 ベネコート BMI- の添加量(%) ベネコート BMI- の添加量(%) 8 8 苦味 強度 大豆ペプチド 3 5 1 ベネコート BMI- の添加量 (%) 注 : ベネコート BMI- の添加量は ペプチドに対する割合を示します 8
- 貝殻未焼成カルシウム < 評価方法 > 貝殻未焼成カルシウム製剤 :1 部ベネコート BMI- :~5 部 混合 乾燥 官能評価 水 ( 適量 ) 貝殻未焼成カルシウム製剤の作製方法貝殻未焼成カルシウム :1 部 ( カキ貝殻粉末 ) 混合硫酸マグネシウム :5 部 < 評価結果 > 苦味 : 貝殻未焼成カルシウム製剤に対して ベネコート BMI- を 1~5% 添加すれば 苦味が低減します におい : 貝殻未焼成カルシウム製剤に対して ベネコート BMI- を 1% 添加すれば 生臭みが低減します その他 : ベネコート BMI- は カルシウム特有のエグ味を低減します また 刺激味を抑え 全体の味をまろやかにします 苦1 い 8 苦 味強度 1 5 ベネコート BMI- の添加量 (%) 注 : ベネコート BMI- の添加量は 貝殻未焼成カルシウム製剤に対する割合を示します 9
5. 製品特性について 内容組成および規格 製品名内容組成性状使用方法 ベネコート BMI- 酵素分解レシチン :5.% 食品素材( 分枝テ キストリン ) :9.88% ミックストコフェロール:.1% 淡黄色粉末 食品 食品原料へ混合して使用 ベネコート 酵素分解レシチン :99.9% 食品 食品原料へ混合褐色液体 BMI-L ミックストコフェロール:.% して使用 安定性溶解性製品名 ( 遮光 乾燥剤封入 ) 規格荷姿水 (~5 ) エタノール ベネコート BMI- ベネコート BMI-L 食品添加物に分散不溶 ヶ月 1ヶ月 5kgKB 適合 食品添加物に分散不溶 ヶ月 1ヶ月 15kg CN 適合 保存方法 吸湿に注意し 冷暗所で保存して下さい 注 : ベネコート BMI- シリーズを食品に使用する場合の制限はありません 表示方法 食品へ使用した場合は 乳化剤 または レシチン の表示が必要になります 1
ここに掲載された事項は 細心の注意を払って行われた実験事実に基づくものでありますが 実際の現場結果を確実に保証するものではありません 花王株式会社ケミカル事業ユニット 東京 131-851 東京都墨田区文花 -1-3 TEL:3-53-787 大阪 55-1 大阪市西区立売堀 1--1 TEL:-533-71 8/7-1(R5) URL=http://chemical.kao.com/jp/ E-mail=chemical@kao.co.jp