説明用パワーポイント

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11 月 01 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局( 準備室 ) を大阪港埠頭 公社内に設置 平成 23 年 03 月 31 日 改正港湾法の公布 平成 23 年 04 月 1 日大阪港埠頭株式会社及び神戸港埠頭株式会社が新外貿法の指定を受 け 本格的に業務開始 阪神港国際コンテナ戦略港湾推進

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目次 1. 大阪港の概要 1 大阪港の概要 大阪港の位置 大阪港の取扱貨物量 外貿コンテナ貨物の取扱状況 大阪港の再編計画 2. 対象事業の概要 5 整備目的 事業の主な経緯 整備対象施設の概要 事後評価に至る経緯 3. 費用対効果分析 7 便益項目の抽出 需要の推計 便益計測 荷主の輸送コストの削

目 次 1 はじめに 1 2 経営理念 1 3 基本方針 2 4 経営目標 3 5 経営環境の認識 4 6 中期的重要施策と推進策 5 2


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平成20年度国家予算

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東南アジア航路 韓中航路 日韓航路等において スペース交換 航路の合理化 新航路の共同開設などについて加盟船社同士が協調することで 競争力の回復を図ることを目的としている KSP は 2017 年 11 月の第 1 弾では東南アジア航路で 3 隻 釜山 - 博多 門司航路で 4 隻の撤退 2018

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コンテナ戦略港湾に寄港する欧州基幹航路を週3便に増やす し 阪神国際港湾株式会社が設立され 同年11月28日に国土 とともに 北米基幹航路のデイリー寄港を維持 拡大する こ 交通大臣が同社を港湾運営会社として指定した同年12月26 とを設定し 概ね10年以内に 国際コンテナ戦略港湾におい 日には同社

資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について 平成 30 年 11 月 6 日関税 外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局

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スライド 1

日本海側拠点港の対象 < 対象港湾 > 日本海側に存在する国際拠点港湾及び重要港湾 26 港 < 対象機能 > 1. 輸送モード 国際海上コンテナ 国際フェリー 国際 RORO 船 外航クルーズ( 定点クルーズ 背後観光地クルーズ ) 国際定期旅客 2. 貨物 原木 その他の貨物 資料 : 国土交通

資料 4 H24 北陸地域国際物流戦略チーム幹事会 日本海側拠点港における取り組み状況 金沢港 七尾港 平成 25 年 3 月 8 日 石川県

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岡山大学経済学会雑誌 47(3),2016, 研究ノート 港湾運営会社制度の特徴と課題 津守貴之 目次問題の所在 1. 港湾運営会社制度の概要と特徴 2. 制度設計の問題点とその経緯および背景小括 問題の所在本稿の目的は次の2 点である 1 港湾運営会社制度の制度設計の基本的な問題点の

目次 1. 事業概要 (1) 新潟港の概要 1 (2) 事業の目的 2 (3) 整備内容 3 2. 事業の効果の発現状況 (1) 便益の抽出 4 (2) 便益計測の考え方 5 (3) その他の効果 8 (4) 費用便益分析結果 9 3. 社会経済情勢の変化 事後評価結果 対応

第 5 章東京港の国際競争力と危機管理 第 1 節東京港の国際競争力強化 95 第 5 章 第 2 節港湾施設の危機管理体制の確立

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目次 1. 事業の概要 1 (1) 事業の目的 1 (2) 事業の経緯 5 (3) 事業の概要 6 2. 投資額及び整備期間 7 (1) 投資額 ( 事業費 ) 7 (2) コスト縮減結果 7 (3) 整備期間 7 3. 事業の必要性等 8 (1) 本整備事業による効果 8 (2) 定量的な効果 9

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特集 平成 30 年分成田空港貿易概況 ( 速報 ) 平成 31 年 1 月 23 日 ( 水 ) 東京税関 本資料における 2018 年 の数値は速報値 本資料における 伸率 とは前年との比較によるもの 本資料における対中国の貿易額には対香港及び対マカオの貿易額を含む


外航コンテナの国内フィーダ輸送実績(20年度報告)

戦略提言 四国における効率的なコンテナ貨物輸送のあり方編 平成 28 年 8 月追加 背景 (1) はじめに 平成 19 年 3 月に四国国際物流戦略チームにおいて 戦略提言 及び提言に基づく 施策の取組体系 が策定されてから 9 年が経過したが この間 以下に述べるように四国を取り巻く社会経済情勢

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

Taro-資料 1.jtd

大規模震災発生に備えたサプライチェーンの構築を目指して 別紙 -3 浅見尚史 2 齋藤輝彦 1 舟川幸治 1 1 渡邉理之 1 港湾空港部港湾物流企画室 ( 新潟市中央区美咲町 1-1-1). 2 国土交通省港湾局技術企画課 ( 千代田区霞が関 2-1-3) 東日

H28秋_24地方税財源

事業報告 ( 平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで ) 1. 株式会社の現況に関する事項 (1) 事業の経過及びその成果国際戦略港湾施策の一環として 民の視点による効率的な港湾運営を推進するため 平成 26 年 10 月 1 日に神戸 大阪両埠頭会社を上下分離方式に

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前回の御指摘概要 1 CY カットタイムの短縮 < 諸外国の現状 > 北米 欧州等が 24 時間をルール導入 北米向け貨物の書類のカット日はタイが 3 日前 台湾 3 日前 ベトナム 48 時間 南中国 香港 48 時間 韓国 48 時間 ( 日本は書類 貨物共に 3 日前 ) 荷主からもらったデー

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お客様各位 2018 年 6 月 14 日 井本商運株式会社代表取締役社長井本隆之 東京 / 横浜 - 神戸 - 門司 / 博多航路 増便 神戸 - 名古屋 / 四日市航路 新設のご案内 初夏の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます さて こ

平成27年度 北陸地域国際戦略チーム 幹事会 現代版北前船航路の形成に向けて

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資料 2-2(1) 小樽港本港地区 臨港道路整備事業 再評価原案準備書説明資料 平成 21 年度北海道開発局

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

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資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

トラックドライバー不足が東北地域の物流に及ぼす影響の検討 資料(案)

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平成18年8月31日

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資料 4 港湾の渋滞緩和対策について 平成 29 年 12 月 11 日 国土交通省港湾局 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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平成18年8月31日

目 次 1. 事業の概要 1) 事業の目的 P 1 2) 概要及び進捗状況 P 2 2. 事業の効果 1) 効果項目の抽出と便益の計測 P 3 2) 便益として計測する効果 1 陸上輸送コスト削減便益 P 4 2 滞船コスト削減便益 P 5 3) その他の効果 1 排出ガス発生の抑制 P 6 2 沿

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英国においてコンテナ取扱量で世界トップ 100 に入るフェリックストゥ ロンドン サウサンプトンという主要コンテナ港湾はいずれもロンドン近郊の島南部に集中している 英国港湾のコンテナ取扱量は約 1,000 万 TEU であるが 上記 3 港で全体の約 75% を取り扱っており 重複した背後圏の需要を

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ットワーク構築の観点等を盛り込み, 太平洋側港湾の代替機能の確保, 及び, 防災機能の確保についても併せて求められることとなった. 表 -2 日本海側拠点港計画書記載項目 ( 国際海上コンテナ, 国際フェリー 国際 RORO 船 ) (2) 目的と目標日本海側拠点港の募集にあたり, 日本海側港湾のあ

目 次 1. 事業の概要 1 2. 事業の進捗状況 事業の評価 事業の見込み等 関連自治体等の意見 今後の対応方針 ( 原案 ) 23

清涼飲料の輸出

経済資料 アジアの中の関西 研究会 報告書 2013 年 3 月 公益社団法人関西経済連合会 広域基盤委員会 1

してアジアの貨物を集めようとしたが わが国ではこの10 年間で10 兆円を超える資本を投入し 60を超えるコンテナ港湾を整備した しかし 日本を代表する京浜港でさえ 超大型船が接岸できる水深 -18m 級の岸壁は一つもないとする このような問題に対応するために 選択と集中 をキーワードとして検討され

平成28年 成田空港貿易概況(速報)

調査の目的 概要 1. 調査の目的 南海トラフ巨大地震の発生時にも円滑に支援物資輸送を行うため 中国 四国 九州地域における広域連携を通じ 鉄道 海運 ( 船舶 ) トラックなど多様な輸送モードの活用による支援物資物流システムの構築を目的として行ったもの 国 ( 中国 四国 九州の各運輸局 ) が主

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平成20年度税制改正(地方税)要望事項

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[ 参考 ] 地震以降の神戸発着の旅客 フェリーの輸送実績では 既存航路について 高速船やフェリーの発着港シフト 神戸抜港などがあった [ 神戸港復興記録 ~ 阪神 淡路大震災を乗り越えて ~ 神戸市港湾整備局 (1997/5),p.65] 04) 海外では 船会社が神戸港向け ( 神戸港経由を含む

5 ii) 実燃費方式 (499GT 貨物船 749GT 貨物船 5000kl 積みタンカー以外の船舶 ) (a) 新造船 6 申請船の CO2 排出量 (EEDI 値から求めた CO2 排出量 ) と比較船 (1990~2010 年に建造され かつ 航路及び船の大きさが申請船と同等のものに限る )

国内コンテナ・フィーダーに関する研究

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

表 1 隻数ベースのコンテナ船隊構成 船型 ( 隻数 単位 : 隻 ) Total 1,000TEU 未満 1,000 以上 3,000 未満 パナマックス (3,000 以上 ) ポストパナマックス (3,000 以上 8,000TEU 未満 ) 8,000 以上 12,000 未満 12,000

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企業物流短期動向調査 ( 日通総研短観 ) 調査結果 ( 抜粋 ) (2008 年 9 月調査 ) 2008 年 10 月 株式会社日通総合研究所 ホームページはこちら

世界各地域の港湾におけるコンテナ取扱個数の推移 TEU 年から 2014 年までの 10 年間で世界の港湾におけるコンテナ取扱個数は 2.2 倍に増加 日本は 1.3 倍

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

望の内容平成 28 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の

産業構造が変化し 情報のグローバル化や新興国の技術進歩 国際物流ネットワークの充実により 国際分業化が進行し 輸出入にかかる物流網の重要性が増している しかしながら 滋賀県のような内陸部では 港頭地区などと比較して輸出入にかかるリードタイムが長く 輸送コストが高くなるため 荷主企業の経営負担を大きく

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資料3-4

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大阪湾広域臨海環境整備センターは、昭和57年3月に設立されて以来、30年余りにわたって、全国で唯一の府県域を超えた広域的な廃棄物の適正な最終処分を海面埋立てにより行う「フェニックス事業」を地方公共団体及び港湾管理者と一体となって推進してきたところであり

平成30年度事業計画書(みだし:HP用)

海洋教育プログラム 中学校学習指導案例 [1]-2 中学校地理的分野学習指導案 小単元 : 世界と日本の結び付き ( 配当 2 時間 ) 日本各地を結ぶ交通 通信 (2/2) 評価規準の例 * は学習指導要領との関連 指導目標社会的事象への関心 意欲 態度 * 世界的視野から日本と世界との交通 通信

公益法人の寄附金税制について


社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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無償資金協力 案件概要書 2017 年 8 月 29 日 1. 基本情報 (1) 国名 : カンボジア王国 (2) プロジェクトサイト / 対象地域名 : シハヌークビル特別市 プノンペン (3) 案件名 : 港湾近代化のための電子情報処理システム整備計画 (The Project for Port

Transcription:

国際コンテナ戦略港湾 ( 阪神港 ) における取組み 資料 -4 平成 23 年 3 月 22 日 ( 財 ) 神戸港埠頭公社理事長片桐正彦 0

1 4,000 五大港の外貿コンテナ取扱貨物量の推移 ( 単位 : 千 TEU) 五大港の外貿コンテナ貨物量及び日本の釜山トランシップ貨物量の推移 3,500 3,000 2,500 神戸港大阪港横浜港東京港名古屋釜山 TS( 日本 ) 阪神 淡路大震災 2,000 神戸港 1,500 1,000 大阪港 500 0 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 西日本地方港の海外 ( 釜山 高雄等 ) フィーダー貨物の推計量 93 万 TEU ( 今後 阪神港が取扱を目標とすべき貨物量 ) 日本全体の釜山トランシップ ( 実績値 ) 100 万 TEU ( 今後 日本の拠点港が取扱を目標とすべき貨物量 ) 釜山 TS( 日本 )

国内主要港の外貿コンテナ取扱貨物量の推移 2

東アジア主要港におけるコンテナ取扱貨物量 出典 : 国土交通省港湾局作成資料 3

欧米基幹航路フルコンテナ船の年間寄港回数の推移 出典 : 国土交通省港湾局作成資料 4

我が国発着貨物の海外トランシップの現状 出典 : 国土交通省港湾局作成資料 5

国際コンテナ戦略港湾の目標 国際コンテナ戦略港湾として目指すべき位置付け 国内貨物の集約 コスト低減による基幹航路の維持強化 中国等アジアの急速な経済発展への対応 港湾におけるコスト低減策の集中 基幹航路貨物の国内貨物の集荷 を推進するメインポートを 選択 と 集中 により確立する 目標 2015 年 釜山等東アジア主要港でのトランシップ率を現行の半分に縮減 アジア主要港並みのサービスを実現 2020 年アジア発着貨物の国際コンテナ戦略港湾におけるトランシップを促進 東アジア主要港として選択される港湾を目指す 出典 : 国際コンテナ戦略港湾の選定を検討する港湾募集要領 ( 国土交通省港湾局 ) より ( 平成 22 年 2 月 ) 6

阪神港国際コンテナ戦略港湾の計画 7 日本港湾の喫緊の課題 日本の港湾は 東アジア諸港の台頭により大きくその地位がゆらぎ 国際競争力低下 とりわけ阪神港は 成長が著しい東アジアの主要港との国際競争の最前線に立地 隣国では 国策として政府そのものが形を変え 国際ハブ港湾を整備しており サービス コスト面での競争は厳しく 日本の海上物流の覇権の獲得を目標に展開 阪神港の地位の低下は 西日本はもとより わが国経済 産業の成長に影響を及ぼすものであり 日本の港湾の海外フィーダー化を阻止し貨物を奪還することが 喫緊の課題 国内ハブ機能の強化から国際ハブ港の再生 わが国においては 東西に長い地形特性を踏まえた物流の効率性から さらには大規模災害等へのリスク管理 国民生活の安定からも 東西 2 つの国際ハブ港が必要 経済大国一国に匹敵する西日本経済や大阪湾岸に集積する次世代 先端産業を支えていくためにも 海外フィーダー化している港湾の仕組みを変える必要 当面は国内ハブ機能を再構築し 基幹航路を拡充する 戦略港湾の計画提案阪神港として 国際コンテナ戦略港湾の責務を果たし 日本の成長戦略に寄与するため 集荷機能の強化 民の視点に立った港湾経営主体の構築 産業の立地促進による創荷という戦略の実現に向け 最大限の自助努力を行うとともに さらなる効果を発揮させるべく 国策としての支援を含め 現状に立脚した実現可能な戦略港湾の計画を提案

阪神港の国際コンテナ戦略港湾としての必要性 地勢的 経済的観点から首都圏を中心とした東日本と関西圏を中心とした西日本東西 2 箇所に戦略港湾が必要 西日本人口 :6000 万人 GDP:234 兆円 東日本人口 6700 万人 GDP285 兆円 阪神港 西日本 富山県 岐阜県 愛知県以西東日本 新潟県 長野県 静岡県以東 阪神港の集荷範囲名古屋港の集荷範囲京浜港の集荷範囲 各港で扱う貨物の生産地 消費地 ( 県別 ) の範囲 ( 外貿コンテナ貨物量 8000トン以上 ) 京浜港における兵庫 大阪 阪神港における東京 埼玉はのぞく 平成 20 年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査報告書 ( 平成 21 年 3 月 ) より集計 8

9 阪神港国際コンテナ戦略港湾の計画 戦略港湾阪神港の目指すべき姿 1 西日本の産業と国際物流を支えるゲートポートとして 機能維持 ( 基幹航路の維持 拡大 )) 2 釜山港等東アジア主要港湾と対峙できる港湾サービスを確保し 国内ハブ機能再構築 3 基幹航路の拡大に向けた取扱貨物量を確保 東アジアの国際ハブポートとして機能 現状 (2008 年 ) 400 万 TEU うち北米航路 47 万 TEU フィーダー 38 万 TEU トランシップ 0 主な戦略 集荷目標貨物量 2015 年 495 万 TEU うち北米航路 70 万 TEU フィーダー 110 万 TEU 2020 年 590 万 TEU トランシップ 20 万 TEU うち北米航路 75 万 TEU フィーダー 130 万 TEU トランシップ 100 万 TEU 1 民の視点から阪神港のコンテナターミナル全体を一元的に経営する港湾経営主体の確立 2 集荷機能の強化 ( 阪神港でのみ可能な定期内航フィーダー網の再構築 ) 3 産業の立地促進による創荷

10 ターミナルコスト低減策 基幹航路維持 強化のための具体的な計画 自主的減額 自助努力 ( 遊休資産の売却等 ) 集荷施策 目標 釜山港と戦えるターミナルコストの実現 公設民営化 ( 耐震バースの国有化 ) ターミナルコスト削減イメージ図 3 割 自助努力集荷増施策公社方式集荷施策公設民営化遊休資産の売却 公社方式自助努力自主的減額 ( 遊休資産の売却 )

~ 内航フィーダーの再構築計画 ~ 11 (1) メガキャリアの意向 これまで海外フィーダーから阪神港にシフトしつつあるメガキャリアは 内航フィーダーによる集荷が進めば 釜山からさらに転換を進めていくと表明し 戦略港湾の動向を注視 (2) 効果 荷主 <コスト> フィーダー船の大型化及び集荷機能強化によるコスト減 < 寄港頻度 リードタイム> リードタイムの短縮 1~2 日程度による経済効果 < 安全性 リスク> 海象の穏やかな( 外海を通らない ) 瀬戸内海航路の起点となっている阪神港は 定時性が確保された信頼性の高い内航定期航路が更に充実 コスト削減 貨物集荷 船社 基幹航路の拡大 (3) 具体的な方策 (4) 業界の動き 1 内航フィーダー船大型化促進に対する補助 2 内航海運暫定事業納付金の適用除外 3 集荷が進み消席率の増加に至るまでのインセンティブ助成 阪神港及び地方港の港運事業者 内航事業者の協同組合の設立により 内航フィータ ー網の再構築の具体化に着手

(1) 鉄道フィーダー ~ 鉄道フィーダー インランドポート ~ ( 機 能 ) トラックや船舶等の輸送手段に比べて CO2 排出量が最も少ない鉄道を活用 ( 戦 略 ) 荷主は釜山フィーダーとの価格差が完全に詰まらなくても 阪神港へシフト 仙台 全国へ 名古屋 (2) インランドポート ( 機能 ) 日本海側の地方港経由 T/S 貨物 中部圏の基幹航路貨物を対象とする阪神港への集荷拠点 ( 戦略 ) 地方港経由の釜山港接続より有利となる荷主コスト リードタイム サービス頻度を実現 ( 設置場所 ) 湖東地域 ( 栗東地区など ) ( 整備運営 ) 埠頭株式会社が中心となって整備し 船社などの協力を得て運営 北米 釜山港 釜山港 T/S 金沢港 荷主 荷主 < コスト等 > 同等の費用負担でより高水準のサービス享受 < リードタイム > リードタイム短縮 5 日による経済効果 < 安全性 リスク > 物流経路上における高い信頼 ( 位置把握の信頼性 遅れのリスク排除 ) 空コンテナ 阪神港 実入コンテナ IP インランドポート 船社 貨物集荷コスト削減 釜山港 T/S 阪神港直送 基幹航路の拡大 北米 阪神港 IP 利用 ( 点線は空コンテナ ) 12

神戸港 大阪港埠頭公社の統合 戦略的且つ機動的な経営の実現 2011 年両港埠頭公社の株式会社化 効率的且つ一元的な経営の実現 2015 年両港埠頭株式会社の経営統合 両港埠頭株式会社の財務体質の強化が急務 組織 財務改革 負債圧縮 遊休資産の処分を進め 強靭な財務体質へ転換 経営トップだけでなくポートセールス部門の主要役職にも民間からの人材の投入 資本政策 できるだけ早期の民間資本の導入 ( 法体系の整備 ) 港湾管理者の権限の委譲 港湾経営主体の確立 財務体質強化 提案内容 下物公共化の推進 埠頭公社株式会社化に対する税の優遇措置 補助 助成制度の創設 自助努力 遊休資産の処分 コンテナ埠頭に隣接する内航フィータ ーハ ースへの指定管理による権限委譲をし 外内貿一体運用促進 港湾経営主体へのポートセールス機能の集約 効果 埠頭株式会社の統合 埠頭運営効率化により経費削減 阪神港の港勢拡大に資する施策へ投入 民の視点での自立的経営 経営責任の共有 13

相互補完関係にある神戸港 大阪港 神戸港 : 輸出が多く 長距離基幹航路が多い 大阪港 : 輸入が多く 近海航路が多い 神戸港 外貿コンテナ航路数 その他 北米 欧州 地中海 近海 東南アジア 76% 20% 輸出入金額 32% 輸入 合計 7 兆 6200 億円 68% 輸出 釜山港と釜山新港の直線距離は約 20km 輸出入金額 合計 5 兆 9300 億円 大阪港 輸出 輸入 57% 43% 外貿コンテナ航路数 北米 欧州 地中海その他 7% 近海 東南アジア 89% 出典輸出入額 : 神戸税関 大阪税関貿易統計 ( 平成 17 年 ) 外貿コンテナ航路数 : 各港湾管理者調べ ( 平成 17 年 ) 14

国際コンテナ戦略港湾に関する平成 23 年度予算 ( 案 )1 ( 元気な日本復活特別枠 を含む ) 国際コンテナ戦略港湾 ( 阪神港 京浜港 ) のハブ機能を強化するためのインフラ整備と貨物集約等総合的な対策 事業費 514 億円 ( 対前年度比 2.02) 国費 327 億円 ( 対前年度比 2.00) ( うち公共分事業費 497 億円 国費 316 億円 非公共分事業費 17 億円 国費 11 億円 ) 1 公設民営化やターミナルの一体運営の推進等による物流トータルコストの低減 ゲートオープン時間拡大による 24 時間化の推進などサービスの向上 2 内航をはじめとするフィーダー網の強化による広域からの貨物集約の促進 3 コンテナ船の大型化の進展に対応しうる大水深のコンテナターミナルの整備 4 民の視点により港湾の戦略的な運営を行う 港湾運営会社 の設立 [ ハブ機能を強化するためのインフラの整備 ] 国際コンテナ戦略港湾のハブ機能を強化するため 釜山港等アジア諸港に比肩しうる仕様 ( 水深 広さ ) を有するコンテナターミナルの整備を推進する ( 阪神港 京浜港 ) 出典 : 国土交通省港湾局資料より抜粋 15

国際コンテナ戦略港湾に関する平成 23 年度予算 ( 案 )2 地方の港湾で取り扱われるコンテナ貨物には 釜山港等アジア主要港でトランシップ ( 中継 ) され 欧米等の最終仕向地へ輸送されるものが多い 我が国への基幹航路の就航の維持 拡大を図るため これらのコンテナ貨物がフィーダー輸送により国際コンテナ戦略港湾に集約され 積み替えられて 最終仕向地へ輸送される環境を整備する 国際コンテナ戦略港湾と地方の港湾との間を結ぶ内航フィーダー輸送を強化するために必要な荷役機械等の整備を促進 その他施設費 日本内航海運組合総連合会による内航海運暫定措置事業に関する改善策 ( 内航フィーダー船の船舶建造負担の軽減措置 ) 内航フィーダー船等に係る石油石炭税の特例措置 国際コンテナ戦略港湾フィーダー機能強化事業 ( 新規に内航航路や鉄道ダイヤを立ち上げ 広域からの貨物を集約 )< 拡充 > 非公共 出典 : 国土交通省港湾局資料より抜粋 16

平成 23 年度から実施する新たな取り組み 17 国際コンテナ戦略港湾 に選定されたことを契機として 国や港湾管理者 ( 神戸市 大阪市 ) 両港の埠頭会社が緊密な連携のもと 西日本の産業と国際物流を支えるゲートポートとして 集荷 創荷 港湾経営主体の構築に向けた施策を実施し 基幹航路の拡大や港湾サービスの向上を強力に推進します 港湾利用料金の低減大型コンテナ船入港料の減額 ( 神戸市 大阪市 ) 大型内航フィーダー船の入港料 岸壁使用料の免除 ( 神戸市 大阪市 兵庫県 1) 内航フィーダー貨物を扱う公共ガントリークレーン使用料の減額 ( 兵庫県 ) 民間事業者への支援 内航フィーダー貨物集約のための支援 ( 神戸市 大阪市 大阪府 兵庫県 ) 1 兵庫県は入港料のみ 東南アジア ソウル首都圏のトランシップ貨物獲得のための支援 ( 神戸市 ) 組織や体制の強化阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局の設置 ( 神戸市 大阪市 ) ポートセールス等阪神港連携によるセミナーの開催 マーケティング調査の実施 ( 神戸市 大阪市 ) インランドポート事業化調査 ( 神戸市 大阪市 )

中国地方の港湾関係者へのお願い 18 中国地方の港湾関係者の皆様に阪神港の施策の推進へのご理解 ご協力をお願いします 1 セミナー並びにキャラバンへのご理解 ご協力瀬戸内の荷主 フォワーダーなどの関係者を対象としたセミナー キャラバン等を中国地方整備局管内の主要港で開催し 阪神港利用への理解を深めていただくことを検討中 具体的には 今後セミナー等を実施する際には 連携 後援など ご支援 ご協力をお願いします 2 内航フィーダーネットワークの強化に向けた連携内航フィーダーネットワークの強化については 海外フィーダーとのコスト差を縮小するとともに 静穏な瀬戸内海に位置する阪神港のメリット ( 安定したスケジュール トータル輸送時間 信頼性の高さ 運行頻度などの優位性 ) を活かして フィーダー船の大型化 航路拡充などによるネットワークの拡充強化を図っていく予定 今後更なる連携を瀬戸内各地の港湾関係者にお願いします

ご静聴ありがとうございました 19