平成25年中には、放火自殺者を除き火災による死者は1,278人

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消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

2 スプリンクラー設備の設置基準の見直し 消防法施行令第 12 条第 1 項関係 スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に 次に掲げるもの 火災発生時の延焼を抑 制する機能を備える構造として総務省令で定める構造を有するものを除く で延べ面積が 275 m2未満のものが追加さ

PowerPoint プレゼンテーション

スプリンクラー設備の設置を要しない有床診療所 病院の考え方 ( 案 ) 資料 入院の常態化の有無 免除される対象 常態的に患者が入院していないと判断 一日平均入院患者数が 1 人未満 常態的に患者が入院していない施設 (1) 入院患者数が一日平均 1 人未満となる 1~ 床の施設 ()

2 病院次のいずれにも該当する病院のうち 相当程度の患者の見守り体制を有するもの ( 火災発生時の消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるもの ) 以外のもの ( ア ) 特定診療科名を有するもの ( イ ) 一般病床又は療養病床を有する病院 火災発生時の延焼を抑制

別添 ( 用語の定義 ) 消防法( 昭和 23 年法律第 186 号 ) 法 消防法施行令( 昭和 36 年政令第 37 号 ) 令 消防法施行規則( 昭和 36 年自治省令第 6 号 ) 規則 特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令 ( 平成 20

第 3 章 1. の既往調査研究 1で紹介した 小規模多機能サービスに関する調査報告書 にも指摘されていたように 小規模多機能サービス事業所の整備にあたっては 建築基準法 消防法上の取り扱いの点で検討の余地を残している これに関して 2006 年 1 月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発

平成21年6月1日施行

報設備 共同住宅用非常コンセント設備 特定小規模施設用自動火災報知設備 加圧防排煙設備及び複合型居住施設用自動火災報知設備第二講習の対象講習は 消防法施行規則 ( 昭和三十六年自治省令第六号 以下 規則 という ) 第三十一条の六第六項各号のいずれかに該当する者を対象とするものとする 第三講習科目及

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

第 3 点検の期間点検の期間は 次の表の上欄 ( 左欄 ) に掲げる用設備等の等並びに同表中欄に掲げる点検の内容及び方法に応じ 同表下欄 ( 右欄 ) に掲げるとおりとする ただし 特殊用設備等にあっては 法第 17 条第 3 項に規定する設備等設置維持計画に定める期間によるものとする 用設備等の等

さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 4 渡り廊下で接続されている場合の取り扱い 155 第 4 渡り廊下で接続されている場合の 取り扱い

資料 2-3 障害者施設等の火災対策のあり方 ( 案 ) 1 認知症高齢者グループホーム火災を踏まえた課題 ⑴ 消防機関への通報について長崎市認知症高齢者グループホーム火災 ( 以下 本件火災 という ) では 自動火災報知設備の鳴動後に 火災通報装置の操作が行えず 施設からの通報がなされなかった

認知症高齢者グループホーム等火災対策に係る主な論点

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ことを想定しているが これは既に違反対象物の公表制度を実施している消防本部の運用実態等を参考に 当該制度の実施に伴う事務負担やその効果等について検討を行った結果 特に都市部における建物の利用者数等による火災危険性が高いことを考慮したものである なお その他の消防本部においても政令指定都市の消防本部の

消防法 ( 抄 ) ( 昭和 23 年 7 月 24 日法律第 186 号 ) 最終改正 : 平成 27 年 9 月 11 日法律第 66 号 第 17 条 ( 消防用設備等の設置 維持と特殊消防用設備等の適用除外 ) 学校 病院 工場 事業場 興行場 百貨店 旅館 飲食店 地下街 複合用途防火対象

番号 特定共同住宅等の種類と必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 二方向避難型特定共同住宅等である (1) 初期拡大抑制性能 ( その 2) 図面番 ア地階を除く階数が 5 以下のもの 消火器具屋外消火栓設備動力消防ポンプ設備 又は住戸用及び共同住宅用非常警報設備 イ地階を除く階数

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( 例 ) 病床数が 60 の場合 職員の総数が5 人以上であり かつ 当該職員のうち宿直勤務者を除いた職員数が2 人以上である体制をいう イ規則第 5 条第 3 項第 1 号に規定する 職員の数 とは 一日の中で 最も職員が少ない時間帯に勤務している職員 ( 宿直勤務者を含む ) の総数を基準とす

基準2 消防用設備等の設置単位の取扱いに関する基準

東京都建築安全条例の見直しの考え方

目次 ( )

消防法令が改正され 防火防災管理体制が強化されます! ~ 消防法第 8 条の 2 統括防火防災管理者制度 ~ 近年 雑居ビル等で多くの死傷者を伴う火災が相次いで発生していることや東日本大震災での激しい揺れにより 高層ビル等において人的 物的被害が発生したことを受け 防火 防災体制を強化するために消防

すぐ連絡! すぐ実施! 杉並消防署からのお知らせ 自衛消防訓練を実施しましょう 自衛消防訓練は 火災が発生した場合に消防隊が現場に到着するまで 自衛消防 活動により 迅速 的確に人命の保護と災害の拡大防止の措置をとれるようにする ことを目的としています 訓練の種別 自主的に訓練することが必要です!

3-5添付資料⑤Q&A集

松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則平成 26 年 10 月 27 日規則第 65 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例 ( 平成 26 年条例第 52 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事

( 裏 ) 工事等の概要7東京消防ビル 2 階の東京消防オフィスのテナント入居に伴う使用開始の届出である 添付書類のとおり 8 配置図 備考 1 届出者が法人の場合 氏名欄には その名称及び代表者氏名を記入すること 2 同一敷地内に管理権原が同一である 2 以上の防火対象物がある場合は 主要防火対象

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

新旧対照表 (1/15)

1 ソファモデル単体に対する消火抑制効果確認実験 4 面ともたれ壁 45cm 4 面ともたれ壁 45cm 右の実験区画で 放水量 12~18 リットル / 分 / ヘッド 1 個 放水圧力 0.13~0.022Mpa の要件の下 1 回の自由燃焼 7 回の消火実験を実施 実験結果概要 全てのケースに

基準19 ハロゲン化物消火設備の設置及び維持に関する基準

予防課関係の要綱,通達改正案

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

1 届出の趣旨工事中に建築物を使用する場合は, 建築基準法に基づいて当該建築物に設置されている避難施設等の機能に支障を来たすことがよくあります もとより建築基準法は, 建築物の最低限の安全性能を定めたものですから, 避難施設等の機能に支障が生じているときに出火したりすれば, 大災害につながるおそれが

必要なのは住宅という位置づけであり 住宅火災に対する備えではないかグループホームでは 障害のある人たちの 地域の中で暮らし続けたい という思いを実現するために 長い間 実践が積み重ねられてきました その結果 グループホームは 特別な施設 ではなく 普通の住まい として地域の中に存在し また入居者は

国土技術政策総合研究所 研究資料

屋内消火栓設備の基準 ( 第 4.2.(3). オ ) を準用すること (2) 高架水槽を用いる加圧送水装置は 屋内消火栓設備の基準 ( 第 4.2.(4). ア イ及びウ ) を準用するほか (1). ア イ及びウの例によること (3) 圧力水槽を用いる加圧送水装置は 屋内消火栓設備の基準 ( 第

東京都建築安全条例(昭和二十五年東京都条例第八十九号)新旧対照表(抄)

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第2 令別表第1の取扱い

(5) 第 1 号から前号までの規定により住宅用防災警報器が設置される階以外の階のう ち 次に掲げるいずれかの住宅の部分 ア床面積が 7 平方メートル以上である居室が 5 以上存する階の廊下 イアに規定する階に廊下が存しない場合にあっては 当該階から直下階に通ずる 階段の上端 ウアに規定する階に廊下

第 3 倉庫に係る防火安全対策 1 目的この基準は 近年 倉庫が大規模化し また 作業所的要素が出てくるなど特殊化する傾向が見られることから 倉庫に係る出火防止 延焼拡大防止 避難の安全確保等に係る具体的基準を定めたものである 2 指導対象この基準に基づき指導する防火対象物の範囲は次に掲げるものとす

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教授 ) において 本件火災の発生状況や 今後の消防のあり方について検討が行われた 検討会での検討結果を踏まえてとりまとめられた報告書では 火災予防対策として 以下のように提言がなされた 延べ面積 150 m2未満の飲食店にあっては 一部の地方公共団体の火災予防条例により消火器の設置が義務付けられて

Taro-03_H3009_ただし書同意基準

ごと又は施行規則第 1 3 条第 1 項第 2 号に規定する小規模特定用途複合防火対象物における特定の用途部分ごとに設置義務が生じるときも同様とする ( 報告及び公表の決定 ) 第 4 条査察員は 立入検査において 公表の対象となる違反を認めた場合は 立入検査結果通知書により署長に報告するものとする

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名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 1 用語の意義 適用範囲 1225 第 1 用語の意義 適用範囲

平成  年  月  日

194 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 共通事項 省令第 12 条の 2 並びに第 13 条第 1 項第 1 号及び第 2 項に規定するスプリンクラー設備を設置するこ とを要しない構造の取り扱いは 次によること ⑴ 省令第 12 条の2で定める

2. 実施した工事の内容 3. 実施した工事の費用の額 (1) 特定の増改築等に要した費用の総額 第 1 号工事 ~ 第 7 号工事に要した費用の総額 (2) 特定の増改築等のうち 第 1 号工事 ~ 第 6 号工事に要した費用の額 第 1 号工事 ~ 第 6 号工事に要した費用の額 (3) 特定の

ポリカーボネート板に関する建築物の屋根への適用状況

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

3 署長は 前条の申請のあった防火対象物について 該当する審査項目のいずれかが判定基準に適合していないと認めたときは 申請者に対して その旨を第 3 号様式による防火基準不適合通知書により通知するものとする 4 署長は 第 2 項の規定による通知を行ったときは 第 4 号様式による防火基準適合表示対

第2章 事務処理に関する審査指針

突然の災害に負けない社内の体制整備 最終回 火災からの企業防衛 77 東京海上日動リスクコンサルティング ( 株 ) 危機管理グループグループリーダー茂木寿 日本では 消防法において規模 用途に応じ 消防計画 の策定が義務付けられている 一般的に企業においては ほとんどの拠点 施設で この消防計画策

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住宅の省エネエネ改修改修に伴う固定資産税固定資産税の減額制度減額制度について 平成 20 年 1 月 1 日以前に建てられた住宅 ( 賃貸住宅を除く ) について 平成 20 年 4 月 1 日から平成 32 年 3 月 31 日までの間に 一定の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合 120 m2

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

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様式第 2 号の 4 特定共同住宅等省令適用チェックリスト ( その 1) 番号 特定共同住宅等の種類と省令消防用設備等 計画 図面 番号 1 二方向避難 開放型特定共同住宅等である ( 計算書を添付する ) (1) [ 初期拡大抑制性能 ] ア地階を除く階数が 10 以下のもの 消火器具 屋内消火

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民泊の安全措置の手引き ~ 住宅宿泊事業法における民泊の適正な事業実施のために ~ 平成 29 年 12 月 26 日 ( 平成 30 年 3 月 29 日改訂 ) 国土交通省住宅局建築指導課

第1号様式(第9条第1項関係)

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平 成 27年 4 月消 防 法 改 正 275 未満の小規模福祉施設にも 設備の設置が義務化 従来のの問題点を解消! ミニの優れたポイント は火災を早期に感知し 瞬時に自動で消火を行うことで 初期火災に大きな威力を発揮しま す は従来のと比べ 設置施設に負担の少ない自動消火 設備です 消防法施行令

動車車庫については 隣地境界線又は同一敷地内の他の建築物との距離は2m 以上とし 各階の外周部に準不燃材料で造られた防火壁 ( 高さ1.5m 以上 ) を設けること (3m 以上の距離を確保した場合を除く ) に改める 号通知 記 2 自動火災報知設備の設置について の一部改正記 2 中

資料 5-1 防耐火に係る基準 資料の素案 第 1 章総則 ( 設計基準 ) 1.2 用語の定義 主要構造部 : 建築基準法第 2 条第 5 号による 耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 号による 準耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 の 2 号による 防火構造 不燃材料 : 建築基準法

障害者施設等火災対策(報告書案)

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

障害者施設等火災対策(報告書案(修正版))

学校施設管理について

0 平方メートルまでの部分について別表 ( ウ ) 欄により算定した自転車駐車場の規模に 店舗面積が5,000 平方メートルを超える部分について同表 ( ウ ) 欄により算定した自転車駐車場の規模に2 分の1を乗じて得た規模を加えて算定するものとする 2 前条第 1 項第 2 号に掲げる施設で 各用

第 6 内装制限 防火材料 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 ( 平成 11 年法律第 87 号 ) が平成 12 年 4 月 1 日に施行されたことに伴い これまでの建設省等の通達等の取扱いについては建築主事等 の執務上の取扱いによることとなった 1 防火材料 (1) 不燃材

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事務連絡 平成 27 年 3 月 31 日 各都道府県消防防災主管課 東京消防庁 各指定都市消防本部 御中 消防庁予防課 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部 局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドラインに係る執務資料の送付 認知症高齢者グルー

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はじめに 消防法の規定では 一定規模の建物の管理権原者は 防火管理者を定め 消防計画を作成し 防火管理上必要な業務の実施を定めています その中でも 消防計画に基づく訓練の実施は最も重要な事項です 特に特定防火対象物 ( 集会場 スーパー ホテル 病院等の不特定多数の人が出入りする施設 ) には 年

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上記工事が行われ 認定長期優良宅に該当することとなった場合長期優良宅建築等計画の認定主体長期優良宅建築等計画の認定番号 第 号 長期優良宅建築等計画の認定年月日 平成 年 月 日 上記の工事が租税特別措置法若しくは租税特別措置法施行令に規定する工事に該当すること又は上記の工事が地方税法若しくは地方税

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第2章第2節 第4~6

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参考資料 1

火災時における早期発見 初期消火 早期避難の重要性 参考 1 一般的に火災時における火炎の大きさは出火後経過時間の二乗で大きくなると言われている 消防庁では平成 18 年 1 月に長崎県で発生した社会福祉施設火災で 7 名の死者が出たことを踏まえ 平成 18 年 ~ 平成 19 年に当該火災の着火物であるソファーの燃焼状況及び特定施設水道連結型スプリンクラー設備 ( 小規模施設用に開発された簡易なスプリンクラー設備 ) の有効性確認実験を実施 同実験によれば 点火約 200 秒後には出火室の天井付近温度は 200 に至っており 適切な初期消火が行われない場合 点火約 280 秒後には天井付近温度は約 790 まで上昇 火災の早期発見 初期消火 早期避難は 甚大な被害の発生を防止する上で重要な対策 ソファー及び SP ヘッドの配置図 SP がない場合 点火約 284 秒後に天井付近温度は 786 まで上昇 SP がある場合 点火約 200 秒後に SP ヘッドが作動し ( 天井付近温度は 416 ) 温度上昇を抑制 点火後のソファーの燃焼状況 参考資料 第 2 回有床診療所火災対策検討部会資料 2-6 :http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h25/yuushou_kasaitaiaku/02/shiryo2-6.pdf 2

建物火災の特性と死者の発生状況 参考 2 放火自殺者等を除く火災による経過別死者発生状況 (H25 年中 ) 平成 25 年中の放火自殺者等を除く火災による死者数は 1,278 人だが このうち 670 人は逃げ遅れによるもの 逃げ遅れによる死者は 全死者数の約 52% を占めているが 不明 調査中の 436 人を除く 死に至った経過がわかっている方の約 80% は逃げ遅れにより亡くなっている 放火自殺者等を除く火災による年齢階層別死者発生状況 (H25 年中 ) 平成 25 年中の放火自殺者等を除く火災による年齢階層別死者発生状況をみると 高齢層になるほど人口 10 万人当たりの死者数が増加 これは 高齢層になるほど火災に対する気付き難さや火災時の避難困難性が高まり 上図にも示したように逃げ遅れにより亡くなるケースが増えることによるものと推察 参考資料 平成 26 年版消防白書第 1 章第 1 節 2. 火災による死者の状況 :http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h26/h26/html/1-1a-2-1.html 3

昭和期S62. 6 東村山市松寿園火災 2,014 3/0 17 25 社会福祉施設平成期年の主なもの火災の現状と今後の懸念 参考 3 昭和 40 年代 ~ 昭和末期には ホテル 百貨店等大規模集客施設において多数の犠牲者を伴う火災が発生 近年は 比較的小規模な施設 事業所等において多数の犠牲者を伴う火災が頻発 更に 今後 全国各地で自力避難困難性の高い高齢者等が多数利用する施設の増加が見込まれる この種の施設の新増改築時のみならず 技術基準の改正動向も踏まえた立入検査等の機会を捉えて 火災時の安全性が確保されていることを適切に確認していくことが必要不可欠 出火年月 火災名 主な火災の状況 [ 昭和 40 年代以降 ] 延べ床面積 ( m2 ) 地上 / 地下 ( 階 ) 死者数 ( 人 ) 負傷者数 ( 人 ) S47. 5 大阪市千日テ ハ ートヒ ル火災 25,924 7/1 118 81 百貨店 用途 120,000 社会福祉施設等 ( ) の状況 現行の令別表第 1(6) 項ロ又はハに該当する施設 0.5% S48.11 熊本市大洋テ ハ ート火災 19,074 9/1 100 124 百貨店 S55.11 藤原町川治フ リンスホテル火災 3,582 5/0 45 22 ホテル S57. 2 千代田区ホテルニューシ ャハ ン火災 46,697 10/2 33 34 ホテル 100,000 0.4% H 2. 3 尼崎市長崎屋百貨店火災 5,140 5/1 15 6 百貨店 80,000 0.3% H18. 1 大村市ク ルーフ ホーム火災 279 1/0 7 3 社会福祉施設 H19. 1 宝塚市カラオケホ ックス火災 218 1/0 3 5 遊技場 60,000 0.2% H20.10 大阪市個室ヒ テ オ店火災 1,318 7/0 15 10 複合雑居 H13. 9 新宿区歌舞伎町雑居ヒ ル火災 516 5/2 44 3 複合雑居近H21. 3 渋川市老人ホーム火災 388 (3 棟合計 ) 1/0 10 1 社会福祉施設 H21.11 杉並区高円寺雑居ヒ ル火災 1,030 5/2 4 12 複合雑居 40,000 0.1% H22. 3 札幌市ク ルーフ ホーム火災 248 2/0 7 2 社会福祉施設 H24. 5 福山市ホテル火災 1,361 4/0 7 3 ホテル 20,000 0.0% H25. 2 長崎市ク ルーフ ホーム火災 529 4/0 5 7 社会福祉施設 H25. 8 福知山市花火大会火災 3 56 - H25.10 福岡市有床診療所火災 682 4/1 10 5 診療所 防火対象物数 建物火災出火件数に対する構成比 H27. 5 川崎市簡易宿泊所火災 1,008 (2 棟合計 ) 2/0 10 18 宿泊所 [ 出典 ] 火災報告 防火対象物実態調査 4

消防用設備等の設置免除が認められている建物においても その建物構造等について適切に設計 施工 維持管理がなされているかの確認が必要 ( スプリンクラーの例 ) 参考 4 消防法施行規則第 12 条の 2 1000 m2以上 アイ延べ面積 100m2未満ウ共同住宅の一部 1000 m2未満 居室を耐火構造の壁 床で区画 区画は 200 m2以下 防火区画 居室を準耐火構造の壁 床で区画 一の開口部 4 m2以下 & 合計 8 m2以下 開口部は自閉装置付き特定防火設備等の防火戸 開口部は自閉装置付き防火戸等 区画は 100 m2以下 かつ 4 以上の居室を含まない 延べ面積 275 m2未満で入居者の居室が避難階のみの施設は 内装制限に代えて第 2 項第 2 号の例でも可 内装制限 ( 通路は準不燃材料 他は難燃材料 ) No No 令 12 条第 1 号に掲げる防火対象物である 単一用途 居室を壁 天井 床等で区画 煙感知器 入所者が利用する居室に屋内外から開放可能で避難が容易な開口部 ( 屋外は道等に面す ) 入所者が利用する居室の 2 方向避難 入居者等の避難時間が確保すべき避難時間を超えない 入所者が利用する居室が避難階 No 内装制限 ( 通路を準不燃材料 他を難燃材料で仕上げれば 居室を区画することを要しない ) 共同住宅の一部を施設としたもの ( 他の用途は存しないもの ) 施設部分の延べ面積の合計が 275 m2未満 居室及び通路に煙感知器 各住戸の主たる出入口の要件 外気開放廊下に面する 防火区画 施設部分の各住戸を準耐火構造の壁 床で区画 施設部分の各住戸が 100 m2未満 自閉装置付き防火戸等 内装制限 ( 通路は準不燃材料 他は難燃材料 ) 第 1 項第 2 号 第 1 項第 1 号 第 2 項第 2 号 第 2 項第 1 号 第 3 項 いずれにも該当しないものはスプリンクラー設備の設置が必要 5

6 技術の進展により新たに開発された消防用設備等が それぞれの技術基準に従って適切に設置 維持管理されているかの確認が必要 ( スプリンクラーの例 ) 参考 5 一般的なスプリンクラー パッケージ型自動消火設備 放水量 :80l/min r2.3 放水量 :50l/min r2.6 ( 開発中 ) 小規模パッケージ型自動消火設備 水道連結型スプリンクラー 放水量 :30l/min r2.6

7 予防事務の概要及び警防活動との関係等 参考 6 消防法の規定による予防事務 警防活動との関係等 設計時 工事時 使用開始時 使用中 建築許可等に当たっての消防同意 ( 法 7) 着工届出 ( 法 17-14) 消防用設備等の検査 ( 法 17-3-2) 防火管理者等の選任 ( 法 8, 8-2) 消防計画の作成 ( 法 8, 8-2) 自衛消防組織の設置 ( 法 8-2-5) 消火 通報 避難訓練 ( 法 8) 防火対象物等の点検及び報告 ( 法 8-2-2, 17-3-3) 点検報告に係る特例認定 ( 法 8-2-3) 立入検査 火災予防措置命令 ( 法 4~5-3) 消防用設備等の設置維持命令 ( 法 17-4) 警防活動時の安全性や活動のしやすさ等の観点からの指導 審査 ( 例 : 消防活動拠点の位置 機能など ) 建築構造や消防活動上必要な施設の位置等の把握 警防活動時の安全性や活動に直接関係する消防用設備等についても 設置の段階からその機能が発揮されることを確認 ( 例 : 排煙設備 連結送水管 非常コンセント設備 無線通信補助設備など ) 警防活動上の観点から消防計画の内容を指導 消防計画作成時の指導等を通じ 防火管理者や自衛消防組織といった建物関係者との連携体制を確保 建物ごとに作成する警防計画との整合性を確認 警防活動上の観点から訓練指導を実施 立入検査により 活動時に使用する施設 ( 例 : 排煙設備 連結送水管 非常コンセント設備 無線通信補助設備など ) の設置 維持管理の状況を把握 不備事項に対する必要な指導 措置等により警防活動時の安全性を確保 火災発生後 火災原因調査 関係者への質問等 ( 法 31, 32) 被害財産の調査 ( 法 33, 34) 原因調査の結果は 火災予防上の技術基準等に加え 消防活動戦術の見直し等に反映 ( 例 : 殉職事案 負傷事案の再発防止など ) その他 消防法令では 屋外における火災予防措置命令 ( 法 3) や 防火管理講習 ( 令 3) 自衛消防業務講習 ( 令 4-2-8) 等の事務が規定

予防分野における民間活用の例 参考 7 予防分野においては 既に 1 権限行使に関わらない業務や 2 消防本部の判断に資する技術補助的業務などについて 民間の登録機関を活用することで 消防本部の事務負担の軽減を図っている 1 権限行使に関わらない業務の例 登録講習機関による防火 防災講習 消防法では 一定の要件に該当する防火対象物の管理権原者に対して 講習修了等の一定の資格を有する者から防火 防災管理者を定め 防火 防災管理上必要な業務を行わせることを義務づけ 防火 防災管理講習は 都道府県 消防本部のほか 総務大臣の登録を受けた法人 ( 日本防火 防災協会 ) が実施 都道府県 消防本部が行う講習業務の負担が軽減 総務大臣 1 申請 2 登録 登録講習機関 3 講習 一定の要件に該当する防火対象物 管理権原者 4 選任 防火 防災管理者 消防計画の作成 避難訓練の実施等 2 消防本部の判断に資する技術補助的業務の例 登録認定機関による消防用設備等の認定 消防法では 一定の要件に該当する防火対象物の関係者に対して 消防用設備等を設置したときには その旨を消防署長等に届け出て 検査を受けることを義務づけ 消防庁長官の登録を受けた法人 ( 日本消防設備安全センター等 ) は 消防用設備等について 技術基準に適合していることの認定を行うことが可能 ( 認定を行った消防用設備等には その旨を表示 ) 消防庁長官 1 申請 2 登録 登録認定機関 3 認定 一定の要件に該当する防火対象物 関係者 5 設置 消防用設備等 関係者 5 設置 消防用設備等 ( 未認定 ) 6 届出 消防用設備等の設置時に消防本部が行う検査において 登録機関により認定した旨の表示が付されているものについては 技術基準に適合するものとみなすことが可能 消防本部が行う検査業務の負担が軽減 4 表示 認定があるものは 技術基準に適合するものとみなすことが可能 7 検査 消防本部 7 検査 8