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基本的な表示事項

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を

水分及びきよ 0.25% 以下 0.10 以下 0.10% 以下 う雑物比重 0.914~ ~ ~0.919 屈折率 1.470~ ~ ~1.474 上昇融点 冷却試験 時間 30 分清澄であるこ

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

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第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

改 正 平成 17 年 10 月 27 日農林水産省告示第 1616 号 改 正 平成 17 年 12 月 27 日農林水産省告示第 1999 号 改 正 平成 18 年 1 月 11 日農林水産省告示第 26 号 改 正 平成 18 年 2 月 17 日農林水産省告示第 169 号 改 正 平成

スライド 1

HACCP 導入率 ( 参考 ) 平成 27 年度 29% ( コーデックス原則のみ ) 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 30% 40% 50% 60% 80% 推進に当たっては 以下を 中間アウトカム目標 として取り組んでいく 1 平成 31 年度までに業界団体による手

万八千六百円 ) 3 現に機関登録を受けている者が他の機関登録を受けようとする場合における法第十四条第一項の政令で定める額は 前二項の規定にかかわらず 同条第一項の農林水産省令で定める各区分について 当該各区分が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める額とする 一法第二条第二項

社団法人日本生産技能労務協会

( 権限の委任等 ) 第十五条内閣総理大臣は, この法律の規定による権限 ( 政令で定めるものを除く ) を消費者庁長官に委任する 2 及び3 略 4 この法律に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は, 政令で定めるところにより, 都道府県知事又は地方自治法 ( 昭和二十二年法律第六十七号

6 学校給食での地場産物活用に当たっての課題 学校給食における市町村産食材等の利用に関する調査 において 市町村に対し 学校給食で地場産物の活用を促進する上での課題について 市町村産食材と道産食材について それぞれ伺ったところ 次のような結果となりました 学校給食への地場産食材利用促進上の課題 関係

23 船橋市 24 船橋市 25 船橋市 26 船橋市 27 船橋市 28 船橋市 29 船橋市 30 船橋市 31 船橋市 32 船橋市 千葉県船橋市千葉県船橋市千葉県船橋市千葉県船橋市千葉県船橋市千葉

上ある場合は 現行ルールと同様 3カ国目以降を その他 と表示することができる 一方 冠表示には いちごジャム の いちご のように 商品を特徴付ける原料が商品名に含まれるものの他に ブルーベリーガム の ブルーベリー のように 風味を表しているもの さらには たいやき の 鯛 のように 商品名自体

生鮮食品と加工食品の区分に関する現行制度における説明例について

事業概要 事業概要 確認日 1. 事業概要の把握 従業員数 操業日数 操業時間 約 名 約 日 午前 時 ~ 午後 時 製造銘柄数 製造数量( 単位をそれぞれ選択 ) 約 銘柄 月産 kg 日産 約 トン 組織図 工場全体図 設備リスト 帳簿書類リスト 製品リスト 別添 1 組織 体制図のとおり別添

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卵及び卵製品の高度化基準

1 牛肉の仕入実態 (1) 牛肉の仕入先やの国産牛肉 輸入牛肉の仕入先は 大手食肉卸 中小食肉卸 が多くなっている 和牛和牛の仕入先は 中小食肉卸 (41.8%) 大手食肉卸(37.0%) 卸売市場(13.6%) の順となっている は 大手食肉卸 (45.6%) が多く は 中小食肉卸 (48.8%

類業組合等に関する法律 ( 昭和 28 年法律第 7 号 ) 第 86 条の6 第 1 項の規定に基づく酒類の表示の基準において原産地を表示することとされている原材料及び米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律 ( 平成 21 年法律第 26 号 ) 第 2 条第 3 項に規定す

3えび天ぷら いか唐揚げ等の衣にパン粉などを使用しないものについては 天ぷら 唐揚げ 等と表示することができる ただし 衣率の表示などの基準については えびフライ いかフライ に準じる 4 五目ご飯などの 五目 の用語は 具の含有率が 8% 以上 かつ使用した具の種類が 5 種類以上でなければならな

旧制度からの主な変更点 1 加工食品と生鮮食品の区分の統一 JAS 法と食品衛生法において異なる食品の区分について JAS 法の考え方に基 づく区分に統一 整理 新たに加工食品に区分されるもの さん現行の食品衛生法では表示対象とはされていない 軽度の撒塩 生干し 湯通し 調味料等により 簡単な加工等

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4-3-1節類製造作業_実施計画モデル例_

A.22 にんじんジュース及びにんじんミックスジュース A.23 水産物缶詰及び水産物瓶詰 A.24 果実飲料 A.25 農産物缶詰及び農産物瓶詰 ( たけのこ缶詰及びたけのこ瓶詰 ( 全形及び 2 つ割 りに限る ), たけのこ大型缶詰 ( 全形 ( 傷を除く ) 及び 2 つ割りに限 る ),

商品特性と取引条件 商品名 (1) 展示会 商談会シート 記入日 : 最もおいしい時期 (2) 賞味期限 消費期限 (3) 主原料産地 ( 漁獲場所等 )(4) JAN コード (5) 内容量 (6) 希望小売価格 ( 税込 )(7) 1ケースあたり入数 (8) 保存温度帯 (9) 発注リードタイム

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(2) 学校給食用物資の取扱予定数量 分類 平成 29 年度 平成 28 年度 増減 基本物資 ( 主食 ) 取扱数量 パン 17,476,000 食 17,861,000 食 385,000 食 米飯 82,894,000 食 82,695,000 食 199,000 食 めん類 9,900,00

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2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

Transcription:

資料 7 調理冷凍食品の日本農林規格に係る規格調査結果 独立行政法人農林水産消費安全技術センター 1 品質の現況 (1) 製品の流通実態調理冷凍食品とは 農林畜水産物を調理し凍結したもので 簡便な調理をし 又はしないで食用に供されるものをいう その種類は フライ類 ( コロッケ 魚フライ等 ) 米飯類 ( ピラフ チャーハン等 ) めん類 ( うどん パスタ等 ) その他 ( ぎょうざ ハンバーグ パン等 ) と多岐にわたる 全てが JAS 規格の対象ではなく パンやシチューなどは規格の範囲外である 電子レンジの普及により 電子レンジで温めることで食用に供することができるものが増加したが 近年は主に弁当用に解凍するだけで食べられる自然解凍品が増えている (2)JAS 規格の基準 JAS 規格で定められている主な品質項目は 表 1 のとおり 表 1 品質項目及びその設定理由 品質項目設定理由 衣の率品温皮の率具の配合割合水分 魚フライ コロッケ等について 一定の品質を担保するため上限を規定 冷凍の状態を規定しており -18 としている しゅうまい ぎょうざ 春巻について 一定の品質を担保するため上限を規定 米飯類のうち チャーハン ピラフに限り 一定以上の具が含まれるよう規定 めん類について固有のコシ及びめん質を担保するため規定 この他に 食肉中の植物性たん白の割合 ( しゅうまい等 ) 原材料中のつなぎの割合 ( ハンバーグステーキ等 ) 等がある (3) 品質の実態生産数量の上位を占めるコロッケは じゃがいもを原料とする一般的なものから 1

かぼちゃやさつまいもなどその他の野菜を使用したもの ホワイトソースを使用したものなど多くの種類がある 調理 加工 凍結技術の向上により 油っぽくないコロッケ べたつかないチャーハン コシのあるうどんなどが製造されるようになった また 高度な衛生管理により 家庭で調理を要しない自然解凍品も製造されるようになった JAS 格付品が存在しないため それ以外のもの ( 以下 非 JAS 品 という ) について 調理冷凍食品の JAS 規格で規定している項目について調査を行ったところ 衣の率は魚フライ 9 件 えびフライ 11 件 いかフライ 3 件 かきフライ 4 件 コロッケ 11 件 皮の率はしゅうまい 1 件 ぎょうざ 1 件及び具の配合割合は米飯類 6 件が JAS 規格の基準を満たしていなかった 別添 1 2 生産の現況 (1) 生産の状況 1 生産方法一般的な製造方法は以下のとおり ( ぎょうざ ) 原料 選別 下処理 成型 蒸煮 冷凍 包装 検査 製品 ( 冷凍フライ類 ) 材料混合 成形 衣づけ 揚げ 冷凍 包装 検査 製品 2 生産数量平成 23 年の国内生産数量は約 120 万トンであり 5 年前と比較すると約 7% 減少しているが この3 年間では約 3% 増加している 輸入数量も同様の傾向である また 製造事業者数は減少が続いており 工場出荷額はこの3 年間はほぼ横ばいである 平成 20 年の冷凍食品の販売額に占めるシェアは上位 3 社 (( 株 ) ニチレイ ( 株 ) 加ト吉 ( 現 テーブルマーク ( 株 )) 味の素冷凍食品( 株 )) で約 40% を占める ( 日刊経済通信社調べ ) 表 2 生産数量及び製造事業者数の推移 ( 平成 19 年 ~ 平成 23 年 ) 19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 製造事業者数 613 596 533 488 463 国内生産数量 1,300,511 1,230,475 1,172,605 1,181,332 1,211,066 ( トン ) 工場出荷額 5,433 5,408 5,200 5,118 5,286 ( 億円 ) 輸入数量 319,796 232,224 201,826 227,618 246,330 ( トン ) 2

特記事項 製造事業者数は 前処理のみで調理を行っていない事業者を含む 国内生産数量 工場出荷額は調理食品のもの 輸入数量は 社団法人日本冷凍食品協会会員が対象 社団法人日本冷凍食品協会調べ ( 暦年集計 ) (2) 格付の状況平成 21 年度以降 格付実績はない また 認定製造業者は 平成 21 年度に 1 者が認定されているが 現在は廃止し 0 である ( 表 3) 表 3 格付状況の推移 ( 平成 19 年度 ~ 平成 23 年度 ) 19 年度 (A) 20 年度 (B) 21 年度 (C) 22 年度 (D) 23 年度 (E) 増減 (E)-(A) 認定製造 0(3) 0(2) 1 1 0 0 業者数 格付数量 150 139 0 0 0-150 ( トン ) 特記事項 平成 19 年度及び 20 年度の格付数量は JAS 法改正前の認定製造業者による経過期間中の格付数量 認定製造業者数 格付数量 : 農林水産省 ( 消費安全局表示 規格課 ) 調べ (3) 規格の利用状況現在 製造業者が認定されていないことから JAS 規格による格付は行われていない また 製造基準等には ( 社 ) 日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度が利用されており JAS 規格が活用されている実態は確認されていない 別添 2 3 取引の現況冷凍食品全体の国内生産数量の約 40% が一般市販用 約 60% が業務用である ( 社団法人日本冷凍食品協会調べ ) いずれも卸業者を通じて販売されるものと相対取引のものがある 取引において 流通業者等から JAS 格付品の納品を求められることはない 4 使用又は消費の現況 (1) 使用又は消費の状況家庭用は食事や弁当などに広く利用されている 業務用は レストラン 惣菜店 学校給食などにおいて利用されている (2) 規格の利用状況一部の学校給食では JAS 格付品又は ( 社 ) 日本冷凍食品協会の規格適合品が納 3

入条件となっているが 現在は ( 社 ) 日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度のマークが付された製品が納入されている実態にある 5 将来の見通し調理冷凍食品の生産数量及び工場出荷額は 平成 20 年の冷凍食品に係る事件により減少していたが この 3 年間はほぼ横ばい状態となっている ピーク時に比べると低いことから 今後は横ばいもしくは増加するものと見込まれる 認定製造業者数と格付数量は現在皆無であり 新たな製造業者が認定される見込みもないことから 今後も JA S 格付はないものと見込まれる 6 国際的な規格の動向コーデックス規格として パン粉もしくは衣をつけて急速冷凍したフィッシュスティック フィッシュポーション もしくはフィッシュフィレ (CODEX STAN166-1989) 及び 急速冷凍したフレンチフライドポテト (CODEX STAN114-1981) がある 7 その他冷凍食品の業界団体として社団法人日本冷凍食品協会 ( 正会員 108 社 ) 冷凍めんの業界団体として一般社団法人日本冷凍めん協会 ( 会員 146 社 ) がある 4

品質実態調査の結果 別添 1 1 調査期間平成 22 年 5 月 6 日 ~10 月 25 日 2 調査内容調理冷凍食品のJAS 規格に規定されている品質項目等を調査した 調理冷凍食品の格付実績はないため JASマークの付されていない製品 ( 以下 非 JAS 品 という ) を調査対象とした 3 調査件数 調理冷凍食品 非 JAS 品 冷凍魚フライ 24 冷凍えびフライ 23 冷凍いかフライ 20 冷凍かきフライ 20 冷凍コロッケ 20 冷凍カツレツ 20 冷凍しゅうまい 冷凍ぎょうざ 冷凍春巻 20 冷凍米飯類 20 冷凍めん類 20 計 187-1 -

4 調査結果 4-1 衣の率 衣の率 (%) 件数平均最大最小 規格値 冷凍魚フ 食用油脂で揚げたもの以外非 JAS 品 20 48.2 66.1 48.2 50% 以下 ライ 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 4 44.0 45.9 42.7 60% 以下 冷凍えびフ食用油えびの重量が6g 非 JAS 品 18 52.6 68.2 37.8 50% 以下 ライ 脂で揚超 げたもえびの重量が6g 非 JAS 品 1 65.8 - - 60% 以下 の以外以下 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 4 58.2 64.7 52.6 65% 以下 冷凍いかフ食用油脂で揚げたもの以外非 JAS 品 19 44.2 59.1 11.7 55% 以下 ライ 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 1 59.7 - - 60% 以下 冷凍かきフ食用油脂で揚げたもの以外非 JAS 品 20 47.9 63.9 36.8 50% 以下 ライ 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 0 - - - 60% 以下 冷凍コロッ食用油脂で揚げたもの以外非 JAS 品 13 34.4 42.2 20.6 30% 以下 ケ 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 7 37.1 41.2 27.7 40% 以下 冷凍カツレ食用油脂で揚げたもの以外非 JAS 品 11 40.8 49.9 16.6 55% 以下 ツ 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 9 40.5 58.2 15.3 65% 以下 4-2 皮の率 皮の率 (%) 件数平均最大最小 規格値 冷凍しゅうまい 非 JAS 品 7 21.1 36.3 13.0 25% 以下 冷凍ぎょうざ 非 JAS 品 6 42.4 46.9 33.8 45% 以下 冷凍春巻 食用油脂で揚げたもの以外非 JAS 品 3 46.2 47.9 43.0 50% 以下 食用油脂で揚げたもの 非 JAS 品 4 53.3 57.8 48.6 60% 以下 4-3 具の配合割合 具の配合割合 (%) 件数平均最大最小規格値 冷凍米飯類非 JAS 品 20 12.2 23.7 4.3 10% 以上 - 2 -

4-4 水分 水分 (%) 件数平均最大最小規格値 冷凍めん類 非 JAS 品 20 65.5 69.5 59.4 54% 以上 76% 以下 - 3 -

別添 2 利用実態調査の結果 第 1 アンケートによる調査 1 調査期間平成 22 年 9 月 21 日 ~10 月 12 日 2 調査内容消費者団体 流通業者 実需者及び製造業者に対し 当該 JAS 規格に関する意見をアンケート形式で聴取した 3 調査件数 調査先 調査数回答数回答率 (%) 消費者団体 1,049 426 41 流通業者 562 105 19 実需者 871 178 21 製造業者 701 260 37 * 消費者団体の内訳消費者庁消費者の窓のホームページの名簿より * 流通業者の内訳日本スーパーマーケット協会 社団法人新日本スーパーマーケット協会 日本チェーンストア協会の会員 * 実需者の内訳社団法人日本フードサービス協会 社団法人日本給食サービス協会 社団法人日本惣菜協会の会員 * 製造業者の内訳調理冷凍食品製造業者 冷凍めん製造業者 4 調査結果 4-1 調理冷凍食品の生産状況 ( 製造業者に製造している調理冷凍食品の種類について聴取 ) - 1 -

製造実態がある JAS 格付がある 冷凍魚フライ 36 0 冷凍えびフライ 19 0 冷凍いかフライ 21 0 冷凍かきフライ 11 0 冷凍コロッケ 33 0 冷凍カツレツ 24 0 冷凍しゅうまい 22 0 冷凍ぎょうざ 21 0 冷凍春巻 16 0 冷凍ハンバーグステーキ 35 0 冷凍ミートボール 35 0 冷凍フィッシュミール 15 0 冷凍米飯類 19 0 冷凍めん類 47 0 計 354 0 4-2 調理冷凍食品のJAS 規格の必要性及びその理由 回答のあった消費者団体の98% 流通業者及び実需者の約 80% 製造業者の約 50% がJAS 規格は必要であるとの意向であった ( 選択回答 ) 必要である 不要である 必要の割合 消費者団体 392 8 98.0% 流通業者 82 19 81.2% 実需者 137 33 80.6% 製造業者 113 114 49.8% (1) 調理冷凍食品の JAS 規格を必要とする主な意見安心 安全 信頼のため選択の目安となるため品質の保持のため規格基準として必要なため (2) 調理冷凍食品の JAS 規格を不要とする主な意見 JAS 規格以外の基準があるため選択に利用しないため商品が多様化しているため - 2 -

4-3 調理冷凍食品の JAS 規格の改正の要望衣の率を少なくする ( 消費者 ) 現状に合わせた規格への変更 簡素化など ( 流通業者 ) 衣の率 皮の率の測定方法を見直すべき ( 製造業者 ) めんの水分値 フライ類の衣の率は必要ない ( 製造業者 ) 商品の多様化に対応した規格とすべき ( 製造業者 ) 第 2 聞取り ( ヒアリング ) による調査 1 調査期間平成 22 年 8 月 26 日 ~ 平成 24 年 4 月 24 日 2 調査対象及び内容製造業者 (3 社 ) 業界団体 (2 団体 ) に対し 現行規格に対する要望等について聞取り ( ヒアリング ) による調査を行った 3 調査結果 (1) 調理冷凍食品の日本農林規格の改正要望について改正要望は特になかった また 1 現在では顧客からの JAS マークの要望はなく 冷凍食品の認定制度のマークにより対応していること 2JAS 規格の品質の基準である衣の率や皮の率について 必ずしも規格を満たすものが消費者に好まれるものではなくなっていること 3JAS 規格に沿うものを製造するとおそらく最も平均的な製品となり 商品の多様化に伴いニーズに合っていないなどといった意見があった (2) 調理冷凍食品の日本農林規格の今後の格付の見通しについて取引において JAS 格付品及び JAS 規格の内容の要望はないこと及び製造基準としても JAS 規格が利用されている状況ではないことから 今後も同様の状況が続くと考える また 社団法人日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度等 JAS 規格以外の基準がある現状から 製造業者が認定を取得する可能性は低いと考える - 3 -