本日の内容 1. 未承認対照薬等の取り扱い別添の 4.(3) ウ.( ア ) 2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験別添の 7.(3) イ.( ア ) 3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験 依頼者となる場合別添の7.(3) オ. 4. 医師主導治験との情報共有別添の7.(3) カ. 5.

Similar documents
別添 治験副作用等症例の定期報告に関する質疑応答集 (Q&A) について < 半年ごとの定期報告の受け付け> Q1 平成 26 年 6 月 30 日までの間は 治験依頼者 ( 自ら治験を実施する者を除く ) が提出する副作用等症例の定期報告は なお従前の例によることができる とあるが 平成 26 年

一太郎 11/10/9/8 文書

し 自ら治験を実施する者が実施した治験において発生した副作用等については 規制当局へ報告する必要があることに留意すること なお この注意事項は 被験薬に係る副作用等情報を実施医療機関の長に通知するよう 自ら治験を実施する者に義務付けている医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ( 平成 9 年厚生

【最終版】2課長通知一部改正鑑(日付入り)

医師主導治験取扱要覧

医師主導治験取扱要覧

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年


Microsoft Word - 奈良県GQP-GVPガイドライン doc

Microsoft Word - 【発送版】記載整備通知

<4D F736F F D EF8E9197BF5F92E88AFA95F18D CC97AF88D38E968D805F E646F63>

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

<4D F736F F D2089FC92F994ED8CB18ED295E58F5782CC82BD82DF82CC8FEE95F192F18B9F977697CC5F A2E646F63>

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

ICH Q4B Annex12

< F2D8E9197BF A836F815B2E6A7464>

薬生安発 0302 第 1 号 平成 30 年 3 月 2 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) 医薬品リスク管理計画の実施に基づく再審査期間終了後の評価報告について の一部改正について 再審査期間中の新医薬品以外の医薬品の医薬品リ

<4D F736F F D E34208EA18CB18EE891B182AB977697CC C8E8DB782B591D682A688CB978A>

Microsoft Word - 【発送版】製造所の登録通知

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

<4D F736F F F696E74202D EA18CB18AD B68F9182C982A882AF82E993648EA593498B4C985E82CC8A C98AD682B782E98AEE967B93498D6C82A695FB817682CC82DC82C682DF817C8F4390B32E >

スライド 1

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

< F2D819B955C8EA692CA926D DC58F4994AD8F6F>

Microsoft Word - 【案1】登録認証機関立入要領改正通知(Ver )

Microsoft Word - (発出)マル製通知案

標準業務手順 目次

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E38E748EE593B1816A E7B8D732E646F637

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

ICH-GCPとJ-GCPとの比較表

12_モニタリングの実施に関する手順書 

( 別紙 ) 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方について ( 平成 26 年 6 月 20 日付け薬食審査発 0620 第 6 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) 新旧対照表 ( 別添 ) 改正後 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 1. 承認申請時に電子データ提出を

<4D F736F F F696E74202D20332E208EA18CB18C7689E693CD8F6F81418EA18CB B8DEC BEF8D8795F18D C982C282A282C42

<4D F736F F F696E74202D E48FE A92C789C192CA926D82C982C282A282C45F696E6F75652E >

薬食審査発第 号平成 19 年 9 月 28 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課長 国際共同治験に関する基本的考え方について 従来 我が国においては ICH-E5 ガイドラインに基づく 外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

Microsoft PowerPoint - ② 日薬連講習会(E2B(R3)改定通知)930.ppt [互換モード]

規程書

untitled

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

先進医療の実績報告要領 Ⅰ 実績報告の実施について (1) 実績報告の目的先進医療の実施状況を把握し 保険導入等に係る検討のための基礎資料とすることを目的とするものである (2) 実績報告の対象医療機関平成 30 年 6 月 30 日現在において 先進医療を実施している医療機関平成 30 年 3 月

Microsoft PowerPoint - 運用 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - ⑨140925,30日薬連講習会(後発RMP)930.ppt [互換モード]

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

薬局を利用するために必要な情報の掲示 ( 薬事法第 9 条の 4) 次の事項について 掲示板等により 薬局内に掲示 しなければなりません また 第 3 については 特定販売を行うことについての広告をする場合 ホームページ等に表示しなければなりません < 具体例 > 第 1 薬局の管理及び運営に関する

治験審査委員会手順書 平成 27 年 10 月 1 日 医療法人新光会

改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い等について

通知(一括更新手続き)

国立仙台病院受託研究取扱規程

Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

untitled

(別添様式)

管下関係業者に周知いただくとともに 適切な指導を行い その実施に遺漏な きようお願いいたします 記 第 1 体外診断用医薬品の製造販売業又は製造業を行う旨の届出等について 1. 届出対象者旧薬事法に基づき 体外診断用医薬品を取り扱う以下の者 (1) 旧薬事法第 12 条第 1 項の第二種医薬品製造販

( 委員会の業務 ) 第 4 条委員会は その責務の遂行のために以下の最新資料を病院長から入手する なお あらかじめ 自ら治験を実施する者 委員会及び病院長の合意が得られている場合においては GCP 省令第 26 条の6 第 2 項に関する通知に限り 自ら治験を実施する者から入手することができる ま

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

実施医療機関治験審査委員会標準的業務手順書

薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

<4D F736F F F696E74202D EA98CC8935F8C9F B8DEC977095F18D902E B8CDD8AB B83685D>

国立病院機構大阪医療センター受託研究取扱細則

( 書式 4), 治験責任医師の履歴書及び治験実施計画書等の審査の対象となる文書を委員会に提出し, 治験の実施について意見を求めるものとする 2 病院長は, 委員会が治験の実施を承認する決定をし, 又は治験実施計画書, 症例報告書, 説明文書及び同意書並びにその他の手順について何らかの修正を条件に治

年管管発第 1026 第 2 号平成 24 年 10 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局年金調整 ( 年金管理 ) 課長殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 通知 ) に基づく保護を受けている外国人の国民年金保険料免除の申請の

実施医療機関治験審査委員会標準的業務手順書

<4D F736F F D EA18CB182C98C5782E98EE88F878F915F8EC08E7B88E397C38B408AD F392E30816A2E646F63>

大学病院治験受託手順書

受付後 持参又は郵送等の報告方法によらず 医薬品医療機器総合機構 ( 以下 機構 という ) 審査マネジメント部審査企画課から別紙 1 不具合等報告送付整理票 により郵送にて連絡される また 第二報以降については 機構が付与した識別番号を記載して報告すること イ平成 26 年 6 月 30 日以前に

大阪府立成人病センター治験標準業務手順書(平成23年12月21日改正案)

本手順書で使用する用語の定義 用語電子的記録書面電子的記録利用システム実務担当者原データ治験関連文書サイボウズサイボウズメッセージ 定義人の知覚では認識できない, 電子式等の方法で記録され, コンピュータで処理される記録紙媒体による資料治験依頼者, 実施医療機関の長, 治験責任医師並びに治験審査委員

資料 2-4 イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について 平成 23 年 6 月 23 日平成 23 年度薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 第 2 回 ) 1. イソプロピルアンチピリン製剤の安全性に係る調査結果報告書 ( 別紙 ) 1 ページ

実施医療機関における治験に係る標準的業務手順書

資料3_OTCset

別紙 副作用等報告に関する Q&A 目次 用いた略語 副作用報告及び感染症報告... 3 (1) 報告対象... 3 (2) 報告期限等... 6 (3) 予測性... 7 (4) 重篤性の判断基準... 9 (5) 記載要領...12 (6)J 項目...13 (7)ICSR 項目

治験実施規程

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

写 事務連絡 平成 31 年 2 月 20 日 都道府県 各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 薬務主管課御中 特別区 厚生労働省医薬 生活衛生局 監視指導 麻薬対策課 医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインに関する Q&A について 医薬品等の広告規制については 医療用医薬品の不適切な

医療用医薬品の市販直後調査の実施方法等について 平成 18 年 3 月 24 日付 : 厚生労働省医薬食品局安全対策課長 ( 薬食安発第号 号 ) 医療用医薬品の市販直後調査に関する Q&A について 平成 18 年 3 月 24 日付 : 厚生労働省医薬食品局安全対策課 ( 事務連

薬食審査発 0318 第 1 号薬食監麻発 0318 第 6 号平成 22 年 3 月 18 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課長 厚生労働省医薬食品局監視指導 麻薬対策課長 改正法施行に伴う経過措置等終了にあたっての対応について 薬事法及び採血及び供血あつせ

医療機器プログラムの取扱いに関する Q&A について ( その 2) ( 別紙 ) 用いた略語 改正法 : 薬事法等の一部を改正する法律 ( 平成 25 年法律第 84 号 ) 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行令

Microsoft Word - 2-① 補償ガイドライン平成27年版(本文)Ver3.1.1.do

<4D F736F F D D318EA18CB18EE891B182AB82CC93648EA589BB82C982A882AF82E995578F808BC696B18EE88F878F E31322E31816A>

宮城県立がんセンター受託研究業務手順書

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

薬食審査発第 号

スライド 1


資料編 に委託して製造をする場合を含み 他から委託を受けて製 造する場合を含まない ) をし 又は輸入した化粧品を製造 販売のために出荷することをいう 製造販売業者 とは 会社の経営陣 ( 取締役等 ) を指します 薬事法施行規則第 92 条 (4) ロット とは 一の製造期間内に一連の製造工程によ

医療機関における治験業務

神戸市立医療センター西市民病院治験審査委員会業務手順書 第 1 章治験審査委員会 ( 目的と適用範囲 ) 第 1 条本手順書は 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ( 平成 9 年 3 月 27 日 厚生省令第 28 号 )( 以下 GCP 省令 という ) 医療機器の臨床試験の実施の基準に関

第 4 章治験責任医師の業務 目次 1. 目的と適用範囲 1 2. 治験責任医師の要件 1 3. 治験実施計画書の遵守に関する合意 1 4. 同意説明文書の作成 1 5. 治験分担医師及び治験協力者のリストの作成 2 6. 治験の実施依頼 ( 新規 変更 継続 ) 3 7. 治験の実施等の了承 3

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

untitled

Microsoft Word - 【発出版2】製造所取扱いに関するQ&A -

生後 1 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射生後 6 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射 2013 年 11 月 1 日 日本産科婦人科学会周産期委員会未承認薬検討小委員会担当委員日本周産期 新生児医学会副理事長 社保委員会副委員長久保隆彦

Transcription:

治験の安全性対応シンポジウム 安全性二課長通知の改訂点平成 25 年 5 月 15 日付二課長通知 ( 薬食審査発 0515 第 1 号 薬食安発 0515 第 1 号 ) 2013 年 12 月 16 日 日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会五十嵐元 山城恭子 1

本日の内容 1. 未承認対照薬等の取り扱い別添の 4.(3) ウ.( ア ) 2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験別添の 7.(3) イ.( ア ) 3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験 依頼者となる場合別添の7.(3) オ. 4. 医師主導治験との情報共有別添の7.(3) カ. 5. 共同開発時の副作用等報告に関する記載 整備別添の 7.(3) エ. 2

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 背景 (1): 法的根拠 被験薬 薬事法に基づき治験計画届を提出 当該治験成分に関する安全性情報を当局報告する義務 対照薬 併用薬等 日本未承認の対照薬 併用薬等を使用する場合 治験依頼者がこれらの安全性情報を当局報告する明確な法的根拠はない 3

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 背景 (2): 未承認薬の範囲 ( 各社の経験より ) 対照薬 併用薬等 有効成分が国内未承認の場合 有効成分は国内既承認だが 含量 用法 用量 適応症等について国内の承認範囲外で用いる場合 上記は承認範囲内で用いるが 海外市場で購入又は海外より輸入して用いる場合 ( 処方 刻印 包装形態等が同一でも適用された事例あり ) 注 ) プロトコール規定の副作用軽減のための前投与薬 レスキュー薬 体内診断薬等を含む 4

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 二課長通知の改訂事項 今回の二課長通知では治験成分記号の付け方のみを規定 治験成分記号やコード等の前に半角で M_ 後ろに _ 未承認薬の一般名 を記載 M_ 治験成分記号 _ 未承認薬の一般名 5

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 運用 (1): 実際の対応 対照薬 併用薬等 海外既承認 日本未承認の対照薬 併用薬等を使用する場合 治験依頼者がこれらの安全性情報を当局報告する法的根拠はない 被験薬と同様に治験届を出して報告 規制当局との個別相談 治験依頼者による安全性情報対応に関する念書を提出 治験定期報告等フルセットで必要 * 併用療法の開発で 被験薬承認時に当該併用薬の一変が必要な場合 適切なタイミングで当該併用薬の治験届が必要 6

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 運用 (2): 念書とは? 安全性情報連絡に関する当局との個別の合意事項 ( 例 ) 治験成分記号 T_XXX( 対照薬 ) またはH_XXX( 併用薬 ) 対象 当該治験からの国内外重篤副作用症例 国内外措置報告 期限 薬事法施行規則第 273 条第 1 号 (7 日 ) 及び第 2 号 (15 日 ) 方法 E2B 方式による電子報告 義務期間 当該治験計画届届出日から治験終了届届出日まで 医療機関への情報提供 当該治験参加の国内治験実施医療機関を対象 機構への連絡内容及び GCP に準じた内容を提供 提出先は MHLW 審査管理課 書式は自由 治験届とほぼ同時 7

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 運用 (3): 念書のバリエーション 念書には様々なパターンがある 内容 海外市場で購入又は海外より輸入した国内既承認有効成分の自社製品であって 当該治験を情報源とする海外症例について 薬事法第 77 条の 4 の 2 第 1 項の規定基づき報告された製造販売後の安全性情報を活用する場合 (TIKEN) 期限 同一有効成分の国内市販製剤との相違の程度が軽度と考えられる ( 包装形態の相違等 ) 場合に 1~3 ヵ月以内の連絡期限とする場合 ( ラインリスト,E2B 等 ) 8

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 通知の解説 (1) 今回の二課長通知では治験成分記号の付け方のみを規定 運用 ( 念書による事前の規制当局との合意 ) については 治験依頼者が個別に規制当局 ( 厚労省医薬食品局審査管理課 ) へ確認の上 適切に対応する必要がある点に留意すること 念書は依然として必要 念書 9

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 通知の解説 (2) 治験成分記号やコード等の前に半角で M_ 後ろに _ 未承認薬の一般名 を記載 M_ 治験成分記号 _ 未承認薬の一般名 治験成分記号 ABC に対し シナリオ治験成分記号補足 未承認対照薬 X( 一般名 A) M_ABC_A A は AN のみ許容 INN 未承認対照薬 X( 一般名 A) M_ABC_A ワクチン等で一般名が長く 70ANを超える場合を想定 未承認対照薬 X( 一般名 A) 及び未承認併用薬 Y( 一般名 B) 未承認併用薬 Y( 一般名未定 : 開発記号 BBB) M_ABC_A M_ABC_B M_ABC_BBB 併用薬 Yが海外で開発中の場合を想定 10

1. 未承認対照薬等の取り扱い : 通知の補足 : 既に取り決めている場合 平成 25 年 5 月 15 日より前に 念書において国内未承認対照薬を T_ 国内未承認併用薬を H_ として報告を行うことを取り決めている場合は 取り扱いを変更する必要はない ただし 本通知に基づき 国内未承認薬の治験成分記号を変更する場合は 審査管理課と相談すること 11

2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験用語の解説 致死的又はその他何らかの重篤な転帰を有効性の評価指標とする治験の重篤な有害事象 対象疾患の悪化等との鑑別が医学的に困難な有害事象 例 ) 抗凝固剤の心血管系イベント 12

2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験データモニタリング委員会の設置 (1) データモニタリング委員会が設置されている場合に限り 緊急報告対象外とすることが可能 ただし 被験薬によりリスクが高まる可能性があるとデータモニタリング委員会が集積されたデータに基づき判断した場合には 速やかに報告すること 全ての事象が データモニタリング委員会により 適切に評価され 治験依頼者に対し適切な助言 勧告が行われる必要がある 13

2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験データモニタリング委員会の設置 (2) データモニタリング委員会に関するガイドライン ( 平成 25 年 4 月 4 日付薬食審査発 0404 第 1 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) データモニタリング委員会の責務 設置 運営に関する指針 治験依頼者から独立した組織として設置 1) 安全性モニタリング 安全性上の懸念による試験早期中止の勧告 プロトコール一部変更等の変更を伴う継続の勧告 2) 有効性の中間解析 被験治療の無益性による試験中止 3) 試験実施状況のモニタリング 4) 外部情報の利用 14

2. 対象疾患の悪化等を評価項目にする試験治験計画届出書提出時 治験計画届出書提出時に以下の事項を文書で提出 プロトコール等に記載されている場合には 新たな文書作成は不要 1) 当該治験薬の概要 ( 予定される効能又は効果 作用機序 国内及び外国における開発状況等 ) 2) 対象となる治験計画の概要 ( 国内で実施する治験の場合は 届出回数 届出日又は届出予定日も記載する ) 3) 疾患に関連する事象として取り扱う事象の範囲及び設定範囲の根拠 4) 外国の規制当局と同様な取り決めをしている場合には その内容 5) データモニタリング委員会の役割等 15

3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験依頼者となる場合状況の解説 (1) 本社が外国にあり その日本法人の一変のために本社が国内管理人を立てて治験を行う場合 治験薬の提供 海外本社 製薬企業 Y 海外国内 企業 X CRO 等 ( 治験国内管理人 ) 日本法人 ( 承認取得者 ) 事例 ) 治験計画届出書の届出回数は連番 16

3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験依頼者となる場合通知の解説 (1): 通知の趣旨 今回の二課長通知では 一変申請のための開発において 外国副作用等症例報告の TIKEN ルールが両社間でも適用可能であることを規定 企業 X CRO 等 ( 治験国内管理人 ) 企業 Y 日本法人 ( 承認取得者 ) 17

3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験依頼者となる場合通知の解説 (2): 届出方法 あらかじめ機構審査マネジメント部審査企画課へ提出する文書は 両者連名による機構理事長宛の念書とし 外国副作用等症例報告を承認取得者が行う旨 及び 治験実施医療機関へは 治験依頼者が適切に外国副作用等症例報告を含めて伝達する旨 を記載すること 企業 X CRO 等 ( 治験国内管理人 ) 治験計画届 治験計画変更届 治験中止届及び治験終了届の備考欄に当該被験薬の承認番号を記載 企業 Y 日本法人 ( 承認取得者 ) 市販後副作用等報告時に TIKEN を B.4.k.19 医薬品に関するその他の情報 に入力 18

3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験依頼者となる場合通知の解説 (3): 治験国内管理人としての責任 治験国内管理人としての責任 治験実施医療機関への安全性情報の提供 治験依頼者が外国副作用等症例報告を含め,GCP 第 20 条に従って適切に伝達すること 年次報告* 両者が共有している情報に基づいて 外国副作用等症例報告の情報も含め 治験依頼者が適切に報告書を提出すること 事例 ) 両者連名で提出 *: 平成 26 年 6 月 30 日までの調査単位期間であれば 半年ごとの定期報告としてよい 19

3. 承認取得者以外の治験国内管理人が治験依頼者となる場合通知の解説 (4): まとめ CRO 等 ( 国内治験管理人 ): 企業 X 製薬企業 ( 承認取得者 ): 企業 Y 両社連名による機構理事長宛の念書を作成し 以下を記載して報告する 外国副作用等症例報告を承認取得者が行う旨 治験実施医療機関へは 治験依頼者が適切に外国副作用等症例報告を含めて伝達する旨 治験計画届 治験計画変更届 治験中止届及び治験終了届の備考欄に被験薬 A の承認番号を記載する 外国症例について市販後副作用等報告を行い B.4.k.19 に TIKEN と入力する 外国症例も含めて治験実施施設への安全性情報の伝達を行う 年次報告については 両者が共有している情報に基づいて 外国副作用等症例報告の情報も含め 適切に提出すること 20

4. 医師主導治験との情報共有通知の解説 (1) 当該治験の国内副作用等症例報告は当該治験の依頼者が報告 国内副作用等症例の重複報告は不要 製薬企業による治験 AE AE 医師主導治験 AE 21

4. 医師主導治験との情報共有通知の解説 (2) 各々の治験に係る国内副作用等症例報告を規制当局へ届け出ることで差し支えないこと ただし その場合にあっても 両者の間で適切に情報を共有すること 国内治験 a 製薬企業 X 共有情報に基づき適切に情報提供 治験実施施設 PMDA 報告 国内治験 b 自ら治験を実施する者 Z 適切に情報共有 治験実施施設 国内副作用等症例の重複報告は不要 PMDA 報告 年次報告については 企業治験が同時期に行われていない場合のみ 自ら治験を実施する者が保有している情報に基づいて作成し 提出する 22

4. 医師主導治験との情報共有まとめ 企業 X: 国内治験 a 国内治験 a において発現した国内副作用等報告を行う 自ら治験を実施する者 Z: 国内治験 b 国内治験 b において発現した国内副作用等報告を行う 両社間の協議により共有している情報も踏まえて, 安全性情報を治験実施施設へ伝達する 23

5. 共同開発時の副作用等報告に関する記載整備通知の解説 報告は治験成分記号ごとに行うこと また 複数の被験薬を併用する場合であって それぞれが被疑薬の場合は その被験薬の成分ごと ( 又は治験成分記号ごと ) に行うこと [( 削除 ) 共同開発を行っている場合は 共同開発会社ごとに報告を行うこと ] 従来通り 共同開発会社ごとに PMDA 報告の提出が必要 電子化された現状を鑑み, 敢えて記載不要として削除した記載整備 2013/12/16 臨床評価部会 _ 治験安全性シンポジウム 24