施策 3 地域で進める食生活改善 38
施策のねらい 01 生活習慣病等の予防 改善を進める メ タボリックシンドロームは 糖尿病 高血圧 脂質異常症など生活習慣病と 呼ばれる様々な疾病の発症リスクを高める要 因となります メタボリックシンドロームは 自身の健康状態を把握したうえで 食事や運動などの生活習慣を見直すことで改善が期待できます ( 平成 25 年度大和市特定保健指導実施者における体重および腹囲の改善者は45%) メタボリックシンドローム該当者及び予備群に対して 早い段階から集団指導ときめ細やかな個別の栄養指導の両方に取り組み 正しい理解と実践を促すことで生活習慣の改善を図ります 中でも高齢の方については 単に 体重や腹囲等の減少を目指すのではなく 自分の生活機能や既往歴等を配慮し 介護予防の観点も含めて緩やかに数値の改善を図っていくことが重要です 生活習慣病が重症化すると 血管性の疾患等が起こり 身体の活動に支障 さらに生活不活病 ( 廃用症候群 ) を引き起こしやすくなり 行動に制限が出てきます メタボリックシンドロームはこれらを発症する原因の1つとなっているため 早い時期から適切な食生活や運動習慣を定着することにより いつまでも自分らしい生活を送ることができ 健康寿命の延伸や生活の質の向上につながります 施策のねらい 02 高齢の方の食生活改善を進める メ タボリックシンドロームなどの肥満へ の対策に注目が集まる一方で 高齢の 方における低栄養が課題となっています 高齢の方が低栄養になる原因には 運動量の低下に伴う食欲不振 急性 慢性の疾患 環境の変化による精神的な要因 食料を調達しにくい環境など 様々なことがあります 高齢の方の低栄養状態の改善においては 単に食事の量を増やすのではなく 食事の準備からおいしく食べることまでを含む 食べること を総合的に支えることが重要です 低栄養状態の改善により 活動範囲が広がり 自分の楽しみやいきがい 趣味の充実 さらには介護予防効果と健康寿命の延伸が期待できます 39
メタボリックシンドロームの該当者 及び予備群の割合は 26.3%( 平成 24 年度大和市特定健康診査結果 ) 数字から見える現在の状況 メタボリックシンドロームの該当者及び予備群が増加しています メタボリックシンドロームというと 内臓脂肪 腹囲のイメージが強いかもしれませんが 内臓脂肪が蓄積することによって 圧 糖が くなったり 中の脂質が異常を起こしたりして 事や運動などの 活習慣を改善しなければ 筋梗塞や脳卒中などが起こりやすくなる状態 であることを理解することが 切です 和市特定健康診査の結果をみると 該当者及び予備群の割合は 平成 20 年度の25% から26.3% に1.3ポイント上昇しています また 男 別でみると 性が14.9% であるのに対して 男性は44.2% となっており 圧倒的に男性に多くみられます 65 歳以上で低栄養状態のおそれのある方は 約 400 人 ( 平成 26 年度介護予防アンケート ) 高齢の方の低栄養状態の改善が課題になっています 低栄養状態のおそれがある方とは 介護保険法に基づく介護予防事業対象者を判定するために使 する基本チェックリストで BMI( 体格指数 :Body Mass Index の略 ) が1 8. 5 未満の痩せで 6か月間で体重が2 3kg 以上減っている方としています 分な 事をとらないことなどにより 体の維持に必要不可 なタンパク質やエネルギーが不 すると 分 の筋 や脂肪をエネルギーなどとして使 してしまうため 体機能の低下や 病気になりやすくなります 大和市で低栄養状態のおそれのある方は1.1% また BMIが20 未満の低栄養傾向の方は13.5% となっています 40
[年代別メタボリックシンドローム該当者及び予備群の割合] メタボリックシンドローム該当者 平成 24 年度大和市特定健康診査結果より作成 メタボリックシンドローム予備群 平成 24 年度大和市特定健康診査結果より作成 [低栄養のおそれのある高齢の方の食事に関する課題] 大和市平成 23 年度二次予防対象者等把握業務実施報告書より作成 41
評価指標 評価指標現状値目標値 メタボリックシンドローム該当者及び予備群の割合 26.3% 23.0% 1 日に2 食以上 主食 主菜 副菜のそろった食事をしている市 の割合 1 65 歳未満 2 65 歳以上 1 70.0% 2 87.9% 1 90.0% 2 90.0% 汗をかく程度の運動を 週に 1 以上している市 の割合 52.3% 56.0% 分な量の野菜を べている市 の割合 44.7% 48.0% 適切な 事内容 量をよく知っている市 の割合 55.1% 60.0% 65 歳以上で低栄養状態の市 の割合 1.1% 1.0% 65 歳以上で低栄養状態が改善された市 の割合 30.0% 35.0% 具体的な取組取組区分具体的な取組 健康づくり料理教室 活改善推進員が作成した献 ( ヘルシー 減塩 野菜とカルシウムたっぷり生活習慣病予防のメニュー ) を作る教室を実施します 担当課 健康づくり推進課 生活習慣病の予防 改善を進める 健康セミナー料理教室 がん予防のための食事に関する講演会 若い世代への 活改善の啓発活動 ( 新規 ) 性健診での健康食の試食 国際化協会と協 し 外国籍市 を対象に 本型料理や学校給 メニューなどを作る料理教室を実施します がん予防について食事 栄養を中心に解説するとともに 運動 禁煙 検診等の効果的な取組を合わせて紹介し がん予防に対する総合的な知識を習得してもらい 普及啓発を進めます 健康メニューや 軽に作れる料理レシピなどをホームページなどで配信します 18 歳から 39 歳までの 性を対象とした健康診査の中で 健康 を試 してもらい 事を 直すきっかけづくりをしていきます 健康づくり推進課健康づくり推進課健康づくり推進課健康づくり推進課 特定保健指導対象者への食事教室 特定保健指導対象者向けに 昼食をとりながら適正な食事量や栄養バランス 味付け等を学ぶ教室を実施します 健康づくり推進課 42
取組区分 具体的な取組 担当課 生活習慣病の予防 改善を進める 保健活動 ( 鶴間モデル地区 ) の拡大 ( 充実 ) 特定保健指導対象者への指導 生活習慣病予防のための訪問栄養指導を実施し その病態や数値 QOL( 生活の質 ) の維持改善を図ります 管理栄養 保健師との 接で目標数値を設定し 宅への訪問指導や食事 運動などの教室などを組み合わせて改善を図ります 健康づくり推進課 健康づくり推進課 高齢の方の食生活改善を進める 高齢者一次予防事業 高齢の方の食生活改善 ( 充実 ) 高齢の方向けの昼食会の開催 介護予防や認知症の正しい知識や 腔機能の改善などについて学ぶ介護予防サポーター講座 栄養セミナーなどを開催します 低栄養のおそれがある方の健康状態の維持改善 介護予防のために 訪問栄養指導を実施します 介護予防を目的とした教室型の昼食会で 共食を図ります また 一人暮らしの高齢の方については 食生活改善推進員が 作り昼 を作り交流を図ります 高齢福祉課 高齢福祉課 健康づくり推進課社会福祉協議会 43
Topics5 メタボと 日本型食生活 の深い関係 メ タボリックシンドロームは 動脈硬化 を引き起こし 重篤な病気 ( 心筋梗塞 狭心症 脳梗塞など ) を発症するリスクが高くなります 特に 腹部の内臓周囲に脂肪がたまる 内臓脂肪型肥満 が疾病リスクを高めるとされており 内臓脂肪型肥満 に高血糖 高血圧 脂質異常のうちいずれか2つ以上ある場合を指します 肥満やメタボリックシンドロームの主な原因は高エネルギーと運動不足です 日本人の生活習慣病の増加は 高エネルギー 高脂肪 高タンパクの特徴をもつ 欧米型食生活 が大きく影響していると言われています 食事中の脂質の比率が2 5%~30% を超えると肥満になりやすく 生活習慣病が増加すると言われています 現在 メタボリックシンドロームになりやすい 欧米型食生活 から エネルギーや脂肪が比較的少なく 食物繊維が多い 日本型食生活 に転換し メタボリックシンドローム や糖尿病を予防しようという取組が行われるようになってきました 日本型食生活 とは主に昭和 50 年代頃の食生活の事で ごはんを主食としながら 主菜 副菜に 適度に牛乳 乳製品や果物が加わったバランスのとれた食事です 一汁三菜と呼ばれる伝統的な日本食で 特に汁物は中に入れる具材によって 主菜にも副菜にもなります 卵や大豆製品を入れれば主菜に 野菜やきのこをたっぷり入れればよい だし がとれる副菜にもなります だし は日本の大切な食文化であり うま味を生かすことで 塩分の過剰摂取を抑えることもできます さらにごはんを主食とする 日本型食生活 は 和食 洋食 中華ともよく合うおかずが多くあります どんな料理とも相性のよいごはんを主食として 世界各国の料理をアレンジして食を楽しみましょう 44
ごはんは パンなどに比べ よく噛んでゆっくり食べれば 体の満腹センサーが機能して食べ過ぎを防ぐことができます さらに ごはんのでんぷん質は糖質の中でもゆっくりと分解され 余分なエネルギーを体脂肪に変えて蓄える作用があるインスリンの分泌をあまり刺激しないので 肥満や糖尿病の予防に有効であるという報告も多くされています 食事と並んでメタボリックシンドロームの改善について欠かせないのが運動習慣です 大和市は県内でも運動習慣を持つ人が多いので 上手に 日本型食生活 と組み合わせてメタボリックシンドロームを予防しましょう パン中心の洋定食 ごはん中心の和定食 参考 ) 農林水産省 HP 日本型食生活を見直そう より 食事バランスガイドを活用して健康づくり より 45