リスクテンプレート仕様書

Similar documents
変更要求管理テンプレート仕様書

要求仕様管理テンプレート仕様書

構成管理記録テンプレート仕様書

障害管理テンプレート仕様書

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

GlobalFlow5 Ver.1.00R04 リリースノート

第48章 ソフトウェアのコストモデル

PowerPoint プレゼンテーション

目次 1 はじめに 基本的な仕組み セットアップ方法 発行する サイトコンテンツに追加する 使い方 初期画面 申請タイプ定義の管理 登録と編集 添付ファイル..

Microsoft Word - データ保管サービス操作マニュアル(第二版).docx

はじめに 本ドキュメントは Redmine を使用して稼働する定量的プロジェクト管理ツール ( 以下 IPF と略します ) のヘルプです IPF の操作に関わる機能を解説しており Redmine 及び構成管理ツール (Subversion Git) の標準機能については 本ヘルプの記載対象外として

えひめ電子入札共同システム 質問回答 工事 委託業務 操作マニュアル ( 受注者用 )

PowerPoint プレゼンテーション

JIS Q 27001:2014への移行に関する説明会 資料1

4.7.4 プロセスのインプットおよびアウトプット (1) プロセスへのインプット情報 インプット情報 作成者 承認者 備 考 1 開発に関するお客様から お客様 - の提示資料 2 開発に関する当社収集資 リーダ - 料 3 プロジェクト計画 完了報 リーダ マネージャ 告書 ( 暫定計画 ) 4

SISJIN

過去問セミナーTM

フォト アルバム

【rakumoソーシャルスケジューラー】管理者マニュアル<Lightning UI版>

管理サイト操作マニュアル Version.1.1. デジアナコミュニケーションズ株式会社

●コンテンツ「FAQ」

ボタンメンバーを追加登録入力項目をクリア一つ前に戻る 説明社員を閲覧者に追加します アンケートのタイトル部分 閲覧者を登録します その後 質問登録画面を表示します 入力した内容をクリアし 元の状態へ戻します 入力した内容をキャンセルし 一覧画面に戻ります アンケート完成時のタイトル 説明文 画像の表

intra-mart Accel Collaboration — インフォメーション ユーザ操作ガイド   第11版  

サイト名

掲示板の閲覧 掲示板の閲覧 登録権または参照権のある掲示板グループの掲示版を閲覧することができます 各利用者の権限は 管理者によって設定されます 掲示板を閲覧する 1 掲示板画面を表示し 閲覧する掲示が含まれている掲示板グループ 掲示板の順にクリックします 掲示板画面の表示方法 ポータル画面の画面説

一般管理者用画面マニュアル修正版

目次 リリースノートについて... 1 リリースノートの内容... 1 フィードバックについて 主な機能強化 サービス課題管理機能 スコープ管理機能 サービス課題管理機能 スコープ管理機能 プロジ

目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

注文管理操作マニュアル 第 6 版 2014 年 2 月 27 日

項目記載事項必須 1.4 非機能性 更新業務仕様書の 3-4 非機能要件 を踏まえ 提案するシステムに関して 基本的な考え方や方針 アピールポイント等を簡潔かつ明瞭に記述すること 3-4 非機能要件 の (1) から (4) に区分し すべての項目について記述すること 1.5 他システム連携 更新業

もくじ 管理者設定メニュー (JobMagic) 01 アドレス帳 3 02 顧客情報 5 03 営業日報 8 04 ワークフロー 12 管理者設定メニュー (JobMagic): もくじ

ISMS認証機関認定基準及び指針

rakumoソーシャルスケジューラー【管理者用マニュアル】

目次 1. ログイン P2 2. 送受信管理 P メールの新規送信 P 未送信 ( 保存 ) メールの編集 削除 P 送信済みメールの状況確認 P6 3. メンバー ( 送信先 ) 管理 P メンバーの新規登録 編集 P メンバーの削除 P

Microsoft PowerPoint - sc1manual.pptx

1. はじめに A. ログイン方法 (1) 下記画面に ID と PW( パスワード ) を入力してください (2) 入力完了後 ログイン ボタンをクリック ID を入力 PW を入力 (3) ログイン完了後 下記画面に遷移致します 2 / 23 ページ

PowerPoint プレゼンテーション

管理者設定メニュー (JobMagic): もくじ もくじ 管理者設定メニュー (JobMagic) P.3 01 アドレス帳 3 02 顧客情報 5 03 営業日報 7 04 ワークフロー 10

<4D F736F F D208AC888D B836A F C91808DEC837D836A B81698AC7979D8ED A E646F6

改訂履歴 日付バージョン記載ページ改訂内容 V2.1 - 初版を発行しました V3.1 P5 ドキュメントラベルが新規追加された事を追記 P7 P8 新しくなったラベルのツリー表示説明を追記 新しくなったラベルの作成 削除操作を追記 P9 ラベルのグループ

目次 目次 1. はじめに 2. ログイン ID とアクセス権限 3. 前提条件 4. 事前準備 ( ログイン ) 4-1. ログイン画面アクセス 4-2. ログイン 4-3. ログイン後 5. ホーム画面 6. 特記すべき画面操作 6-1. カレンダー表示 6-2. メニュー表示 6-3. クリッ

Cisco ViewMail for Microsoft Outlook クイックスタートガイド (リリース 8.5 以降)

画面上部 1 管理者設定検索自動振分一覧 説明管理者モード / 一般モードの切替を行います 詳細については 注意事項を参照下さい を押すとメニューが表示されます 管理者モードの操作方法は 管理者設定編 を参照下さい キーワードを元に 選択したFAXの文書の検索が出来ます FAX 自動振分の情報を確認

HULFT 技術サポートサイト お問い合わせ入力操作説明

2016年9月28日 機能強化

進化する ISMS ISMS 適合性評価制度の認証用基準 (ISO/IEC 27001) は 改定の度に進化している Ver. Ver. I

32-2 一般ユーザー用 : ドキュメント カテゴリ MAP での選択または 抽出条件設定画面にて 抽出 をクリックする事で 該当するデータが一覧で表示されます 結果一覧画面 表示項目説明カテゴリカテゴリ名を表示します をクリックすると カテゴリ表示順昇順に並べ替えが行えます をクリックすると カテ

クイックマニュアル(利用者編)

ユーザーをファイルから一括登録する 登録内容を変更する ユーザーのパスワードを変更する

<4F F824F B4B8A B818E968D802E786C73>

システム管理マニュアル

( 公財 ) 日本卓球協会会員登録システム チーム新規登録ガイド ( チーム責任者向けガイド 2018/1/25 版 ) 本書は初めて 会員登録システム でチーム新規登録を行うためのガイドです テスト稼働 をされている際は チーム継続登録ガイド をご覧ください 登録申請受付開始日 ( 本システムで登

e セールスマネージャー nano 2014 年 4 月リリースノート 2014 年 4 月リリース版 最終更新日 :2014/4/ 年 4 月 8 日にリリースされたリリース内容となります その後のリリースにより仕様変更等がされ ている可能性がございますので ご購入の際は現在利用な機能

intra-mart Accel Collaboration — ファイルライブラリ 管理者操作ガイド   第6版  

ユーザー一覧をファイル出力する ユーザーを検索する 登録したユーザー数を確認する

1. ログイン 1-1 管理画面へのログイン 施設の作成 編集 削除や承認 公開には その操作権限を持つアカウントでログイン します アカウントについての詳細は 管理者にお問い合わせください (1) [ ユーザー ID またはメールアドレス ] と [ パスワード ] を入力後 [ ログイン ] を

目次 1. はじめに 参加リスト 参加リスト 画面上での用語説明 一時停止と停止解除 ML 退会と ML 検索 投稿 メールの閲覧と返信 メールの検索

Contents 概要 利用イメージ 運用シーン 制限事項 / 補足事項 2

コンピュータ応用・演習 情報処理システム

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

変更履歴 バージョン日時作成者 変更者変更箇所と変更理由 RIGHTS R ESER VED. Page 2

DumpsKing Latest exam dumps & reliable dumps VCE & valid certification king

-9- (2) 画面表示 () で指定した条件のレポートを 画面に表示します () の条件入力完了後 表示 をクリック 画面の表示に時間がかかる場合があります 2 検索結果が表示されます ソート順を変更できます 3 3 詳細 をクリック 4 選択した電話番号の 請求金額内訳が表示されます

スライド 1

目次 はじめに サービス内容 基本サービス オプションサ

日経ビジネス Center 2

目次 更新履歴... 1 画面設計書の目的... 3 必要な内容... 3 画面一覧... 4 必要な内容... 4 画面遷移... 5 画面レイアウト... 6 入力パラメータ... 7 必要な内容... 7 項目定義... 8 必要な内容... 8 部品の種類... 9 ( 参考 ) 部品指定と

PowerPoint プレゼンテーション

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

スーパー英語アカデミック版Ver.2

Exfront4.1.0リリースノート

設定フロー ★印は必須の設定です

機能追加 2.1. ロール設定項目の追加 2.2. アカウント発行機能の追加 2.3. 修了証テンプレート管理機能を追加 2.4. バナー設定機能を追加 2.5. 修了証の置換文字列に修了証番号を追加 2.6. レスポンシブデザイン受講機能で修了証が出力できる機能を追加 2.7. レスポンシブデザイ

目次 ログイン ログイン お知らせ画面... 3 チェック結果の表示 / 新規作成 / 更新 / データ出力 チェック結果一覧の表示 新規作成 チェック結果の検索 チェック結果の詳

目次 1. はじめに サービス概要 決済手段概要 契約体系 エンドユーザー向け購入手順 エンドユーザー向けサービス利用条件 エンドユーザー向け決済時認証方法..

授業計画書

<4D F736F F F696E74202D20352D335F8D5C90AC CF909482CC90B690AC82C695D28F572E707074>

インフォメーション目次. 新着表示について (P0). インフォメーションの画面構成 (P0). インフォメーションを閲覧する (P0). インフォメーションを作成する (P05) 5. 本文に画像ファイルを貼り付ける (P07) 6. インフォメーションを変更 削除する (P08) 7. 公開前に

講義の進め方 第 1 回イントロダクション ( 第 1 章 ) 第 2 ~ 7 回第 2 章 ~ 第 5 章 第 8 回中間ミニテスト (11 月 15 日 ) 第 9 回第 6 章 ~ 第 回ローム記念館 2Fの実習室で UML によるロボット制御実習 定期試験 2

Microsoft Word - MTransㇹㇿㅼㅋ㇬㇤ㅛ+丕苬ㅦㅼㇶㅼ咂ㆂ;_ver1.7_original.docx

目次 1. はじめに 2. 実際の応募手続き 2-a. 手続きを始める前に 2-b. 研究開発提案書様式の取得 2-c. 応募の新規登録 2-d. 応募情報の入力 2

沖縄科学技術研究基盤整備機構

IBM Cloud Social Visual Guidelines

マイクロソフト IT アカデミー E ラーニングセントラル簡単マニュアル ( 管理者用 ) 2014 年 11 月

変更履歴 版数変更日変更内容 /9/1 初版設定

K-2 携帯マイページ ログイン後のページです 4-2

目次 本ドキュメントについて... 1 動作環境... 2 機能一覧 変更内容の概要... 3 主機能... 3 その他機能 ( 設定等 )... 5 共通変更点... 7 主機能の変更点... 8 スマートフォンの連絡先を一括で取り込む機能を追加... 8 一括削除機能を追加... 9 案件情報の

4 承認 4-1 文書登録 削除申請の承認 差戻 4-2 フォルダアクセス権限設定申請の承認 差戻

内容 1 Office 365 のサインイン サインアウト サインイン方法 サインアウト方法 Outlook on the Web 画面構成 メールの利用方法 受信メールの閲覧 添付ファイルのダウンロ

Works Mobile セットアップガイド 目次 管理者画面へのログイン... 1 ドメイン所有権の確認... 2 操作手順... 2 組織の登録 / 編集 / 削除... 6 組織を個別に追加 ( マニュアル操作による登録 )... 6 組織を一括追加 (XLS ファイルによる一括登録 )...

変更された状態 同様に価格のセルを書式設定する場合は 金額のセルをすべて選択し 書式 のプルダウンメニューか ら 会計 を選択する すると が追加され 金額としての書式が設定される 金額に と が追加 会計 を設定 2.2. テーブルの設定 ここでは 書式設定された表をテーブルとして Excel に


LMIS on cloud セルフサービスポータル利用ガイド

パソコンバンクWeb21 操作マニュアル[サービス利用編]

JAHIS売上高集計システム

PowerPoint プレゼンテーション

償却奉行 i8/ i シリーズ 汎用データ受入の手順書 汎用データの作成方法を知りたい 汎用データのフォーマットがわからない 汎用データ受入をしたら受入エラーが発生した について資産データの受入を例に説明します 本手順書では OBC 受入形式 ( ) の汎用データの受入を 受入フォーマットに従って

Microsoft Word - ECALSDS01_Vr1_5_080305_ja.doc

A909_攲示暿.xlsx

Transcription:

目次 1. リスク管理の概要... 2 1.1 言葉の定義... 2 1.2 リスクモデル... 2 2. テンプレート利用の前提... 4 2.1 対象... 4 2.2 役割... 4 2.3 リスクの計算値... 4 2.4 プロセス... 4 2.5 ステータス... 5 3. テンプレートの項目... 6 3.1 入力項目... 6 3.2 入力方法および属性... 6 3.3 他の属性... 7 3.4 入力情報の補足... 8 4. トラッキングユニットの設定... 9 4.1 メール送信一覧... 9 4.1.1 発見... 9 4.1.2 分析指示... 9 4.1.3 分析中... 9 4.1.4 分析完了... 9 4.1.5 対処中... 10 4.1.6 対処完了... 10 4.1.7 CLOSE... 10 4.2 権限一覧... 10 4.2.1 ステータス権限一覧... 10 4.2.2 機能権限一覧... 11 4.3 ステータス毎の必須入力... 11 4.4 ステータス毎の表示 ON/OFF... 12 4.5 サンプル選択肢... 13 株式会社ニルソフトウェア 1/13

1. リスク管理の概要 プロジェクトにおけるリスクマネジメントの難しさは, マネジメントの対象としているリスクという言葉が多義的であることに一因している. 何がリスクなのかは, 人によって認識が異なってくるということである. 不具合であれば, テストをした結果に対する判定結果で明確に判別できる. また問題や課題も既に発生してプロジェクトの QCD に影響を与えている事象として明確に判別できる. リスクという言葉を辞書で調べると 危険, 冒険, 危険性, 損傷, 損害 とされていて安全に関わる事柄を指す言葉と一般的には理解されている. 従って, 具体的な定義を与えてリスクマネジメントを実施することが必要となる. また, リスクマネジメントを行う対象が漠然としたものにならないように, 対象の持つ特性を考えることが必要である. プロジェクトのリスクを考える場合は, プロジェクトの特性として QCDS( 品質, コスト, 納期, スコープ ) を考える. 本テンプレートを使用する上では,PMBOK で規定しているプロジェクト リスク マネジメントを簡略化して用いることを想定し, ここでのリスクマネジメントは, 図 1 に示すフレームワークで考える. リスクを考える上での観点を提供するのがリスクモデルであり, それに基づいてリスクへの対処を行うプロセスがあり, プロセスを実施するために必要となる具体的な手法 ツールが存在する. リスクモデル プロセス 手法 ツール 図 1 リスクマネジメントの構成要素 1.1 言葉の定義 リスク関連の定義は, 規格や標準によって様々である. 本リスク管理計画で使用する用語の定義は以下とするが, 利用する場合に応じて適宜拡張して使用する. リスク (risk) プロジェクトを混乱させる, 望まれない結果の可能性, または望まれた結果の欠如. JIS Q 2001では, 事態の確からしさとその結果の組み合わせ, または事態の発生確率とその結果の組み合わせ と定義をしている. リスク因子 (source), リスク事象 (event) 結果をもたらす可能性が潜在する物事や行動. 安全の分野においては, リスク因子はハザードに該当する.(ISO/IEC Guide51を参照 ) 1.2 リスクモデル リスクモデルは, リスクを扱う際の観点を具体化し, 概念を一層理解可能なものにするための方法を提供する. リスクモデルを使用する利点は 2 つある.1) リスクの定量化を可能にする,2) 根本的な原因の示唆を可能にする, ことである. ここでは参考資料 ( 実践リスクマネジメント ) で示されている 標準リスクモデル と呼ばれるモデルをベースとして簡略化したモデルを示す. 図 2 にモデルを図 3 に例を示す. 株式会社ニルソフトウェア 2/13

リスク事象の発生確率 影響の発生確率 リスク事象のドライバー リスク事象 影響 損失量 (Lt) 図 2 リスクモデル このリスクモデルを以下に説明する. 以下に説明する語句は用語の定義と重複する部分がある. また, 多少意味が違うものがある可能性がある. これはリスクという多義的な対象を取り扱う際の難しさであり, 本文書では必要に応じて注釈を加えていくこととする. リスク事象損失を引き起こす出来事または状態 リスク事象のドライバープロジェクト環境の中に存在し, 特定のリスク事象の発生へ導くと思われるもの. リスク事象が発生する根拠となるもの. リスク事象のドライバーはリスク予防やリスク回避に働きかける. リスク事象を起こすトリガーとも言える. リスク事象の発生確率リスク事象が発生する見込み ( 確からしさ ). リスク事象の発生確率は, リスク事象のドライバーから推定される. ( リスクの ) 影響リスク事象が発生したら結果として生じるかもしれない, 潜在的な損失 影響の発生確率リスク事象発生の条件下における, 影響の起こる見込み ( 確からしさ ). 本テンプレートでは利用しない. 損失量 ( 損失度 ) リスク事象が発生した場合に生じる損失の大きさ. 影響の分類により日数や金額などで定量的に表現されることが望ましいが, 本テンプレートでは定性的な表現とする. 損失量 ( 損失度 ) に発生確率を乗じたものが期待される損失量となる. ここでは影響量とも呼ぶ. リスク事象の発生確率 影響の発生確率 XX の仕様が決まらない XX のリリースが遅延 システムテストの実施が遅れる 品質への影響 図 3 具体例 株式会社ニルソフトウェア 3/13

2. テンプレート利用の前提 リスク管理のテンプレートを利用する上での前提事項についてまとめる. 本仕様書で規定するテンプレートはこの記述内容で利用されることを前提とする. 本テンプレートを利用する際は, 別途リスク管理計画書を作成することを前提としてしている. 詳細な管理内容は, 計画書で記述をすること. 本テンプレート仕様書の記述は限定した管理内容を示しているに過ぎない. 2.1 対象 プロジェクトにおけるリスクを対象とする. リスクとはプロジェクトの目的に対して影響を与える不確実な出来事であり, それによって引き起こされる結果を指す. 用語を参照. 2.2 役割 本仕様書では以下に示す階層構造のチームを想定する. 各リスクの対処はが割り当てた担当がその責務を負う. 各リスクに対するステータス管理の責務はが負う. プロジェクトに対するスケジュール / コスト / 品質への影響はがその責務を負う. はプロジェクトとしてリスク管理が機能するようにやに働きかける. 2.3 リスクの計算値 リスク管理の最初の画面にはリスクに関するいくつかの計算値を表示する. それについて以下に説明する. 画面上部には, 現在のリスク度を表示. 内容はプロジェクト全体の, リスク度の合計, 算術平均, 二乗平均平方根を表示する. 現在登録されているレポートの中の, リスク度トップ 10 を, 降順で表示. カテゴリはリストで選択された項目がセットされる. 2.4 プロセス リスクの特定から終了までのプロセスを以下に示す. リスクのステータスとの対応を明確にするため, ステータスは 付きで示す リスクの特定 ( 識別 ) プロジェクト遂行で想定されるリスクを発見 ( 識別 ) したとき. ステータスは 発見 となる. プロジェクトを遂行する上で, どのようなリスク源やリスク事象が影響を及ぼすかを検討しリスクの特性を文書化する. 分析と対応策の準備 特定されたリスクに対する分析と対応策の準備を行う. 株式会社ニルソフトウェア 4/13

新たなリスクが特定された時に, は分析担当者に分析を指示する. ステータスは 分析指示 とする. 分析担当者はリスクの発生確率, 損失度を評価し定量化する. このときステータスは 分析中 となる. 分析されたリスクへの対応策を準備する. 分析および対応策が準備された時点で 分析完了 とする. リスクの監視 分析完了 のリスクに対して, リスクの状態を監視する. リスクは, 発生していない状態からリスクが潜在化し, リスクが顕在化するという状態を遷移するので, その状態を監視する. リスクの対応策によってはリスクが消滅してしまうため監視の必要性はないものもある. 対応策の実施 リスクの監視により必要に応じて対応策の実施に移る. リスクによっては, リスクドライバーに対する予防策を実施することでリスクが消滅するものもあるため, リスクの状態に関係なくリーダの判断により対応策を実施する. は分析結果を元に, 対処者, 対処期限を記述し, ステータスを 対処中 とする. 対処者は対処回数, 対処策の結果, 責任者, 対処完了日を記述し, ステータスは 対処完了 とする. 2.5 ステータス テストのステータスを以下のように定義する. 発見 分析指示 分析中 分析完了 対処中 対処完了 CLOSE プロジェクト内で予想されるリスクが特定されたときの状態 リスクが起こりうることのを想定し, そのリスクに対しての分析をが指示した状態 分析担当者がリスクを分析している状態 分析担当者がリスクの分析を完了した状態. 分析が完了したリスクの発生を監視している状態でもある. リスクの状態や対処種別によっては, すぐに対処中にステータスを移行する. 対応策を実施している状態 対応策を完了した状態 対処内容を確認し, そのリスクの対処を終了しても良いと判断した状態 株式会社ニルソフトウェア 5/13

3. テンプレートの項目 テンプレートの項目を以下に示す. 3.1 入力項目 番号 項目 内容 備考 1 ステータス リスクの状態を表す発見, 分析指示, 分析中, 分析完了, 対処中, 対処完了, クローズのいずれか 2 発行番号 発行番号 3 起票者 起票者 4 起票日 起票日 5 発生予測日 発生しそうな年月日を入力 6 発生事象 発生しそうな事象の説明等を入力 7 カテゴリ1 カテゴリを選択. サンプルを参照 8 カテゴリ2 カテゴリを選択. サンプルを参照 9 カテゴリ3 上記カテゴリ1.2での補足事項等を入力 10 サブシステム サブシステムを選択. システム管理者により設定されたものを選択 11 損失度 リスク発生時の損失度を選択. 12 発生確率 リスクの発生確率を選択. 13 リスク度 損失度と発生確率よりリスク度が自動計算される. 現時点でのリスク度の範囲 14 リスク名 リスク名を入力 15 詳細 リスクの詳細を入力 16 分析担当者 分析担当者を入力 17 分析結果 分析結果の詳細を入力. 分析結果にはリスクの識別対象やリスクを引き起こすドライバーを記述する. 18 リスク状態 リスク状態を選択. サンプルを参照. 19 対処種別 対処種別を選択. サンプルを参照. 20 対処者 対処者を選択 21 対処策 対処策の詳細を入力 22 対処期限 対処期限日を入力 23 対処回数 対処を行った回数を入力 24 対処策の結果 対処策に対する結果を入力 25 責任者 本件に対する責任者を選択 26 対処完了日 対処完了日を入力 27 添付ファイル 関連するファイル 28 完了承認日 確認者により承認された日付 29 完了承認者 完了を承認した人 30 最終更新者 レポートの最終更新者 31 最終更新日時 レポートの最終更新日時 3.2 入力方法および属性 番号 項目 入力方法 入力長 表示桁数 備考 1 ステータス リスト - - 2 発行番号 - - - 3 起票者 - - - 4 起票日 - - - 5 発生予測日 日付 - 20 株式会社ニルソフトウェア 6/13

6 発生事象 テキスト 256 60 7 カテゴリ1 リスト - - 8 カテゴリ2 リスト - - 9 カテゴリ3 テキスト 256 60 10 サブシステム チェックボックス - - 11 損失度 リスト - - 12 発生確率 リスト - - 13 リスク度 実数 - 20 14 リスク名 テキスト 256 60 15 詳細 テキストエリア 4096 80 3 16 分析担当者 ユーザリスト - - 17 分析結果 テキストエリア 4096 80 3 18 リスク状態 リスト - - 19 対処種別 チェックボックス - - 20 対処者 ユーザリスト - - 21 対処策 テキストエリア 4096 80 3 22 対処期限 日付 - 20 23 対処回数 整数 - 20 24 対処策の結果 テキストエリア 256 80 3 25 責任者 ユーザリスト - - 26 対処完了日 日付 - 20 27 添付ファイル ファイル 1048576-28 完了承認日 - - - 29 完了承認者 - - - 30 最終更新者 - - - 31 最終更新日時 - - - 3.3 他の属性 番号 項目 順序 検索 集計 自動日付 自動入力 自動計算 備考 1 ステータス 4 2 発行番号 3 起票者 4 起票日 5 発生予測日 6 発生事象 7 カテゴリ1 8 カテゴリ 2 9 カテゴリ3 10 サブシステム 3 11 損失度 12 発生確率 13 リスク度 2 14 リスク名 1 15 詳細 16 分析担当者 17 分析結果 18 リスク状態 19 対処種別 20 対処者 損失度 発生確率 株式会社ニルソフトウェア 7/13

21 対処策 22 対処期限 23 対処回数 24 対処策の結果 25 責任者 26 対処完了日 27 添付ファイル 28 完了承認日 29 完了承認者 30 最終更新者 31 最終更新日時 3.4 入力情報の補足 損失度 ( 固定 ) 各項目値を, かなり大きな影響がある ( 最大 )=0.9, 大きな影響がある ( 大 )=0.7, 影響がある ( 中 ) =0.5, 影響が少しある ( 小 )=0.3, あまりない ( 最小 )=0.1 とする. 発生確率 ( 固定 ) 各項目値を,90%=0.9 70%=0.7 50%=0.5 30%=0.3 10%=0.1 とする. 株式会社ニルソフトウェア 8/13

4. トラッキングユニットの設定 テンプレートの利用したトラッキングユニットの設定例を記述する. 4.1 メール送信一覧 レポート作成時, 各ステータスでを指定して作業報告をする. 該当する場所を で記述する. 4.1.1 発見 本文 カテゴリ1, カテゴリ2, 詳細 4.1.2 分析指示 本文 カテゴリ1, カテゴリ2, 分析担当者 4.1.3 分析中 本文 4.1.4 分析完了 株式会社ニルソフトウェア 9/13

本文 カテゴリ1, カテゴリ2, 損失度, 発生確率, 分析結果, リスク状態, 対処種別, 対処策 4.1.5 対処中 本文 4.1.6 対処完了 本文 カテゴリ1, カテゴリ2, 損失度, 発生確率, リスク状態, 対処種別, 対処者, 対処策, 対処策の結果 4.1.7 CLOSE 本文 4.2 権限一覧 各ステータスで, 其々のレポートに対する権限をロール毎に記述する. 4.2.1 ステータス権限一覧 ステータス ロール 株式会社ニルソフトウェア 10/13

発見 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 分析指示 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 分析中 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 分析完了 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 対処中 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 対処完了 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 CLOSE 参照権限 参照権限 参照権限 参照権限 4.2.2 機能権限一覧 ロール 機能 新規作成 権限あり 権限あり 権限あり 権限なし ダウンロード 権限あり 権限あり 権限あり 権限あり 完了承認 権限あり 権限あり 権限なし 権限なし 世代管理 更新権限 更新権限 更新権限 参照権限 削除 更新権限 更新権限 参照権限 参照権限 検索条件保存 権限なし 権限なし 権限なし 権限なし アラートメール送信 権限なし 権限なし 権限なし 権限なし 4.3 ステータス毎の必須入力 ステータス毎の必須入力を記述する. が必須入力を示す. は xdts により自動で設定される. 表中の丸数字が表すステータスは以下の通り. 各ステータスの変更者は併せて記述する. 1 発見 : 起票者 2 分析指示 : 3 分析中 : 分析担当者 4 分析完了 : 分析担当者 5 対処中 : 6 対処完了 : 対処者 7 CLOSE: 番号 項目 1 2 3 4 5 6 7 備考 1 ステータス 2 発行番号 - - - - - - 3 起票者 - - - - - - 4 起票日 - - - - - - 5 発生予測日 - 6 発生事象 - 7 カテゴリ1-8 カテゴリ2-9 カテゴリ3-10 サブシステム - 11 損失度 - 12 発生確率 - 13 リスク度 - 14 リスク名 - 株式会社ニルソフトウェア 11/13

15 詳細 - 16 分析担当者 - 17 分析結果 - 18 リスク状態 - 19 対処種別 - 20 対処者 - 21 対処策 - 22 対処期限 - 23 対処回数 - 24 対処策の結果 - 25 責任者 - 26 対処完了日 - 27 添付ファイル - 28 完了承認日 - - - - - - 29 完了承認者 - - - - - - 30 最終更新者 31 最終更新日時 4.4 ステータス毎の表示 ON/OFF ステータス毎の表示 ON/OFF を示す. 無印は表示入力 ON( 表示が ON で入力が可能 ) を示す. が表示 ON を示す. は表示 OFF を示す. 必須入力項目は自動的に表示入力 ON になる. 番号 項目 1 2 3 4 5 6 7 備考 1 ステータス - - - - - - - 2 発行番号 - - - - - - - 3 起票者 - - - - - - - 4 起票日 - - - - - - - 5 発生予測日 - 6 発生事象 - 7 カテゴリ1-8 カテゴリ2-9 カテゴリ3-10 サブシステム - 11 損失度 - 12 発生確率 - 13 リスク度 - 14 リスク名 - 15 詳細 - 16 分析担当者 - 17 分析結果 - 18 リスク状態 - 19 対処種別 - 20 対処者 - 21 対処策 - 22 対処期限 - 23 対処回数 - 24 対処策の結果 - 25 責任者 - 26 対処完了日 - 27 添付ファイル - 28 完了承認日 - - - - - - - 29 完了承認者 - - - - - - - 30 最終更新者 - - - - - - - 株式会社ニルソフトウェア 12/13

31 最終更新日時 - - - - - - - 4.5 サンプル選択肢 カテゴリ1 管理, 技術, 品質, 納期, コスト カテゴリ2 プロジェクト, プロセス, 製品 サブシステム画面, 画面部品, モデル, フレームワーク 損失度 ( 固定 ) 最大, 大, 中, 小, 最小 発生確率 ( 固定 ) 90%,70%,50%,30%,10% リスク状態未発生, 潜在化, 顕在化, 消滅 対処種別回避, 軽減, 移転, 代替案, 受容 株式会社ニルソフトウェア 13/13