3 つの資質 能 の育成に向けた絶えざる授業改善を学校で推進していくために ー全国及び奈良県学 学習状況調査の調査結果の活 を踏まえてー 柳和喜雄 ( 奈良教育 学 ) oyanagi@nara-edu.ac.jp (2018.2.13) 期待されている資質 能 へ 知識 技能の習得 思考 判断 表現 等の育成 分析 6 主体的に学習する態度 国語 A 国語 B 分析 1 算数 B 数学 A 数学 B ( 教科に関する調査 ) 分析 5 教員研修 教職員の取組 地域の 材 施設の活 学習習慣 語活動 読解 活習慣 尊感情 分総合的な学習の時間家庭学習 徒の状況析への関 A 4 学 向上に向けた取国語 算数 ( 数学 ) への組 指導 法関 教科の指導 法個に応じた指導分析 3 分析 2 ( 学校質問紙 ) ( 児童 徒質問紙 ) 1
奈良県に られる 3 つの相関 規範意識 尊感情 倫理性 道徳性 集団や社会とのかかわり ルール 動の様式 肯定感 有 感 有能感 効 感 主体的に学習する態度 思考 判断 表現 等 知識 技能 学 学 向上実践研究推進協議会での取組 確かな学 育成のための取組 基礎学 向上 キャリア教育推進 ユニバーサルデザインの授業作り 主体的で対話的で深い学びと関わる研修体制の構築 授業 向上サポーター制度 家庭と地域との連携を図る取組 家庭学習の充実 学 学習状況調査の結果など, 調査結果を分析し指導に かす 活習慣 1 遅寝 遅起きに課題 活習慣 2 時間テレビ ゲームに課題 題群なぜ塾などに通う通塾の時間? ストレス 時間がない 規範意識 時事問題へ関 が薄い 必要な情報が使えない ( 意味理解 ) 1 取り出しかたがわからない 気付かない 事実的知識を教える 2 どの 法を使うかわからない 続き的知識を教える 3 正確に使えない ( 書けない ) 続き的知識の活 学校調査で課題となっていること発展的な内容 実 活との関連付け様々な 章を読ませる児童に最初に 通しを持たす授業スタイル 現状のよい点を活かす 家で計画を てて勉強 話し合う時間の確保ができている テーマを決めた校内研修がされてる 中連携 活 する に課題 * 関係思考 * 要約 ( 読む 書く ) 学校組織による指導の焦点化 学 学習状況調査の結果分析などから課題に挑む際に どこからどの優先順位で着 するか課( 課題 ) 家庭での予習復習の時間の確保 分で う学習の時間の確保で学習 活の仕 の指導 勉強の仕 構え 活の仕 学習を う環境 雰囲気 のコントロール 家庭学習 援で 授業で 2
動のコントロール ( 標設定 ) 学校での取組と家庭学習を連動させる取組 先の 通し 振り返り 家庭学習 取組課題の明 つなげるコメント 現状を つめる変化を える化 家庭学習 援 学習への興味 関 学 習ノート 感情 ( 気持ち やる気 ) のコントロール 働きかけ 授業の中 授業外 家庭 学び合う 化 有能感 達成感 意欲を める視覚化 通しを与える 学校での取組 現状を つめる 成果物の作成と運 単元を 通した問題解決的な授業 課題を える化学 診断テスト学 学習状況調査 課題項 整理 問題分析 情報の共有 学校全体で 指導法の改善 習得 定着と関わって 徒の興味 関 を めるような課題設定 授業の中で 徒の課題に関する問題を取り れる ( 直接 ) 語活動 書く 等 の学習を える ( 間接 ) 活 探究と関わって 1) 児童生徒にとって 課題があるのは 以下のどの問題の系列か 1 知っているかどうかを問う問題 2 意味が分かっているかどうかを問う問題 3 知っている事をある条件下で使えるかどうかを問う問題 4 情報を読み取り ある条件の課題に答える問題 5 複数の情報を関係づけ 課題に即してまとめること求める問題 6 情報を読取り その意味づけや価値付けを求める問題 7ある条件の関係づけから考えられる提案を求める問題 2) 何が原因と考えられるか 集中力や読解力の問題が原因か 3) 課題がある問題に目を向けると それは教科内で 教科間で何らか特徴やルールがあるか ( その問題ができていないと連動してできない問題の存在 そこにルールは見られるか ) 4) 課題となっている問いに答えられないのは 何が原因か 学習言語 ( その教科 単元の専門用語 ) の理解不足 手続きの理解不足 処理力自体が未熟 問われていること自体がイメージできない問題 書く力の問題など 想起 : 知っているかどうかを問う 理解 : 意味が分かっているかどうかを問う 活用 : 知っている事を使えるかどうかを問う 分析 : 情報を読み取り 条件のある課題に答える問い 評価 : 情報を読取り その意味づけや価値付けをする問い 総合 : 複数の情報を関係づけ 課題に即してまとめる問い 創造 : ある条件の関係づけから考えられる提案をする問い 3
次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ (H28.8) 資料 評価情報を見る目を磨く まず深緑の円から説明します 赤い S 曲線と この 11 番の生徒の正答パターンを見てください 理論的には S 曲線の左側には 1(= 正答 ) が集中します しかしこの生徒は 左側に正答が一つもなくて右側にしか正答がありません 端的に言えば この生徒は易しい問題ができず 難しい問題しかできていません このことから 11 番の生徒には学習上でなんらかの問題があることが示唆されます S-P 表の左上にある 0(= 誤答 ) は 単なる勘違いであることが多い ( 成績の良い生徒が簡単な問題を間違えている ) ので 矯正が比較的容易です しかし右下にある 0(= 誤答 ) は 内容が理解されていないことに起因する ( 成績の悪い生徒が難しい問題を解けない ) ので きちんとした指導が必要です また S 曲線の右側の占める面積 または P 曲線の上側の占める面積は そのまま平均正答率となります この例の場合 ぱっと見て S 曲線はセル全体を二分しているようですので 平均正答率は 50 パーセント程度でしょう ( 実際 50 パーセントです ) 次に黄緑の円を説明します 青い P 曲線と この Q3 の正答パターンを見てください 理論的には P 曲線の上側には 1(= 正答 ) が集中します しかしこの問題では 上側の正答数よりも下側の正答数が上回っています 端的に言えば 得点が高い生徒はこの問題を間違え 得点が低い生徒はこの問題に正答しているということです このことから Q3 の問題は不適切な問題であった可能性が示唆されます 参照 :http://testkyouzai.zeroyen.com/sp001.htm 4
Attention coefficient ワーク表を見て, 気になる子供の特徴, 問題として問題気になる点を読み解く 組織的な取組を進めていくために 実現 : 分が何を 事にし どうありたいかという個 ビジョンの明確化 及び現状を明確にとらえ そのギャップに挑む 共有ビジョン : 組織のあらゆる 々が共通して持つ 私たちは何を創造したいのか 分たちはどうありたいのか ということに関するビジョン メンタルモデル : 私たちの の中にある固定化された暗黙のイメージやストーリー ( 仮説 ) チーム学習 : チームのメンバーが求める共通の成果を み出していくために協働でチームの能 を伸ばしていくプロセス システム思考 : 全体的な変化を る 枠組み システム思考 チーム 共有 学習 ビジョン 実現 メンタルモデル ピーター センゲ他著 学習する組織 5 つの能 本経済新聞社 2003 年 ピーター M センゲ ( 著 ), 学習する学校 ども 教員 親 地域で未来の学びを創造する 英治出版 2014 年 5
学習指導要領改訂の方向性新しい時代に必要となる資質 能力の育成と 学習評価の充実 学びを や社会に かそうとする学びに向かう 間性の涵養 きて働く知識 技能の習得 未知の状況にも対応できる思考 判断 表現 等の育成 何ができるようになるか よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという 標を共有し 社会と連携 協働しながら 未来の創り となるために必要な資質 能 を育む 社会に開かれた教育課程 の実現 各学校における カリキュラム マネジメント の実現 何を学ぶか 新しい時代に必要となる資質 能力を踏まえた教科 科目等の新設や目標 内容の見直し 学校の外国語教育の教科化 校の新科 公共 ( 仮称 ) の新設など各教科等で育む資質 能 を明確化し 標や内容を構造的に す学習内容の削減は わない 校教育については 些末な事実的知識の暗記が 学 学者選抜で問われることが課題になっており そうした点を克服するため 重要 語の整理等を含めた 接続改 等を進める どのように学ぶか 主体的 対話的で深い学び ( アクティブ ラーニング ) の視点からの学習過程の改善 きて働く知識 技能の習得など 新しい時代に求められる資質 能 を育成知識の量を削減せず 質の い理解を図るための学習過程の質的改善 次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ (H28.8) 主体的な学び対話的な学び深い学び 11 次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ (H28.8) 6
( ワーク ) 1. 学校全体で ( 組織で ) 取り組んだ がいいと思われる学習活動に 2. 頃よく授業で っている学習の姿のカード右上に を記 ( 例 ) 主体的な学びと協働的な学びを成 させ 深い学びへ 課題 : どもが話し合えない 考えたい 話し合いたい へ向かうために 1. 遭遇した出来事から要因関係を考える 課題は分かるが その表現の仕 がわからない が られる 分の考えが出せない 話せない がいる 課題がわかっていない がいる 話し合えない 話し合う価値ある課題が選ばれてない 話しているが話し合いがまとまらない姿が られる 話し合う意味を感じていない 発表結果は教員がまとめる雰囲気がある 発表したらそれでおしまいの雰囲気がある 発表を聴けていない姿が られる 話し合った結果をうまく発表できない姿が られる 2. 改善への戦略を考える H. 話し合ったこととの分類整理の 夫 伝え合い 聞き 合いサイクル I. 成果の共有と振り返りのさせ の 夫 A. 話し合う意味ある課題の選び 伝え の 夫 集約サイクル B. 表現の道具の 夫と使い の指導話し合いサイクル C. 時間制限等話し合いのルールの明確化 G. 聴き取りの道具の 夫と発表に対する質疑応答の指導 F. 全体での発表の仕 の 夫 E. まとめる道具の 夫と使い の指導 D. 課題などに応じた話し合いの形態の 夫 7
評価 E 援の成果C2018/2/13 全体計画と本単元等の関係理解 授業方法 教材開発 多様な方法の調査 評価計画 ニーズ理解 ハ フォーマンスゴールの設定 前提条件 学習者理解 評価基準 学習形態 形成的評価総括的評価 ( ワーク ) これは単元設計の流れを しています この中で, 学校であまり意識して っていないと思われることに をつけてみましょう 授業改善を組織的に進める際のもう 1 つの計画 学校名 : 研究課題 : 的 : 昨年までの研究 : < 成果 > A 現状の課題 法 活動 教材 D 活動後の状況 1. 2. 1. 2. 法 C. デー Q. グー ( 著 ); 柳和喜雄 原俊 ( 監訳 ) 教師と学校のレジリエンス どもの学びを B 学校組織の現状 援の 法 道具 体制 えるチーム 北 路書房 2015 柳和喜雄 柴 好章編 Lesson Study( レッスンスタディ ) ミネルヴァ書房 2017 8