多発性神経炎の鑑別 1) A:Alcholic Amyloidosis B:Beriberi C:Collagen disease(pn SLE) Carcinoma Chemical substance( 砒素 水銀 タリウム スチレン n-ヘキサン ) D:DM Drug(INH vincris

Similar documents
Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

<4D F736F F D F96968FBD905F8C6F8FE18A5182C982E682E98EE882CC82B582D182EA81408DCF2E646F63>

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

スライド 1

末梢神経障害

untitled

<4D F736F F D F90D290918D64968C93E08EEEE1872E646F63>

四肢のしびれ

syndrome と呼んだ 4) 典型的な神経所見から診断が比較的容易な症例もあるが 軽症例から重症例まで神経所見は多彩であり 臨床症状からだけでは診断に苦慮する症例も少なくない 3) 親指から薬指半分までの手のひらのシビレや痛みで特に夜間や手を使用した後に悪化する しびれは手を振ると改善するようで

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

10035 I-O1-6 一般 1 体外衝撃波 2 月 8 日 ( 金 ) 09:00 ~ 09:49 第 2 会場 I-M1-7 主題 1 基礎 (fresh cadaver を用いた肘関節の教育と研究 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 9:00 ~ 10:12 第 1 会場 10037

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

医療関係者 Version 2.0 多発性内分泌腫瘍症 2 型と RET 遺伝子 Ⅰ. 臨床病変 エムイーエヌ 多発性内分泌腫瘍症 2 型 (multiple endocrine neoplasia type 2 : MEN2) は甲状腺髄様癌 褐色細胞腫 副甲状腺機能亢進症を発生する常染色体優性遺

桜町病院対応病名小分類別 診療科別 手術数 (2017/04/ /03/31) D12 D39 Ⅳ G64 女性生殖器の性状不詳又は不明の新生物 D48 その他及び部位不明の性状不詳又は不明の新生物 Ⅲ 総数 構成比 (%) 該当無し Ⅰ 感染症及び寄生虫症 Ⅱ 新生物 C54 子宮体部

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350


2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

Ø Ø Ø

盗血症候群について ~鎖骨下動脈狭窄症,閉塞症~

cover

頸椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)


選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

治療 : 神経根症状であれば数週 数ヶ月の保存加療で多くは対応可能ですが 疼痛が強く麻痺などの合併がある場合や保存加療に特に抵抗性のあるものに関しては手術を行います 特に 巧緻運動障害 ( 箸 書字 ボタン掛けが困難 ) 歩行障害がある場合は手術を考慮します 頚椎症性脊髄症病態 : 脊髄が圧迫され脊

整形外科手外科疾患診療の紹介 治療は軽症では手根管ブロック 装具治療 重症では手術を行います 手術には手根管開放術と母指対立再建術があります ほとんどの場合 神経の圧迫を取り除く 手根管開放術を行います 母指球筋の委縮があり つまみ動作が不自由な場合は母指対立再建術を同時に行います 手根管開放術 :

というもので これまで十数年にわたって使用されてきたものになります さらに 敗血症 sepsis に中でも臓器障害を伴うものを重症敗血症 severe sepsis 適切な輸液を行っても血圧低下が持続する重症敗血症 severe sepsis を敗血症性ショック septic shock と定義して

2005年 vol.17-2/1     目次・広告

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

ブラッシュアップ急性腹症 第2版

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

適応病名とレセプト病名とのリンクDB

2011 年 9 月 29 日放送第 74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 6 教育講演 4-1( 膠原病 ) 皮膚限局型エリテマトーデスの病型と治療 埼玉医科大学皮膚科教授土田哲也 本日は 皮膚限局性エリテマトーデスの病型と治療 についてお話させていただき ます 言葉の問題と病型分類エリテマトー

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

靭帯付 関節モデル ( 全 PVC 製 ) AS-6~AS-12 骨格の靭帯部分を 個別関節モデルとしてお買い求め頂けます 弊社カタログでは多くの選択肢の提案に努めています ご希望に合わせてお選び下さい ( 経済型関節モデル靭帯付 AJ-1~7 も良品です )

TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

2009年8月17日

○○の中心で,○を叫ぶ

PowerPoint プレゼンテーション

018_整形外科学系

本研究の目的は, 方形回内筋の浅頭と深頭の形態と両頭への前骨間神経の神経支配のパターンを明らかにすることである < 対象と方法 > 本研究には東京医科歯科大学解剖実習体 26 体 46 側 ( 男性 7 名, 女性 19 名, 平均年齢 76.7 歳 ) を使用した 観察には実体顕微鏡を用いた 方形

PowerPoint プレゼンテーション

くろすはーと30 tei


がん登録実務について

PowerPoint プレゼンテーション

足関節

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 5. 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G010. 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク

背屈遊動 / 部分遊動 装具の良好な適合性 底屈制動 重心移動を容易にするには継手を用いる ただし痙性による可動域に抵抗が無い場合 装具の適合性は筋緊張の抑制に効果がある 出来るだけ正常歩行に近付けるため 痙性が軽度な場合に用いる 重度の痙性では内反を矯正しきれないので不安定感 ( 外 ) や足部外

018 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)

PowerPoint プレゼンテーション

1508目次.indd

<30358CC48B7A8AED C838B834D815B8145E4508CB E089C88A772E786477>

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

<4D F736F F D F8D9892C595CF90AB82B782D782E88FC781458D9892C595AA97A382B782D782E88FC75F8D9892C58CC592E88F705F2E646F63>

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

第章 ①手根管症候群の概要は 上肢のしびれ 手関節部での正中神経の圧迫による手掌部のしびれ 手根管とは手掌近位中央 母指球および小指球との間のトンネルである 手根管症 候群とは その天井を形成し手首から遠位部に存在する屈筋支帯と呼ばれる横手根靱 帯が肥厚し トンネル 手根管 内を走行する正中神経を持

Microsoft PowerPoint - 【参考資料4】安全性に関する論文Ver.6

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

保発第 号

関節リウマチ関節症関節炎 ( 肘機能スコア参考 参照 ) カルテNo. I. 疼痛 (3 ) 患者名 : 男女 歳 疾患名 ( 右左 ) 3 25 合併症 : 軽度 2 術 名 : 中等度 高度 手術年月日 年 月 日 利き手 : 右左 II. 機能 (2 ) [A]+[B] 日常作に

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

My DIARY ベンリスタをご使用の患者さんへ

ストレッチング指導理論_本文.indb

ノバルティスファーマ株式会社広報統括部 東京都港区虎ノ門 1 丁目 23 番 1 号虎ノ門ヒルズ森タワー MEDIA RELEASE COMMUNIQUE AUX MEDIAS MEDIENMITTEILUNG 報道関係各位 2

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

Transcription:

しびれの評価 (101126) 30 代男性 右手のしびれを主訴に来院 手背 / 手掌橈側 ( 手背 > 手掌 ) に強い異常知覚 手関 節背屈 MMT2 DTR は左右とも陰性で左右差指摘できず 腕橈骨筋の収縮無し 肩や背部に放 散痛無し 頚部の伸展や側屈でしびれの増悪無し C6 障害というより橈骨神経傷害と診断 これを機会に しびれについて復習 しびれというと原因疾患が多くの科にまたがるので 系統 的な診察が必要と思う どうしても漫然とした診察になりがちなので ポイントを押さえた診察が出 来るように努力したいと思う しびれの中でも 多発神経炎の分布 ( 典型的には手袋 靴下型 ) は特徴的なので これをキーワードにすれば他の所見と合わせて診断はそれほど難しくないと思う 神経疾患 整形外科疾患は部位診断も含めて知識の整理が必要 多発神経炎 ( 多発ニューロパチー ) と その他のしびれ ( 神経疾患 整形外科疾患など ) について分けて勉強してみる 多発神経炎 ( 多発ニューロパチー ) によるしびれ ( しびれの鑑別診断には ) 内分泌 代謝疾患 中毒 薬物 感染症 アレルギー リウマチ 悪性腫瘍といった 神経内科以外の疾患が数多く挙がっている これらの疾患は多発ニューロパチーの形をとってしびれを起こす 5) ( 参考 ( 文献 5 より引用 )

多発性神経炎の鑑別 1) A:Alcholic Amyloidosis B:Beriberi C:Collagen disease(pn SLE) Carcinoma Chemical substance( 砒素 水銀 タリウム スチレン n-ヘキサン ) D:DM Drug(INH vincristine) DANG THERAPIST 6) 7) Diabetes Alcohol Nutritional (eg B12 deficiency) Guillain-Barre Toxic (eg amiodarone, heavy metals, other drugs) Hereditary Endocrine Recurring (10% of G-B) Amyloid Pb (lead), Porphyria Idiopathic, infectious Sarcoid, systemic Thyroid, tumor 多発性神経炎と神経根障害との鑑別点は多発性神経炎では下腿の前も後ろも同じように知覚障害があるが 神経根障害ではその神経根支配領域のみの神経障害である 6) 多発神経炎のキーワード : つま先から徐々に上行 感覚障害 > 運動障害 手から始まる多発神経炎は無い 原因疾患を考慮 ( 糖尿病やアルコール 薬剤など ) 2) 通常は四肢末梢に強いしびれを認めた場合 多発神経炎などを考えるが 頚椎症でも四肢末梢に強いしびれを呈することも多い 体幹があまり侵襲されない理由はよくわかっていない 3) 機序がはっきりしないが 脊髄症で多発性神経炎と似た両手と両足のシビレを起こすことがあり Babinski の有無に注意しよう 6) 多発単神経炎を起こす病気はいくつかあり それぞれ特徴的な症状が現れます 多発単神経炎の原因で最も多いのは おそらく糖尿病です しかし糖尿病は 多発神経障害を起こす方がさらに多くなります 多発単神経炎の他の原因は 結節性多発動脈炎 全身性エリテマトーデス シェーグレン症候群 関節リウマチ サルコイドーシス アミロイドーシス ライム病 HIV 感染症などがあります ハンセン病では 細菌が直接神経に侵入して多発単神経炎を引き起こします 治療は 原因によります 10) その他のしびれ ( 神経疾患 整形外科疾患など ) 基本

障害部位の臨床的分類 1) 脳障害 脊髄症 ( デルマトームの多分節にわたりしびれが生じる 膀胱直腸障害 ) 神経根障害 ( しびれの領域はデルマトームの一分節となる ) 末梢神経障害 (entrap syndrome) 脱髄性疾患の代表 1) 多発性硬化症 =UMD ギランバレー症候群 =LMD デルマトーム 合併する運動障害 その他の神経異常所見を総合して判断する 1) 触覚 関節覚は脊髄後索を 温痛覚は外側脊髄視床路を上行するので 脊髄の半側障害では両者が解離することがある 4) 高齢者のしびれの原因は多彩であり いくつかの原因が併存することがある 4) まず自発的なしびれの部位を人体チャートに記す 4) ( 研修医.com カンペーズより引用 : http://kensyui.com/kanpesyu.ppt )

( 参考文献 9 より引用 )

( 参考文献 9 より引用 )

( 参考文献 4 より引用 ) 主に四肢 末梢神経について 末梢神経障害は多少オーバーラップする場合もあるが 障害部位の境界が比較的はっきりしているのが特徴 3) プライマリケアで重要なのは手のしびれでは頚髄病変 ( 頚椎症 ) 手根管症候群 足のしびれでは脊髄病変 ( 頚髄 胸髄 腰髄 ) 多発神経炎 Cryptogenic Sensory Polyneuropathy 2) 5) 手根管症候群のキーワード : 中年女性 妊娠 職業歴 ( コンピュータ 演奏など ) 原因疾患を考慮 ( 透析 甲状腺機能低下 末端肥大症など ) 2) 正中神経障害と C6-7 神経根障害とは紛らわしいが 正中神経傷害では手首より遠位のみの障害であるのに対し 根障害では前腕にも感覚障害がある 6) 尺骨神経障害も手首より遠位の知覚障害であるが C8-Th1 障害では前腕にも感覚障害が

ある 6) 橈骨神経傷害では垂れ手 (drop hand) になるが C6 障害と紛らわしい 鑑別は腕橈骨筋でみるとよい すなわち上腕中央圧迫で生ずる橈骨神経麻痺では腕橈骨筋も麻痺するが C6 麻痺だと腕橈骨筋 (C5,6 支配 ) は麻痺しない これを Duchenne 徴候という 6) 頸椎椎間板ヘルニアで 椎間孔が狭窄していると頸椎を伸展かつ健側へ側屈すると患側上肢への放散痛が見られる (Spurling s test) 6) 頸椎神経根症の放散痛は C5 C6 は肩へ C7 C8 は肩甲骨 ( 間 ) である 6) 頸椎神経根症では頚部痛や肩の痛み 肩甲骨 ( 間 ) 部の痛みで発症し 上肢痛やしびれで初発することは無い 脊髄症 (myelopathy) では頚部痛は起こさず 上肢のしびれで発症する したがって 訴えが上肢のしびれのみで頚部痛が無い場合 脊髄症か末梢性神経絞扼障害を考え 神経根症は除外してよい 6) 脊髄病変 ( 頚髄 胸髄 腰髄 ) のキーワード : 便秘 排尿障害 歩行障害 ( 特に下り ) 怒責による放散痛 運動歴 / 職業歴 ( 柔道 レスリング ラグビーなど ) 2) 昇りが苦手な場合は筋力低下 下りが苦手な場合には下肢の痙性 運動失調 ( 歩行障害については ) 上りよりも下りが辛いという病歴が取れたらしめたもの それだけで 下肢の痙性 運動失調 のどちらかがあると考えてよく 脊髄病変を強く疑う 一方 上りの方が辛い場合には 特異性がなく 鑑別には役立たない 5) 膀胱 直腸の機能を司る伝導路は 脊髄の中でも障害を受けやすい性質がある 5) 下肢の疼痛が主訴のときは神経根病変 ( 神経根痛 ) が多く しびれが主訴の時は脊髄症や馬尾神経障害のことが多い 6) 脊柱管狭窄症の時の坐骨神経痛は立っただけでも生じるが血管閉塞による下肢の痛みは歩行により出現する 6) ABI<0.9 のときは下肢血管閉塞を考える 足背動脈が触れれば血管閉塞が否定出来るわけではないことに注意 6) 足裏のしびれを見た時 内果後方の脛骨神経が屈筋支帯で圧迫される足根管症候群のことがあり 内果後方で Tinel を確認するとよい 6) 足背のしびれで第 1 2 足趾間に限局する時は深腓骨神経圧迫による前足根管症候群のことがあり この神経は足背動脈と伴走しているので足背動脈の Tinel を確認する 6) 母趾と第 2 趾の間は L5 の固有領域 外果の下方は S1 の固有領域 6) おもに中枢神経について 日常診療でのしびれのほとんどは 脳由来ではなく 末梢神経由来か脊髄由来のいずれか である しびれだけの脳卒中はない と断言していただいて結構 5) 大脳皮質の体部位局在を考えれば極めて局在的な皮質病変で単肢の感覚障害だけを生じ

るはずだが ( 中略 )( プライマリケア医の ) 日常診療で考慮する必要はない 5) 皮質下では 体部位局在はさらに不明確になり 視床あるいはそれ以下の病変では 単肢のしびれは起こりえない 5) たとえ純粋にしびれを呈する場合でも 脳由来のしびれは 片麻痺と同様の分布 すなわち片側の上下肢 あるいは非常にまれな形だが 片側の手と口周囲のしびれの形 (Cherio-Oral 型 ) をとる (2500 例の脳卒中患者のうち 運動麻痺がなく 純粋にしびれを呈した pure sensory stroke は 99 例で そのうち 80 例が片側の上下肢 残り 19 例が Cherio-Oral 型であったという論文を紹介している )5) ( 参考 ) 足背動脈 足関節の外果と内果を結ぶ線の中点から母趾と第 2 趾の間に線を引く この線状に足背動脈がある 6) 足背動脈は長母趾伸筋腱より外側にあり 内果と第 3 趾の付け根を結んだその中点あたりが最も触知しやすい 8) 足背動脈は 3~14% の患者で触れない 後脛骨動脈も 0~10% の患者で触れない 健常人で両方とも触れないのは 0~2% にすぎないので 症状のある時に両方の動脈が触れないことは末梢循環障害があることを強く示唆している (LR+ 14.9) 連続歩行やつま先立ちなどの負荷後も足背動脈を触知すれば末梢血管障害が無いことを示唆する (LR- 0.2) 8) 参考文献 1. 田中和豊. しびれ Step By Step! 初期診療アプローチ. 診療の達人 2008 年 3 月号. 2. 池田正行. えっ! シビレの診断それだけでいいの? マッシー池田の神経内科快刀乱麻! 診療の達人 2005 年 1 月号. 3. 澤田幹雄. 四肢のしびれ. 研修医セミナー 2005. 4. 犬塚貴. 手足のしびれ -よくみられる主訴に対する対処-.Geriatric Medicine( 老年医学 ), 42(1) : 47-49, 2004. 5. 池田正行. 手足のしびれ. 綜合臨牀, 55 : 807-811, 2006. 6. 仲田和正. しびれ-おおざらい. 講演会資料.2010 年 10 月 7. Medicalmnemonics.com http://www.medicalmnemonics.com/cgi-bin/return_browse.cfm?discipline=neurology&syste m=nervous&browse=1

8. 宮崎景ら. エビデンス身体診察. 東京, 文光堂,2007. 9. 田崎義昭ら. ベッドサイドの神経の診かた. 南山堂, 東京,1994. 10. 多発単神経炎. メルクマニュアル家庭版 http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec06/ch095/ch095g.html