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目次はじめに... 1 民法総則... 5 第 1 法律行為の主体 制限行為能力者の詐術 取消しと無効の二重効 法律行為の解釈... 6 第 2 意思表示 虚偽表示 (94 条 ) 条 2 項類推適用 錯誤無

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2018 年度宅建士問題集 2 分の 1 模擬試験 2 解答 解説 本試験問題 解説の無断複製 無断転載 配付等は禁止されております 中神エマ宅建士研究所 0

問 1 正解 4 1 AはB 所有の土地について何も権利を有していません 登記に公信力がない以上 登記を信じたとはいえC Dは無権利者であるので 登記がなければ対抗できない第三者にはあたらないため Bは登記がなくてもC Dに対抗 ( 主張 ) できます ( 民法 177 条 判例大判明 41.12.15) 2 解除後の第三者との関係はいわゆる二重譲渡と同じ対抗関係になり 善意 悪意を問わず登記がなければ対抗できません ですので Aは登記がなければCに所有権を主張できません ( 民法 545 条 1 項但書 判例最判昭 35.11.29) 3 相続放棄の効果は 絶対的効力を生ずるとされているので ( 民法 939 条 ) 誰に対しても登記等なしでその効力が生じます( 判例最判昭 42.1.20) ですので Bは登記がなくてもCに対抗することができます 4 受贈者 Bと相続人 Cとは 二重譲渡と同じ不動産の物権変動における対抗関係にあるので 被相続人 Aから贈与を受けたBはその旨の登記がなければ 相続人 Cからその不動産を譲り受けて登記を受けた第三者 Dに対して 贈与による所有権の取得を対抗することができません ( 民法 177 条 判例最判昭 39.3.6) 星が多いほど難易度が高いという 目安 です 最高で5つ星の場合の基準です 3 個で普通 4 個でやや難しいということになります 問 2 正解 4 1 一筆の土地の一部にも時効の完成に必要な占有と期間が備われば 時効取得が認められます ( 大連判大 13.10.7) Bは所有の意思を持って 20 年間占有しているので 占有の開始時に悪意だった ( その土地の部分がAのものだと知っていた ) としても 時効によってその土地の一部を取得できます ( 民法 162 条 ) 2 占有の移転があった場合 現在の占有者 (C) は時効取得を主張するために 自己の占有とともに前の占有者 (A) の占有も合わせて主張できます ( 民法 187 条 1 項 ) ですがこの場合には 前の占有者の瑕疵も承継することになります ( 同条 2 項 ) そこで CがAの占有も合わせて主張する場合には Aの 悪意による占有 ということも承継しますので Cが時効取得するためには更に 12 年間占有しなければなりません ただし これは前の占有者のA の占有を承継する場合の話です Cが善意無過失ですので Aの占有についての瑕疵を承継することなく Cの占有のみを主張すれば あと8 年間占有すれ 1

ば時効取得できます こちらの方が早いですね 3 占有者が占有を奪われた場合には 時効の進行は中断します ( 民法 164 条 ) ですが 占有回収の訴えを提起した場合には占有権は消滅しません( 民法 203 条但書 ) ので その後残りの期間占有すれば 時効は完成します ( 民法 162 条 2 項 ) 4 Eはいわゆる時効完成後の第三者に当たります 時効が完成しても その登記がなければ その後に旧所有者から登記を得た第三者に対しては 時効による権利の取得を対抗できません ( 最判昭 33 8 28) ちょうどAがB とEに二重譲渡した形になるのです この場合 登記の有無で決着をつけることになります 問 3 正解 2 1 指名債権譲渡の対抗要件である 債務者の承諾 は 債権の譲渡人又は譲受人のどちらか1 人に行えば充分です ( 民法 467 条 判例大判大 6.10.2 通説 ) 2 指名債権が二重に譲渡されて それぞれに確定日付のある通知が行われたときは 譲受人相互の優劣は確定日付のある通知が債務者に到達した日時の早い方が優先するものとされます ( 民法 467 条 判例最判昭 49.3.7 通説) 3 指名債権譲渡を債務者に対抗 ( 主張 ) するためには 譲渡人 Aが債務者 Bに通知をするか 又は債務者 Bが承諾すればOKです ( 民法 467 条 1 項 ) この対抗要件となる通知はAが自らBに対してする必要があります 譲受人 C が代位して通知することはできません ( 判例大判大 5.10.10) 4 譲渡禁止特約の付いた債権であっても 善意の第三者にはこの特約を対抗できません ( 民法 466 条 2 項但書 ) ですので Cが善意であればCに対する債権譲渡は有効となります そして この善意の第三者 Cは 善意でも重過失があると 債権を取得できないのでそのことも押さえましょう ( 判例昭 48.7.19) 2

問 4 正解 2 1 他人の土地を売買の目的物とすることは 民法上有効です ですが 結果としてその売主がその土地を取得して買主に移転することができなかったということもあり得ますね そのようなときは 買主は 善意でも悪意でも 契約の解除をすることができます ( 民法 561 条 ) ただし 悪意の買主は 損害賠償の請求はできません 前もって知っていたわけですからね 2 売買の目的物の一部が他人に属している場合 そのために善意の買主が購入した目的が達成できない場合に解除等をすることができる期間は その事実 ( 一部が他人物であること ) を知ったときから1 年以内です いつでも解除等ができるということではありません ( 民法 563 条 564 条 ) 3 抵当権の実行によって売買の目的物の所有権を失った場合は 悪意の買主であっても 契約の解除及び損害賠償をすることができます ( 民法 567 条 1 項 ) 4 売買の目的物が地上権などの用益物権によって制限を受けていて そのために売買の目的を達成することができないときは 善意の買主は 損害賠償のほか契約の解除もすることができます ( 民法 566 条 1 項 ) 問 5 正解 1 1 相続放棄は代襲原因ではないので Eの子 Hは相続人とはなりません Eの相続分はFに属します なお 配偶者 Dの相続分 (1/2) は変わりません 2 遺留分権利者 (DとF) は 各自の遺留分を保全するのに必要な限度で遺贈の減殺を請求することができますが 遺贈が遺留分を侵害した部分についてはその時はじめて無効となります ( 民法 1028 条 1031 条 ) 遺留分減殺請求権が行使されないのであれば たとえ遺留分権利者の遺留分を侵害していたとしても その遺贈は有効です 3 限定承認は 共同相続人全員が共同して行わなければなりません ( 民法 923 条 ) 相続人は 配偶者 Dと子 EとFです 限定承認又は相続放棄をする期間は 自分のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月です ( 民法 915 条 1 項 ) 4 相続の開始前でも家庭裁判所の許可があれば 遺留分の放棄をすることができます ( 民法 1043 条 ) ですが 相続人になれなくなるということではありません 3

問 6 正解 2 ア 賃借人 Bが必要費を支出したときは 直ちに 全額を賃貸人 Aに請求できます ( 民法 608 条 1 項 ) また Bが有益費を支出したときは 賃貸借終了時に その価格の増加が現存する場合に限り 賃貸人 Aに請求できます 請求できるのは Aの選択により その費やした金額又は増加額です ( 同条 2 項 196 条 2 項 ) イ 合意解除の場合と異なり 賃借人の債務不履行により賃貸借が解除されたときは 原則として賃貸人が転借人に目的物の返還を請求したときに 転貸人の転借人に対する転貸債務が履行不能となり 転貸借契約は終了すると解されています ウ 借家の場合には 借地の場合と異なり 賃貸人の承諾に代わる裁判所の代諾許可の裁判の制度はありません ( 借地借家法 19 条 ) エ 借地借家法 33 条による造作買取請求権は 任意規定です 特約で除いておくこともできるのです なお 賃借人の債務不履行を理由として解除されたときは 賃借人の買取請求の行使は認められません ですので 答えは2つです 問 7 正解 1 1 AB 間の売買契約により 所有権は売主 Aから買主 Bへ移転していますので 土地の所有権はCに相続されません ( 民法 176 条 ) Cは AのBに対する登記協力義務を相続することになります ( 民法 896 条 ) ですので A からBへ直接所有権移転の登記をすることができます 2 権利の抹消登記を申請する場合に その抹消について登記上の利害関係を有する第三者が存在するときは その者の承諾が必要です 又はこれに対抗できる判決の写しを添付しなければなりません ( 不動産登記法 63 条 68 条 ) 3 表示登記のみで権利登記がなされていない土地の売買の場合は その手続きとしてBへの所有権移転登記の前にA 名義の所有権保存登記をする必要があります ですので 表題部に記載された者であるAが単独で所有権保存の登記をした後に AとBが共同で所有権移転の登記を申請することになります ( 不動産登記法 74 条 1 項 60 条 ) 4 登記上の利害関係人は 仮登記名義人の承諾により単独で抹消登記を申請できます ( 不動産登記法 60 条 68 条 110 条 不動産登記令 8 条 1 項 9 号 別表 70 条 ) 4

問 8 正解 3 1 都市計画区域及び準都市計画区域の指定権者は 原則として都道府県です ( 都市計画法 5 条 1 項 5 条の2 第 1 項 ) 2 地区計画 沿道地区計画 防災街区整備地区計画 歴史的風致維持向上地区計画 集落地区計画 の5つです 地区計画等とは 地区詳細計画 であり きめ細かな街作りを目指す規制等を内容としています それらを都市計画法上 地区計画等 と定めています ( 同法 12 条の4) 3 特別用途地区 高度地区及び高度利用地区は 用途地域内でしか指定されませんが 景観地区は 都市計画区域又は準都市計画区域内でも指定されます ( 同法 9 条 14 項 18 項 19 項 景観法 61 条 ) 4 市街地開発事業は 市街化区域又は区域区分の定められていない都市計画区域内において定めます 市街化調整区域には定めることができません ( 同法 13 条 1 項 12 号 ) 問 9 正解 2 1 建築の他 大規模な修繕 模様替えの工事を行う場合にも建築確認を受けなければならないことがあります 100 m2を超える特殊建築物又は大規模建築物については 大規模の修繕 模様替えについても建築確認が必要です ( 建築基準法 6 条 1 項 1 号 ~3 号 ) 2 料理店は 近隣商業地域ではその規模にかかわらず 建築することができません ( 同法 48 条 別表第 2( り )) 飲食店 と 料理店 を区別しましょう ( 料理店は いわゆる接客サービスの付くお店です ) 3 日影規制は商業地域 工業地域並びに工業専用地域を除く用途地域内及び用途地域の指定のない区域で適用されます ( 同法 56 条の2 第 1 項 別表第 4( い )) ですが 商業地域等でも 高さが 10 メートルを超える建築物で 冬至日において対象区域内の土地に日影を生じさせるものは 当該対象区域内にある建築物とみなして 適用される場合があるのです 4 隣地境界線に接する耐火構造の外壁については 民法 234 条 ( 隣地間を 50 cm距離をとる相隣関係 ) は適用されません ( 同法 65 条 ) 隣地境界線に接して外壁を設けることができるのです 5

問 10 正解 3 1 宅地以外の土地を宅地にするために行う宅地造成工事は 届出ではなくて許可が必要です なお 農地を農地のまま利用するための工事は宅地造成にあたらないので 本法の許可は不要です ( 宅地造成等規制法 2 条 8 条 同法施行令 3 条 ) 2 既存の宅地内で宅地造成工事を行う場合でも 都道府県知事の許可を受ける必要があります ( 同法 8 条 1 項 ) 3 造成主が都道府県知事の許可を受ける必要があります ( 同法 8 条 1 項 ) 4 当該規制区域内で勧告がされることがあるほか 一定の場合には改善命令を受けることがあります ( 同法 16 条 17 条 ) 問 11 正解 4 1 土地区画整理組合施行の場合は 借地権者は組合員になりますが 借家人は 組合員にはなりません (( 土地区画整理法 18 条 25 条 1 項 ) 2 土地区画整理事業の施行により設置された公共施設は 換地処分の公告があった日の翌日から 原則としてその公共施設が存する市町村の管理に属します ( 同法 106 条 1 項 ) 3 土地区画整理事業の制限の対象となる行為は 事業施行の障害となるおそれのある土地の形質の変更 建築物その他の工作物の新築 改築 増築又は5トンを超える物件の設置 堆積です ( 同法 76 条 1 項本文 施行令 70 条 ) 4 換地処分は関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知してするものとされています ( 同法 103 条 1 項 ) 問 12 正解 1 ア 居住の用に供されなくなった日から3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日までに譲渡した場合には 特別控除を受けることができます ( 租税特別措置法 35 条 ) イ 居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は 居住用財産を譲渡した場合の 3,000 万円の特別控除を適用した後の長期譲渡所得について 重ねて適用されます ( 同法 31 条の3 35 条 ) ウ 居住用財産の特別控除は その者の配偶者及び直系血族に譲渡した場合には 生計を一にしているかどうかには関係なく 特例の適用対象から除外 6

されます ( 同法 35 条及び同法施行令 20 条の 3 23 条 ) ですので 正しいものはアの 1 つです 問 13 正解 4 宅地建物取引業の定義の問題です ( 業法 2 条 2 項 3 条 1 項 ) Aが行うのは自己所有の賃貸マンションについての入居者募集であり 自ら行う賃貸は宅地建物取引業に当たりませんので免許は不要です Bの行為は 区画割りして宅地の分譲を行うので 宅地建物取引業に該当しますので免許が必要です Cの行為は Dに一括して売却したので反覆継続性がなく 宅地建物取引業に該当しません Dは地方公共団体ですので ( 業法 78 条 1 項 ) C D 共に免許は不要です Eの行為は 宅地建物取引業者に代理を依頼したとしても自分が売主である以上は宅地建物取引業に該当しますから 免許が必要です 以上からBとEに免許が必要となりますので 正解は肢 4です 問 14 正解 4 1 宅建業に係る営業に関して 成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は 登録を受けることができません 宅建業の免許の場合とは異なり 法定代理人の欠格事由は関係ありません ( 業法 18 条 1 項 1 号 ) 未成年者が登録を受けることができるのは 法定代理人から営業を許可された場合 ( 民法 6 条 1 項 ) か 婚姻して成年者とみなされる場合です ( 民法 753 条 ) 2 登録を受けている者が破産した場合の届出については 本肢問題文の記述のとおりです ( 業法 21 条 2 号 ) なお 30 日以内 という期間は業者の破産と同じですが 取引士の登録を受けている者が破産した場合の届出義務者は 破産管財人ではなく本人となっていることに注意してください 3 登録をしている都道府県以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事している場合や これから従事しようとするという場合に 現に登録している知事経由で 登録の移転の申請をすることができます ( 業法 19 条の2) 登録の移転は任意であることにも注意しましょう 4 宅建業者が 2 週間以内に専任の取引士の設置要件に適合させるため 必要な措置をとらなければならないのは 既存の事務所等が専任の取引士の設 7

置要件に抵触することとなった場合の話です 新設する事務所等については 初めから専任の取引士の設置要件に適合したものでなければなりません ( 業法 31 条の3 第 3 項 ) 問 15 正解 2 1 宅地建物取引業者は 宅地建物取引業者との宅建業上の取引により生じた債権 について 営業保証金からその債権の弁済を受けることはできません ( 業法 27 条 1 項 ) ここは 平成 29 年 4 月 1 日施行の改正点です 2 設問の記述は 業法 28 条の規定による手続ですが その違反については業務停止処分 ( 業法 65 条 2 項 2 号 ) の対象にはなるものの 罰則規定はありません 3 認証は 営業保証金の還付の場合は要求されていません ( 業法 27 条 1 項 ) 弁済業務保証金の還付の場合は その認証は国土交通大臣又は都道府県知事が行うのではなく 保証協会が行います ( 業法 64 条の8 第 2 項 ) 4 宅地建物取引業者がその事業を開始することができるのは 営業保証金を供託した旨の届出をした後からになります ( 業法 25 条 5 項 ) 先に営業を始めてしまってはいけません 問 16 正解 3 ア 登記された権利の種類及び内容は登録事項となっていません ( 業法 34 条の2 第 5 項 ) これは 重要事項説明書に記載する事項です( 同法 35 条 1 項 ) イ 宅地建物の売買 交換の媒介 代理をする契約は 媒介 ( 代理 ) 契約書を作成しなければなりませんが 貸借の媒介 代理は媒介 ( 代理 ) 契約書の作成義務はありません ( 同法 34 条の2 第 1 項 34 条の3) ウ 登録した物件が成約したときは 指定流通機構へその旨を遅滞なく通知しなければなりませんが 取得者の氏名は通知事項ではありません ( 同法 34 条の2 第 7 項 ) エ 直接取引をした場合には 違約金を請求できます それはないよ! ということになってしまうと困るからですね ですので 誤っている肢はア イ ウの3つです 8

問 17 正解 4 1 宅地建物取引業者は 自ら売主となる売買契約において物件の引渡し前に手付金等を受領するときは 原則として 保全措置を講じなければなりません 例外として 受領しようとする手付金等の額が 完成物件については 代金の 10% 以下であり かつ 1,000 万円以下である必要十分条件を満たすときは 保全措置をとる必要はありません ( 業法 41 条の2) 1,000 万円を超えていれば 保全措置が要ります 2 業務に関する禁止事項としまして 業者の業務に関する禁止事項 ( 業法 47 条 ) のほか 業者と従業者の業務に関する禁止事項 ( 業法 47 条の2) が定められています 本問題肢は 47 条の2 第 2 項に該当しますが 業法 47 条と異なり直接罰則の適用はありません 3 業者は責任の有無を問わず瑕疵担保責任を負わなくてはなりません ( 民法 570 条 ) 本肢の内容は買主に不利となる特約ですので 無効となります ( 業法 40 条 ) 4 未完成物件の場合は 手付金等の額が 1,000 万円を超えるか 又は代金の5% を超えている場合には 手付金等の保全措置を講じなければなりません ( 業法 41 条 1 項 ) 肢 1と併せてよく見ておいてください 9

問 18 正解 1 ア Bにつきましては 免許を受けた国土交通大臣と 案内所等の所在地を管轄する甲県知事への 案内所等の届出 が必要です 売買契約の申込みを受ける案内所ですので 専任の取引士の設置を必要としますので ( 業法 31 条の3 第 1 項 業法施行規則 15 条の5の2) Bは各々への届出が必要となります なお 国土交通大臣への届出は分譲場所の所在地を管轄する甲都道府県知事を経由して行うことになっています ( 業法 50 条 2 項 78 条の3 第 2 項 ) Aについては 届出は不要です ( 業法 50 条 2 項 業法施行規則 15 条の5の 2 第 3 号 ) イ 案内所等につきましては Bに1 人以上の専任の取引士の設置義務があります ( 業法 31 条の3 第 1 項 業法施行規則 15 条の5の3) ウ ともに その事務所ごとに備えておく義務があるものです ( 業法 48 条 3 項 49 条 ) 案内所では備えておく必要はありません エ Bの案内所ですので AではなくBの標識を掲示しなければなりません 専任の取引士を設置すべき場所の標識には その取引士の氏名の表示も必要です ( 業法 50 条 1 項 業法施行規則 19 条 1 項 4 号 ) ですので 答えはアのみの1つです 問 19 正解 2 ア 本当にその物件が実在しても 売る気がないのに広告をすることは おとり広告に当たりますので 誇大広告の禁止に違反します ( 業法 32 条 ) イ 宅地の売買に関する広告をするときは 必ず取引態様の別を明示しなければなりません ( 業法 34 条 1 項 ) ウ 業務停止期間経過後に契約を締結するつもりの宅地であっても 停止期間中にその販売の広告をすることはできません エ インターネットを利用した広告でも 実際のものよりも著しく優良であると人に誤認されるような表示をした場合は 誇大広告の禁止の規制対象となります ( 業法 32 条 ) ですのて 誤っている肢は アとウの2つです 10

問 20 正解 1 1 引渡しの時期については 業法 37 条の書面 ( 契約書にあたるもの ) で必ず記載する事項です ( 業法 37 条 1 項 4 号 ) なお 重要事項説明書では記載不要です 2 所定の事項が契約書に記載されていれば その契約書をもって交付すべき書面に代えることができます 3 37 条書面は 売主 Dと買主 Eの双方に対して交付しなければなりません ( 業法 37 条 1 項 ) 4 37 条書面を交付したときは その内容を 宅地建物取引士に説明させる必要はありません 取引士の記名押印は必要です ( 業法 37 条 4 項 ) 問 21 正解 2 1 違反します 計算に先立ちまして まずは 建物の消費税分をはずしましょう すると 建物の価格は 108 万円 1.08 で 本体価格 100 万円になります そして 土地の価格 ( 土地には消費税は含まれないので ) と合計して 計算の基礎となる取引の総額は 400 万円です 報酬額算出の速算法で 400 万円 4%+2 万円 =18 万円がはじき出されますね そして 空き家の媒介の場合は 現地調査に要した費用に相当する金額を報酬に加えることができますが それでも全体の上限額は 18 万円 ( 税抜 ) 税込みでも 194,400 円になります Aは課税業者ですので 194,400 円が報酬額の上限となります 2 違反しません 居住用の物件ではないので 324 万円の権利金を 売買代金とみなして報酬額の計算ができます まずは消費税をはずしましょう 324 万円 1.08=300 万円ですね そうしますと 速算法で 300 万円 4%+2 万円 =14 万円という金額が出てまいります Aは課税業者なので 151,200 円が報酬額の上限となります 3 違反します 交換契約では 金額の高いほうを基にして 報酬額の計算ができます 乙所有の建物の金額である 4,320 万円を使いますが やはり 消費税をはずしますと 4,320 万円 1.08=4,000 万円になりますね 速算法で 4,000 万円 3%+6 万円で 126 万円の金額が出てきます Bは消費税の課税業者ですので 126 万円 1.08=136 万 800 円が上限になります よって Bの受領額 (140 万円 ) は違反となるわけです 4 違反します 居住用の建物の賃貸借契約の媒介であるので この場合の報酬の限度額は AB 合計で賃料 1か月分の額である 24 万円 ( 本体価格 ) になります 設問のようにABの合計額が 36 万円という金額になっていては 11

業法違反になってしまいます 問 22 正解 2 1 雇用主としての監督責任がある場合には 宅地建物取引業者にも罰則が適用されることがあります ( 業法 80 条 84 条 ) 2 宅地建物取引業者の所在が確知できない場合の手続きです ( 同法 67 条 1 項 ) 取り消すことができる( 任意 ) であることに注意してください 3 国土交通大臣は 全ての宅地建物取引士に対して 都道府県知事は その登録を受けている宅地建物取引士及び当該都道府県の区域内でその事務を行う宅地建物取引士に対して 宅地建物取引士の事務の適正な遂行を確保するため必要があると認めるときは その事務について必要な報告を求めることができます 取引士がこの報告義務に違反した場合は 50 万円以下の罰金に処せられます ( 業法 72 条 3 項 83 条 1 項 5 号 ) 宅建士としての過料( 行政罰 ) に処せられるのは 取引士証の提示義務違反の場合等です ( 同法 35 条 4 項 86 条 ) 4 監督処分のほかに 50 万円以下の罰金が科せられます ( 同法 65 条 2 項 2 号 83 条 1 項 2 号 ) 問 23 正解 2 1 記述のとおりです 2 平成 29 年の新設住宅着工戸数は 964,641 戸 ( 対前年比 0.3% 減 ) で 3 年ぶりの減少です そのうち 持家が 284,283 戸で 貸家が 419,397 戸です 問題文では 持家と貸家の戸数が逆になっています 3 記述のとおりです 4 記述のとおりです 問 24 正解 3 1 住宅金融支援機構法 13 条 1 項 1 号 2 号により 正しい記述です 2 同法 13 条 1 項 3 号により 正しい記述です 3 個人に対する住宅取得資金の直接融資は原則として行なっていません 12

( 同法 13 条 ) 4 同法 13 条 2 項 4 号により 機構は勤労者財産形成促進法第 10 条第 1 項の規定による貸付を行ないます 問 25 正解 1 1 コンクリートは圧縮力に強いが 引っ張りには弱く また 鉄筋は圧縮には弱く 引っ張りには強いという特徴を持っています この特徴を組み合わせて 構造体としての性能と強度を高めているのが鉄筋コンクリート造です 2 記述のとおりです 3 記述のとおりです 4 記述のとおりです 本試験問題 解説の無断複製 無断転載 配付等は禁止されております 中神エマ宅建士研究所 13