弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上

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G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

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平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

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1 3: 気候変動については 環境と経済成長との好循環を実現する好機として G7 が世界の脱炭素化を牽引することが重要であり 我が国としても脱炭素化に向けた骨太な長期戦略を創り上げていく 2: 資源循環については 先進事例の共有を国内外で進めることが重要であり 我が国としては世界循環経済フォーラム

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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

CONNEX Basic Principles


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問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

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の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

れまでの交渉経緯という一連のCOP/CMP 決定が採択された こQ1. 今年のカタール ドーハでの COP18 の焦点は何ですか? 今年のカタール ドーハでの COP18 では, 昨年の COP17 で合意されたダーバン合意を着実に前に進めることが重要であり,1 ダーバンプラットフォーム特別作業部会

これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

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目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

2019 年 G20 新潟農業大臣宣言 ( 仮訳 ) 序文 (1) 農業は 古の石器時代から現代の科学の時代にいたるまで 文明とともに発展してきた 今や我々は 我々の食料システムにとって 新たな課題と可能性の時代に突入している 増加する世界の人口に対し 食料安全保障を達成し栄養を改善するため 生産性

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制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

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どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

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平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

(2) 事業の具体的内容本事業は 次に示す 1~3 の内容について 経済産業省との協議の上 事業を実施する 1 インシデント対応等 企業等の組織内の情報の窃取やサービス運用妨害等を目的とするサイバー攻撃等のインシデントに関する対応依頼を受け付け 国内外の CSIRT 等と連携し 迅速かつ円滑な状況把

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

よる 誓約 への留意 ( パラ 139) 核兵器使用の影響は瞬時又は長期的な結末をもたらし, それが以前理解されていたよりもずっと深刻であることを確認 ( パラ 140) あらゆる核兵器の使用による壊滅的で非人道的な結末に関する深い懸念は, 核軍縮分野における努力を下支えし続けるべき鍵となる要因であ

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ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

とを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても 原子力施設の廃止措置やこれまで原子力発電の利用に伴い発生した放射性廃棄物の処分の取組に関するこれらの領域における政策課題に取組まなければならない (1) 福島第

知創の杜 2016 vol.10

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

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新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地


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2008年6月XX日

(3)IAEAにおける安全基準作り等ア.IAEAでは IAEA 憲章に基づき 原子力施設 放射線防護 放射性廃棄物の管理及び放射性物質の輸送等に係るIAEA 安全基準文書 (IAEA Safety Standards Series) を作成し 加盟国における国際的に調和の取れた安全基準類の導入を支援

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

Transcription:

G7 エネルギー大臣会合共同声明 ( 仮訳 ) グローバル成長を支えるエネルギー安全保障のための北九州イニシアティブ 我々 カナダ フランス ドイツ イタリア 日本 英国及び米国のエネルギー大臣 欧州委員会気候変動対策 エネルギー担当委員は 足元の不安定なエネルギー価格と COP21 におけるパリ協定を背景に 2016 年 5 月 1-2 日 北九州市に集い 2015 年のハンブルク会合以降の進展について議論した 我々は 2016 年 5 月 26-27 日の G7 伊勢志摩サミットに向け 首脳の検討のため 以下の共同声明を発出する 1. 我々は エネルギー安全保障のためのローマ イニシアティブ及び持続可能なエネルギー安全保障のためのハンブルク イニシアティブにおいて定められた原則及び行動への確約を再確認する これらの原則は G7 諸国による共同エネルギー安全保障の基礎を成す 2. 我々は 先日 熊本県及び大分県で発生した地震の犠牲者に哀悼の意を捧げるとともに 被災した人々に対し連帯の意を表明する 我々は 電力 ガス 石油を含むエネルギー システムにおいて 自然災害に対する強靱化に取り組み 災害時にはシステムの素早い復旧を行うための緊急時対応を行うことが エネルギー安全保障の強化にとって 極めて重要であることを確認する 3. 我々は 大臣会合に先立ち 子供たちの未来のエネルギーを考える女性会議 及び ユースエネルギーサミット への支援等を含む 女性及び子供のエネルギー面の課題に関する議論への参加を促す北九州市による取組を留意する 4. 我々は エネルギーが 世界の経済成長において重要な役割を果たすことを認識する 質の高いインフラ 再生可能エネルギー及びその他の低炭素技術の革新 省エネを含む エネルギー分野への投資は 二酸化炭素排出から経済成長を切り離しつつ 経済構築の助力となる 特に 最近のエネルギーの価格水準と不安定性を踏まえれば 安定的かつ持続的なエネルギー供給に対する継続的な投資は 将来の世界経済成長に対するリスクを緩和するために不可欠である 5. 我々は 世界のエネルギー安全保障の強化において 継続的に主導的な役割を果たすことを確約する エネルギー安定供給 経済効率性 環境への適合及び安全性 (3E+S) という多重的な要請に応えることは 生産国 消費国 先進国 新興国を問わず 全ての国にとって継続的な挑戦である 十分に機能する透明な市場 エネルギー資源や供給源及び供給ルートの多様性 省エネルギーの拡大並びにエネルギー システムの強靱化 これら全てが エネルギー安全保障の強化のために必要である 継続中のロシア及びウクライナ間の危機に関し 我々は エネルギーが政治的威圧の手段や安全保障への脅威として使われるべきでないことを繰り返し強調する 我々は ウクライナ及びエネルギー供給途絶において脆 1

弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上昇を 1.5 までの上昇に留める努力を追求していくことを含むパリ協定を採択したことを歓迎する 我々は 締約国 特に主要排出国に対し 可能な限り早期にパリ協定を批准 あるいは参加し 速やかな発効を可能にするよう促す 我々は エネルギー システムが その履行のために重要な役割を果たすことを認識する 我々は パリ協定を履行するとともに 世界経済の脱炭素化を可能とするエネルギー システムへの移行に向けての取組を加速することを決意する 我々は 炭素市場ベースの手法や規制手法等を含む効果的な政策および行動を通じて 低炭素成長に向けた投資促進の重要性を留意する 我々は 持続的経済成長と温室効果ガスの相当な排出削減を共に可能とするエネルギー システムを構築するための戦略的な手法を策定し 実施することを確約する 我々はまた クリーン エネルギー技術の普及と革新的技術の研究開発促進が我々の未来にとって極めて重要であることを確認する I. 世界の成長を支えるエネルギー投資 7. 現在のエネルギー価格水準と不安定性は 投資を減退させ エネルギー市場と世界経済の不確実性を拡大させている エネルギー効率向上及びクリーン エネルギー技術の普及は 経済成長及び温室効果ガスの排出削減を同時に達成する上で極めて重要である 我々は クリーン エネルギー並びにあらゆる分野におけるエネルギー効率の高い製品 設備及び建物を奨励するためには 革新的技術を支援するための投資が重要であることを確認する 8. 我々は 世界経済の成長を下支えする長期的かつ持続的なエネルギー供給を確保するため 官民による継続的な上流投資が重要であることを強調する 質の高いエネルギー インフラ投資を通じたエネルギー インフラ需給ギャップの解消は 強くバランスのとれた成長に寄与する 従って 我々は 国際開発金融機関 (MDBs) を含む世界中の利害関係者に対し 質の高いインフラへの投資促進を奨励する II. エネルギー安全保障 天然ガスの安全保障 9. 天然ガス市場の拡大する役割とグローバル化は パイプライン及び液化天然ガス (LNG) の双方について 新たな機会と挑戦をもたらす 我々は 日本の LNG 市場戦略 EU の LNG 及びガス貯蔵戦略 及び北米等からの LNG 輸出を歓迎する ガス供給の安全保障強化のためには よく機能し 強靱で 相互連結性があり 市場で価格形成がなされる より透明で柔軟で流動性のある天然ガス市場が必要 2

である LNG 契約における仕向地条項の緩和 LNG 需給を反映した価格指標に向けた市場発展の促進及び関係者間の継続的な対話が これを達成する上で極めて重要である 我々は LNG サプライチェーンを 世界レベルで 包括的かつ定量的かつ信頼できるデータを用いて更に戦略的に考察するとともに ガス市場の強靱性を十分に理解するよう取り組む 10. 適切な法的枠組みとともに 開放的で強靱なガス インフラを拡大することは 透明で 統合化され 自由化されたガス市場にとって不可欠である 関連する費用と便益を分析しつつ 上流投資を円滑化し 頑健で 信頼でき 安定的な 十分なサプライチェーンを確保することは 将来の安定供給の確保及びエネルギー多様化の加速にとって有益である 我々は エネルギー インフラ プロジェクトにかかるリスク緩和にとって有益な全ての政策オプションを検討する準備ができている 11. 我々は 運輸部門を含め より炭素排出の少ない化石燃料である天然ガスの新技術の発展及び用途の拡大を支持する 我々は メタンが温室効果ガスとして高い効果を持つことに鑑み 天然ガスの全ての生産 処理 流通 及び利用が メタン排出を最小化する形で行われることを強調する シェールガス及びその他の非在来型ガスを開発する国においては 適切な規制及び環境枠組みに沿って開発されるべきである サイバーセキュリティ 12. サイバーセキュリティは エネルギーの供給確保を保証する上で重要な要素となっている エネルギー ネットワークがよりデジタル化し分散化したシステムに転換する中 新たなサイバーの脅威が増している 我々は 2015 年 11 月にベルリンで 2016 年 3 月に東京で開催された G7 エネルギー サイバーセキュリティ ワークショップの成功を歓迎する 我々は 新たなサイバーの脅威に効果的に対応し 重要な機能を維持するため 電力 ガス及び石油を含み 強靱なエネルギー システムを促進することを確約する 電力安定供給 13. 電力安定供給は エネルギー安全保障にとってますます重要な位置づけとなっている 電力は 最速で成長するエネルギー形態であり 世界経済の脱炭素化を達成するためには 急速で斬新な転換が必要である 我々は ドイツが開催した電力安定供給強化に関する専門家のワークショップを歓迎する 我々はまた 電力安定供給に関する国際エネルギー機関 (IEA) の報告書及び IEA が国際再生可能エネルギー機関 (IRENA) との協力により作成した 後悔のない選択肢を含む 様々な再生可能エネルギー源の電力系統への統合に関する報告書を歓迎する 14. 電力市場の多様な特性を認識しつつ 電力安定供給を高めるため 我々は より 3

良い電力市場のデザイン及び適切な規制枠組みの必要性を強調する これらの枠組みは競争を生み 水力発電を含む再生可能エネルギー及びその他低炭素発電への投資を促進し デマンド レスポンスを含み 変動性のある再生可能エネルギーを取り込む 長期及び短期のシステムの信頼性及び柔軟性を提供し より深い地域市場統合を助けるはずである この過程は 信頼性基準の設定 系統能力を計画し 容量メカニズムを設計するにあたってのより良い連携により 促進される ウクライナ支援 15. 我々は ウクライナにおいて ガス及び電力セクターの市場及び料金システム改革 並びに エネルギー源及びルートの多様化を含む エネルギー政策の重要な改革が進行中であることを歓迎する 特に 我々は ウクライナによる 住宅用ガスをベースとする熱分野を対象として 包括的な省エネプログラムに向けて必要な枠組み条件を設定するとの 最近の発表を歓迎する 我々はまた エネルギー分野の透明性向上のため ウクライナによる採取産業透明性イニシアティブの実施を歓迎する グローバル エネルギー ガバナンス 16. 我々は 国際的なエネルギー展望において新興国の重要性が拡大していることを支持する 我々は IEA 及び新興国の間の より深く幅広い協力に向けた長期的なプロセスの重要な一歩となる アソシエーション イニシアティブ を含む IEA による関係強化の強化を支持する 我々はまた 非加盟国との更なる関係強化を通じて 石油安定供給システムを含め エネルギー安全保障を強化するとの IEA の努力を歓迎する 新興国が世界のエネルギー安全保障の強化に関与するよう G7 諸国は 国レベルまたは地域レベルでの努力を継続する III. 持続可能なエネルギー エネルギー技術の革新 普及 17. 我々は 再生可能エネルギーを含むクリーン エネルギーに関し 喫緊に必要な技術の発展を加速し 世界の持続可能なエネルギー転換を達成するためには エネルギー技術革新 研究開発及び普及における協力を強化するとの意思を確認する 我々は リマ パリ行動計画の下で立ち上げられた国際的なイニシアティブを歓迎する 18. 広く普及したクリーン エネルギーの技術革新を加速することは 我々が共有する気候変動への効果的かつ長期的な国際対応のために必須であり 経済的で信頼できるエネルギーを全てに対し提供し 経済成長を促進させるためにも必要であ 4

り かつ エネルギー安全保障にとっても極めて重要であることを認識し 我々は パリの COP21 で始動した ミッション イノベーション (MI) に対する我々の強い支持を再確認する 19. 我々は 社会的容認を考慮しつつ クリーン エネルギー技術を普及することの重要性を認識する 2008 年の G8 北海道洞爺湖サミットで開始し その後 21 のロードマップ策定に至った IEA エネルギー技術ロードマップ 第 1 弾の実質的成果を基礎に 我々は 実行可能で影響力の高い技術に注力する IEA 技術ロードマップ第 2 弾の開始を歓迎するとともに IEA に対し その進捗を報告するよう求める 我々は 炭素回収 利用および貯留 (CCUS) を実施する国に対し 大規模実証プロジェクトにさらに取り組むよう求める 省エネルギーの促進 20. 我々は エネルギー効率の向上が経済の脱炭素化を進め エネルギー安全保障を強化し 経済成長を発展させる鍵であり 第 1 の燃料 として見なされるべきであることを確認する 我々は 省エネを更に促進する努力の強化を目指すとともに 他国に対しても後に続くよう要請する 21. 我々は エネルギー効率と資源効率の 強い相互関係性及び同時に改善することの重要性を強調する 原子力安全 ~ 福島の経験から 22. 国際原子力機関 (IAEA) が福島第一原子力発電所の過去 5 年に亘る状況の改善について報告したことに留意し 我々は 同発電所の廃炉 汚染水対策が着実に進展していることを歓迎する 我々は 福島の状況に関する正確な国際的理解を高めるため 日本が継続的に放射能汚染及び空間線量を調査し 科学に基づく情報を発信していること また 同国が国際社会と緊密にコミュニケーションしつつオープンかつ透明な形で進めるよう努力していることを歓迎する 23. 原子力の利用を選択する国において 原子力は 将来的な温室効果ガスの削減に対し重要な貢献をするとともに ベースロード電源として機能する また このような国においては 原子力政策に対する社会的理解を高めるために 科学的知見に基づく対話と透明性の向上が極めて重要である 24. 我々は 世界中で 高いレベルの原子力安全 核セキュリティ及び核不拡散を達成し 維持することが極めて重要であることを再確認する いかなる国においても 原子力安全について自己満足に浸る根拠はない この観点から G7 原子力安全作業部会の報告書及び継続的な取組を歓迎し また IAEA OECD 原子力機関 (NEA) 及び世界原子力発電事業者協会 (WANO) 等の国際機関を通じて相互協力と情報共有が行われることを歓迎する また 同様の観点から 我々は 世界のあらゆる国々において 社会に対して安全対策に関する情報提供を行いつつ 産業界及び 5

規制当局の間での建設的で透明な対話がなされることへの決意を確認する 我々は 世界の成長を支えるエネルギー安全保障を強化するため ローマ及びハンブルクにおいて合意された原則及び行動に加え 以下の共同行動をとることに合意する 25. 我々は 世界の成長を下支えするため 関係する利害関係者との緊密な協力の下 クリーン エネルギー技術を奨励するための革新的な投資 上流投資 サプライチェーンへの質の高いインフラ投資を含めた 安定的で持続可能なエネルギーに向けた投資を促進していく指導的役割を担う 我々の経済におけるエネルギー関連の雇用の重要性に鑑み エネルギー部門全体での雇用に関連する問題の議論に取り組む 26. 我々は ガス市場の機能及び強靱性を向上させる努力を継続する 我々は ガスの緊急時対応に関する知見と方法を共有する 我々は IEA に対し 世界の天然ガス需給のデータ及び予測の改善 強靭性に関するアセスメントの実施 及び新たなガス市場定期レポートの刊行を含む 天然ガスの安全保障に関する強化された取組の報告を求める 我々は 2016 年 11 月に東京で開催される LNG 産消会議等 既存の場を活用し 天然ガス市場の安全保障に関する緊密な協力を継続する 27. 我々は エネルギー分野のサイバーセキュリティに関して サイバーの脅威に関する情報と知見の共有を円滑化し このような脅威への対応をとるため 各国のコンピューター緊急時対応チーム (CERT) を含む専門家間の 地域及び分野を超えた連携を円滑化し また 新たなサイバー関連の強化ツール及び技術の研究開発に関する継続的な対話を支持する 我々は 共通の要素及びベスト プラクティスを特定するため エネルギー安全保障政策の観点から G7 各国のエネルギー分野のサイバーセキュリティ対策の調査を行う 28. 我々は 電力システムの脆弱性評価へ追加的に取り組む 我々は IEA 及び IRENA に本評価に関する各自の取組を更に進めるとともに 更なる助言を提供するよう求める 29. 我々は 独立のエネルギー規制当局を構築するための法案の採択を含めたエネルギー部門の野心的な改革 及び競争力と透明性のあるエネルギー市場を構築するための個別の法案を成立させるよう ウクライナに対し強く促す また ウクライナの国営ガス配送システム事業者及び関連事業者の間の協力強化を要請する 我々は G7 エネルギー分野のウクライナ支援に関するレポートを承認する 我々は エネルギー改革 強靱性に係る計画 国内生産量の増強を含む必要なガス供給の確保 省エネルギー政策及び技術の普及拡大のためのロードマップに関し ウクライナとの緊密な協議を継続する 30. 我々は 他のミッション イノベーションのメンバーと協働し 必要に応じ 共同研究や情報共有をしつつ クリーン エネルギー技術革新に対する政府投資の増大 民間部門との連携 高度な技術や経験の普及を通じて ミッション イノベーションにおいて主導的な役割を果たすことを目指す 6

31. 我々は 革新的なクリーン エネルギー技術開発を促進するため 関連する研究所及び研究機関が協力していくことを奨励する 32. 我々は 無駄な消費を助長する非効率な化石燃料補助金の段階的廃止に引き続き専念するとともに 全ての国に対し 2025 年を期限に同様の取組を奨励する 33. 我々は 省エネに関して野心的に取組を継続するとともに 省エネ関連の取組に関する国際協力及びあらゆるセクターにおけるエネルギー生産性を向上させることを支持する この観点から 我々は ハンブルクにおける G7 エネルギー大臣の要請に基づき IEA が国際省エネルギー協力パートナーシップ (IPEEC) と緊密に協力して取り組んだ 省エネ関連の作業の進捗を歓迎する 我々は IEA に対し エネルギー効率を改善するための市場ベースの手法やその他の選択肢に関する継続的な作業を進め 報告するよう求める 34. 我々は 原子力の利用を選択する全ての国に対し 独立した効果的な規制当局を含め 安全性 核セキュリティ及び核不拡散において最高レベルの水準を確保し その専門的な知見や経験を共有することを求める 我々はまた 全ての原発輸出国に対し 全ての関連する原子炉の設計や安全性に関する情報を 国際的な輸出管理レジームと整合する形で 透明性をもって共有することを求める 我々は 原発の輸出国及び導入国の双方に対し 安全性に関するピアレビューを受入れ その結果を共有し 勧告を履行することを促す ( 了 ) 7