いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較する

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参考資料 1 中間貯蔵施設の安全確保について 1. 安全確保対策の基本的な考え方 中間貯蔵施設については 万全な安全確保対策を講じ 放射性物質の影響 地震や津波といった災害発生リスクを勘案することとします そのためには まずは 施設の構造上の対策や建設から運営までの過程の中での対策について 中間貯蔵

森林の放射性セシウム分布の現状と今後の見通し 国立研究開発法人森林研究 整備機構 森林総合研究所三浦覚 平成 30 年 11 月 17 日平成 30 年度 福島の森林 林業再生に向けたシンポジウム 1 本日の内容 放射性セシウム分布の現状 1) 7 年間の推移と現状 2) 木材の汚染 3) 野生の山

降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

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タイトル

第 1. 基本的事項 1. 都道府県の森林整備及び林業 木材産業の現状と課題 1 森林整備の現状と課題本県の人工林面積の主な樹種別の構成割合は スギ 71% アテ 12% マツ 9% である 齢級構成は 10~11 齢級をピークとした偏った構成となっており 保育や間伐を必要とする 9 齢級以下のもの

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資料 1-4 廃棄物対策に関わる対応状況について 資料 福島第一原子力発電所固体廃棄物の保管管理計画 ~2018 年度改訂について~ 2018 年 8 月 23 日 東京電力ホールディングス株式会社

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東京電力が取り組む福島復興推進策


平成 30 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

項目別目次 森林被害編 1 森林において土砂崩れが発生してお困りの方 1 2 所有林の立木が被災されている方へ 2 3 保安林内の木が倒れてお困りの方へ 3 林道 作業道被害編 4 林道が崩壊等により通行ができない方へ 4 5 所有林の作業道が被災されている方へ 5 施設被害編 6 木材加工流通施設

長野県林総セ研報第 25 号 (211) 表 -1 と調査工程一覧 樹種 面積調査工程 (ha) 伐倒木寄集材造材集搬 佐久穂 カラマツ 富士見 カラマツ 28.4 伊那 アカマツ 1.25 天龍 スギ 1.25 開田 カラマツ 塩尻 カラマツ 5.53 白馬 1 スギ 6.

平成31年度予算概算決定額 森林整備事業 治山事業 林野公共事業 (平成30年度1次補正予算額5,199百万円 182, ,049 百万円 平成30年度第2次補正予算額 32,528百万円) 臨時 特別の措置 として31年度概算決定額44,128百万円を別途措置 対策のポイント 林業の成

原子力損害賠償の進捗状況について < 原子力損害賠償のご請求 お支払い等実績 > ご請求について 個人 年 7 月 13 日現在 法人 個人事業主など ご請求書受付件数 ( 延べ件数 ) 約 2,375,000 件約 481,000 件 本賠償の状況について 本賠償の件数 ( 延べ件数

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に設定した * このうち 緊急時避 難準備区域 については 同 9 月 日 に指定が解除された * ( 図 Ⅰ-) これらの区域に居住していた住民は 警戒区域 で約 万人 計画的避難 区域 で約 1 万人 緊急時避難準備区 域 で約 万人の合計約 万人にのぼ り * 避難指示等に伴い 多くの住民 が

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(11) 主要機器 計測及びデータ作成に使用した機器は下表のとおりである 表 Ⅱ-5-(11)-1 主要機器一覧 作業工程 名称 数量 計測 撮影用固定翼機レーザ測距装置 GPS/IMU 装置 セスナ社製 208 型 LeicaGeosystems 社 ALS70 LeicaGeosystems 社

福島県相馬市における 除染事例

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

平成29年7月九州北部豪雨の概要 7月5日から6日にかけて 停滞した梅雨前線に暖かく 湿った空気が流れ込んだ影響等により 線状降水帯 が形成 維持され 同じ場所に猛烈な雨を継続して 降らせたことから 九州北部地方で記録的な大雨と なった 朝倉では 降り始めから10数時間のうちに500ミリを 超える豪

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別紙 福島復興風力株式会社 ( 仮称 ) 阿武隈風力発電事業環境影響評価 準備書 に対する勧告について 1. 総論事業実施に当たっては 以下の取組を行うこと (1) 関係機関等との連携及び住民への説明対象事業実施区域の周辺には 東京電力福島第一原子力発電所の事故により避難していた住民の帰還が進むなど

目 的 GM計数管式 サーベイメータ 汚染の検出 線量率 参考 程度 β線を効率よく検出し 汚染の検出に適している 電離箱型 サーベイメータ ガンマ線 空間線量率 最も正確であるが シン チレーション式ほど低い 線量率は計れない NaI Tl シンチレー ション式サーベイメータ ガンマ線 空間線量率

植栽については ヘクタール当たりの植栽本数を標準的な 本から 本や 本に減らす低密度植栽が各地で試行されている 低密度植栽は 苗木や植栽の費用の削減だけでなく 下刈の省力化や保育間伐の省略等 全般的な費用の縮減につながることが見込まれるが 植栽木の生存率や成長 材質への影響等の実績をみながら 取組を

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目次 1 1. はじめに 2. フクシマエコテッククリーンセンターの概要 (1) 施設概要 (2) 遮水工 3. 埋立処分計画 (1) 埋立対象廃棄物 (2) 埋立処分期間 搬入方法 (3) 埋立方法 (4) 安全評価 4. 維持管理 モニタリング (1) 施設の点検 モニタリング (2) 環境省の

1-1 林地台帳の記載事項 1 林地台帳には 法改正案に規定されているものに加え 市町村の行政事務の円滑化や の施業集約化の効率化に資する情報を記載 ( 省令 通知で規定 ) 追加的な情報としては 経営計画の認定状況 保安林等法指定状況等を想定 ( これらはすでに市町村や 都道府県が有している情報

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4 チップ化試験結果チップ化試験の結果から販売に向けた 次の 2 つのポイントが明らかになりました 1 現場の数量調査と利用方法が違うため端材と末木枝条は分別した方が良い 2 端材と末木枝条の搬出のために 作業路を修理することはできないので 搬出しやすい箇所に まとめておくことが重要である この結果

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開通見通し等に関する総理及び国土交通大臣発言について 3 月 10 日 ( 火 ) 総理会見発言 ( 抜粋 ) 機密性 2 資料 1 JR 常磐線については 浪江 富岡間も含めて 将来的に 全線で運転を再開させる その方針を決定いたしました 今後 順次 開通を目指してまいります 3 月 10 日 (

再造林 育林の低コスト化に関する指針 育林の低コスト化に関する指針平成 27 年 3 月高知県林業振興 環境部 1 指針の目的平成 24 年 9 月に策定した 皆伐と更新の指針 では 伐採時期を迎えた人工林を皆伐した後 再造林の適地と判断される伐採跡地では 森林資源の持続的な利用を図るうえでも再造林

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整理番号 10 便益集計表 ( 森林整備事業 ) 事業名 : 森林居住環境整備事業 都道府県名 : 奈良県 地域 ( 地区 ) 名 : 上北山村地区 ( 単位 : 千円 ) 大区分 中区分 評価額 備考 木材生産等便益 森林整備経費縮減等便益 災害等軽減便益 木材生産等経費縮減便益木材利用増進便益木

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3 再生資材等の利用 (1) 再生骨材等の利用工事現場から 40km の範囲内に再資源化施設がある場合は 工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで 原則として 再生骨材を利用する (2) 再生加熱アスファルト混合物の利用工事現場から 40km 及び運搬時間 1.5 時間の範囲内に再生加熱アスファ

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1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

Transcription:

森林管理署長等が語る! 皆様 初めまして 森林放射性物質汚染対策センター所長の橋本と申します 当センターは 東京電力福島第一原子力発電所事故を受け 国有林における放射性物質汚染対策を円滑に実施するため 関東森林管理局の組織として平成 24 年 4 月に設置されました 主な業務は 1 国有林内の除染事業 2 国有林における環境放射線モニタリング調査事業 3 旧避難指示区域における林業再生のための実証事業 です 事務所は 福島市 ( 福島森林管理署内 ) といわき市 ( 磐城森林管理署内 ) の二箇所にあります 1 国有林内の除染事業この除染事業の対象は 放射性物質汚染対処特別措置法に基づき汚染状況重点調査地域の指定を受けた市町村において策定された除染実施計画に含まれる国有林です 宅地等を除染する際に 隣接する国有林の除染を併せて行い 森林 ( 国有林 ) から宅地等へ与える放射線の影響を低減させるというものです これまでに 29ha( 東京ドーム約 6 個分 ) の除染を実施しました 環境省の発表によると 除染実施計画に定める除染等の措置は 平成 30 年 3 月 19 日に完了し 今後は 事後モニタリングの結果等により必要な場合にフォローアップ除染を実施します また 国が除染を行う除染特別地域については 住民の早期帰還を目指し 環境省が主体となって帰還困難区域における除染に取り組んでいます 除染実施前除染作業中除染実施後 2 国有林における環境放射線モニタリング調査事業避難指示が解除された後の森林施業の再開を検討するのに必要となる基礎的な情報や知見を得るため 旧緊急時避難準備区域 避難指示解除準備区域 旧避難指示解除準備区域内の国有林を調査対象として 環境放射線量 ( 空間線量率 ) や立木 土壌の放射性物質 (Cs1 34 Cs137) 濃度についてのモニタリング調査を平成 26 年度から実施しています 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は約 2000 箇所 立木 土壌の放射性物質濃度は9 市町村にお - 1 -

いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較すると 森林内の空間線量率は 物理学的減衰よりもやや速い速度で低下している状況が見て取れます 今後 物理学的減衰に従って低減した場合 原発事故から10 年後 ( 平成 33 年 ) には 帰還困難区域に接する一部地域を除き 大半の区域が1.00μSv/h 未満となり 特に0.50μSv/h 以下の区域が増加すると予測されます 平成 26 年 11 月 1 日時点平成 29 年 11 月 1 日時点平成 33 年 11 月 1 日時点 ( 予測 ) 立木の放射性物質濃度調査は 前述した18 箇所において 箇所ごとに特定の1 本の樹木の樹皮の放射性物質濃度を毎年度継続して計測するとともに 毎年度 その木に隣立している樹木の中から1 本を抽出して伐倒し 葉や枝 樹皮 辺材 心材の放射性物質濃度を計測するものです 調査の結果 樹木の部位のうち放射性物質濃度が最も高いのは樹皮であることが分かり その濃度は 帰還困難区域に隣接する調査箇所を除き 指定廃棄物となる基準 (8000Bq/k g 超 ) を大幅に下回っています また 土壌の放射性物質濃度調査は 立木調査箇所付近の土壌を採取して調査するものです 土壌における放射性物質蓄積量の約 95% が堆積有機物層 ( 落葉層 腐葉層 腐植層 ) から土壌表層の深さ10cmよりも浅い部分に分布していることが明らかとなっています 伐採して詳しく調査 - 2 - 土壌を詳しく調査

3 旧避難指示区域における林業再生のための実証事業この事業は 避難指示が解除された後の森林施業の具体的な実施方法等について知見を得ることを目的として 空間線量などの事前調査手法の検証 放射性物質拡散防止対策の検証 作業従事者の被ばく低減対策の検証 伐採木の流通販売 などを行うものです 空間線量などの事前調査手法の検証 間伐等を実施するにあたっては あらかじめ対象となる林分の林況 地形等を把握する必要がありますが 現地を何度も踏査すればするほど 作業従事者が被ばくする線量も増えることになります そこで 林野庁が航空レーザ計測の成果を基に開発した森林情報活用システムやドローン等を活用することにより 人による踏査の回数を減らしつつ 状況を正確に把握することが可能であることを実証しています また 現地の空間線量率を計測し ホットスポットの存在等を把握することは作業従事者の被ばく低減の観点から重要ですが 空間線量率を把握するため くまなく現地を計測して廻ることで その従事者の被ばく線量が多くなっては本末転倒ですので いかに少ない測点数で現地の空間線量率を測れるかが肝になります 現地を30m 30mのメッシュで区切りその中心点で測定する手法と 精度が高いとされる歩行サーベイ (10 秒間隔で測定する機器を人が背負い 区域内をくまなく歩く手法 ) を比較したところ 30mメッシュを用いた手法は測点数が大幅に少ないにもかかわらず 歩行サーベイと遜色ない測定結果が得られ その有効性が確認されています 放射性物質拡散防止対策の検証 森林内の放射性物質の大半が堆積有機物層及び土壌表層に分布していることから 森林施業に伴う表土や堆積有機物の流出 拡散を防ぐ必要があります そこで 土壌表層等の流出等に有効性があるとされる以下のような工法の実証調査を行っています 丸太筋工 ( 斜面からの土砂等の流出を防止 ) 森林作業道被覆工 ( 木材チップ ) ( 重機走行による表層の露出 攪乱を抑制 ) ふとん籠工 ( 渓流への土砂流出を防止 ) 写真にあるようなウォーターサンプラ等を用いて確認した結果 上記のような放射性 物質拡散防止対策により土砂流出はほとんど見られないことが確認されています - 3 -

自動ウォーターサンプラ ( 渓流水の濁度及び放射性物質濃度を測定 ) 土砂受け箱 ( 斜面の土砂等の移動量を計測 ) 作業従事者の被ばく低減対策の検証 外部被ばくの低減三原則は 距離 ( 放射線源との距離をとる ) 遮へい ( 放射線源との間に遮蔽物を設ける ) 時間 ( 作業時間を短くする ) とされています 森林施業に当たり 高性能林業機械等を用いることで 搭乗位置が高いことによる地面等からの距離の確保 機械のキャビンや下回り等の鋼鉄による遮蔽 作業時間の短縮が図られ 外部被ばくの低減三原則に沿った作業が可能となります そこで 高性能林業機械等を活用した伐倒 造材作業 集材 運材作業 森林作業道 土場の作設作業等を通して作業従事者の被ばく線量等の測定を行い 被ばく低減対策の効果を検証しています ハーベスタによる伐採グラップルによる木寄せ 集材フォワーダによる運材 また 森林作業道及び土場を作設する際に 表土と心土の入れ替え ( 天地返し ) を行い 更に木質チップの散布や敷鉄板の敷設を行うことにより 空間線量率が大幅に低減され ることが確認されています 森林作業道の作設 ( 天地返しと木質チップ散布により空間線量が低減 ) 土場の作設 ( 天地返しと敷鉄板敷設により空間線量が低減 ) - 4 -

伐採木の流通販売 昨年度は 実証事業による伐採木の販売を行いました 林内における立木の状態と伐出後の丸太の状態で それぞれ放射線の表面計数率の計測と 樹皮採取による検査機関での放射性物質濃度の測定を行い 福島県民有林の伐採木の搬出に関する指針 に定められている樹皮の放射性物質濃度基準値を下回っていることを確認した上で 市場に出荷しました 市場に設置されている全木検査機で放射線の表面計数率を測定する検査を経て 公売により製材業者等の方々に購入していただきました 立木状態で表面計数率を測定市場での全木検査機による検査落札された材 以上 当センターの業務について駆け足で説明させていただきました 放射線に関する用語で ご不明な点がございましたら 放射性物質等について解説した冊子を農林水産省のホームページに掲載していますので ご覧いただけると幸いです * 農林水産省ホームページ > 組織 政策 > 基本政策 > 東日本大震災に関する情報 > 消費 安全 > 放射性物質の基礎知識 http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/kiso_chishiki.html 福島は今 復興 創生の新たなステージを迎えています 当センターも 福島の森林 林業の復興 創生に貢献すべく 職員一同 全力で取り組 んでまいります 皆様の御理解 御支援のほど よろしくお願い申し上げます - 5 -