グループ名

Similar documents
貝類多様性研究所/泡瀬干潟を守る連絡会

<4D F736F F D20819A E968CE392B28DB85F E862E646F6378>

第 1 章環境監視調査の項目及び調査の手法 1.1 調査項目及び調査時期 平成 28 年度に実施した事後調査の調査項目及び調査時期を表 に 調査 工程を表 に示します だみ 大気質 表 平成 28 年度に実施した環境監視調査の調査項目

Microsoft Word - H27事後調査_第5章160815

Microsoft Word - H28事後調査_第5章170622

<88DA DA927A8E77906A81698A C5816A2E786477>

図 Ⅳ-1 コマドリ調査ルート 100m 100m 100m コマドリ調査ルート 図 Ⅳ-2 スズタケ調査メッシュ設定イメージ 17

別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

Microsoft PowerPoint - 代理店向け資料.ppt


「個性がいきる人・まち・くらし」助成 2002年度・003年度事業助成

宅地造成費の金額表

h27_List of activity menus

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

ンゴ類及びその他底生生物 ) の生息状況を観察した ジグザグに設置したトランセクト ( 交差することのないよう, かつ, 隣り合う調査線の視野末端が重複するように配置された調査線 ) に沿って ROV を航走させ トランセクト上に宝石サンゴがあった場合は 位置 種 サイズ等を記録した 同時に海底の操

資料 1 ボーリング調査 ( 浮標設置 ) に伴う サンゴ類への影響について 平成 27 年 4 月 9 日 沖縄防衛局

慶良間諸島国立公園の新規指定に関する パブリックコメントの実施結果 番号 ご意見の概要 件数 対応方針 1 国立公園指定について評価する 4 2 指定書の指定理由には 本公園の最も特徴的で価値のあるのは海中の景観であることを追記して欲しい また 指定書の指定理由には 海中景観にとどまらず わが国のす

第 8 章事後調査当該事業の環境影響評価に係る選定項目としたもののうち 予測の不確実性の程度が大きい場合 効果に係る知見が不十分な環境保全措置を講じる場合等において 環境への影響の重大性に応じ 工事中及び供用後の環境の状態を把握するための調査 ( 以下 事後調査 という ) を行います また 事後調

<4D F736F F D AE8A4F8D4C8D9095A CC8A FF38BB52E646F63>

Microsoft Word - 宅地造成・区画形質変更の手引

漂流・漂着ゴミに係る国内削減方策モデル調査地域検討会

<4D F736F F D E E9197BF30395F E82CC A97F B28DB88C8B89CA8A E646F6378>

(3) 土砂災害土砂災害の想定は 急傾斜地崩壊危険箇所 地すべり危険箇所 山腹崩壊危険地区のうち 保全人家 ( 公共施設を含む ) を有し かつ 対策工事の実施されていない箇所などを対象に 各危険箇所などの耐震ランクと震度から危険度ランク (A B C) を判定した ここでいう危険度は 相対的なラン

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

着床具を用いたサンゴ移植技術の評価

活動状況調査

Microsoft Word - 資料2-2

目次.Edu Track のログイン.Edu Track のポータル画面説明 3. 学修を始める ( 講義室に入る ) 4 4. テキスト履修科目 スクーリング ( ブレンディッド含む ) で使用する機能 5 学習する 5 お知らせ 6 掲示板 ( 公開 ) 6 課題 8 ディスカッション ( 公開

2011年度事業報告書流し込み用-外部1

% % % % %

(b) 流れ及び波浪の状況 a) 波浪 ( 波向 波高 ) ( ア ) 経時変化及び最大値顕著な高波浪を記録した夏季について 海域ごとの代表地点における経時変化を図 に示します また 各調査地点における最大値を資料編に示します 波浪調査地点 注 ) 波浪の経時変化 ( 図 -6.

( _\215L\223\207\214\247\212C\215\273\227\230\215\314\216\346\212\302\213\253\222\262\215\270\225\361\215\220\201y\215\305\217I\224\305\201z-31

物件番号 1 ポケートパーク 仮換地面積価格状況備考 E-27 街区 11 画地 従前地 法律等に基づく制限 m2約 66 坪 6,384,504 円引渡可 北側 西側で幅員 6m の舗装市道に面している 地番地目面積 ( 公簿 ) 名取市閖上字新大塚 156 番田 401 m2 都市

資料 -5 第 5 回岩木川魚がすみやすい川づくり検討委員会現地説明資料 平成 28 年 12 月 2 日 東北地方整備局青森河川国道事務所

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

ページ設定後の書式例


<8D828D5A838A817C A77425F91E6318FCD2E6D6364>

<4D F736F F D D E E81408DC58F498CB48D652E646F63>

< F2D E8AEE967B95FB906A8DC58F492E6A7464>

<4D F736F F D208A8890AB89BB8CF095748BE082CC8A A B88C45F8E4F92F994C5816A205F325F2E646F63>

県管理の河川区域内における支障木伐採利用に係る取扱要領 1 目的本事業は 県が管理する河川区域内の支障木に関し 住民との協働による河川管理の一環として 河川支障木の効率かつ計画的な伐採による適切な維持管理に向け 公募型による支障木の伐採利用を推進する取扱いを行い もって河川区域内の支障木撤去の促進と

公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

< F2D F8A93BE95E28F9E91CE8DF42E6A7464>

< F2D D F97D18F57978E B8367>

サイト : 壱岐周辺 4% (4%) サイト 19: 館山 :2.9% (2.9%) サイト 24: 天草周辺 :28.7% (29.4%) サイト 23: 鹿児島県南部沿岸 :35.4% (35.8%) サイト 22: 四国南西岸 27.5% (26.5%) サイト 21: 串本 :37.7% (

Microsoft Word - hogoikuseizyoseiyoukou.doc

書式 A-1 提出必要書類チェックシート 1 以下の書類が揃っているか 確認をしてから投函してください 必要書類の提出がないものは選考対象外となります 受付後 こちらから必要書類の提出は依頼しませんので 予めご承知ください 団体名 : 提出した書類の項目に印 ( ) をつけてチェックしてください 提

0 事前準備 公共施設等の更新費用比較分析表作成フォーマット の作成に当たっては 地方公共団体の財政分析等に関する調査研究会報告書 公共施設及びインフラ資産の更新に係る費用を簡便に推計する方法に関する調査研究 における更新費用試算ソフト ( 以下 試算ソフト という ) を用います 試算ソフトは今回


Asia Air Survey 石西礁湖の詳細海底地形図の提供サンゴ礁の保全に取り組む研究機関や NPO 等に 航空レーザ測深によって計測した石西礁湖全域を網羅する詳細な海底地形図を無償で提供 白化現象に対する空からの情報取得と発信 2018 年夏にサンゴの大規模な白化現象が確認された場合は 空から

岩倉市市民活動助成金交付要綱

Microsoft Word - 平成29年度調査(概要)

: 調査地域 予測地域 図 現地調査による重要な動植物種と環境類型区分図との重ね合わせ結果 重要な種の保護の観点から 確認地点は表示しない 5-45

ファイザープログラム 応募企画書 作成の手引き

公の施設の指定管理者の指定の手続き等に関する指針(細目的事項)

1 環境 教育 文化 医療 福祉 子育て支援 まちづくり等の地域の社会的な課題に 地域住民や地域組織が主体的に参画したり NPO 等を組織して その解決に向けて取り組むものであるか 特例子会社制度を乗り越えた 地域企業グループ ( 特例 ) の中心となる事業主として 大阪府豊中市と兵庫県伊丹市で活躍

労働災害発生状況

2008年6月XX日

平成21年度 橿原市市民活動公募事業募集要領

Microsoft Word - 24_11景観.doc

する距離を一定に保ち温度を変化させた場合のセンサーのカウント ( センサーが計測した距離 ) の変化を調べた ( 図 4) 実験で得られたセンサーの温度変化とカウント変化の一例をグラフ 1 に載せる グラフにおいて赤いデータ点がセンサーのカウント値である 計測距離一定で実験を行ったので理想的にはカウ

記入要領 様式第 1 平成年月日 提出する年月日を記入します 経済産業局長殿 ( 沖縄県の場合は 内閣府沖縄総合事務局長殿 ) 申請者の主たる事務所の所在地を管轄する経済産業局等の名称 (P.13 参照 ) を記入します 住所 東京都千代田区 氏名一般社団法人 理事長

4 予測結果では 海側で少し環境目標値を超えているのですけれども 対岸の東海市のところは 新日鐵住金の工場等でしょうか 東海市側も臨港地区になりまして ご指摘の通り新日鐵住金等があるエリアです なお 対岸までの距離は約 1km ですが 住宅地までは約 3.5km です 5 煙源が地面に近く 施工区域

Microsoft Word - REP07_01.DOC

スライド 1

1月

7. 海洋環境調査項目に係る変化の程度及び変化の及ぶ範囲並びに予測の方法 7-1 水環境 海水の濁り (SS) (1) 予測の概要同海域で水底土砂の海洋投入処分を実施している国交省の事前影響評価では 浚渫土砂の海洋投入による排出海域における海水の濁り (SS) の予測は 浚渫土砂の投入に

Microsoft Word - 記者発表様式_別紙-1・2_.doc

3-3 現地調査 ( カレイ類稚魚生息状況調査 ) 既存文献とヒアリング調査の結果 漁獲の対象となる成魚期の生息環境 移動 回遊形態 食性などの生活史に関する知見については多くの情報を得ることができた しかしながら 東京湾では卵期 浮遊期 極沿岸生活期ならびに沿岸生活期の知見が不足しており これらの

別添 2 平成 22 年度外務省支出に関する計画 対象項目 1. 庁費 情報処理業務庁費 在外公館連絡庁費 渡航事務庁費 2. 職員旅費 外国旅費 3. 補助金 委託費 留意事項各四半期毎の計画は 現時点での計画であるため 今後変更があり得る 平成 22 年 4 月

3 くろまぐろの知事管理量について 海洋生物資源の採捕の種類 別又は期間別の数量に関する事項 ( 1) 採捕の種類別の割当量について 2 に掲げる知事管理量の小型魚における採捕の種類別に定め る割当量は 次の表のとおりとし 大型魚は採捕の種類別に定 めないものとする 採捕の種類 小型魚 本県の漁船漁

つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

現況 現況 供用 60 度円錐視野に占める 区分 現況 供用 増減 景観要素の割合 空 人工物 樹林 草地 岩場 裸地 砂浜 供用海面

資料 2 3 平成 29 年 1 月 18 日火力部会資料 西条発電所 1 号機リプレース計画 環境影響評価方法書 補足説明資料 平成 29 年 1 月 四国電力株式会社 - 1 -


2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

応 募 要 項

<4D F736F F D E8E9197BF335F8DA18CE382CC93578A4A82C982C282A282C42E646F63>

< F2D816988C C816A92E192AA90FC95DB F2E6A7464>

2 調査研究 環境科学部 沖縄島周辺海域におけるトゲサンゴ Seriatopora hystrix の分布 沖縄県環境科学センター環境科学部 長田 智史 小笠原 敬 山川 英冶 小澤 宏之 広島大学生物圏科学研究科 上野 大輔 琉球大学熱帯生物圏研究センター 酒井 一彦 1 はじめに キーワード 沖

セミナー 海を守る方法 ~ 海洋保護区について考えてみよう~ O.Makishi 主催 : 沖縄 生物多様性市民ネットワークアオサンゴ作業部会共催 : 沖縄生物 多様性市民ネットワーク 日本自然保護協会 (NACS-J) 後援 : 沖縄県環境生活部 沖縄県サンゴ礁保推進協議会 日本サンゴ礁学会保全委

<4D F736F F D208E9197BF AF991B68FEE95F182CC90AE979D816994F78F4390B3816A2E646F63>



人事行政の運営状況等の公表(平成19年12月)(PDF)


mogiJugyo_slide_full.dvi

2 課題管理 画面が表示されます 補助事業期間延長承認申請書 欄の[ 作成する ] をクリックします [ 作成する ] ボタンが表示されていない場合には 所属する研究機関の事務局等へお問い合わせください 295

平成 30 年度 網代浜海水浴場流況調査 報告書 平成 30 年 7 月調査 第九管区海上保安本部

国産粗飼料増産対策事業実施要綱 16 生畜第 4388 号平成 17 年 4 月 1 日農林水産事務次官依命通知 改正 平成 18 年 4 月 5 日 17 生畜第 3156 号 改正 平成 20 年 4 月 1 日 19 生畜第 2447 号 改正 平成 21 年 4 月 1 日 20 生畜第 1

!#

美浜町空家等解体促進費補助金交付要綱

防犯灯 防犯カメラと併せて設置し 次の1~3すべてに該当する防犯灯が補助対象となります 1 防犯カメラの視認性を向上させる照度 ( 防犯カメラから4メートル先の歩行者の行動などが認識できる明るさがあること 0.24ルクス以上 ) を確保できるもの 2 防犯カメラと同一の支柱に設置 3 光源を防犯カメ

2 課題管理 画面が表示されます 該当年度の 前倒し支払請求書 欄の[ 作成する ] をクリックします [ 作成する ] ボタンが表示されていない場合には 所属する研究機関の事務局等へお問い合わせください 作成したい年度の [ 作成する ] ボタンをクリックしてください 210

区域の整備 開発及び保全の方針地区整備計画 久世荒内 寺田塚本地区地区計画 名称久世荒内 寺田塚本地区地区計画 位置城陽市久世荒内 寺田塚本及び平川広田 面積約 22.1ha 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地区計画の目標 土地利用の方針 地区施設の整備方針 建築物等の整備方針 地区の区分

スライド 1

○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

Microsoft Word - 栃木県土地改良区運営強化推進計画(最終版)

Transcription:

2017/ 7/ 8 高木基金成果発表会配付資料 グループ名 代表者名 連絡先など 泡瀬干潟を守る連絡会 前川盛治 助成金額 50 万円 save_awasehigata@yahoo.co.jp 助成のテーマ沖縄県沖縄市泡瀬干潟のサンゴ群落調査 ( 移植サンゴを含む ) 調査研究の概要 1. 泡瀬干潟のヒメマツミドリイシの被度調査を 2005 年以降続けている 2016 年度は 6 月 30 日に調査したところ 被度が 5.6% と極端に悪化 その後 2017 年 3 月には被度がゼロになった この種の絶滅危機が心配され このことを記者会見で明らかにし その原因と思われる埋立工事の中止を事業者 ( 国沖縄総合事務局 沖縄県 ) に要請した 沖縄タイムス論壇にも投稿 掲載され 広く市民 県民に知らせた 2. 調査しているヒメマツミドリイシの 100m のライン上での死滅のため 新たな調査枠 (25 m2 ) を設定し 今後の経過を観察し 報告していく 現時点では被度 62% 程度である 3.2000 年の埋立工事のアセス書で 保全の必要なしとされた泡瀬干潟の海域において 泡瀬干潟を守る連絡会の調査では ヒメマツミドリイシの群落が確認され それを事業者も認めた 埋立地にも保全されるべきサンゴは生息していないとアセス書に記載されていたが それも連絡会の調査で リュウキュウキッカサンゴやスギノキミドリイシが確認され 事業者も認めた そのヒメマツミドリイシについては 上記 1. 記載のように被度の調査を継続してきた また 埋立地のサンゴは泡瀬干潟の他の海域に移植されたため 経過を見るために 調査の必要を認識し調査をしている 4. 移植サンゴは大きく 3 つの場所に移植された 西防波堤東端の灯台近く 東防波堤のテトラポット 東防波堤の西側の沖合 の 3 箇所である 移植を実施した沖縄市 NPO 法人コーラル沖縄は 概ね良好に生育 と報告しているが 私たちの調査では 評価 (A B C D) で C D の移植サンゴもあり 沖縄市等の報告は実態を反映しておらず 問題であると認識している 調査研究の経過 2016 年 5 月 23 日 : 移植サンゴ ( 東防波堤テトラポット 西側沖 ) 調査 移植サンゴ西防波堤踏査 灯台近く ( 見つからず ) その後 沖縄市から 移植先の位置情報を取得 6 月 30 日 : ヒメマツミドリイシ群落の被度調査 新しい調査枠 (5 5=25 m2 ) の設定 西防波堤灯台近く移植サンゴ ( オヤユビミドリイシ ) の調査 11 月 7 日 : 移植サンゴ ( 東防波堤西側 テトラポット ) 動画撮影 11 月 17 日 : ヒメマツミドリイシ白化 新しい調査枠の調査は 鉄筋消失のため出来ず 2017 年 3 月 2 日 : ヒメマツミドリイシ白化 ( 天候不良で詳細な調査はできず ) 3 月 29 日 : 移植サンゴ調査 東防波堤沖 テトラポット 新しい調査枠の設定 7 月 2 日 : 新しい調査枠での調査 写真撮影 ( 新ヒメマツミドリイシ ) 今後の展望など 1. ヒメマツミドリイシ群落 移植サンゴの継続調査をしていく 2. 沖縄県が泡瀬干潟でサンゴ再生事業を 2015 年度 2016 年度実施しているので 情報公開で資料を入手し 事業を検証していきたい 3. ダイバーの確保が難しい 他団体との協同を考える 会計報告書の概要 ( 金額単位 : 千円 ) 充当した資金の内訳 支出費目内訳支出金額 高木基金の 助成金を充当 他の助成金 等を充当 自己資金 旅費 滞在費安部真理子旅費 226 176 50 機材 備品費 空気ボンベ 防水紙 調査船賃貸費調査船燃料費 鉄筋 ロープ 海底表示板 ( マグネットシート ) 200 150 50 会議費会議参加交通費 セミナー会場費 28 28 印刷費用紙 インク代 配布資料作成 30 30 協力者謝礼等安部真理子 セミナー講師謝金 55 55 外部委託費写真データ整理 データ処理補助 19 19 人件費調査日 交通費 飲み物 弁当 42 42 合計 600 500 100 参考文献 ( ウェブサイトや書籍 成果物など ) 泡瀬干潟を守る連絡会 Blog http://saveawasehigata.ti-da.net/

沖縄県沖縄市泡瀬干潟のサンゴ群落調査 ( 移植サンゴを含む ) 報告 ( 高木基金 2016 年度助成 ) 2017 年 7 月 8 日 名古屋 YWCA 前川盛治 ( 泡瀬干潟を守る連絡会 事務局長 )

2000 年アセス書のサンゴ類分布状況埋立地 西防波堤周辺 被度 10% 未満

連絡会のサンゴ調査の概要 2005 年 4 月に実施 記者会見 事業者への要請 主に2 箇所で調査 ヒメマツミドリイシ群落 ( 西防波堤の西端の北西部 ) (1) 被度 50% 以上のヒメマツミドリイシが生息 (2) 面積おおよそ2,500m2 (3) 周辺海域の卵 ( 種苗 ) 提供地になっている可能性 埋立地 (1 区 ) のサンゴ群落 (1) リュウキュウキッカサンゴ スギノキミドリイシなどが生息 (2) 被度も50% 以上 面積はおおよそ550m2 事業者のアセス ( 両地域とも被度は 10% 未満 保全対象でな い ) は間違いであることが判明

1 区埋立地のスギノキミドリイシとロクセンススメダイ 西防波堤北西部のヒメマツミドリイシとデバスズメダイ 1 区埋立地のリュウキュウキッカサンゴ

左の図は 事業者が 環境監視委員会 (2005 年 7 月 12 日 ) に報告した資料の一部 ヒメマツミト リイシ群落面積 29,360 m2 ( 約 3 万m2 ) 連絡会の調査結果の約 10 倍 1 区のサンゴ群落のサンゴの種類と面積 ( m2 ) 871 m2 スキ ノキミト リイシ 434 リュウキュウキッカサンゴ 116 ホソエダミドリイシ 114 オヤユビミドリイシ 28 ヤッコアミメサンゴ 179 ( その後コノハシコロサンゴも追加発表 ) その後面積は 976 m2と公表

2005 年 9 月 8 日航路掘削前東側砂州は健全 2007 年 3 月 22 日航路掘削で干潟破壊 2008 年 5 月 8 日 1 区の護岸が 8 割がた完成サンコ 海草は生埋め 2013 年 7 月 22 日浚渫土砂で埋められた東側砂州衰退

有光智彦氏撮影 2016 年 3 月 赤い の中に注目掘削航路塞がり 2016 年工事で再浚渫

コーラル沖縄 沖縄市のサンゴ移植 事業者が 保全に全く言及しない中で 1 区護岸が完成し 浚渫土砂投げ込みを始める前に突如実施された 沖縄市の HP より

コーラル沖縄 沖縄市のサンゴ移植地の地図 (2008 年 10 11 月 1 回目 他は 2 回目 2009 年 6 月 ) 環境監視員会への報告 20090715

コーラル沖縄の移植サンゴの事後調査報告 ( 追跡調査 ) 沖縄市の HP( 下記 ) 4 か月後の事後調査 6 か月後の事後調査 1 年後の事後調査 4 年後の事後調査 5 年後の事後調査 (H25 年 12 月 ) 左図は 5 年目の追跡調査位置図 2008 年 10 月 11 月の移植サンゴのみを調査している 2009 年 6 月の移植ポイントを含めると合計 50 箇所あるのに 報告書は 24 箇所の図しかない 市の報告書は 2008 年の移植ポイント 6 箇所だけの報告をしている リュウキュウキッカサンッコ とヤッコアミメサンコ の位置が逆 ( 間違っている ) http://www.city.okinawa.okinawa.jp/userfiles/fil es/page/about/831/5nenngo-monitarinngu.pdf 5 年後の事後調査報告沖縄市サンゴ移植

移植されたサンゴの現状 ( コーラル沖縄 ) 移植は 2008 年 (10 月 11 月 1 回目 ) と 2009 年 (6 月 2 回目 ) に行われている 市の報告は 2008 年の移植のみを調査して報告している 報告書では 一部剥落したもの 泥に覆われているもの 他の生物の食害にあったもの 海藻に覆われて被害があるもの 被度は減少している 等があるが 概ね良好な生育状況を示し と報告している 写真も移植された種について各 2 枚だけであり スギノキミドリイシについては ほとんど死滅した箇所もあるのに 良い状態の写真だけを掲載している

市報告のスギノキミドリイシの写真 1~9 の中の 2 の写真 リュウキュウキッカサンゴの写真 1 か 11? ホソエダミドリイシの写真 5 の写真

サンゴ移植の問題点 埋立事業は 国 県の事業であり その責任でサンコ を保全すべきであるのに 沖縄市が中心になって 移植した これは 環境監視検討委員会や環境保全 創造検討委員会で 1 期工事区域のサンコ は保全の対象ではない といってきたことから 国 県が移植すれば その責任を追求される ( アセスの不備を追求される ) ので それを逃れるために 埋立事業者でない沖縄市が中心になって行ったものと思われる 環境監視検討委員会や環境保全 創造検討委員会では サンゴの移植は 一度も議論されたことは無かった 沖縄市は サンゴの専門家の指導助言を得た とし 山里清氏の名を上げているが 何時 何処で どのような指導を受けたのか その実態は不明である また 協力した業者に山里氏の関係者がおり 問題点もある サンゴの採捕は 移植のためは原則禁止 研究のため ごく一部 が許可されるが 今回は 128 m2の規模であり 沖縄県漁業調整規則を逸脱していると思われる ( 特別採捕許可をしている ) 僅か 13% が移植されただけであり 残り 87% は生埋めである 移植された場所は 移植適地であったのかどうかも疑問である 多くの疑問があり 移植サンゴを調査することにした

東防波堤の西側 ( 図では上側 ) の沖の移植サンゴに 1~22 の番号東防波堤のテトラポットに移植されたサンゴを南側 ( 図では左側 ) から 1~27 の番号

2016 年度ヒメマツミト リイシ 移植サンゴの調査 ( 全 7 回 ) 泡瀬干潟を守る連絡会 沖縄リーフチェック研究会 2016 年 5 月 23 日 ( 月 ) 移植サンゴ ( 東防波堤テトラポット 西側沖 ) 移植サンゴ西防波堤 灯台近く ( 見つからず ) その後 沖縄市から位置情報を取得 2016 年 6 月 30 日 ( 木 ) ヒメマツミト リイシ群落の被度調査 新しい調査枠 (5 5=25 m2 ) の 設定 西防波堤灯台近く移植サンゴ ( オヤユヒ ミト リイシ ) の調査 11 月 7 日 ( 月 ) 移植サンゴ ( 東防波堤西側 テトラホ ット ) 動画撮影 11 月 17 日 ( 木 ) ヒメマツミト リイシ白化 新しい調査枠 ( 鉄筋消失 ) 2017 年 3 月 2 日 ( 木 ) ヒメマツミト リイシ白化 ( 天候不良 ) 2017 年 3 月 29 日 ( 水 ) 移植サンゴ東防波堤沖 テトラポット 7 月 2 日 ( 日 ) 新しい調査枠 ( 新ヒメマツミト リイシ )

泡瀬干潟を守る連絡会 サンゴリーフチェック研究会のヒメマツミト リイシ群落の被度等の調査 (2016 年度 ) 上図の赤い で囲まれたところ 西防波堤の西端の北西部 100m のライン黄色の は 移植サンゴ

安部真理子氏撮影産卵 2007 年 6 月 9 日ヒメマツミト リイシの産卵読売新聞 板山氏撮影 ここは 海草とヒメマツミドリイシが群生するところだった サンゴはピンクに輝いていた 撮影 : 小橋川共男

被度の調査方法 100m のライン上 ( 定点 定線 ) を 50cm 毎に調査する 20m を調査し 5m は休む 合計 4 回 (25 4=100) 合計 80m(20 4) を 50cm 毎に調査するので 160 箇所を調査することになる サンゴの生息が確認できたのは 160 箇所のうちの何箇所かを調べ % で被度を表示する 2016 年度は 9 箇所でサンゴの生息が確認できたので 被度は 5.6%(9 160 100=5.6%) である 撮影 調査 : 安部真理子 2016 年 6 月 30 日の調査 撮影 : 安部真理子被度は 5.6% であった 写真左は死滅したサンゴ 右は 生きているサンゴが確認できた箇所

2017 年 3 月 29 日調査 100mのライン上で サンゴの生息は確認できなかった被度はゼロであった 撮影 : 安部真理子

70 60 59 60 52 50 42 40 30 20 20 36 17 国 連絡会 10 10 10 5 5.6 0 2005 2007 2008 2011 2015 2016 2017 0 ヒメマツミドリイシ群落被度変化のグラフ赤 : 連絡会青 : 国国は 2007 年から調査 2017 年は国の報告は現時点でなし 連絡会調査 2017 年 3 月 29 日ではゼロであった

ヒメマツミドリイシの絶滅危機の原因 ( 国説明 : 環境監視委員会報告 7 月 26 日 ) 1. 冬季の干出による季節風の影響 2. シロレイシダマシ ( 貝 ) による食害 私 ( 前川盛治 ) の反論 : 国の報告に疑義がある 1. 当地域はこれまで幾度となく冬季の干出季節風の影響を受けてきたが これまで被度が 70% の時もあり サンゴ群落は維持されてきた 冬季に被度が高くなったこともある 冬季の干出は理由にはならない 2. 私たちの調査では シロレイシダマシの食害は確認できなかった 国は 1 m2に 100 個の個体を確認してると報告しているが それが事実なら食害によるサンゴの死滅を放置していたことになる 許されないことだ 3. 県は 同地域でサンゴ再生事業も行っているが 矛盾している

ヒメマツミト リイシの新しい区画での調査 ( 今までの 100m ライン上での調査が被度ゼロになったので 新しい場所での調査が必要になったため ) 調査場所 : これまでの 100m ラインの場所の東側約 200m の場所 5m 5m =25 m2の区画 ( 先の図の赤い の東側 ) 生きているヒメマツミドリイシの群落があり 調査することにした 経過 (1)2016 年 6 月 30 日 :25 m2の方形枠の 4 角に鉄筋を打ち込む (2)11 月 17 日に調査に行ったが 鉄筋が消失していたので調査できな かった ( 台風で流されたか?) (3)2017 年 3 月 29 日 再度鉄筋を打ち込む 予備調査 カゴメノリが覆っていて調査できず (4)7 月 2 日に調査 北西の角と南東の角にロープでライン ( 対角線 ) を引き 1m 平方の調査用方形枠で 6 箇所を撮影 (25 m2枠の対角線は約 7m になるは ずだが 実際は方形枠の対角線は 6m であったので 6 箇所の写真撮影 になった )

北西 1 北東 2 3 4 5 6 7 南西 南東

写真 1: 被度 30% 写真 2: 被度 25% 写真 3: 被度 70% 写真 4: 被度 90% 写真 5: 被度 80% 写真 6: 被度 80% この 25 m2枠の被度 :(30+25+70+90+80+80) 6=62.5% この区画は 良好なヒメマツミドリイシ群落である 今後経過を観察する 写真撮影 : 前川盛治

移植サンゴ ( 西防波堤東端灯台近く オヤユビミドリイシ ) の調査ボンド法で固着されている 1. 泡瀬干潟 西防波堤の東端 灯台 の北西 N26 度 18.447 E127 度 52.039 2. 灯台を基点に方位 321 度 距離 144 mの場所 ( 灯台から西に約 100m 直 角に海へ100m) のサンゴ礁の岩場 ( 長径 30m 幅 18m) 15m2の移植サ ンゴ 右の図 3. 5 箇所 (A B C D E 各鉄筋のポイントの傍のオヤユヒ ミト リイシ ) 5 箇所の位置の概略図は右 ( 青い楕円形が岩場 長径 30m 短径 18m) 目印 :ABC は 連絡会設定の鉄筋の杭 DE は 事業者設定の鉄筋の杭 北 東 E D C A B 南 西

撮影は 2016 年 6 月 30 日撮影者 : 小橋川共男 A~E ともに良好な生育であった 今後 継続して観察していく

移植サンゴ ( 東防波堤テトラポット ) ボンド法でテトラポットに固着されている 南側からオヤユビミドリイシ 3 ケ所 コノハシコロサンゴ 9 ケ所 ホソエダミドリイシ 6 ケ所 コノハシコロサンゴ 6 ケ所 ホソエダミドリイシ 3 ケ所 合計 27 ケ箇所である 27 ケ所の写真からグループ毎に 平均的な写真 1 枚づつ掲載する 写真は 2017 年 6 月 30 日 撮影 : 小橋川共男

1~3 のオヤユヒ ミト リシ 1 は不良 3 は良 4~12 のコノハシコロサンコ 6 は不良 7 は良 13~18 のホソエタ ミト リイシ 13 は良 14 は不良 19~24 のコノハシコロサンコ 20 は良 21 は下に落ちている不良 27 ホソエタ不良 2016 年 5 月 23 日

移植サンゴ ( 東防波堤テトラポット ) の評価評価を A( 良 ) B( やや良 ) C( やや不良 ) D( 不良 ) で示す オヤユビミドリイシ (1~3) は C コノハシコロサンゴ (4~12) は A ホソエダミドリイシ (13~18) は C コノハシコロサンゴ (19~24) は B ホソエダミドリイシ (25~27) は D 全体の総合評価は B 沖縄市報告は コノハシコロサンコ ホソエタ ミト リイシの良の写真を示して 全て順調としていることは問題である X 状のテトラポットに十字型に固着したので 順調であれば コノハシコロサンコ のようになる オヤユヒ ホソエタ は一部しか残っていない

東防波堤の西側 ( 図では上側 ) の沖の移植サンゴに 1~22 の番号東防波堤のテトラポットに移植されたサンゴを南側 ( 図では左側 ) から 1~27 の番号

移植サンゴ ( 東防波堤西沖 ) の調査 沖の方から護岸に向かって1~22まで 1はリュウキュウキッカサンゴ ( 基盤造成法 ) 2はヤッコアミメサンゴ ( 基盤造成法 ) 3~4は スギノキミドリイシ ( コーラルマット法 ) 5~10は スギノキミドリイシ ( ネット法 ) 11は リュウキュウキッカサンゴ ( 基盤造成法 ) 12は ヤッコアミメサンゴ ( ネット法 ) 13は リュウキュウキッカサンゴ ( ネット法 ) 14~22は スギノキミドリイシ ( ネット法 ) 基盤造成法 : 建築用ブロックで枠を造りそこに移植コーラマット法 : コーラルの上に移植ネット法 : 網目状の鉄筋の上に移植 評価を A( 良 ) B( やや良 ) C( やや不良 ) D( 不良 ) で示す

リュウキュウキッカサンゴ 1 11 13 撮影 : 安部真理子撮影日 :2016 年 5 月 23 日写真下の説明の数字は移植ブロック番号 A B C は評価 1 B 1 A 1 C 1 A 11 A 13 B

スギノキミドリイシ 4~10 撮影 : 玉栄将幸撮影日 :20170329 4 評価 B 4 評価 D 4 評価 D 6 評価 B 6 評価 C 8 評価 B 8 評価 A 10 評価 D 10 評価 D

スギノキミドリイシ 14~22 撮影 : 安部真理子 20160523 写真の下の説明の数字は移植ブロックの番号 A D は評価 15 A 18 A 19 D 20 D 21 D 22 D

ヤッコアミメサンゴ移植ブロック番号 2 撮影 : 玉栄将幸撮影日 :2017 年 3 月 29 日写真の下の説明 A B C Dは評価 評価 B 評価 A 評価 A 評価 D 評価 C 評価 C

ヤッコアミメサンゴ移植ブロック番号 12 撮影 : 玉栄将幸撮影日 :2017 年 3 月 29 日写真の下の A B C は評価 評価 A 評価 B 評価 A 評価 C

東防波堤西側沖の移植サンゴの評価 リュウキュウキッカサンゴ (1,11,13) 評価 B スギノキミドリイシ (4~10) 評価 B スギノキミドリイシ (14~22) 評価 C ヤッコアミメサンゴ (2,12) 評価 B 東防波堤西側沖の移植サンゴの総合評価 B 評価が良好なもの (A) もあるが C,D もあり 沖縄市報告のように 概ね良好な生育 との評価はできない 継続調査が必要である 生存率が低い箇所も多いことから 環境保全措置としてサンゴ移植は使えないのではないか サンゴ移植技術は未確立 ( 日本サンゴ礁学会 2008) と言われていたが やはり未確立だった サンゴ移植を保全措置として使うべきではない

今後の課題 継続調査をしていく ( ヒメマツミドリイシ群落 移植サンゴ ) 沖縄県が泡瀬干潟でサンゴ再生事業を 2015 年度 2016 年度実施してるので 情報公開で資料を入手し 事業を検証していきたい ダイバーが確保が難しい 他団体との協同を考える