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1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

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< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

チャート編 1 日経平均株価 ( 日経 225) TOPIX( 東証株価指数 ) 2,0 NY ダウ工業株 30 種平均株価 ( 米ドル ) ダウセレクト配当込み指数 3,000 28,000 26,000 24, ,000 26,000 2,0 20,000 1,0 24,000 1

2018 年は激動の年 年初来 トルコ株式指数はトルコリラベースで最大で約 24% 下落し トルコリラは日本円に対して最大で約 45% 下落しました トルコ株式 * の推移 ( トルコリラベース ) /12 18/03 18/06 18


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当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

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マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

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マクロ インサイト ボラティリティ上昇が株価下落を増幅 VIX 7 VIX VIX VIX Euro Stoxx 5 VSTOXX VIX 6 VIX 5. VSTOXX VIX VIX VIX VIX 図表 株式市場はロケットのような軌道を描いて急騰後 利益確定売りに押された S&P5 指数 8

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ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

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第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

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ヘッジ付き米国債利回りが一時マイナスに-為替変動リスクのヘッジコスト上昇とその理由

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受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

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平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

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米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

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(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

アジア株式が魅力的と考える背景 1 良好なファンダメンタルズ 成長性 高い収益性 財務の健全性 2 金融緩和余地は株価にプラス 3 歴史的に割安なアジア株式 4 海外の投資家心理が影響するアジア株式 ( 欧州債務問題が短期的に影響 ) 5 不安沈静化によりファンダメンタルズ回帰へ アジア企業の良好な

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MONEXグローバル個人投資家サーベイ

インド株ファンドQ&A(案)

平成23年11月1日

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週間マーケット情報 (2016 年 9 月 2 日 ~2016 年 9 月 9 日 ) ご参考資料 2016 年 9 月 12 日 野村アセットマネジメント 市場の動向 日本の株式市場 日本の株式市場の代表的な指数である東証株価指数 (TOPIX) は 2 日比で 0.23% 上昇しました 週初の日

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2 / 5 ファンドマネージャーのコメント 現時点での投資判断を示したものであり 将来の市況環境の変動等を保証するものではありません < 運用経過 > ダイワ マネーアセット マザーファンドを組み入れることで 安定運用を行いました < 今後の運用方針 > 今後につきましても 安定運用を継続して行って

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インベスコ オフィス ジェイリート投資法人 (3298) 平成 30 年 1 月 29 日付 投資口分割 規約の一部変更及び平成 30 年 4 月期 ( 第 8 期 ) の 1 口当たり分配金の予想の修正に関するお知らせ 補足資料 インベスコ グローバル リアルエステート アジアパシフィック インク

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

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退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

参考資料いちよし証券投資情報部 2019 年 10 月 7 日 極端な悲観相場の修正へ 業績の下方修正リスクも織り込み 日米経済指標に注目 最終ページに お客様にご確認いただきたい重要な注意事項を記載しております 必ずご確認ください

目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

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中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

平成30年度第1四半期における運用状況等

米国リート市場と米国株式市場の推移 102 ( 2015 年 12 月末 ~2016 年 2 月 12 日 ) 米国リート 米国株式 /12/ /1/6 2016/1/ /1/ /1/ /1/3

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

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株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

MONEX 個人投資家サーベイ 2016年1月調査

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ファンド設定以降の基準価額変動の背景について 2016 年 8 月 ( 設定月 )~2016 年 10 月下旬まで 上昇傾向 2016 年 8 月から 10 月下旬にかけては 米国の政策金利の引き上げ観測の高まりなどから金利は小幅に上昇したものの ECB( 欧州中央銀行 ) の量的金融緩和の継続や原

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株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

2012 年 10 月 15 日号

経済の見通し 欧州 欧州経済は グローバル経済の堅調さを背景とした外需セクターの回復 労働市場の回復を背景にした堅調な個人消費 従来に比べ拡張的な財政政策による成長押し上げ効果を背景に潜在成長率を上回る成長が続いています 物価については 労働市場や経済の回復を背景にコアインフレ率 賃金上昇率は今後緩

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週間マーケット情報 (2017 年 3 月 10 日 ~2017 年 3 月 17 日 ) ご参考資料 2017 年 3 月 21 日 野村アセットマネジメント 市場の動向 日本の株式市場 日本の株式市場の代表的な指数である東証株価指数 (TOPIX) は 10 日比で 0.52% 下落しました 週

第 79 回 2017 年 5 月投資家アンケート調査結果 アンケート調査にご協力下さりました皆様 今年 5 月に実施致しましたアンケート調査にご回答下さり誠にありがとうございます このたび調査結果をまとめましたのでお送りさせていただきます ご笑覧賜れましたら幸 いです 今後もアンケート調査にご協力

週間マーケット情報 (2017 年 3 月 17 日 ~2017 年 3 月 24 日 ) ご参考資料 2017 年 3 月 27 日 野村アセットマネジメント 市場の動向 日本の株式市場 日本の株式市場の代表的な指数である東証株価指数 (TOPIX) は 17 日比で 1.40% 下落しました 前

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

2013 年 8 月 19 日号

日本の債券市場 日本の債券市場の代表的な指数であるNOMURA-BPI 総合は 2 日比で0.09% 上昇しました 前週末発表の1 月の米雇用統計において 賃金上昇圧力が確認されたことを受け 金融引き締めに対する警戒感から各国株式市場が下落したことから 安全資産としての債券需要が高まり日本債券市場は

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

米国の金利上昇を受けて世界的な株安へ世界の株式市場は2 月 2 日 ( 現地 以下同様 ) から価格変動の激しい展開となっており 米国のS&P500 指数は2 日に 2.1% 5 日に4.1% 下落したほか 日本のTOPIX( 東証株価指数 ) も5 日に2.2% 6 日に4.4% 下落しました 今

Transcription:

ピクテ マーケット フラッシュ 218 年 2 月 7 日 株式市場 : 直近の下落 218 年 2 月 2 日 米国金利が数年ぶりの水準にまで急上昇したことを契機として2 月 2 日 2 月 日と米国株式は大きく続落 世界の株式市場も下落しました 足元では この下落が本格的な下落相場に繋がるのか 昨年からの急上昇に対する修正に留まるのかについて市場でも見方が分かれていると考えられます ピクテとしては 今後も金融政策や経済指標の発表を控え 市場の警戒感が高まることによる株価調整には注意が必要であるものの 足元では景気動向に不安要素は少なく 企業業績は堅調であるため 今後は企業業績を評価した相場となる可能性もあると見ています 図表 1: ダウ工業株 3 種平均 1 日下落率ワースト1 米国を中心に世界の株式市場は下落 米国金利が数年ぶりの水準まで急上昇したことをきっかけに 218 年 2 月 2 日 ( 金 ) は前日比 -2.% 2 月 日 ( 月 ) は同 -4.6% と 米国株式市場 ( ダウ工業株 3 種平均 ) は大幅に下落しました 世界の株式市場もこれにつられて下落し 日米欧で年初来の上昇が帳消しとなりました 金融危機時よりは小さいダウの下落率 2 月 日の NY ダウ工業株 3 種平均の下落幅は過去ワーストであると報道されていますが 下落率 (-4.6%) で見ると リーマンショック (28 年 ) や欧州債務危機 (211 年 ) などの過去の金融危機時と比べて小幅な下落となっていることがわかります ( 図表 1 参照 ) 順位 年月 下落率 下落幅 ( 米ドル ) 1 28 年 1 月 -7.9% -733 2 28 年 12 月 -7.7% -68 3 28 年 1 月 -7.3% -679 4 21 年 9 月 -7.1% -68 28 年 9 月 -7.% -778 6 28 年 1 月 -.7% -14 7 2 年 4 月 -.7% -618 8 28 年 11 月 -.6% -44 9 211 年 8 月 -.% -63 1 28 年 1 月 -.1% -8 18 218 年 2 月 -4.6% -1,17 2 年 1 月 3 日以降の日次下落率でランキング出所 : ブルームバーグのデータを元にピクテ投信投資顧問作成 米国株式急落に伴い VIX 指数は急上昇 米国株式の急落に伴い 投資家心理を測る指標とされ 恐怖指数 と呼ばれる米国株式の変動性指数 (VIX) も急上昇し 37.32 で終えました ( 図表 2 参照 ) 中国の人民元切り下げで世界の株式相場が動揺した 21 年 8 月 24 日以来およそ 2 年 ヵ月ぶりの水準となり 投資家の株式市場に対する警戒感が一気に高まったことが窺えます 図表 2: 米国株式市場と VIX 指数の推移 ( 日次 期間 :2 年 2 月 7 日 ~218 年 2 月 日 ) 8 6 4 2 VIX 指数 VIX 指数 ( 左軸 ) 米国株式市場 ( 右軸 ) 年 2 月 年 2 月 1 年 2 月 1 年 2 月 ドル 米国株式市場 : ダウ工業株 3 種平均指数出所 : ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成 3, 2, 2, 1, 1,, 1

近年の調整局面との比較 近年のダウ工業株 3 種平均の調整局面と足元で 高値からの下落率を比較すると 足元 (218 年 1 月 26 日 ~218 年 2 月 日 ) では -8.% に対してチャイナショック (21 年 8 月 17 日 ~21 年 8 月 2 日 ) は -1.7% ブレグジット (216 年 6 月 23 日 ~216 年 6 月 27 日 ) は - 4.8% となっています ( 図表 3 参照 ) 各々の大きな下落を乗り越えて 米国株式は上昇してきているといえます 図表 3: ダウ工業株 3 種平均期間 :21 年 1 月 2 日 ~218 年 2 月 日 日次 27, 米ドル 2, 23, 21, 19, チャイナショック -1.7% ダウ工業株 3 種平均 足元 -8.% バーナンキショック時よりも小さい金利上昇幅 今回の下落の契機となったのは 堅調な経済指標からインフレ率の上昇と金融引き締めが連想されたことによる米国金利の急上昇でした バーナンキショック (213 年 月 2 日 ~213 年 9 月 日 ) 時も金融引き締めが意識されたことで市場が下落しましたが この時 米国 1 年国債利回りは 1.37% ポイント上昇しました これに対して 足元 (217 年 9 月 7 日 ~ 218 年 2 月 2 日 ) の利回り上昇幅は.8% ポイントであり 金利の上昇幅も過去と比べて小さいことがわかります ( 図表 4 参照 ) 実質金利 +1.6% 上昇 3. 3. 17, ブレグジット 1, -4.8% 1 年 1 月 16 年 1 月 17 年 1 月 18 年 1 月 チャイナショックは 21 年 8 月 17 日 ~21 年 8 月 2 日 ブレグジットは 216 年 6 月 23 日 ~216 年 6 月 27 日 足元は 218 年 1 月 26 日 ~218 年 2 月 日出所 : ブルームバーグのデータを元にピクテ投信投資顧問作成 図表 4: 米国 1 年国債利回り 期間 :212 年 12 月 31 日 ~218 年 2 月 日 日次 % 米国 1 年国債利回り 2. 足元の景気動向に不安要素は少ない 2. 過去 28 年の金融危機など本格的な下落相場となった経済環境では 景気悪化が懸念されるか 信用力不安を伴うケースが見られました 今回の局面では 足元の経済指標を見る限り 景気動向に不安要素は少ないように思われます 例えば 日に公表された GDP( 国内総生産 ) と連動性が高いと見られる米 ISM 非製造業景況指数 (18 年 1 月 ) は 9.9 と 2 年以来の高水準でした 内容的にも先行指標となる新規受注が改善するなど 景気に対する不安は小さいように思われます 次に 信用不安も足元見当たらないというのが現状認識と思われます もっとも 信用不安は表面化していないケースもあり 予断は許されません 1. バーナンキショック 足元 1. +1.37% ポイント +.8% ポイント 12 年 12 月 13 年 12 月 14 年 12 月 1 年 12 月 16 年 12 月 17 年 12 月 バーナンキショックは 213 年 月 2 日 ~213 年 9 月 日 足元は 217 年 9 月 7 日 ~218 年 2 月 2 日出所 : ブルームバーグのデータを元にピクテ投信投資顧問作成 2

企業業績は堅調に推移 地域別 業種別いずれで見ても世界的に企業の 1 株あたり利益 (EPS) は上昇傾向であり 昨年の世界的な株式市場の上昇は企業の利益成長に裏打ちされたものであったことがわかります ( 図表,6 参照 ) 図表 : 地域別 1 株あたり利益 (EPS) 期間 :28 年 1 月 ~218 年 1 月 月次 1 28 年 1 月 =として指数化 予想株価収益率 (PER) では過熱感なし 米欧の株式の実績 PER は他地域よりも高い状況にありますが 予想 PER では大きな差異はありません ( 図表 7 参照 ) 米国 ユーロ圏 日本 新興国 - 8 年 1 月 9 年 7 月 11 年 1 月 12 年 7 月 14 年 1 月 1 年 7 月 17 年 1 月 過去 12 ヵ月の実績 EPS 米国は S&P 株価指数 ユーロ圏は STOXX6 株価指数 日本は TOPIX 新興国は MSCI 新興国株価指数出所 : ブルームバーグのデータを元にピクテ投信投資顧問作成 図表 6: 業種別 1 株あたり利益 (EPS) 22 2 18 16 14 12 8 6 4 2 期間 :28 年 1 月 ~218 年 1 月 月次 28 年 1 月 =として指数化エネルギー素材資本財 サービス一般消費財生活必需品ヘルスケア金融情報技術通信公益 -2 8 年 1 月 9 年 7 月 11 年 1 月 12 年 7 月 14 年 1 月 1 年 7 月 17 年 1 月 過去 12 ヵ月の実績 EPS 各業種は MSCI 世界株価指数の業種別指数出所 : ブルームバーグのデータを元にピクテ投信投資顧問作成 図表 7: 各地域のリターンと株価収益率 (PER) 比較 リターン 株価収益率 (PER) 過去 3ヵ月 年初来 217 年 218 年 米国 2.4% -.9% 21.8 18.7 欧州 -3.% -1.8% 18.9 1. 日本 1.7%.3% 1.6 1. 新興国 7.4% 4.4% 1.8 13.1 米国は S&P 株価指数 ユーロ圏は STOXX6 株価指数 日本は TOPIX 新興国は MSCI 新興国株価指数 リターンは 218 年 2 月 日基準 217 年は 217 年 12 月末時点の実績 PER 218 年は 217 年 12 月末時点の 12 ヵ月先予想 PER 出所 : ブルームバーグのデータを元にピクテ投信投資顧問作成 3

過剰流動性の解消が株価調整に繋がる可能性 過去 日米欧の過剰流動性と PER の変化率は概ね連動して推移してきました ( 図表 8 参照 ) 日米欧での金融緩和政策によって流動性が高まり 株式市場に資金が流入したことが株価上昇を後押しした面があると考えられます 足元では米国では利上げが既に開始されており 欧州も金融緩和政策の出口戦略について模索している状況にあります 今後も 過剰流動性の解消が意識されることで 相対的に割高となっている株式のバリュエーション調整が起こる可能性はあります 図表 8: 日米欧の過剰流動性と世界株式の株価収益率 (PER) 1982 年 4 月 ~218 年 1 月 月次 3 % % 2 1-1 日米欧の過剰流動性変化率 ( 左軸 ) 世界株式のPER 変化率 ( 右軸 ) -2 82 年 4 月 88 年 月 94 年 6 月 年 7 月 6 年 8 月 12 年 9 月 変化率は 6 ヵ月前比出所 : ピクテアセットマネジメント 4 3 2 1 - -1-2 -3-4 日本企業の利益見通しは堅調 日本企業について見ると 218 年 219 年ともに増益が予想されています PER で見ると日本株式は米国株式などと比較して割安であり 魅力的なバリュエーション水準にあると考えられます ( 図表 9 参照 ) 4 4 3 3 2 図表 9: 日本企業の利益と時価総額 1988 年 ~219 年 ( 予想 ) 年次 経常利益 1988 年 = として指数化 経常利益合計 ( 左軸 ) 時価総額合計 ( 右軸 ) 時価総額 1988= として指数化 18 16 14 12 2 1 8 6 1988 1991 1994 1997 2 23 26 29 212 21 218 E 88 年 91 年 94 年 97 年 年 3 年 6 年 9 年 12 年 1 年 18 年 ( 予想 ) 218 年以降は東洋経済予想出所 :Quick のデータを元にピクテ投信投資顧問作成 4 4

企業業績を評価した相場となる可能性も 図表 1: 今後の注目イベント 足元の米国株式の下落は 金利上昇を契機として 昨年来急ピッチで続いてきた上昇に対して調整が入ったものと考えられます これまでの上昇を後押ししてきた金融緩和政策による過剰流動性は今後解消に向かうと考えられるため 今後も金融政策や経済指標の発表を控えて市場の警戒感が高まることによる株価の一時的な調整には注意が必要です ( 図表 1 参照 ) 一方で 足元では景気動向に不安要素は少なく 企業業績は堅調に推移しており 今後は業績を評価した相場となる可能性もあります 2 月下旬 3 月 8 日 パウエル新連邦準備制度理事会 (FRB) 議長の議会証言 欧州中央銀行 (ECB) 理事会 3 月 2~21 日 米連邦公開市場委員会 (FOMC) 4 月 8 日 日銀 黒田総裁任期満了 4 月下旬 ~ 日本企業の本決算発表 MSCI 指数は MSCI が開発した指数です 同指数に対する著作権 知的所有権その他一切の権利は MSCI に帰属します また MSCI は 同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています 当資料をご利用にあたっての注意事項等 当資料はが作成した資料であり 特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません 運用による損益は すべて投資者の皆さまに帰属します 当資料に記載された過去の実績は 将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません 当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが その正確性 完全性 使用目的への適合性を保証するものではありません 当資料中に示された情報等は 作成日現在のものであり 事前の連絡なしに変更されることがあります 投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません 投資信託は 預金や保険契約と異なり 預金保険機構 保険契約者保護機構の対象ではありません 登録金融機関でご購入いただいた投資信託は 投資者保護基金の対象とはなりません 当資料に掲載されているいかなる情報も 法務 会計 税務 経営 投資その他に係る助言を構成するものではありません