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設されたサンドイッチ床版では床版上鋼板に設置されたコンクリート打設孔 ( 以下 打設孔 ) から水分が浸入し 内部コンクリートの砂利化が進行し 上鋼板のたわみ等による舗装の損傷が報告されている 1) 現在では 輪荷重走行位置に打設孔を設けない あるいは打設孔を閉塞する等の改良が行われているが 長万部橋ではこれらの対策が講じられていないため 舗装に損傷が生じていた 凡例 : 空隙予想範囲 3. 過年度補修工事の概要 過年度補修工事では 1 舗装変状箇所における鋼板とコンクリートの界面の空洞の解消を目的とした アクリル樹脂注入 2 上部鋼板の高力ボルト孔周辺に生じた亀裂の補修を目的とした 補強鋼板設置 が行われていた ( 図 -3) 空隙音範囲 図 -4 路面調査図 4-2. 開削調査による床版内の空隙の確認 4-2-1. 打音による空隙調査設定した空隙範囲を基に部分的に開削し 打音調査による空洞調査を行った この結果 開削調査範囲における空隙音発生箇所は 路面上の舗装の損傷箇所と一致することが確認できた ( 図 -5) 道路センターライン 至八雲 パネル C パネル A 至室蘭 打設孔位置 パネル D パネル B 舗装開削調査範囲 5000 4. 現地調査結果 図 -3 過年度補修工事概要図 4-1. 路面の損傷状況と床版内の空隙範囲の予測本工事に先立って実施した現地調査では 路面全体に舗装の損傷箇所が多数見られ 加熱アスファルト合材による穴埋めやパッチング等の舗装補修跡が見られた 現地調査結果によって得られた舗装の損傷及び補修箇所のデータとサンドイッチ床版パネル ( 以下 パネル ) の配置図を重ね合わせることにより 床版全体の空隙範囲を予測し 図 -4 のとおり整理した ( 写真 -1) 図 -5 打音調査結果図 また 路面上で舗装の損傷が確認された箇所には打設孔が存在しており 打設孔部で計測した空隙量は最大で 6.6mm であった ( 写真 -2) 写真 -2 空隙量計測状況写真 写真 -1 舗装損傷状況写真 4-2-2. 棒形スキャナによる空隙調査棒形スキャナは 一般のハンディスキャナと同じ原理を利用して開発されたもので コンクリート構造物内部状況を鮮明に記録することで ひび割れ深さや幅等の劣化状況を計測することができる また 計測に際しては 床版にスキャナの直径程度の削孔を行うだけで 床版構造へのダメージを最小限にとどめることが出来る ( 写真 -3)

この棒形スキャナを用いて 打音による空隙調査で空隙音が確認された箇所において 空隙調査を実施した 棒形スキャナによる空隙調査の結果 空隙音が確認された箇所で 鋼板とコンクリートの間に 8mm 程度の空隙があることを確認した ( 図 -6) 5-2. 施工計画工事箇所は交通量の多い一般国道 5 号と一般国道 37 号の交差点に近接しており 片側交互通行による規制は困難である 本工事ではパネル毎に分割施工することで 施工時に通行する車両の振動等の影響が抑えられると考え 施工範囲を縦断方向に 3 分割し 幅員減少による規制を行い 施工することとした 施工は 舗装取壊し 床版補修工 橋面防水工 アスファルト舗装工 を 1 サイクルとした ( 写真 -4 図 -8) 写真 -4 施工範囲分割状況 図 -6 劣化部棒形スキャナ調査結果図 1 次施工 写真 -3 棒形スキャナ 2 次施工 5. 補修計画 5-1. 施工フロー本工事では打設孔からの水の浸入防止及び鋼板とコンクリート間の空隙を充填する事を目的とし 1 打設孔の閉塞処理 2 床版空隙部の充填 3 発錆した上部鋼板面のケレン工 4 床版防水工 5 橋面舗装の打換えを行った 施工フローチャート ( 図 -7) を以下に示す 3 次施工 図 -8 施工断面図 図 -7 施工フロ - チャート 5-3. コンクリート打設孔の閉塞既存の打設孔を閉塞して 床版内部への水分の浸入を遮断するため 鋼板 (t=6.0mm) を溶接し 周囲にエポキシ系シール剤を施工した また 打設孔の閉塞に用いた鋼板中央部には 床版内部の空隙にエポキシ樹脂を注入するための空気抜孔が設けられているが 空隙充填作業の完了後にエポキシ系シール剤でこの空気抜孔を閉塞した ( 図 -9)

6-2. 舗装版撤去鋼床版面付近の舗装版の撤去を容易に行うため 舗装版の撤去前に路面ヒータで加熱する事で 施工の能率が向上した ( 写真 -6) 図 -9 打設孔の閉塞処理 5-4. 空隙充填舗装損傷の要因となる空隙は エポキシ樹脂注入により充填した なお 樹脂注入時には打音調査を行いながら注入することで未充填箇所を無くし 確実な注入を行うよう配慮した ( 図 -10) 写真 -6 舗装版撤去 6-3. 鋼板設置打設孔周りのケレンを実施後 鋼板で打設孔を閉塞し これと並行して空洞範囲を確認するため 床版面の打音調査を実施した ( 写真 -7) 図 -10 床版空隙部の処理 5-5. 橋面舗装当該橋梁は対流動対策区間であり 舗装構成は 基層 : 粗粒度アスコン (20)(t=4cm) 表層: 細密粒度ギャップアスコン13F55(t=4cm) となるが 床版面に高力ボルト頭部が約 1cm の高さで露出しているため 最大骨材粒径 20mm の粗粒度アスコンでは締め固めに懸念が生じる そのため 基層には粗粒度アスコンと同等以上の動的安定度が確保出来る 細密粒度ギャップアスコン 13F55 を採用した 2) 6. 現地施工 6-1. 準備工輪荷重の載荷する箇所は特にポットホールが発生しやすいため 規制前に舗装補修を実施した ( 写真 -5) 写真 -7 鋼板設置 6-4. 樹脂注入樹脂注入のため 注入孔及びリーク孔をドリルで削孔 (φ5mm) した なお 注入にあたっては鋼板への加圧による変状に配慮し 足踏み式注入器具を用いて人力で注入を実施した ( 写真 -8) 写真 -8 樹脂注入 写真 -5 施工前状況

6-5. ブラスト処理床版上の錆及び既存の無機ジンクリッチペイントを除去する目的でケレン工を行った ケレンは日当たり施工量 200~250 m2が可能なショットブラストとした ( 写真 - 9) 6-8. 施工完了施工完了後の全景を示す ( 写真 -12) 写真 -12 施工後状況 7. まとめ 写真 -9 ブラスト処理 6-6. 防水工床版防水工は流動性の良い塗膜系防水工を床版全面に施工した 3) ( 写真 -10) 本工事では コンクリートサンドイッチ鋼床版の補修計画時の調査 工事着手後の現場確認を踏まえた施工計画の策定及び施工を行った 本工事で得られた知見をまとめると以下のとおりである 7-1. 床版補修について近年 水分の供給による床版の疲労耐久性や走行性の低下が問題となっている 本工事では 調査により舗装の劣化状況と床版の損傷部位の関連性を明らかにし 床版防水工を含めた補修工事を実施することで 損傷原因の解消を図ることができた 写真 -10 防水工 6-7. 舗装工舗装補修計画を元に 基層 表層は共に細密粒度ギャップアスコン ( ポリマー改質アスファルト Ⅱ 型 )t=4cm を施工した ( 写真 -11) 7-2. 施工前の検討事項について 1 舗装版撤去サンドイッチ床版の舗装版撤去は 床版上に突出したボルト頭部の影響や作業帯幅の制約等を受けるが 路面ヒータを使用することで舗装版の撤去作業が容易となった このことから 舗装版の撤去方法については 全体施工量や施工条件を加味して検討する必要がある 2 アスファルト舗装基層に用いるアスファルト混合物は 耐流動性や耐水性といったサンドイッチ床版の基層に求められる性能のほか 床版上のボルト頭部の突出による締め固めへの影響などを考慮して選定することが望ましい 3 床版補修工樹脂注入時には足踏み式注入器具を用いるなど 過剰な加圧による鋼板の変状へ配慮し 適切な施工方法を選定する必要がある 写真 -11 防水工 4 ケレン工本工事では現場条件を考慮し ショットブラスト ( 日当り施工量 200~250 m2 ) を用いた 全体施工量や施工条

件を加味した 表面処理方法を採用する必要がある 8. おわりに 今後は 当該箇所の路面状況を道路巡回等によって追跡調査し 補修工法の妥当性を検証することが必要と考える 本報告書が 同種の鋼コンクリート合成サンドイッチ床版の補修事例として参考になれば幸いである 参考文献 1) 独立行政法人土木研究所 : 平成 22 年度土木研究所成果報告書 ( 一般 -25 積雪寒冷地における新構造形式を用いた橋梁等の設計施工法に関する研究 ), pp.4~ 5 2) 社団法人日本道路協会 : 舗装施工便覧 ( 平成 18 年版 ) pp.104~107: 平成 18 年 2 月 3) 社団法人日本道路協会 : 道路橋床版防水便覧, pp.97 ~107: 平成 19 年 3 月