不動産の移転等のかかる主要な税制 不動産の移転等にかかる主要な税制は以下のとおりである ここに示した税制については その時点以降は法令等が変更されることになどより 変更される可能性がある また 実務上の法令の解釈 適用については 所管省庁 弁護士 税理士 会計士などの専門家の確認が必要となり 記載さ

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【表紙】

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

 

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

課税上の取扱い

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま


(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

Microsoft Word - NO.2 株式の譲渡 2.docx

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

d. 少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称 NISA) 少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した非課税口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 26 年から平成 35 年までの 10 年間 新規投資額で毎年 100 万円を上限

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

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(****) 非課税口座に設けられる勘定は 毎年 非課税管理勘定 (NISA) 又は累積投資勘定 ( つみたて NISA) のいずれかに限ります 更に 2016 年 4 月 1 日から2023 年 12 月 31 日までの期間 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称ジュニアNISA)

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

 

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上場株式等の配当等に対する課税

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別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 申請者がと年月日をもって売買契約を締結した指名金銭債権に伴う別紙記載の不動産の質権又は抵当権の移転の登記につき 租税特別措置法第 83 条の2 第 1 項の規定の適用を受けたいので 租税特別措

所令要綱

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

( 注 3) 大口個人投資主 ( 配当基準日において発行済投資口総数の 3% 以上を保有 ) が 1 回に受け取る配当金額が 5 万円超 (6 か月決算換算 ) の場合には 必ず総合課税による確定申告を行う必要があります ( この場合には申告分離課税は 選択できません ) c. 源泉徴収選択口座への

費用並びに当該一般事務受託者 当該資産保管会社及び当該資産運用会社が立て替えた立替金の遅延利息又は損害金の請求があった場合は かかる遅延利息又は損害金を負担します 前記に加え 本投資法人は 原則として以下に掲げる費用を負担するものとし その詳細については 当該一般事務受託者 当該資産保管会社又は当該

1 有価証券届出書の訂正届出書の提出理由 平成 19 年 4 月 3 日付をもって提出した有価証券届出書の記載事項のうち 記載内容の一部を訂正するとともに 添付書類を差し替えるため 本有価証券届出書の訂正届出書を提出するものであります 2 訂正箇所及び訂正事項 第二部ファンド情報第 1 ファンドの状

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書 1 この明細書の用途この明細書は 法人が当期中に支払を受ける利子及び配当等並びに懸賞金等及び償還差益について課された所得税の額について 法第 68 条第 1 項 (( 所得税額の控除 ))( 復興財源確保法第 33 条第 2 項 (( 復興特別所得税

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[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

目 次 Ⅰ. 不動産証券化の意義と概要 意義 不動産証券化の特徴... 1 (1) 不動産の投資単位の小口化... 1 (2) 流動性の向上... 1 (3) 二重課税の回避... 2 (4) 倒産隔離 概要... 2 (1) 基本的な仕組み... 2

平成16年版 真島のわかる社労士

b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

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平成18年度不動産証券化に関する税制改正要望(案)

特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募

PowerPoint プレゼンテーション

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

確定申告をする ( 下記のいずれか一方を選択 ) 総合課税 申告分離課税 確定申告をしない ( 確定申告不要制度 ) ( 注 1) 借入金利子の控除ありあり 税率累進税率上記 (ⅰ) と同じ 配当控除なし ( 注 2) なし - 上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 なし あり 扶養控除等の判定 合

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

2018年 租税法基礎答練1回

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

個人投資主が本投資法人から受け取る投信法第 137 条の金銭の分配のうち 本投資法人の利益および一時 差異等調整引当額 ( 利益を超える金銭の分配で 投資法人の計算に関する規則 ( 平成 18 年内閣府令第 47 号 その後の改正を含みます 以下 投資法人の計算に関する規則 といいます ) 第 2

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

5% とされております ( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間は 復興特別所得税として 所得 税額に 2.1% を乗じた金額が併せて源泉徴収されます ) なお 個人投資主が受取る分配金については その金額にかかわらず 総合課税に代えて源泉徴収だけで納 税手続

投資主の皆様へ 平成 29 年 3 月 マリモ地方創生リート投資法人 第 1 期分配金の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます さて 本投資法人は 平成 29 年 2 月 14 日開催の役員会において 第 1 期 ( 平成 28 年 12 月期 ) の (A)

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

P12 第 6 章個人向け国債国債の契約締結前交付書面 手数料などなど諸費用諸費用について 個人向け国債を中途換金する際 原則として下記により算出される中途換金調整額が 売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれることになります ( 1 変動 10 年 : 直前 2 回分の各利子 ( 税

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公募株式投資信託の解約請求および償還時

本資料のポイント 平成 29 年度税制改正で 上場株式等に係る配当等 について 所得税 と 住民税 で異なる課税方式を選択することが可能であると明確化されました このことにより 課税所得 900 万円以下の場合 所得税は 総合課税 住民税は 申告不要 を選択することで 納税額を抑えることが可能となり

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

「恒久的施設」(PE)から除外する独立代理人の要件

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

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税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

公社債税制の抜本改正(個人投資家編)<訂正版>

平成23年度税制改正の主要項目

五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先

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2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

( 資産流動化信託に不動産が活用されるに至った歴史的背景 ) 1990 年代のバブル経済の崩壊により土地神話が崩壊し 不動産は右肩上がりの値上がりを続ける特別 な資産から 価格が上下動する普通の財産であるとの認識が広がり 不動産を持っていれば儲かる時代 は終わりを告げた こうした中 債務超過に陥った

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(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

第 5 章 N

Transcription:

不動産投資に関する主な税制 グローバルなが 投資対象国やアセットを選定するに際しては リスク リターンの評価と共に 投資に係る各種税金も重要な項目となる このため 日本における不動産投資に関する主な税制について 以下の 7 点について整理した なお 本項については 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 を基に 同書での調査時点が 2013 年 4 月 1 日時点であることを鑑み 適宜 時点修正を加えている 1 会社法上の非 SPC による不動産現物の売買 2 会社法上の SPC による信託受益権の売買 3 SPC 法による TMKでの不動産現物の売買 4 投資法人による不動産現物の売買 5 不動産特定共同事業法による匿名組合方式での不動産現物の売買 6 税制 上場株式 社債 SPC 優先出資証券 投資法人 ( 上場 ) 不動産特定共同事業商品匿名組合出資( 金銭出資型 ) 7 現物不動産と信託受益権の流通課税上の比較

不動産の移転等のかかる主要な税制 不動産の移転等にかかる主要な税制は以下のとおりである ここに示した税制については その時点以降は法令等が変更されることになどより 変更される可能性がある また 実務上の法令の解釈 適用については 所管省庁 弁護士 税理士 会計士などの専門家の確認が必要となり 記載された内容が正確性を保証するものではないことに注意を要する

時点税金資産売買の消費税建物分資産の保有 運用の段不動産の移転等のかかる主要な税制 会社法上の非 SPC 不動産現物を売買 オリジネーター 取得時 不動産取得税 土地 ( 宅地等 ) 土地評価額 1/ 2( 1) 3%( 1) 土地 ( 宅地以外 ) 土地評価額 3%( 1) 建物 ( 住宅 ) 建物評価額 3%( 1) 建物 ( 非住宅 ) 建物評価額 4% 土地評価額 1.5%( 2) 建物評価額 2% 課税停止 課税停止 要ビークル要件利益への課税配 当事業年度要件 参入要件の概 1:2015 年 3 月 31 日まで 2:2015 年 3 月 31 日まで 出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 をもとに適宜更新

時点税金資産売買の消費税受益権建物分資産の保有 運用の段不動産の移転等のかかる主要な税制 会社法上の SPC 信託受益権を売買 オリジネーター 取得時不動産取得税 信託設定土地評価額 0.3%( 2) 建物評価額 0.4% ( 信託受益権の取得のため受益者名義変更登記費用のみ ) 要ビークル要件利益への課税配 事業年度要件 参入要件の概 2:2015 年 3 月 31 日まで 出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 をもとに適宜更新

産売買の消費税建物分資産の保有 運用の段不動産の移転等のかかる主要な税制 SPC 法 (TMK) 現物売買 時点税金資オリジネーター 取得時 不動産取得税 土地 ( 宅地等 ) 土地評価額 2/5( 2) 1/2( 1) 3%( 1) 土地 ( 宅地以外 ) 土地評価額 2/ 5( 2) 3%( 1) 建物 ( 住宅 ) 建物評価額 2/ 5( 2) 3%( 1) 建物 ( 非住宅 ) 建物評価額 2/ 5( 2) 4% 土地評価額 1.3%( 3) 建物評価額 1.3%( 3) 課税停止 課税停止 損金参入要件あり配利益への課税 * 当事業年度要件損金1 流動化計画を遵守 参入要件の概ビークル要件 1SPC 名簿への登録 2 下表記載のいずれか 3 優先出資及び基準特定出資の募集が50% 超国内である旨の流動化計画記載 ( 4) 4 会計期間が1 年以下 2 他業の非兼営 3 特定資産の信託又は特定資産の管理 処分 を他の者に委託 4 期末に同族会社のうち政令で定めるもの ( 5) に該当しない 但し特定社債を公募で 1 億円以上発行又は機関又は特定債 権流動化特定目的会社のみの保有見込の場合を除く 5 配当可能利益の 90% 超の配当支払い 6 合名会社又は合資会社の無限責任社員になっていない 7 特定資産以外の非保有かつ特定借入が特定出資者でない機関又は特定債権流動化特定目的会社からのみ 配当損金参入要件の概要ビークル要件 2 該当項目 特定社債公募発行総額が 1 億円以上 特定社債の機関又は特定債権流動化特定目的会社のみの保有見込 優先出資の 50 人以上の引受 優先出資の機関のみの引受 1:2015 年 3 月 31 日まで 2:2015 年 3 月 31 日まで 3:2015 年 3 月 31 日まで 運用対象となる不動産から倉庫及びその敷地は除外されている等 対象不動産について一定の制限がある 4: 平成 23 年 (2011) 度税制改正により 特定目的会社に関し 2 以上の種類の優先出資を発行する場合における国内募集割合を 100 分の 50 超とする要件に係る資産流動化計画への記載又は記録については それぞれの種類の優先出資ごとに行う旨が明確化され また特定目的信託に関し 2 以上の種類の受益権が募集される場合における国内募集割合を 100 分の 50 超とする要件に係る資産信託流動化計画への記載については それぞれの種類の受益権ごとに行う旨が明確化された 5: 同族会社の判定のうち議決権基準については優先出資社員のみで行う点が通常の同族会社の判定と異なる 出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 をもとに適宜更新

産売買の不動産の移転等のかかる主要な税制 投資法人 現物売買 時点税金資オリジネーター 取得時 不動産取得税 土地 ( 宅地等 ) 土地評価額 2/5( 3) 1/2( 1) 3%( 1) 土地 ( 宅地以外 ) 土地評価額 2/ 5( 3) 3%( 1) 建物 ( 住宅 ) 建物評価額 2/ 5( 3) 3%( 1) 建物 ( 非住宅 ) 建物評価額 2/ 5( 3) 4% 土地評価額 1.3%( 3) 建物評価額 1.3%( 3) 課税停止 消費税建物分資産の保有 運用の4 会計期間が1 年以下 課税停止 要4 期末に同族会社に該当していないこと ビークル要件 1 投資法人の登録 2 以下のいずれか 設立時に発行した投資口公募発行総額が1 利益への課税 * 億円以上損金参入要件あり配当 事業年度終了時に発行済み投資口が50 人損以上に所有又は機関のみの保有金3 投資口の募集が50% 超国内である旨の規約記載 ( 5) 事業年度要件 1 投信法 63 条 ( 能力規定 ) 遵守 2 資産運用会社への委託 3 資産保管会社への委託 (1 投資主グループで判定 ) 5 配当可能利益の90% 超の配当支払い 6 他法人の株式又は出資の50% 以上を保有し ていないこと ( 6) 7 借入が機関からのみ 参入要件の概 1:2015 年 3 月 31 日まで 2:2015 年 3 月 31 日まで 3:2015 年 3 月 31 日まで 運用対象となる不動産から倉庫及びその敷地は除外されている等 対象不動産について一定の制限がある 5: 平成 23 年 (2011) 度税制改正により 投資口に係る国内募集割合を 100 分の 50 超とする要件に係る規約への記載又は記録を 発行した投資口の合計で行うこととされた ( 措令 39 条の 32 の 3 第 3 項 ) 6: その投資法人に代わって 専ら不動産に関する取引を国外において行うことを目的とする一定の法人を除く 出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 をもとに適宜更新

産売買の消費税建物分資産の保有 運用の段不動産の移転等のかかる主要な税制 不動産特定共同事業法匿名組合方式 ( 現物 ) 時点税金資オリジネーター 取得時 不動産取得税 土地 ( 宅地等 ) 土地評価額 1/ 2( 1) 3%( 1) 土地 ( 宅地以外 ) 土地評価額 3%( 1) 建物 ( 住宅 ) 建物評価額 3%( 1) 建物 ( 非住宅 ) 建物評価額 4% 特例事業者が一定の不動産を取得する場 合には 当該不動産の価格 1/ 2 上記 税率 ( 3) 土地評価額 1.5%( 2) 建物評価額 2.0% 特例事業者が一定の不動産を取得する場合の税率は土地評価額 建物評価額に対してそれぞれ次の通り ( 3) 所有権の保存登記 0.3% 所有権の移転登記 1.3% 課税停止 課税停止 匿名組合は人格のない社団等に含まれず それ自体には課税されない配ビークル要件 事業年度要件 参入要件の概 1:2015 年 3 月 31 日まで 2:2015 年 3 月 31 日まで 3:2013 年 12 月 20 日から 2015 年 3 月 31 日までの間に 特定事業者 (SPC) が取得する建替え等が必要な一定の不動産について特例が適用される出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 をもとに適宜更新

税制 上場株式 社債 属性時点上場株式社債 ( 個人 ) ( 法人 ) 取得 (* 非上場も ) 保有 譲渡 配当所得源泉徴収 20%( 配当控除あり ) ( 総合課税での申告も可能 ) 1 * 非上場は総合課税 源泉 20% 譲渡所得申告分離 20% ( 特定口座利用により申告不要可能 ) * 非上場は申告分離 20% 1 利子所得税源泉分離 20% 2 取得 保有 ( 益金不算入あり ) 2 譲渡 SPC 優先出資証券 投資法人 ( 上場 ) 属性時点 SPC 優先出資証券投資法人 ( 上場 ) ( 個人 ) ( 法人 ) 取得 保有 譲渡 配当所得総合課税 ( 源泉徴収 20%)( 配当控除なし ) 譲渡所得申告分離 20% 取得 配当所得源泉徴収 20%( 配当控除なし )( 総合課税での申告も可能 ) 1 譲渡所得申告分離 20% ( 特定口座利用により申告不要可能 ) 1 保有 ( 益金不算入なし ) ( 益金不算入なし ) 譲渡 不動産特定共同事業商品匿名組合出資 ( 金銭出資型 ) 属性時点不動産特定共同事業商品匿名組合出資 ( 金銭出資型 ) ( 個人 ) ( 法人 ) 取得 保有 譲渡 取得 不動産所得又は雑所得 譲渡所得 保有 ( 益金不算入なし ) 譲渡 1: 口座内の小額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の制度 (NISA) の活用可能 の適用を受けるためには 配当等の受取方法として 株式数比例配分方式を選択する必要あり 2: 民間国外債等の課税の特例 振替国債等の利子等の課税の特例 振替社債等の利子等の制度あり 2013 年 1 月 1 日 ~ 2037 年 12 月 31 日まで 源泉徴収すべき所得税に対し 別途所得税額の 2.1% 相当額の復興特別所得税が併せて徴収される出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック2013 をもとに適宜更新

現物不動産と信託受益権の流通課税上の比較 現物不動産 不動産取得税土地 ( 宅地等 )= 土地評価額 1/ 2 3% (3% 1/ 2 特例ともに 2015 年 3 月 31 日まで 本則は 4%) 土地 ( 宅地等以外 )= 土地評価額 3% 地方税法附則第 11 条の 2 第 1 項 同附則第 11 条の 5 第 1 項 ( 取得 ) 建物 ( 住宅 )= 建物評価額 3% (2015 年 3 月 31 日まで 本則は 4%) 地方税法附則第 11 条の 2 第 1 項 停止中 ( 当分の間 ) 所有権移転登記 土地所有権移転登記 ( 売買のみ ) = 課税標準 1.5% (2015 年 3 月 31 日まで 本則は 2%) 租税特別措置法第 72 条 1 項 1 号 建物所有権移転登記 = 建物評価額 2% 不動産信託受益権 地方税法第 73 条の 7 所有権移転登記 信託による所有権移転登記 法第 7 条 所有権信託登記 土地の所有権の信託登記 = 土地評価額 0.3% (2015 年 3 月 31 日まで 本則は 0.4%) 租税特別措置法第 72 条 1 項 2 号 建物の所有権の信託登記 = 建物評価額 0.4% 法別表 1 第 1 号 (10) イ 受益者名義変更一個の不動産につき千円 ( 土地 筆 建物 棟 ) 法別表 1 第 1 号 (14) 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託の受託者から受益者 ( 信託の効力が生じた時から引き続き委託者であるものに限る ) への信託財産の移転 : 不動産の所有権以外の権利の信託登記 ( 質権 抵当権等の信託 )= 評価額 0.2% 法別表 1 第 1 号 (10) ロ ハ 印紙税 売買契約書の記載金額に応じて課税 信託契約書 1 通 200 円 印紙税法別表 1 第 12 号 受益権譲渡契約書 200 円 印紙税法別表 1 第 12 号または 15 号 出所 : 一般社団法人不動産証券化協会 不動産証券化ハンドブック 2013 をもとに適宜更新