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目次 はじめに... 1 第 1 章低濃度 PCB 含有廃棄物に関する測定方法における分析精度管理... 4 第 2 章試料溶液作製までの分析手順書... 9 1. 紙くず 木くず 繊維くず 廃プラスチック類 ( 合成樹脂くず 合成ゴムくず等 )( 含有量試験 )... 9 2. 廃活性炭 ( 含有量試験 )... 13 3. 汚泥 ( 含有量試験 )... 18 4. 廃プラスチック類 ( 表面拭き取り試験 )... 22 5. 金属くず ( 表面拭き取り試験 )... 25 6. 金属くず ( 表面抽出試験 )... 28 7. コンクリートくず ( 表面抽出試験 )... 32 8. 塗膜くず ( 含有量試験 )... 36 9. 廃感圧紙 ( 含有量試験 )... 39 第 3 章絶縁油中の微量 PCB の簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) に記載の分析方法を適用するための手順書... 53 1. 2.1.1 高濃度硫酸処理 / シリカゲルカラム分画 / キャピラリーガスクロマトグラフ / 電子捕獲型検出器 (GC/ECD) 法 への接続手順... 54 2. 2.1.2 加熱多層シリカゲルカラム / アルミナカラム / キャピラリーガスクロマトグラフ電子捕獲型検出器 (GC/ECD) 法 への接続手順... 60 3. 2.1.3 硫酸処理 / ジビニルベンゼン-メタクリレートポリマーカラム分画 / キャピラリーガスクロマトグラフ / 電子捕獲型検出器 (GC/ECD) 法 への接続手順... 66 4. 2.1.4 ゲルパーミエーションクロマトグラフ / 多層シリカゲルカラム / キャピラリーガスクロマトグラフ / 電子捕獲型検出器 (GC/ECD) 法 への接続手順.. 72 5. 2.2.1 溶媒希釈 / ガスクロマトグラフ / 高分解能質量分析 (GC/HRMS) 法 への接続手順... 78 6. 2.3.1 加熱多層シリカゲルカラム / アルミナカラム / ガスクロマトグラフ / トリプルステージ型ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC/MS/MS) 法 への接続手順... 82 7. 2.4.1 加熱多層シリカゲルカラム / アルミナカラム / ガスクロマトグラフ / 四重極型質量分析計 (GC/QMS) 法 への接続手順... 87 8. 2.5.1 スルホキシドカートリッジ / 負イオン化学イオン化質量分析計

(GC/NICI-MS) 法 への接続手順... 92 9. 2.7.1 加熱多層シリカゲルカラム / アルミナカラム / フロー式イムノセンサー 法 への接続手順... 99

9. 廃感圧紙 ( 含有量試験 ) (1) 試薬 (PCB の分析に妨害を生じないものに限る ) アアセトンイヘキサンウジクロロメタンエ硫酸ナトリウム ( 無水 ) オガラス繊維 (2) 器具及び装置 ( 試薬とともに空試験を行い PCB の分析に影響を及ぼす妨害成分を含まないことが確認されたものに限る ) アフラスコイ超音波洗浄器ウ振とう機エ濃縮器 ( ロータリーエバポレーター又はクデルナダニッシュ濃縮器 ) オ漏斗カ分液漏斗キピペットクメスフラスコ (3) 試験操作ア試料の採取 1 試料を別紙廃感圧紙分析試料の採取方法に従ってサンプリングを行い 代表性を確保したうえで数 10 g 程度を採取する 2 採取した試料は 2~10 mm のサイズに粉砕又は細断し よく混合し 5~10 g 程度 1) を分取し これらを秤量し 試験試料とする 注イ抽出 1 フラスコにア2で得られた試験試料を入れ 更に試料量の 10 倍容程度 (50~100 2,3,4) ml) のアセトンを加え 超音波洗浄器等を用いて 15 分程度抽出する 注 2 ガラス繊維を敷いた漏斗でろ過し ろ液を別のフラスコに入れる 3 漏斗に残った固形試料はフラスコに戻し 12の操作を行い 合計 2 回以上抽出す 5) る 注 4 フラスコ内容物を適量のアセトンで 3 回洗い 洗浄液をろ過して 23の操作で得 6) られたろ液と混ぜ 突沸に注意しながら濃縮器で濃縮した後注 適量のヘキサンに 7) 転溶する 注その後 ガラス繊維を敷いた上に硫酸ナトリウム ( 無水 ) を充填した 8) 漏斗を用いて脱水する 注 1

5 ヘキサンで 100 mlに定容したものを試料溶液とする 注 1) 採取後の試料は 二重包装にすることや温度上昇を防止すること (30 程度以下 ) 等により輸送や保管等での他の試料の汚染及び PCBの揮散消失の防止措置を講じること 注 2) 試料の状態やサンプリング方法によっては 廃感圧紙が固まりとなっている場合があり この状態では抽出が不十分となる そのため十分に紙を解してから抽出すること 注 3) 抽出溶媒としてジクロロメタンも適用可能であり アセトンに替えてジクロロメタンで抽出しても良い 注 4) 試料の比重が小さく アセトンに浮いてしまう場合には ステンレス製メッシュ等を押さえ蓋として用い 試料がアセトンに浸るようにして超音波抽出を行う あるいは超音波抽出を振とう抽出に変更する 注 5) 試験試料が含水している場合には 1 回目の抽出操作には必ずアセトンを用いる その後 アセトンあるいはジクロロメタンでイ1~3の操作を行う 1 回目のアセトンのろ液は 2 回目以後のろ液とは別に分液漏斗に入れ アセトンの 10 倍容の水とアセトンと等量のヘキサンを加え 液 - 液振とう抽出して ヘキサン層を分取する この液 - 液振とう抽出をさらに 1 回実施し 得られたヘキサン層を先のヘキサンに併せる 注 6) 試験試料中の微量の水分がアセトンに混在する場合も想定される 親水性溶媒のアセトンを硫酸ナトリウム ( 無水 ) で脱水することは困難なため 最初に濃縮を行うが アセトンが含水している場合 濃縮時に突沸しやすいので注意が必要である 注 7) 試験試料が含水している場合は 注 5) の操作で得られたヘキサン層をここで併せる 注 8) ジクロロメタンを用いる場合は アセトンを用いる場合の手順とは異なり 3 の操作で得られたろ液を 脱水 濃縮 ヘキサン転溶の順で操作してよい ウ前処理方法 エ定量イ5の操作で得られた試料溶液について 以下のⅠ 又はⅡに記載された方法によって 前処理及び測定を行う 具体的な操作方法については 各方法に定めるところによる Ⅰのうち主な簡易定量法の分析方法を適用するための手順書を第 3 章に示す なお 試料中の PCB 濃度が高い場合には 希釈のみでも測定可能である その場合の手順等を第 3 章の各測定法中に 精製が不要な場合 として示す Ⅰ 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) ( 平成 23 年 5 月環境省大臣官房廃棄物 リサイクル対策部産業廃棄物課 )2 絶縁油中の PCB 簡易定量法 2

Ⅱ 特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法 ( 平成 4 年厚生省告示 192 号 ) 別表第三の第三 ( 部材採取試験法 ) (4) 判定 (3) で求めた試料の PCB 含有量が 5,000 mg/kg 以下であること なお 定量下限値を 50 mg/kg 以下とする 備考 この試験方法における用語 試薬 器具及び装置その他の事項でこの試験方法に定めが ないものについては (3) ウの Ⅰ 又は Ⅱ に定めるところによる ( 参考 ) 試験試料を硫酸に溶解した後ヘキサンで抽出する方法も同等の抽出効率が確認されたので 参考としてフローチャートを示した 但し 他の抽出方法に比べて操作が複雑なため 事前に PCBを添加した試料での回収率の確認が不可欠である なお 試験試料を硫酸に溶解する際に 硫酸及び試験試料が飛散しないように注意する 3

フローチャート : 廃感圧紙 ( 含有量試験 )( アセトン抽出法 ) ( 水分を多く含んでいない試料 ) サンプリング 別紙廃感圧紙分析試料の採取方法に準拠 試料 数 10 g 程度 細断 2~10 mm 試験試料秤量 5~10 g 程度 超音波抽出 ( 注 1) ろ過 アセトン 50~100 ml ( 試験試料の 10 倍容 ) 合計 2 回 ガラス繊維を敷いた漏斗 残渣 ろ液 濃縮 溶媒置換 クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーター ( 突沸に注意する ) ヘキサン 脱水 硫酸ナトリウム ( 無水 ) 試験溶液 100 ml 定容 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) に定める簡易定量法又は厚生省告示 192 号別表第三の第三に定める方法に従い 前処理 定量を行う 注 1: 試料の比重が小さく アセトンに浮いてしまう場合には ステンレス製メッシュ等を押さえ蓋として用い 試料がアセトンに浸るようにして超音波抽出を行う 若しくは超音波抽出を振とう抽出に変更する 4

フローチャート : 廃感圧紙 ( 含有量試験 )( アセトン抽出法 )( 水分を多く含んだ試料 ) サンプリング 別紙廃感圧紙分析試料の採取方法に準拠 試料 数 10 g 程度 細断 2~10 mm 試験試料秤量 5~10 g 超音波抽出 ( 注 1) ろ過 アセトン 50~100 ml ( 試験試料の 10 倍容 )1 回 ガラス繊維を敷いた漏斗 残渣 ろ液 加水 500~1000 ml ( アセトンの 10 倍容 ) ガラス繊維を敷いた漏斗 超音波抽出 ( 注 1) ろ過 アセトン 50~100 ml ( 試験試料の 10 倍容 ) 合計 2 回 液 - 液抽出 ヘキサン 50~100 ml ( アセトンの等量 ) 残渣 ろ液を濃縮 ( 突沸に注意する ) ヘキサン層 水層 さらに 1 回 溶媒置換 ヘキサン ヘキサン抽出液を併せる 脱水 硫酸ナトリウム ( 無水 ) 濃縮 試験溶液 クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーター 100 ml 定容 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) に定める簡易定量法又は厚生省告示 192 号別表第三の第三に定める方法に従い 前処理 定量を行う 注 1: 試料の比重が小さく アセトンに浮いてしまう場合には ステンレス製メッシュ等を押さえ蓋として用い 試料がアセトンに浸るようにして超音波抽出を行う 若しくは超音波抽出を振とう抽出に変更する 5

フローチャート : 廃感圧紙 ( 含有量試験 )( ジクロロメタン抽出法 ) ( 水分を多く含んでいない試料 ) サンプリング 試料 別紙廃感圧紙分析試料の採取方法に準拠 数 10 g 程度 細断 2~10 mm 試験試料秤量 超音波抽出 ( 注 1) 5~10 g 程度 ジクロロメタン 50~100 ml ( 試験試料の 10 倍容 ) 合計 2 回 ろ過 ガラス繊維を敷いた漏斗 残渣 ろ液 脱水 硫酸ナトリウム ( 無水 ) 濃縮 溶媒置換 クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーター ヘキサン 試験溶液 100 ml 定容 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) に定める簡易定量法又は厚生省告示 192 号別表第三の第三に定める方法に従い 前処理 定量を行う 注 1: 試料の比重が小さく ジクロロメタンに浮いてしまう場合には ステンレス製メッシュ等を押さえ蓋として用い 試料がジクロロメタンに浸るようにして超音波抽出を行う 若しくは超音波抽出を振とう抽出に変更する 6

フローチャート : 廃感圧紙 ( 含有量試験 )( ジクロロメタン抽出法 )( 水分を多く含んだ試 料 ) サンプリング 別紙廃感圧紙分析試料の採取方法に準拠 試料 数 10 g 程度 細断 2~10 mm 試験試料秤量 5~10 g 超音波抽出 ろ過 アセトン 50~100 ml ( 試験試料の 10 倍容 )1 回 ガラス繊維を敷いた漏斗 ガラス繊維を敷いた漏斗 残渣 超音波抽出 ( 注 1) ろ過 ジクロロメタン 50~100 ml ( 試験試料の 10 倍容 ) 合計 2 回 ろ液 液 - 液抽出 加水 500~1000 ml ( アセトンの 10 倍容 ) ヘキサン 50~100 ml ( アセトンの等量 ) 残渣 ろ液 ヘキサン層 ヘキサン抽出液を併せる 水層 さらに 1 回 脱水 硫酸ナトリウム ( 無水 ) 濃縮 クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーター 溶媒置換 ヘキサン 試験溶液 100 ml 定容 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) に定める簡易定量法又は厚生省告示 192 号別表第三の第三に定める方法に従い 前処理 定量を行う 注 1: 試料の比重が小さく ジクロロメタンに浮いてしまう場合には ステンレス製メッシュ等を押さえ蓋として用い 試料がジクロロメタンに浸るようにして超音波抽出を行う 若しくは超音波抽出を振とう抽出に変更する 7

( 参考 ) フローチャート : 廃感圧紙 ( 含有量試験 )( 硫酸溶解 - ヘキサン抽出法 ) サンプリング 別紙廃感圧紙分析試料の採取方法に準拠 試料 数 10 g 程度 細断 2~10 mm 試験試料秤量 硫酸溶解 2~5 g 程度 ( 注 1) ヘキサン 20~100 ml 程度 ( 試験試料の 10 倍容 ) で分散後硫酸 20~100 ml を添加し 試験試料を溶解 静置 3 時間以上 振とう抽出 (3 回 ) ヘキサン 20~100 ml 程度 200 rpm で 30 分 静置 3 時間以上 ヘキサン層を分取 水洗 脱水 硫酸ナトリウム ( 無水 ) 濃縮 ロータリーエバポレーター又はクデルナダニッシュ濃縮器 試験溶液 100 ml 定容 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル ( 第 3 版 ) に定める簡易定量法又は厚生省告示 192 号別表第三の第三に定める方法に従い 前処理 定量を行う 注 1: 試験試料量を 2 g 程度とする場合には 試料の均一性に十分注意して秤量する 8

( 別紙 ) 廃感圧紙分析試料の採取方法 1. 目的 PCB を含むマイクロカプセルが使用された一般的な廃感圧紙の PCB 含有量は 3~5 重量 % であり 過去に PCB 環境汚染の主要ルートのひとつとされたことから 厳重に保管されてきた これらは昭和 50 年代に一部洋上焼却が行われたが PCB 特措法の届出情報によると 今もなお約 600 トンの廃感圧紙が全国の約 300 事業所で保管が続けられている 一方 PCB 使用廃感圧紙が製造されていた時期のものでも 実際にはPCBをほとんど含まないものが存在し PCB を含む廃感圧紙とともに保管されていることが知られている したがって 保管中の廃感圧紙の中から PCB 含有量が 5,000 mg/kg 以下の低濃度 PCB 廃棄物に区分される廃感圧紙を選び出すことができれば 本来高濃度 PCB 廃棄物として JESCO での処理を前提に保管されてきた廃感圧紙の一部を無害化処理認定施設等で焼却処理することができるようになり 合理的であると言える ただし 廃感圧紙の保管場所では 複数種の廃感圧紙が雑多に容器に入れられたり 大小様々なロットで種類別に区分けされて容器に入れられたりして保管されている そのため 実際の保管状況を踏まえて一定のルールに従って分析用の試料を適切に採取し マイクロカプセルに内包された PCB を抽出して分析することで 確実に 5,000 mg/kg 以下のものであるかどうかを慎重に判断することが重要となる 本書では 基本的に JIS K0060-1992 の 産業廃棄物のサンプリング方法 に準拠しつつ 保管実態も踏まえて保管中の廃感圧紙を適切にロット分けし その一部を採取して PCB 濃度分析用の試料を調製する方法について示した また 分析結果を基に低濃度 PCB 廃棄物に区分された廃感圧紙を保管場所で適正に選別して容器詰めし 無害化処理認定施設等に搬出するまでの作業を 信頼性を確保しつつ実施するための留意事項についても記載した 2. 廃感圧紙の試料採取フロー 保管場所に保管された廃感圧紙をロット分けし PCB 濃度分析用の試料 ( インクリメン ト ) を採取するフローを次ページに示す 9

分析用試料採取のフロー 保管状態からロットを設定 No 適切な根拠によるロットの設定 ( 注 1) 容器内は同一種類の廃感圧紙 Yes 廃感圧紙の種類により容器ごとに分別 使用済み廃感圧紙 使用済 / 未使用 未使用廃感圧紙 試料採取 : 方法 A 試料採取 : 方法 B 試料採取 : 方法 C 試料分析 試料分析 試料分析 判定 判定 判定 試料採取 : 方法 A 1 容器から JIS K0060-1992 の 2 倍の数のインクリメントをランダムに採取 ( 注 2) 2 各インクリメントの全ての廃感圧紙について 複数個所から 10 mm 角程度の試料を切り出し 合計 50g 程度以上を採取 ( 注 3) 3 混合 縮分して 5 g 程度の試験試料を調製 試料採取 : 方法 B 1 容器から JIS K0060-1992 に従った数のインクリメントをランダムに採取 2 重量 20 g 程度となるように各インクリメントから使用済み廃感圧紙を採取 3 採取した廃感圧紙全てを 10 mm 角程度に細断 ( 注 3) 4 混合 縮分して 5 g 程度の試験試料を調製 試料採取 : 方法 C 1 重量 20 g 程度の未使用廃感圧紙を 1 組単位で採取 2 採取廃感圧紙全てを 10 mm 角程度に細断 ( 注 3) 3 混合 縮分して 5 g 程度の試験試料を調製 注 1: 主な廃感圧紙の種類 保管量により適切な区分を設定する 適切に区分することが困難な場合は 1 容器 ( 約 25 kg) を 1 ロットとする 保管された廃感圧紙の種類ごとに再分類してもよい 注 2: 廃感圧紙が束で保管されていない場合は 5~10 cm 程度の厚みとなる量の廃感圧紙をランダムに採取する 各インクリメントの束ごとにできるだけランダムな位置から採取する 注 3: 事務用パンチ器等を用いた穿孔くずを試料としてもよい 10

3. 試料採取方法 3.1 試料採取場所の養生試料の採取場所は PCB 特別措置法で届出された事業場所内の室内 ( 室内温度 30 程度以下 ) で行うこととし 床面に養生シートを敷くなど 紙くず類の飛散による汚染に配慮する 3.2 ロットの設定 (1) 前提 1 廃感圧紙は 段ボール箱 プラスチック製衣装ケース ドラム缶 ビニール袋等の容器で保管されているものとする 2 保管廃感圧紙は 容器ごとに可能な範囲で同一の種類 性状等のものをまとめて 1 ロットとする (2) 容器に複数種の廃感圧紙が混在して保管されている場合 1 次の条件に従ってロット分けが可能かを検討する ア ) 保管状態に基づく量によるロットの設定 ( 例 :1パレット) イ ) 主な廃感圧紙の種類によるロットの設定 ( 過半数が同一種類の廃感圧紙 ) 容器内の廃感圧紙の種類ごとに再分類してもよい 2 上記 1に従って 選別されたそれぞれを 1ロットとする 3 上記 1に従ってロット分けが困難な場合は 1 容器 ( 約 25 kg) を1ロットとする (3) 容器ごとに特定の種類の廃感圧紙が保管されている場合 1 容器ごとの廃感圧紙が次の項目等によって選別が可能かを検討する ア ) 使用済み廃感圧紙 未使用廃感圧紙の選別イ ) 使用済み廃感圧紙について 種類 製造年 製造業者等による選別ウ ) 未使用廃感圧紙について 種類 製造年 製造業者等による選別 2 上記 1に従って できるだけ詳細に選別する 3 選別されたそれぞれを1ロットとする (4) 記録ロット設定や選別した根拠が適切であることを示す試料採取記録を作成する 記録する項目として次の各項目が挙げられる また 採取したインクリメントからの分析用試料の採取状況 ( 写真 ) も併せて記録する 保管事業者名 保管場所 分析試料採取日 分析実施者 分析試料採取者 選別後の廃感圧紙の種類及び数量 写真 ( 保管場所 選別前の廃感圧紙の保管状況 分析試料採取作業状況 選別後の廃感圧紙の保管状況等 ) 11

3.3 インクリメント数の設定 (1) 前提 1 インクリメントは 保管されている廃感圧紙の 1 束を基本単位とする 2 廃感圧紙が束の状態で保管されていない場合には ランダムに採取した廃感圧紙を 5~10 cm 程度の厚みに束ね インクリメントとする (2) 当該ロットに複数種の廃感圧紙が混在して保管されている場合 1 1ロットの全ての容器から所定数のインクリメントを採取する 2 各容器からのインクリメントの必要数は JIS K0060-1992 4.4.2(2) 及び (3) 備考に準拠して式 a) により算出し さらに同解説 3.1 (2)(a) に従い 特に慎重を要する場合 に相当するものとしてインクリメントの必要数をその 2 倍とする N=n/m 式 a) N: 各容器からのインクリメントの必要数 小数点以下を切上げた整数 *1 n:jis K0060-1992 表 2の必要最小個数 (1 t 未満 :6 1~5 t *2 :10) *1) 40 容器程度以下 *2)40~200 容器程度 m: 容器数 ( 2)(m=1の場合は N=3) 3 容器数ごとの必要インクリメント数等を表 3に示す (3) 当該ロットが 同一種類の使用済み廃感圧紙である場合 1 1ロットの全ての容器から所定数のインクリメントを採取する 2 各容器からのインクリメントの必要数は JIS K0060-1992 4.4.2(2) 及び (3) 備考に準拠し 式 a) により算出する 3 容器数ごとの必要インクリメント数等を表 3に示す (4) 当該ロットが同一種の未使用廃感圧紙の場合 1 製品 1 組の単位で同一性状と考えられることから インクリメント数は設定しない 3.4 分析用試料の調製 (1) ロットが複数種の廃感圧紙からなる場合 1 全容器から3.3(2) に示した数のインクリメントをランダムに採取する 2 各インクリメントの全ての廃感圧紙について 複数か所から 10 mm 角程度の試料を切り出し 合計 50 g 程度以上となる量を採取する 3 10 mm 角程度の切り出し試料に替えて 事務用パンチ器を用いてφ6 mm 程度に穿孔し その穿孔くずを採取して試料としても良い 4 採取した試料をよく混合した後に縮分して 5 g 程度の試験試料とする 12

表 3 保管容器数と必要インクリメント数等 複数種の廃感圧紙が混在 ( 必要インクリメント :JIS 規定の 2 倍 ) 同一種の廃感圧紙 ( 必要インクリメント :JIS 規定 ) 容器数 必要インクリメント数 総インクリメント 必要インクリメント数 総インクリメント m 2N m 2N N m N 1 6 6 3 3 2 6 12 3 6 3 4 12 2 6 4 4 16 2 8 5 4 20 2 10 6 2 12 1 6 7 2 14 1 7 8 2 16 1 8 9 2 18 1 9 10 2 20 1 10 11~20 2 22~40 1 11~20 21~30 2 42~60 1 21~30 31~50 2 62~100 1 31~50 (2) ロットが同一種類の使用済み廃感圧紙からなる場合 1 全容器から3.3(3) に示した数のインクリメントをランダムに採取する 2 全てのインクリメントから合計重量 20 g 程度となる使用済み廃感圧紙を採取する 3 採取した全ての廃感圧紙について ハサミ等を用いて 10 mm 角程度に細断する 4 10 mm 角程度の細断試料に替えて 事務用パンチ器を用いてφ6 mm 程度に穿孔し その穿孔くずを合計重量 20 g 程度となるよう採取して試料としても良い 5 細断試料あるいは穿孔くず試料をよく混合した後に縮分して 5 g 程度の試験試料とする (3) ロットが同一の未使用廃感圧紙からなる場合 1 適宜選定した 2~3 容器 (1 容器の場合はその容器 ) から合計で 20 g 程度となる廃感圧紙を一組単位で採取する 2 採取した全ての廃感圧紙について ハサミ等を用いて 10 mm 角程度の大きさに細断する 3 10 mm 角程度の細断試料に替えて 事務用パンチ器を用いてφ6 mm 程度に穿孔し その穿孔くずを合計重量 20 g 程度となるよう採取して試料としても良い 4 細断試料あるいは穿孔くず試料をよく混合した後に縮分して 5 g 程度の試験試料とする 3.5 試験試料の保管調製した分析試料は 不浸透性のプラスチック製の試料保管袋 ( 例 チャック付アルミ袋 ) に入れた後に チャック付プラスチック袋等の試料保管袋を用いて二重にし 13

て 冷暗所で保管する 4. 分析用試料の採取 並びに低濃度 PCB 廃棄物に区分された廃感圧紙の選別 収納及び搬出作業における留意事項 1 廃感圧紙のPCB 濃度の分析結果は無害化処理認定施設等に搬出可能なものであるか否かを判断する重要な指標となるため 分析用試料の採取は分析を行う機関の担当者の指揮の下で実施するものとする 2 したがって 分析機関は試料採取と分析の実施において重要な役割を果たすことになるため JIS K0060-1992 産業廃棄物のサンプリング方法 による試料採取の知識と経験を十分に有し PCB やダイオキシン類等の分析に関する規格類 ( 例えば ISO/IEC17025やMLAP 環境省のダイオキシン類請負調査の受注資格など) の認証 / 認定 / 審査を受け運用している機関とし かつ 本マニュアルに記載された試料採取方法の特に留意すべき事項等に関し十分な知識と技能を有している者が行うものとする 3 分析結果を基にして無害化処理認定施設等に搬出する廃感圧紙を選別し容器に収納する作業は 分析用試料の採取を実施した分析機関の担当者の立会の下で行うものとする 4 容器に収納された廃感圧紙を受け入れて焼却処理する無害化処理認定施設等では 処理する廃感圧紙が確実に低濃度 PCB 廃棄物であることが確認されたものだけを受け入れることになる 環境省が発出している 低濃度 PCB 廃棄物の処理に関するガイドライン- 焼却処理編 - ( 平成 29 年 1 月改訂 ) においては 低濃度 PCB 含有汚染物の受入時の事前確認として 原則 低濃度 PCB 含有汚染物であるかどうかを保管場所にて目視で確認することを求めている したがって 可能な限り無害化処理認定施設等の担当者も選別作業に立ち会って 適正に選別作業及び容器への収納作業が行われているかどうかを確認することが適当である 6 なお 保管されている廃感圧紙の多くは機密文書に該当するものである このため 廃感圧紙の容器への収納作業は保管事業者の立ち会いの下 保管場所で行うことが適当であり また 運搬中の PCB の揮散を防止することも必要であることから 収集運搬に用いる容器は無害化処理認定施設等の焼却炉への投入用の容器とし 密閉性が高いメディカルペール等を使用し 内袋を入れて その中に収納することが必要である 14