平成 29 年度 全国学力 学習状況調査 ~ さくら市の分析結果の概要 ~ シリーズ学力向上 VOL.2 今年 4 月に行われました 全国学力 学習状況調査 の結果の概要についてお知らせします 1 国語 算数 数学の調査結果 ( 小 6 中 3) この調査では 子どもたちの 正答率 の状況を把握します 小学校 (6 年 ) 正答率 : 18 問中 14 問正答した場合の正答率は 14 18 100=77.7% です 百点満点での点数 ( 約 78 点 ) と考えることもできます 国語では A( 知識問題 ) B( 活用問題 ) ともに全国平均を上回っています 算数では A( 知識問題 ) B( 活用問題 ) ともにほぼ全国平均なみです 国語 A( 知識に関する問題 ) 国語 B( 知識を活用する問題 ) 書くことは 全国平均に比べてよくできています それ以外の観点は ほぼ全国平均なみです 話すこと 聞くことや読むことは 全国平均に比べてよくできています 〇書くことは ほぼ全国平均なみです 算数 A( 知識に関する問題 ) 算数 B( 知識を活用する問題 ) 〇数と計算 量と測定 数量関係は ほぼ全国平均なみです 図形の領域は 課題が見られます たし算とかけ算が混ざった整数と小数の計算に課題が見られました 〇数の計算 数量関係は ほぼ全国平均なみです 量と測定 図形の領域は 課題が見られます 示された式の数の意味を 表と関連付けながら正しく解釈し 記述することに課題が見られました
中学校 (3 年 ) 国語では A( 知識問題 ) は ほぼ全国平均なみです B( 活用問題 ) は 課題が見られます 数学では A( 知識問題 ) B( 活用問題 ) ともに 課題が見られます 国語 A( 知識に関する問題 ) 国語 B( 知識を活用する問題 ) 言語事項は ほぼ全国平均なみです 話すこと 聞くことや書くこと 読むことにやや課題が見られました 特に 相手に分かりやすいように語句を選択して話すことに課題が見られました 読むことは ほぼ全国平均なみです 話すこと 聞くことや言語事項にやや課題が見られました 書くことに 大きな課題があります 特に 必要な情報を集めるための見通しをもつことに課題が見られました 数学 A( 知識に関する問題 ) 数学 B( 知識を活用する問題 ) すべての領域で課題が見られます 特に 等式を目的に応じて変形させることや簡単な連立二元一次方程式を解くことに課題が見られました 数と式の領域は ほぼ全国平均なみです その他の領域に課題が見られます 特に 付加された条件の下で 図形の性質を用いることに課題が見られました
2 出されたのはこんな問題です (1) 小学校算数 A( 知識に関する問題 ) 次の図は立方体の展開図です この展開図を組み立てたときに 色のついた面 ( ) と平行になる面は アから オまでのうちどれですか 下の1から5までの中から1つ選んで その番号を書きましょう 1 ア 2 イ 3 ウと エ 4 アと イと オ 5 アと ウと エと オ (2) 中学校国語 B( 知識を活用する問題 ) 走れメロス を他の人たちはこのように読んだ の部分を書くためのアンケートを作成しています あなたなら 作品に興味をもってもらえる内容を書くためにどのようなアンケートをとりますか また そのように考えたのはなぜですか 次のア イ ウについて それぞれの指示にしたがって書きなさい アどのような人たちを対象としてアンケートをとるかを書きなさい イアのうち 走れメロス を読んだことがある と答えた人に どのような質問をするかを書きなさい ウイの質問についての回答をもとにした内容を載せることで作品に興味をもってもらえると考えた理由を書きなさい 正答と正答率 ( 全国平均と比べて大きく差が開いている問題です ) (1) 正答 2 正答率 市 :81.9% 全国 :86.7% (2) 正答例ア様々な年齢層の大人イ 走れメロス の中で印象に残っている場面を一つ挙げてください ウ印象に残る場面が年齢層によって様々であることを示せば それだけ多くの魅力的な要素が入っている作品であることを伝えることができるからです 正答率 市 :56.5% 全国 :68.8%
3 学習や生活状況に関する調査の概要 この調査では 子どもたちの学習や生活状況に関する質問紙 ( アンケート ) 調査も実施されました さくら市の子どもたちの生活 学習の特徴は 全国の結果と比べて よかったところ - 小学校 ( 毎年 同傾向が見られるもの )-( さくら市 青 栃木県 赤 全国 緑 ) 平日 30 分以上読書している 家で 自分で計画を立てて勉強している <H25~H28 も同傾向 > <H26~H28 も同傾向 > 家で 学校の授業の復習をしている 総合的な学習の時間では 自分で情報を集め整理して 調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいる <H27 H28 も同傾向 > <H26~H28 も同傾向 > - 中学校 ( 毎年 同傾向が見られるもの )-( さくら市 青 栃木県 赤 全国 緑 ) 家で 学校の授業の復習をしている 総合的な学習の時間では 自分で情報を集め整理して 調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいる <H27 H28 も同傾向 > <H26~H28 も同傾向 > 全国の結果と比べて 課題と思われるところ - 小学校 - ( さくら市 青 栃木県 赤 全国 緑 ) 友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意である 休日 1 日当たり 3 時間以上勉強している <H28 も同傾向 > - 中学校 - ( さくら市 青 栃木県 赤 全国 緑 ) すべて H28 も課題 友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意である 平日 1 日当たり 2 時間以上勉強をしている 休日 1 日当たり 3 時間以上勉強をしている 原稿用紙 2~3 枚の感想文や説明文を書くことは難しい
学習や生活状況に関する調査の結果から ( さくら市の小学生のよさ ) 読書活動に親しんでいる 自分で計画を立てて勉強している 家で授業の復習をしている 総合的な学習の時間によく取り組んでいる ( さくら市の中学生のよさ ) 学校の授業の復習をしている 総合的な学習の時間によく取り組んでいる ( さくら市の小 中学生の課題 ) 友達の前で自分の考えや意見を発表すること 休日の勉強時間が少ない 上記の項目は 今年度の小 中学生に課題が見られました 4 学力と学習や生活状況に関する調査結果の関連 児童生徒質問紙において 学力アップにつながると思われる項目 - 小学校 中学校 - 朝食を毎日食べている 〇毎日 同じくらいの時間に起きている 家の人が学校の行事に参加している 友達との約束や学校のきまりを守っている 〇友達と話し合うとき 友達の考えを受け止めて 自分の考えを持つことができる 〇携帯電話 スマホを持っていない ( 利用時間が少ない ) 学力と学習や生活状況に関する調査結果の関連から 友達との約束や学校のきまりを守っていること や 朝食を毎日食べていること など基本的な学習 生活習慣が身についていることや規範意識が高いことが 学力アップにつながります 携帯電話 スマホの利用時間を少なくすることが学力アップの秘訣です 5 家庭でできる学力アップ 5 箇条 一 規則正しい生活習慣を整えましょう! ( 早寝 早起き 朝ごはん ) 二 規範意識を身につけさせましょう! ( 良いことはほめる だめなことはだめと叱る ) 三 学校の行事に積極的に参加しましょう! ( 学校での子どもの良さを見つけ 認めます ) 四 子どもの話をよく聞き 気持ちを受け止めましょう! ( 子どもは 保護者のまねをします 友達と話し合うとき 友達の考えを受け止めて 自分の考えをもつことができるようになります ) 五 携帯電話 スマホを持たせる前に必要かどうか話し合いましょう! 持たせたら 必ずルールを作りましょう! ( 携帯電話 スマホの利用時間が1 時間を超えると いくら勉強しても成績が下がるというデータもあります 気をつけましょう )
6 学力向上に向けた各学校の取り組み及び今後に向けた改善策各校では 学力テストの結果を分析し 改善プラン を立てて 学力の向上を目指しています その中で 効果的と思われる事例を紹介します 親子読書 ( 家読 ) と親子で道徳 これらの活動を継続的に行うことで 親子の絆を深め 心の安定を保ち 精神的なゆとりを生み出し 学力の向上につなげました 学習指導部便りの発行 ( 内容 ) 調査の結果や今後の取り組みの紹介家庭学習の協力を呼びかけ 学級懇談会で児童への声かけを話題にして取り上げました このような取り組みを通して 保護者への理解と協力を求めました 成功体験を積み重ね 向上心を育む取組み 週末に課題を出し その内容について 次の週の朝 テストを行う 学びの時間 を設け コース分けを工夫する 自主学習を1 日 1ページ行う このような取り組みを通して 主体的に学習に取り組む生徒が増えました 情報モラルへの関心を高める 情報モラルの授業を実践する 保護者へ情報管理やモラルへの関心を高める啓発を行う 携帯電話 スマホの利用ルールについて考える機会となりました 各校では それぞれの実情に応じて様々な取り組みをしています 今後ともご協力をお願いします さくら市では さらにくわしい分析を行い 今後の改善策についてホームページに掲載する予定です URL:http://www.city.tochigi-sakura.lg.jp/ 今後も 学力の向上に向けて様々な取り組みを行っていきたいと考えています 学校と家庭 地域の連携が子どものよさを伸ばすカギになります この調査は 児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し今後の学習指導に役立てることを目的に 小学 6 年生と中学 3 年生を対象に 文部科学省が実施しているものです なお 実施教科は全科目ではなく ( 国語 算数 数学 ) 学習内容全体を網羅するものではありません 本調査の結果については 子どもたちが身に付けるべき学力の一部であることを心に留めていただきたいと思います 平成 29 年度 さくら市教育委員会 さくら市教育研究所