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PCM 方式電子楽器の周波数の精度について On the accuracy of the frequency of the electronic musical instrument by the PCM system 加藤充美 Mitsumi Kato くらしき作陽大学音楽学部 Kurashiki Sakuyo University, the faculty of music 概略現在の電子楽器は ディジタル化されPCM 方式が主流である この方式は音色の自然さなどが特徴である また音量や周波数をMIDIやコンピュータで容易に制御できる そのため色々な実験に自然楽器の代わりに使われることが多い しかし民生用の機械であるために 直接心理実験などに使う場合には周波数の精度などに注意が必要である 本報告では電子楽器の周波数の精度を決める要因と実際の電子楽器の測定例を報告する Present electronic musical instruments are digitized and PCM system is in use. Their tones are natural. Moreover, amplitude and frequency are easily controllable by MIDI or the computer. Therefore, it is used for various acoustical experiments in many cases instead of some acoustical musical instruments. However, since they are commercial machine, cautions are required for the accuracy of frequency etc when they used for acoustical experiments. This report explains factors which determine the accuracy of the frequency of the electronic musical instruments, and reports some examples of measurement of actual electronic musical instruments. 1. はじめに近年電子楽器はディジタル化がすすみ ピッチや音色などが安定して出せるようになっており さらに PCM 方式になって自然楽器の音を録音し再生するため自然な音色を発することができるようになった MIDI のベロシティやコントロールチェンジ ピッチベンドを用いれば 容易に音量や音色 ピッチなどの制御が可能である そのため条件を制御することが困難な自然楽器の代わりにさまざまな音楽音響や音楽心理研究の道具として使うことが考えられる しかしながら電子楽器の本来の目的は音楽の演奏や制作であるため 色々な制御の精度が実用に支障がない範囲に収められている 電子楽器の音を たとえば心理実験のサンプル音として使う場合には 発音するピッチ周波数などの検証が必要である 本報告では 電子楽器に周波数の精度を決める要因について説明し 実際の電子楽器の周波数を測定した例を報告する 2.PCM 方式のピッチ発生の原理 PCM 方式は ディジタル録音した自然楽器音をメモリに記録し そのデータを押鍵された鍵に応じた周波数になるように読み出しながら再生する方式である そのため質のよいサンプル音の録音や 色々な奏法に対応する音を録音することが音源の質を高める上で重要である ディジタル化された音はトリミング ノイズ除去 振幅正規化 ループ処理 鍵盤割り当て バランス調整などが行われて最終的なデータとなる 押鍵された鍵に応じた周波数になるように読み出す方法は 電子楽器の 1 サンプリング時間に進むアドレスの量を制御することによって行われる たとえば記憶されている音が 440Hz であった場合 660Hz の音を発生させるためにアドレスの進む量を 1.5 にするということである この値を累算しその整数部が再生すべきデータのアドレスとなる 小数部の値はサンプルの間の値を補間演算して求めるために用いられる 実際の楽器では波形をサンプルしたときのサンプリング周波数と電子楽器のサ

ンプリング周波数の差を補正する必要がある PCM 方式の電子楽器の周波数の精度を決める要因としては 1) 原音の精度 ( 揺らぎ 非調和 調律など ) 2) ピッチ発生回路 原理 3) 波形テーブルサイズ ( ループサイズ ) 4) 発振周波数精度などが考えられる このうち 1) については補正を行うことが可能であるが 自然さを求める場合には揺らぎなどは大切な要素となるので完全になくすことはできない 2) は 2-1) で説明したアドレス計算のビット数の問題である 1 セントの精度を実現するためには 1 セントが約 0.06% に相当するため その差を表すためには小数点以下の桁数が 2 進数で 11 桁程度必要となる また整数部のアドレスは数秒の長さのサンプルを再生可能とするためには 18 ビット程度は必要となる あわせて 30 ビット近くの演算精度が必要になる またセントとアドレスの関係は非線形なので変換テーブルを用意する必要がある 現在ひとつの音源 LSI の発音数が非常に増えているので これらの回路のスピードや規模との兼ね合いでどの程度の精度にするかは仕様を決める上で重要な検討項目となっている 3) は正弦波などを波形テーブルを用いて発生させる場合やメモリを節約するためにループを一波で行う場合に生じるものである たとえば 512 ポイントと 513 ポイントでそれぞれ同じアドレス累算量で読み出した場合 約 3.4 セントの差となる ピッチが上がれば 1 波に含まれるサンプル数が少なくなるので誤差は大きくなる 4) は電子楽器の動きの基準となるクロックを発振する回路の精度であるが 水晶発振の精度はここでは問題にならない程度と考えられる 3. 分析方法 3-1) 分析の手順分析の系統図を図 1 に示す 電子楽器の音はヤマハの UW500 でディジタル化され USB を通じてコンピュータに転送される 一部 DAT で録音したものも用いたが DAT からディジタル的にコンピュータに取り込んでいる UW500 の系統の精度を調べるために Matlab を用いて合成したテスト音を UW500 を介して取り込み周波数の測定を行った 周波数の測定は FFT を用いてスペクトルピークから周波数を測定した 周波数軸上のサンプルの間は ハニング窓を用いた場合ピーク付近の 3 点の値から下記の式を用いれば解析的にピークを求めることができる したがって誤差を計算誤差内に収めることができる 1) 図 2 にこの様子を示す r m-1 -r m+1 p = 2(rm-1-2r+r m+1 ) -3+ 9+64p 2 f = m+ 8p ここで r m-1 r m r m+1 はピーク付近の3 点の振幅値 fがピークの位置である テストデータの測定結果を図 3に示す 左図の原音と右図のUW500を通して取り込んだ音との差がほとんどないことがわかる したがってこの系統での測定に問題がないと思われる 低音域での誤差は成分の間のスペクトルの干渉のためと思われるが 1セント以下に収まっているので今回は無視することにした 3-2) 測定条件測定は下記の条件で行った 使用楽器 : ヤマハ :CVP-307,p-120,MU2000,SYXG50

ローランド :HPi-5,KR-15,SC-8850,VSC3.23 音色 : ピアノ ( プログラムナンバ 1) チャーチオルガン ( プログラムナンバ 20) ヴェロシティ 120 各種効果器オフ 音高系列 A0~A7 のオクターブ系列 C1~C2 の半音階系列 サンプリング周波数 48kHz 分析サイズ A0~A5:65536 A6:32768 A7:16 384 使用楽器のうち HPi-5 KR-15 CVP-307 p-120 は電子ピアノ SC-885 0,MU2000 は DTM 用音源 VSC3.23,SYXG50 はソフトウェア音源である 4. 分析結果以上の 8 種類の結果を ピアノ音色を図 4~11 チャーチオルガン音色を図 12~19 に示す 図 20 は比較のために行ったピアノ音の測定結果である これは A4 の第 2 倍音を 440Hz に調律したものを測定した 各グラフの 0 セントは 440Hz を基準とした各音名の周波数である 但しオルガン音色では p-120 以外はオクターブ低い周波数が基準となっている ピアノとチャーチオルガンでそれぞれリアルさを追求した結果 非調和や揺らぎ カプラー間のピッチずれなども再現されている 調律カーブも実現されているものが多い オルガンでは音名より 1 オクターブ下のフィートの音も出ており それを基準とすると誤差が大きくなってしまうものもあった ピアノの低音では基本音のレベルが低く 第 2 倍音以降から推定したものもある 誤差は 10 数セントから数セントの範囲に分布している 誤差がある概して周波数の精度に関してはソフトウェア音源のほうがハードの制約がない分精度はよいようである 図 4.HPi-5 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 5.KR-15 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列

図 6.SC-8850 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 7.VSC3.23 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 8.CVP-307 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 9.p-120 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 10.MU2000 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列

図 11.SYXG50 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 12.HPi-5 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 13.KR-15 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 14.SC-8850 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 15.VSC3.23 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列

図 16.CVP-307 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 17.p-120 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 18.MU2000 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 図 19.SYXG50 の結果右 : オクターブ系列 左 : 半音階系列 5. まとめ電子楽器はその音を自然にしようとする研究開発の結果 PCM 方式になり飛躍的にその音色が自然楽器に近づいた またその利便性からさまざまな実験に電子楽器が使われる場面も少なくない 今回調査したようにハードなどの制約などから ある程度の周波数の誤差を有している 実験に使うに際してはそれらのチェックが必要である 6. 参考文献 1) 加藤充美 楽音の高精度なピッチ周波数の測定方法について MA95-55 図 20. ピアノの分析結果 A4 の第 2 倍音を 440Hz に調律