保険薬局の登録 ~ クロザリルは CPMS に登録された保険薬局で調剤され 通院患者に渡されることにな っています CPMS 登録にあたり薬局には下記要件が求められます < 要件 1> 1) インターネットが使えること (ecpms(web site) にアクセス可能であること ) 2) 処方元の医

Similar documents
クロザリルの説明文書

クロザリルとその治療の説明(縮小版)

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

クロザリル錠25mg・クロザリル錠100mg「添付文書」2018年4月改訂

減量・コース投与期間短縮の基準

レキサルティに係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ( 別紙様式 ) レキサルティ錠 1mg 販売名有効成分ブレクスピプラゾールレキサルティ錠 2mg 製造販売業者大塚製薬株式会社薬効分類 安全性検討事項 提出年月 重要な特定されたリスク 平成 30 年 5 月 錐

スライド 1

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

スライド 1

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

クロザリル適正使用委員会 第23 回会議事録

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

<4D F736F F F696E74202D202888F38DFC AB38ED28FEE95F182CC8BA4974C82C98AD682B782E B D B2E >

クロザリル適正使用委員会 第36回議事録

ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤 特定使用成績調査

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

「             」  説明および同意書

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

Microsoft Word - LIA RMP_概要ver2.docx

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

Microsoft Word - CDDP+VNR患者用パンフレット doc

貧血 

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

Microsoft Word - オーソ_201302_Final.docx

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

エビリファイに係る ( 別紙様式 ) 販売名 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 1 エビリファイ錠 1 mg /3 mg /6 mg /12 mg 2 エビリファイ散 1% 3 エビリファイ内用液 0.1% 4 エビリファイ OD 錠 3 mg /6 mg /12 mg /24 mg 5

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

研究の内容 結果本研究ではまず 日本人のクロザピン誘発性無顆粒球症 顆粒球減少症患者群 50 人と日本人正常対照者群 2905 人について全ゲノム関連解析を行いました DNAマイクロアレイを用いて 約 90 万個の一塩基多型 (SNP) 6 を決定し 個々の関連を検討しました その結果 有意水準を超


糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

12_モニタリングの実施に関する手順書 

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

<4D F736F F D DC58F4994C5817A54524D5F8AB38ED28CFC88E396F B CF8945C8CF889CA92C789C1816A5F3294C52E646

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

放射線併用全身化学療法 (GC+RT 療法 ) 様の予定表 No.1 月日 経過 達成目標 治療 ( 点滴 内服 ) 検査 処置 活動 安静度 リハビリ 食事 栄養指導 清潔 排泄 / 入院当日 ~ 治療前日 化学療法について理解でき 精神的に安定した状態で治療が

5 がん化学療法に附随する消化器症状への対応 下痢, 便秘および 重篤な消化管症状への対応 後藤歩, 小栗千里, 光永幸代, 市川靖史 小林規俊, 前田愼, 遠藤格

<4D F736F F D DC58F4994C5817A836E838D837D D5F8AB38ED28CFC88E396F B F90568B4B8DEC90AC2E646F6378>

骨粗しょう症調査

Untitled

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

BLF57E002C_ボシュリフ服薬日記_ indd

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

④資料2ー2

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され

201601

保険薬局におけるハイリスク薬取り扱い時の注意点

Microsoft Word - ハイリスク薬業務GL本文Ver2.1.( ).doc

症患者における検討は全く行われていない そこで本研究では VPA 服用中の統合失調症患者における高アンモニア血症に関するメカニズムを検討するために当該患者 37 名の朝食前空腹時血液サンプル ( 10mL) を採取し 血清アンモニアおよび VPA 濃度 尿素サイクルに関連する 40 種類の血中アミノ

記録ノート(A4単ページ ) indd

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

緒言

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 商品名 : イチョウ葉脳内 α( アルファ ) 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) 弊社では当該製品 イチョウ葉脳内 α( アルファ ) と同一処方の製品を 200

Microsoft Word - ① 鏡.docx

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E838D A B838B8DD797B E332E646F63>

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

がん登録実務について

過去の医薬品等の健康被害から学ぶもの

1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

Microsoft Word - sa_niflec_ doc

ジプレキサ(オランザピン)患者向医薬品ガイド(筋注)

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

がんの治療

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

PowerPoint プレゼンテーション

心房細動1章[ ].indd

<4D F736F F D DC58F4994C5817A53544C2094E789BA928D5F8AB38ED28CFC834B F94CC94848CB392C78B4C C5292E646F63>

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

インフルエンザ定点以外の医療機関用 ( 別記様式 1) インフルエンザに伴う異常な行動に関する調査のお願い インフルエンザ定点以外の医療機関用 インフルエンザ様疾患罹患時及び抗インフルエンザ薬使用時に見られた異常な行動が 医学的にも社会的にも問題になっており 2007 年より調査をお願いしております

目次 市販直後調査結果の概要 3 1. 調査対象 3 2. 副作用の収集状況 3 医薬品リスク管理計画書 (RMP) におけるリスクについて 6 その他の副作用について 7 まとめ 8 2

抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

耐性菌届出基準

【1

アビガン錠 200mg に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 アビガン錠 200mg 有効成分 ファビピラビル 製造販売業者 富士フイルム富山化学株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特定されたリスク 頁 重要な潜在

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

h29c04

Microsoft Word - 茬çfl�宛玺0618第1å‘·_æŠ¥èŒ¬é•£å®łã†¦é•ıç�¥ï¼‹ã…¡ã…‹ã…łã…«ã…�ㅳ;.doc

臨床No208-cs4作成_.indd

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

DRAFT#9 2011

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

後発医薬品への変更調剤について

様式 2 の (1) 記載要領 血球系障害 * (1) 患者の氏名 測定日 H27 年 9 月 17 日 身長 160 cm 体重 48 kg (3) 現住所 (4) 副作用によるものとみられる疾病の名称又は症状 ( 注 ) - ) 身長 体重は (6) の医薬品を使用した時点の直近の値を記入してく

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

患者向医薬品ガイド

Transcription:

症例検討会クロザピン ( 商品名 : クロザリル ) について 適応 : 治療抵抗性の統合失調症 ( 他の抗精神病薬で効果が不十分 または副作用により服薬困難な場合など ) に用いられる 作用機序 : クロザピンの詳細な作用機序は不明であるがドーパミン D 2 受容体遮断作用に依存しない中脳辺縁系ドーパミン神経 系に対する選択的抑制が考えられる また クロザピンはミクログリア活性化を抑制し 神経保護作用を有するものと考えられる 副作用 : 主なものは 傾眠 悪心 嘔吐 流涎過多 ( 唾液が出すぎる ) 便秘 頻脈 ( 胴性頻脈など ) 振戦 体重増加 糖尿 病や高脂血症の誘発など 重篤な副作用血球障害 ( 好中球減少症 無顆粒球症 白血球減少症 ) 心筋炎 心筋症 心膜炎 心嚢液貯留高血糖 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡悪性症候群てんかん発作 痙攣 ミオクローヌス発作起立性低血圧 失神循環虚脱 肺塞栓症 深部静脈血栓症 劇症肝炎 肝炎 胆汁うっ滞性黄疸腸閉塞 麻痺性イレウス 併用禁忌 骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤 放射線療法 化学療法 無顆粒球症の発現増加のおそれ 血液障害の副作用が相互に増強される可能性がある 持効性抗精神病剤 ハロペリドールデカン酸エステル注射液 ( ハロマンス ネオペリドール ) フルフェナジンデカン酸エステル注射液( フルデカシン ) リスペリドン持効性懸濁注射液( リスパダールコンスタ ) 血中から消失するまでに時間を要し 副作用に対処できない為 アドレナリン作動薬 アドレナリン ( ボスミン ) ノルアドレナリン ( ノルアドレナリン ) アドレナリンの作用を反転させ 重篤な血圧低下を起こすおそれがある クロザリル患者モニタリングサービス (Clozaril Patient Monitoring Service:CPMS) の運用について 本剤の投与に際しては, 無顆粒球症などの重篤な副作用を回避するための血液モニタリングが必須であり, モニタリングには患者の協力が不可欠となる このため, 医師によって患者本人または代諾者 ( 家族など ) に対して, 本剤の有効性および危険性, 定期的な血液検査などの必要な対策が文書にて説明された上で, 患者または代諾者に文書により同意を得られた患者が本剤投与の対象となります 同意取得時の注意点は以下の通り

保険薬局の登録 ~ クロザリルは CPMS に登録された保険薬局で調剤され 通院患者に渡されることにな っています CPMS 登録にあたり薬局には下記要件が求められます < 要件 1> 1) インターネットが使えること (ecpms(web site) にアクセス可能であること ) 2) 処方元の医療機関を連携医療機関として合わせて登録できること 3) 処方元の医療機関は CPMS 登録医療機関であること < 要件 2> 4) クロザリル管理薬剤師を 2 名以上有すること 5) ケーススタディーを実施していること 6) CPMS 運用手順を遵守することを約束することクロザリル管理薬剤師 (*) の役割 クロザリル講習会又は説明会を受講し, クロザリルを適正に使用するように知識を習得する CPMS の規定に従った血液検査が実施されたことを ecpms 上で確認してからクロザリルを調剤する クロザリルを CPMS 規定の検査間隔以上に払出ししないように管理する クロザリルを登録患者以外に調剤されないように管理する クロザリルを中止した患者の残薬を速やかに回収 廃棄する (*) クロザリルについて研修後 適正使用委員会の審査を経て, CPMS に登録された薬剤師 患者の登録 ~ 患者から同意を得て, 本剤を服用する全ての患者を CPMS に登録 管理します その理由は 無顆粒球症又は白血球減少症, 好中球減少症発現リスクが高いため, 定期的な血液検査実施が不可欠 本剤により無顆粒球症又は白血球減少症, 好中球減少症を発現した患者に本剤を再投与すると再発するリスクが高くなるため, 本剤の投与が中止となった患者に本剤が再投与されないように管理する必要がある 患者登録により, 定期的な血液検査実施の確認や本剤により無顆粒球症又は白血球減少症, 好中球減少症を発現した患者が他の医療機関へ転院した場合でも, 本剤の再投与を防止することができ また 患者が複数の医療機関から同時に処方を受けることも防止する クロザリルの投与開始 本剤の投与開始 18 週後までに好中球減少症と無顆粒球症発現例の約 70~90% 強が認められている ) 18 週以降にも認められるが, その頻度は大きく低下している その重篤な副作用を考慮し, 副作用発現時の速やかな対処のため, 原則として本剤投与開始から 18 週までは入院管理下で投与を行い, 無顆粒球症等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うよう定められている 本剤の投与量およびその代謝産物の血中濃度と無顆粒球症の発現頻度に正の相関があることは認められていない ただし, 発現のリスク因子はいくつか指摘されており,1 加齢に伴い無顆粒球症の発現リスクが上昇すること,2 男性と比較して, 女性のほうが発現リスクが高いこと,3 人種差は明確な結論は出ていないものの, アジア人では白人と比較して, 無顆粒球症の発現リスクが 2.4 倍であるという報告があるので注意を要する

CPMS の運用上 1 回の処方量は最大 14 日分を限度とされる 外来通院での投与へ移行 クロザリルの有効性, 安全性が十分に確認された後 外来による治療に移行することができる 移行の条件は, 本剤投与後 3 週間以上経過し, かつ至適用量設定後 1 週間以上経過した場合, 患者と同居して患者の症状を確認し, 規定量の服薬および CPMS の規定どおりの通院を支援できる者がいる場合 ( 例 : 親や家族と同居 援護寮等で夜間スタッフが常駐など ) という条件をともに満たしている場合に限られる ただし, 感染症の徴候等, 血液障害に関連すると思われる症状がみられた場合には, 直ちに主治医に相談するよう, 退院の際に患者又は代諾者に十分説明することを必須とする 退院や外泊にあたっては, 担当医またはコーディネート業務担当者が患者およびその家族等に CPMS の遵守, 副作用発生時の徴候となる症状について説明を行い, 症状がみられた場合には直ちに受診するように指示するとともに, 患者の緊急連絡先の確認を必ず行う

好中球減少症 無顆粒球症について 好中球減少症や無顆粒球症を引き起こすと, 細菌, 真菌などの病原微生物に対して易感染状態となるため, 感染の リスクが非常に高まり, 致死的な転帰を伴う場合がある 患者が感じるような自覚症状はほとんどなく, 血液検査で無顆粒球症が発見されるまで, 明確な症状が見られない こともある 無顆粒球症発現後の典型的な症状として, 発熱および咽頭痛などが見られる場合もあるが, 感染症の 種類や感染部位に応じた感染症状を示す 敗血症に進展すると, 高熱, 悪寒 戦慄, 意識障害などの症状がみられ る場合もあると言われている 無顆粒球症とは, 基本的に薬剤などの投与で好中球や白血球などの顆粒球が減少する症状を指し, 原因薬剤の中止 と感染症に対する適切な治療を行わなければ致死的となり得る場合がある 赤血球や血小板など, その他の血液成 分の減少は認められない わが国では, 一般的に好中球数 500/mm 3 未満の場合を 無顆粒球症 と定義している 添付文書によるクロザピン投与開始基準と中止基準 (CPMS 規定 ) では, 本剤の投与開始基準は白血球数 4,000/mm 3 以上かつ好中球数 2,000/mm 3 以上の患者と定められている この基準および他章で解説されている 基準にすべて合致している患者のみに本剤投与が可能となるが, 投与開始から 26 週間は毎週必ず血液検査を実施 する 本剤の継続が 26 週以降になれば,2 週に 1 回の血液検査とすることもできる ただし,2 週に 1 回の血液 検査に移行した後,4 週間以上の投与中断があった場合には, 再投与開始から 26 週間は週 1 回の血液検査を行う こととする 投与開始後の血液検査により, 白血球数 3,000/mm 3 以上 4,000 /mm 3 未満, または好中球数 1,500/mm 3 以上 2,000/mm 3 未満であった患者に対しては, 白血球数 4,000/mm 3 以上かつ好中球数 2,000/mm 3 以上の範囲に回復 するまで血液検査を週 2 回以上行い, 注意しながら投与継続を可能とする 投与継続

その他の副作用 ~ 血糖値上昇 心筋炎について CPMS に規定があります 当薬局における流れクロザリルを処方されている患者さんは処方箋と一緒に Hp より血液検査を受けていることを証明する用紙を一緒に持参されます この用紙がないとクロザリルは調剤しない形で CPMS を順守しています