この薬の飲み方強い吐き気や 嘔吐を生じる抗悪性腫瘍剤 ( シスプラチンなど ) の実施に際して使用します 原則 他の制吐剤 ( ステロイドとアプレピタントとセロトニン受容体拮抗剤 ) との併用において使用し 1 日 1 回 5mg を服用します 1 日量は 10mg を超えないこと 抗悪性腫瘍剤の各

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葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

スライド 1

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

(別添様式)

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審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

第 3 章支持 緩和医療 2. CINV Q1 化学療法を受ける高齢がん患者に対する制吐療法ではどのようなことに配慮すべ きか? A1 併存疾患への直接的な影響 と 併存疾患に対する常用薬との薬物相互作用 の双方へ配慮する 解説 高齢者は 心疾患 糖尿病 骨粗鬆症 脳卒中など様々な併存疾患を合併して

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

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タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

DRAFT#9 2011

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 錠中 ) オランザピン錠 2.5mg トーワ オランザピン錠 5mg トーワ オランザピン錠 10mg トーワ オランザピン錠 2.5mg トーワ OLANZAPINE TABLETS 2.5mg TOWA オランザピン錠 5mg トーワ OLANZAPIN

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デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

ジプレキサ(オランザピン)患者向医薬品ガイド(錠)

減量・コース投与期間短縮の基準

ジプレキサ(オランザピン)患者向医薬品ガイド(ザイディス錠)

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

改訂を反映2018年5月作成_オランザピンOD錠_ガイド

(別添様式1)

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

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モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

保険薬局の登録 ~ クロザリルは CPMS に登録された保険薬局で調剤され 通院患者に渡されることにな っています CPMS 登録にあたり薬局には下記要件が求められます < 要件 1> 1) インターネットが使えること (ecpms(web site) にアクセス可能であること ) 2) 処方元の医

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相互作用DB

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

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シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 商品名 : イチョウ葉脳内 α( アルファ ) 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) 弊社では当該製品 イチョウ葉脳内 α( アルファ ) と同一処方の製品を 200

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DRAFT#9 2011

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緒言

Ⅰ 向精神薬の合理的な用い方 ④ 3 理学的および生化学的検査 身長 体重 体温 脈拍 血圧などの測定とともに 心電図およ び血液生化学的検査を施行し生体の病的状態の有無を評価してお く 脳波 CT MRI SPECT PET NIRS 等も必要に応じて施行 する 2 薬物療法の実際 ① 適切な薬剤

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要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

第169・218回関東支部-9indd.indd

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

虎ノ門医学セミナー

患者向医薬品ガイド フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg Fycompa Tablets 2mg Fycompa Tablets 4mg 一般名 ペランパネル水和物 Perampanel Hydrate

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

No.16-35

オランザピン口腔内崩壊錠

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

医療連携ガイドライン改

プラザキサ服用上の注意 1. プラザキサは 1 日 2 回内服を守る 自分の判断で服用を中止し ないこと 2. 飲み忘れた場合は 同日中に出来るだけ早く1 回量を服用する 次の服用までに 6 時間以上あけること 3. 服用し忘れた場合でも 2 回量を一度に服用しないこと 4. 鼻血 歯肉出血 皮下出

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

オランザピン錠2.5mg「ヨシトミ」/オランザピン錠5mg「ヨシトミ」/オランザピン錠10mg「ヨシトミ」

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

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④資料2ー2

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

オランザピン錠2.5mg「KN」・オランザピン錠5mg「KN」・オランザピン錠10mg「KN」・オランザピン錠20mg「KN」

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

オランザピン細粒1%「アメル」

オランザピンOD錠「アメル」

オランザピン錠「アメル」

Transcription:

抗がん剤治療による吐き気止めとしてオランザピンを処方された患者さんへ シスプラチンなどの抗がん剤治療に伴う吐き気 嘔吐 に対して オランザピンが保険適 用の対象になりました オランザピンは 統合失調症 や 双極性障害における躁症状およびうつ症状の改善 に使われるお薬ですが 抗がん剤による吐き気や嘔吐を引き起こす神経伝達物質の作用を阻害する働きがあるといわれています この働きに注目し 抗がん剤治療を受けている患者さんを対象に行われた試験で 吐き気 嘔吐を軽減する効果があることが確認されたため 厚労省の審査を経て 2017 年 6 月 9 日付けで 公知申請という枠組みで保険適応となりました 注意する事 副作用 糖尿病の方や糖尿病といわれたことのある方は この薬を服用することはできません 糖尿病の無い方でも 繰り返しこの薬を服用すると血糖が高くなることがあります 血糖値が高くなると 次のような症状があらわれる場合があります このような症状が見られたら 必ず主治医に連絡し 早めに診察を受けるようにしてください 激しいのどの渇きが続く 水やジュースをたくさん飲みたくなる 何回もトイレに行きたくなったり 尿の量が多くなったりする 主な副作用として 体重増加 食欲増進 眠気 便秘 アカシジア( じっとしている事ができない ) などが表れることがあります 服用を始めてしばらくの間 めまい 動悸 立ちくらみなどがおこることがあります 心筋梗塞などをおこしたことがある人 心不全の人 脳血管の病気や血圧の低下がおこりやすい状態にある人 ( 脱水状態 血圧降下剤による治療を受けているなど ) は注意してください 眠気 注意力 集中力 反射能力などの低下がおこることがあるので 高所での作業や自動車の運転などの危険を伴う機械の操作は行わないようにしてください 飲酒により薬の作用が強くなることがあるので 注意してください 喫煙により薬の作用が弱くなることがあるので 注意してください ご高齢(75 歳以上 ) の方は 副作用が強く出る可能性があるため 上記の症状に特に注意が必要です 対象となる医薬品 ジプレキサ錠 2.5mg 同錠 5mg 同錠 10mg 同細粒 1% 同ザイディス錠 2.5mg 同ザイ ディス錠 5mg 同ザイディス錠 10mg

この薬の飲み方強い吐き気や 嘔吐を生じる抗悪性腫瘍剤 ( シスプラチンなど ) の実施に際して使用します 原則 他の制吐剤 ( ステロイドとアプレピタントとセロトニン受容体拮抗剤 ) との併用において使用し 1 日 1 回 5mg を服用します 1 日量は 10mg を超えないこと 抗悪性腫瘍剤の各投与サイクルにおいて投与期間は 6 日間までを目安とすることが厚労省から示されていますが これまでの臨床データからは 4 日間服用が望ましいと考えられています

制吐薬としてオランザピンを使用する上での注意点 ( 医療者の皆さんへ 1) 厚生労働省保健局医療課長通知によると 未承認薬検討会議 薬事 食品衛生審議会第一部会での審議の結果 公知申請が可能と判断され 承認までの間の保険適用が認められ 2017 年 6 月 9 日付けで 下記の周知が促されています http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/topics/1102 02-01.html JASCC としては 有効で安全な使用法に関して 限られたエビデンスと有識者による協議の結果 以下の厚労省の通知に関して 使用上のより現実的な注意点を補足させて頂きます ( コメント欄 ( 右欄 ) 参照 ) 一般名 : オランザピン販売名 : ジプレキサ錠 2.5mg 同錠 5mg 同錠 10mg 同細粒 1% 同ザイディス錠 2.5mg 同ザイディス錠 5 mg 同ザイディス錠 10mg 会社名 : 日本イーライリリー株式会社追記される予定の効能 効果 : 抗悪性腫瘍剤 ( シスプラチン等 ) 投与に伴う消化器症状 ( 悪心 嘔吐 ) 添付文書に反映される予定の文章は以下の通り 2.5mg や 5mg の使用についての注意喚起 オランザピン 5mg もしくは 10mg を 1 日 2 回に分割して服用する事は根拠に乏しく勧めない 1 日用量 2.5mg については比較試験の報告がなく 効果が限定的であるため現時点では推奨できない 追記される予定の効能 効果抗悪性腫瘍剤 ( シスプラチン等 ) 投与に伴う消化器症状 ( 悪心 嘔吐 ) 追記される予定の用法 用量 < 抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状 ( 悪心 嘔吐 ) に対して使用する場合 > 他の制吐剤との併用において 通常 成人にはオランザピンとして 5mg を 1 日 1 回経口投与する なお 患者の状態により適宜増量するが 1 日量は 10mg を超えないこと

追記される予定の注意喚起 効能 効果に関連する使用上の注意 < 抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状 ( 悪心 嘔吐 ) に対して使用する場合 > 本剤は 強い悪心 嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤 ( シスプラチン等 ) の投与の場合に限り使用すること 用法 用量に関連する使用上の注意 < 抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状 ( 悪心 嘔吐 ) に対して使用する場合 > 本剤は 原則としてコルチコステロイド 5-HT3 受容体拮抗薬 NK1 受容体拮抗薬等と併用して使用する なお 併用するコルチコステロイド 5-HT3 受容体拮抗薬 NK1 受容体拮抗薬等の用法 用量については 各々の薬剤の添付文書等 最新の情報を参考にし 投与すること 原則として抗悪性腫瘍剤の投与前に* 本剤を投与し 癌化学療法の各クールにおける本剤の投与期間は 6 日間までを目安 ** とすること *JASCC としては 投与時期に関しても検討の余地があると考えている 参考までに 以下にその根拠を述べる 統合失調症等での用法は 1 日 1 回就寝前投与となっている オランザピンの Tmax(4.8±1.2 時間 ) から薬物血中濃度の上昇幅の大きい時間帯を就寝中に調節することで生活の質への影響することが少なくなるよう配慮されているものと考えられる 抗癌治療に関しては 昨今 外来治療中心に行われていることや 入院の場合でも入院直後から治療を開始する事が多い状況を考慮すると治療前日やシスプラチン投与直前にオランザピンを服用する場合の安全性は確立していない オランザピンを使用した臨床試験のメタアナリシスでも 急性期におけるオランザ ピンの上乗せ効果は乏しく 有意に上乗せ効果が認められるのは遅発期である 国立がん研究センター実施の第二相試験 1) において 投与開始日の悪心嘔吐は 5HT3 受容体拮抗薬 NK1 受容体拮抗薬 DEX の 3 剤併用で得られる嘔吐完全抑制率からオランザピンを治療開始日夕食後に服用しても嘔吐は 99% の例で観察されなかった これらのことから シスプラチンの投与前に標準 3 剤と一緒に投与するのではなく 投与開始日の夕方もしくは就寝前から開始するという選択肢が用意される必要があると考えられる ** JASCC としては 原則 4 日間を推奨したい 国内外の臨床試験 1)2) においてシスプラチン投与日から 4 日間としており 6 日間

制吐薬としてオランザピンを使用する上での注意点 ( 医療者の皆さんへ2) JASCC からは 更に具体的な使用時注意事項を以下に追記します オランザピン適応外使用 の有効性と安全性は確立していない 薬物血中濃度半減期から 4 日間の服用で 5 日目まで制吐効果が期待できると考えられる ( 国立がん研究センターで実施された第二相試験 1) の結果が裏付けている ) オランザピン使用時の注意点禁忌 : 糖尿病患者 糖尿病の既往歴のある患者併用禁忌 : アドレナリン ボスミン転倒リスクのある患者 ( 例 : 高齢者 *** 衰弱 虚弱) や起立性低血圧例 : 添付文書 オランザピンカプセル注 ) の単回投与では 65 歳以上の被験者 16 例の消失半減期は非高齢者に比し 53% 延長した ( 高齢者 : 52 時間 非高齢者 :34 時間 ) 14 日間連続投与では 65 歳以上の被験者 8 例の消失半減期は 59 時間であった ***FDA の警告 (2005 年 ): 高齢者への非定型抗精神病薬の適応外投与で死亡率が 6~7 割上昇 日本における認知症患者の大規模観察研究 (J-CATIA): 抗精神病薬投与患者で 11 週以降の死亡リスクが約 2.5 倍上昇 高齢者 認知症患者への JASCC からの注意喚起としたい NCCN の記載 オランザピンは高齢者に対して注意して使用すべきである ( オランザピンの米国添付文書では 認知症に関連した精神病症状を有する患者での死亡に関連した枠付き警告 2 型糖尿病や高血糖に関する警告や使用上の注意が記載されている ) 高齢者や重度の鎮静状態にある患者には オランザピン 5mg を検討すること MASCC/ESMO のガイドライン オランザピン 10mg の用量では 患者への鎮静作用が懸念となり得る 旨が記載されている また オランザピン 5mg 及び 10mg を比較した国内の無作為化比較試験において 眠気 の発現割合は 5mg 群に比べて 10mg 群の方が高い傾向が認められた (5mg 群 45.5% 及び 10mg 群 53.3%) 1) Hashimoto H, Yanai T, Nagashima K, et al. A double-blind randomized phase II study of 10 versus 5 mg olanzapine for emesis induced by highly emetogenic chemotherapy with cisplatin. J Clin Oncol 34, 2016 (suppl; abstract 10111 ASCO) NCCN の記載に関する JASCC からの注意喚起 10 mgではなく 減量して5mg という意味であり 5mg 投与を推奨しているという意味ではない 国外の臨床試験が 10 mgで行われていたことを理解して解釈する必要がある 臨床試験では 75 歳以上の症例での使用経験がないため 特に後期高齢者での使用には身体機能 臓器機能 併用薬の観点から慎重に検討したうえで使用する

添付文書 **** 治療初期に めまい 頻脈 起立性低血圧等があらわれることがある 傾眠 注意力 集中力 反射運動能力等の低下が起こることがあるので 本剤投与中の患者には高所での作業あるいは自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する 性別 喫煙 : 添付文書 本剤又はオランザピンカプセル注 ) を投与した検討によると 女性におけるオランザピンのクリアランスは男性よりも約 30% 低く また喫煙者におけるオランザピンのクリアランスは非喫煙者よりも約 40% 高かったが これらの要因のどれかひとつが存在することにより一般的に投与量を調節する必要はない 性別と喫煙を組み合わせた場合の平均クリアランス値は男性喫煙者で最も高く 次いで女性喫煙者 男性非喫煙者の順で 女性非喫煙者が最も低かった 注 ) オランザピンカプセルは開発途中に用いた製剤で オランザピンカプセル 5mg と本剤 5mg は生物学的に同等であることが確認されている **** 本添付文書内容に関する JASCC からの注意喚起 特に 外来治療において使用する場合は 薬剤師等が服薬指導を十分に行うべきである 他の睡眠導入剤との併用は 眠気の増強など日常生活への影響が懸念されるためなるべく併用は避ける 特にオランザピン初回投与時は 転倒などのリスクを考慮し十分に注意する 眠気の強くなる場面でのオランザピンの使用は控える ( 例 : オピオイド導入直後 抗精神病薬 抗不安薬 睡眠導入剤使用下 ) アルコール : 添付文書 相互に作用を増強することがある ( 併用注意 ) 薬物相互作用 の欄には アルコールによる本剤の薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった とある 参考文献 2) Rudolph M. Navari, M.D., Rui Qin, Ph.D., Kathryn J. Ruddy, M.D., Heshan Liu, Ph.D., Steven F. Powell, M.D., Madhuri Bajaj, M.D., Leah Dietrich, M.D., David Biggs, M.D., Jacqueline M. Lafky, M.S., and Charles L. Loprinzi, M.D. Olanzapine for the Prevention of Chemotherapy-Induced Nausea and Vomiting. N Engl J Med 2016; 375:134-142