小学校と中学校の連携について

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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平成 24 年度職場体験 インターンシップ実施状況等調査 ( 平成 25 年 3 月現在 ) 国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター Ⅰ 公立中学校における職場体験の実施状況等調査 ( 集計結果 ) ( ) は 23 年度の数値 1 職場体験の実施状況について ( 平成 24 年度調査時点

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

「公立小・中・高等学校における土曜日の教育活動実施予定状況調査」調査結果

Taro-自立活動とは

2 次 2 次 率 2 次 2 次 大阪教育 ( 教育 - 小中 - 保健体育 ) 69 ( 教育 - 中等 - 保健体育 ) 奈良教育 ( 教育 - 教科 - 英語 ( 中 )) 55.0 山口 ( 教育 - 学校 - 国語 ) 50.0 ( 教育 - 学校 - 英語 ) 52.5 福岡教育 (

大明の小中一貫校としての取り組み

1 大学等を卒業して小学校教諭普通免許状を取得する ( 免許法別表第 1) 基礎資格 種類 基礎資格 専修 修士の学位 ( 大学 ( 短期大学を除く ) の専攻科又は大学院に1 年以上在学し,30 単位以上修得した場合を含む ) 一種 学士の学位 ( 学校教育法第 102 条第 2 項により大学院へ

Ⅰ 我が国の学制の変遷 ~ 戦前と戦後の学制 ~ 戦後の学制の特徴 教育基本法及び学校教育法を制定し 以下の改革を実施 義務教育期間の延長 ( 年 9 年 ) 制の単線型学校体系の導入 戦後の学校制度 ( 昭和 年 ) 戦前の学校制度 ( 大正 10 年 ) 明治 5 年に学制発布 明

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小中一貫教育モデル校区20のQ&A

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

123

北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

小中連携,小中一貫教育とは何か

4 選抜方法 (1) 選抜の方法 本校の 期待する生徒像 に基づき, 学力検査の成績, 調査書, 面接の結果 等を総合的に判定して入学者の選抜を行う ア 学力検査の成績 による順位と 調査書の得点 による順位が, ともに次のパーセント以内にある者は, 入学許可候補者として内定する ( ア ) 受検者

(市・町)        調査

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

スライド 1

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

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Q4-1 中 1ギャップから小中ギャップへ A4-1 子供たちが小学校から中学校に進学する際 新しい環境での学習や生活に不適応を起こす現象のことを いわゆる 中 1ギャップ と言います 文部科学省が実施してきた 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 によれば 不登校児童生徒数 いじめの

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3. 分析と結果 公表に対する配慮事項 公表に際しては 文部科学省が定めた平成 29 年度全国学力 学習状況調査実施要領に基づき 次の点に配慮して実施します 1) 本調査は 太子町の子どもたちの学力や学習状況を把握し分析することにより 全国 大阪府の状況との関係において教育及び教育施策の成果と課題を

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

公式WEBサイト_取得できる免許・資格(H27入学生~)Ver_02

資料3-1 特別支援教育の現状について

小・中学校における学校選択制等の実施状況について(平成24年10月1日現在)

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して 公的補助が公立学校に比べて少なく 自主財源の確保が求められる私立学校にとって 寄附金収入は極めて重要な財源である 災害時には 大口の寄附だけでなく 広く卒業生や地域住民を中心に 義援金 募金という形で小口の寄附を集める必要

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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平成の学制改革の行方

教育支援資料 ~ 障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実 ~ 平成 25 年 10 月 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

別紙1 H28体制整備

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02-01 ビジョンの基本的考え方

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ICT による新しい学び 急速な情報通信技術 (ICT) の進展やグローバル化など 変化の激しい社会を生きる子供たちに 確かな学力 豊かな心 健やかな体の調和のとれた 生きる力 を育成することがますます重要になってきています 2

愛媛県学力向上5か年計画

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

44 大分県

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24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

教職課程を開設している学部・学科の専任教員数及び授業科目等_2018

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

島小中学校の職員室Q0 宗像市ではどこで小中一貫教育を開始していますか A 宗像市の小中一貫教育を推進している学校区は次の通りです 1 日の里中学校区 ( 日の里中学校 日の里西小学校 日の里東小学校 ) ソフト一体型 日の里西小 日の里中 約 1.1km 日の里東小 児童数 310 名 児童数 4

①CSの概要

教育実践研究論文集 第 6 巻 平成 30 年度教育学部プロジェクト推進支援事業 附属学校改革専門委員会 第 3 期中期目標中期計画 ; 平成 年度中間報告 小規模 複式教育に資する教育実習カリキュラムの開発 ( 経過報告 ) 附属学校改革専門委員会 : 田代高章 ( 教育学部 ) 阿部真一( 教職

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

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農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

英語教育改善プラン

H30全国HP

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

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平成30年度学校組織マネジメント指導者養成研修 実施要項

①H28公表資料p.1~2

Q&A

平成25~27年度間

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「義務教育に関する意識調査」報告書

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

英語教育の在り方に関する有識者会議について < 委員一覧 50 音順 ( 平成 26 年 2 月 26 日現在 )> 座長 副座長 石鍋浩大津由紀雄佐々木正文髙木展郎多田幸雄藤村徹 松川禮子松本茂三木谷浩史安河内哲也 吉田研作 足立区立蒲原 ( かばら ) 中学校校長明海大学外国語学部教授東京都立町

補足説明資料_教員資格認定試験

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

現課程の高校生の実態

1~2

教員免許状及び各種資格について

資料3 小中一貫教育に関するアンケート調査結果

平成 2 9 年 3 月 28 日国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター 平成 27 年度における職場体験 インターンシップ実施状況等 ( 概要 ) 1 全国の国 公 私立の中学校及び高等学校 ( 全日制 定時制 通信制 ) を対象に, 平 成 27 年度の中学校職場体験 高等学校インター

教科書の電子化について 平成 23 年 2 月 24 日

学校体育と幼児期運動指針の概要について

Transcription:

資料 1 小学校と中学校の連携について 平成 23 年 9 月 6 日 文部科学省

小中連携に関する取組の概況 小中一貫教育に関する先行的な取組は 極めて多様 ア ) 制度上の特例の活用 特例を活用している取組も活用していない取組もある イ ) 特例の活用範囲 教科全般にわたって特例を活用している取組 キャリア教育に力を入れた取組など様々 ウ ) 学年の区切り エ ) 小学校からの教科担任制 オ ) 校地 校舎の状況 6 年 3 年のまとまりでの区切りほか 4 年 5 年での区切り 4 年 3 年 2 年での区切りなど様々 導入するかしないか 導入している場合でも どの学年からどの教科で導入するかについて取組は様々 小中一体型校舎を新設した取組 小学校を中学校の隣に移設した取組 既存の校地 校舎を活用した取組など様々 1

教育課程の特例を活用した小中連携の取組 ( 概要 ) 特例の制度を利用して 学習指導要領等によらない教育課程を編成して行われているもの 合計 国立 公立 私立 件数 ( 市町村 法人 ) 41 件 2 件 35 件 4 件 研究開発学校 9 件 1 件 8 件 0 件 教育課程特例校 32 件 1 件 27 件 4 件 学校数 812 校 4 校 800 校 8 校 研究開発学校 34 校 2 校 32 校 0 校 教育課程特例校 778 校 2 校 768 校 8 校 取組数は平成 23 年 4 月 1 日現在 教育課程特例校については 独自の教科の新設等による小中連携を推進する取組の数 ( 取組の内容が小学校における外国語教育の充実のみに係るものを除く ) 2

1 研究開発学校における取組 ( 事例 ) 研究開発学校とは 教育課程の改善に資する実証的資料を得るため 文部科学大臣が 学校教育法施行規則第 55 条に基づき 申請のあった学校に学習指導要領等現行の教育課程の基準によらない教育課程の編成 実施を認め 新しい教育課程 指導方法について研究開発する制度 ( 申請者は学校の管理機関 ) 学校名 船橋市立若松小学校 若松中学校 ( 平成 21~23 年度指定 ) 研究開発課題 小学校 中学校の 9 年間を通じて基礎的 基本的な内容の確実な定着を図るため 学習内容の移行 統合を含めた児童生徒の心身の発達を踏まえた教育課程の研究開発 研究の概要 学力向上や人間としての在り方生き方について 道徳教育 キャリア教育の充実 さらにコミュニケーション能力の育成など様々な課題を改善するため 9 年間の発達段階を踏まえた系統性 継続性のある教育課程を編成する必要がある そこで 総合的な学習の時間を削減して英語科 領域 在り方 生き方 を新設し 児童生徒のコミュニケーション能力の育成や 人間としての在り方生き方 教育の視点から 現在の教育課題の解決を図り 義務教育 9 年間の小中一貫教育カリキュラム試案を開発する また 小中一貫教育カリキュラムを実践するために 当該研究開発学校の校種の垣根を取り払い 学校運営全般にわたり一元化し その実効性や課題についても詳細に分析する 3

2 教育課程特例校における取組 ( 事例 ) 教育課程特例校とは 文部科学大臣が 学校教育法施行規則第 55 条の 2 に基づき 学校を指定し 学習指導要領等によらない教育課程を編制して実施することを認める制度 ( 申請者は学校の管理機関 ) 平成 15 年度から 構造改革特別区域研究開発学校 制度として始まり 平成 20 年度から 教育課程特例校 制度に移行 学校名 東京都品川区立全小 中学校 H15.8 特区認定 平成 18 年度開校の日野学園は研究開発学校 ( 平成 14~16 年度指定 平成 17~19 年度指定延長 ) 取組の概要 区独自の 小中一貫教育要領 を定め 9 年間の系統的な学習を実施 全学年に 市民科 を新設し 小 1 から 英語科 を実施 小 5~ 中 3 に ステップアップ学習 ( 選択学習 ) を新設 小 5 から教科担任制を一部導入 9 年間を 4 年 3 年 2 年に区切ったまとまりで教育計画を立て実践 将来的に 施設一体型一貫校を 6 校整備予定 ( 現在 5 校 他の 9 中学校 31 小学校は施設分離型連携校 ) 学校名 さつませんだいし 鹿児島県薩摩川内市立全小 中学校 H18.3 特区認定 (3 モデル地域で実施 ) 取組の概要 3 モデル地域における取組の成果 ( 学力向上 問題行動の減少等 ) を踏まえ 21 年度から全小 中学校に取組を拡充 全学年に コミュニケーション科 を新設 小 1 から 英語活動 を実施 小 5~ 中 1 を中心に 教員の授業交流を実施 9 年間を前期 (4 年 ) 中期 (3 年 ) 後期 (2 年 ) に区切り 発達の段階に応じた教育を展開 校地 校舎は別々 ( 従来のものを利用 ) 4

3 制度上の特例を活用しない取組 制度上の特例を活用せず 現行制度の範囲内で小学校と中学校の連携強化を図っている取組もある ( 例 ) 東京都三鷹市 新潟県三条市 福岡県宗像市など 三鷹市の例 学校名 東京都三鷹市立にしみたか学園 ( 第二小学校 井口小学校 第二中学校 ) 18 年度から にしみたか学園 として開園 取組の概要 全教科において 生き方 キャリア教育 の視点を重視し 9 年間継続して人間関係形成能力を育成 学校行事等を通じて小 小の交流 小 中の交流を推進 小学校と中学校の教員の相互乗り入れや合同研究会を実施して連携強化 小学校から一部教科で学年内教科担任制を導入 三校長のうち一名が三校の代表 ( にしみたか学園長 ) となり 責任体制を明確化 校地 校舎は別々 ( 従来のものを利用 ) 5

校地 校舎に着目した分類 品川区の考え方 三条市の考え方 6

教員免許に関する小学校と中学校の比較 小学校と中学校の両方の教員免許を有している者小学校と中学校の両方の教員免許を有している者 全体 国立 公立 私立 小学校教員のうち中学校の教員免許を有している者の割合 62.8% 73.5% 62.9% 51.7% 中学校教員のうち小学校の教員免許を有している者の割合 27.5% 35.9% 29.0% 3.0% 全体 国立 公立 私立 中学校教員のうち高等学校の教員免許を有している者の割合 高等学校教員のうち中学校の教員免許を有している者の割合 78.9% 54.6% 86.9% 76.9% 78.9% 57.0% 77.3% 47.2% ( 出典 ) 平成 19 年度学校教員統計調査 平成平成 14 14 年の隣接免許取得促進のための制度改正年の隣接免許取得促進のための制度改正 3 年以上の経験を有する小学校教員中学校二種免許取得に必要な単位数 22 単位制度改正 14 単位 3 年以上の経験を有する中学校教員小学校二種免許取得に必要な単位数 24 単位 12 単位制度改正 教育職員免許法別表第八 ( ( 参考参考 ) ) 専科担任制度専科担任制度 中学校や高等学校の教諭の免許状を有する者は 小学校において 相当する教科等の教諭等となることができる 中学校や高等学校の教諭の免許状を有する者は 小学校において 相当する教科等の教諭等となることができる ( ( 例 : : 中学校の理科の教員が 小学校の理科の授業を行う中学校の理科の教員が 小学校の理科の授業を行う ) 教育職員免許法第 16 条の5 ) 7

小中一貫教育に関する先行的な取組の実施団体のうち 6 年 3 年とは異なる学年のまとまりを設けている実施団体の例 4 年 3 年 2 年のまとまり 東京都品川区千葉県船橋市青森県三戸町奈良県上北山村香川県琴平町 長崎県佐世保市 熊本県熊本市 ( 旧富合町 ) さつませんだいし 鹿児島県薩摩川内市 とみあいまち 国立大学法人京都教育大学学校法人聖ウルスラ学院 ( 仙台市 ) 4 年 5 年のまとまり広島県広島市 うぶやまむら 5 年 2 年 2 年のまとまり熊本県産山村 おぢかちょう 4 年 3 年 5 年のまとまり ( 高校まで ) 長崎県小値賀町 平成 23 年度現在の研究開発学校又は教育課程特例校における取組 ( 研究開発学校 教育課程特例校の計画書又は市町村のホームページ等における公表資料に基づく ) 8

6-3 制を 5-4 制などに変更することについての意識調査結果 保護者 5.5 7.7 46.8 8.4 10.7 18.7 2.1 学校評議員 6.2 10.9 48.0 11.1 12.5 9.7 1.6 一般教員 7.1 10.1 49.4 10.3 16.2 6.6 0.3 校長 教頭等 9.7 14.3 51.2 10.0 12.0 0.5 2.2 教育長 7.9 14.4 48.9 11.1 11.2 4.2 2.3 首長 6.1 11.2 61.8 6.8 8.7 2.5 2.9 0% 25% 50% 75% 100% 賛成まあ賛成どちらともいえないまあ反対反対よくわからない無答 不明 保護者 学校評議員 一般教員 校長 教頭等は 全国の公立小中学校から無作為抽出した学校 ( 保護者 :25 校 学校評議員 :941 校 教員 校長 教頭等 :1,219 校 ) に調査票を送付して調査を依頼 教育長 首長は悉皆調査 回収数は 保護者 6,742 学校評議員 808 教員 校長 教頭等 2,503 教育長 1,038 首長 785 文部科学省 義務教育に関する意識調査 ( 平成 17 年 ) 9

9 年制の小中一貫校をつくることについての意識調査結果 保護者 12.9 17.7 39.5 7.9 11.0 9.5 1.6 学校評議員 16.5 25.6 34.7 9.4 8.2 4.2 1.5 一般教員 7.3 22.0 41.5 10.6 13.8 4.3 0.5 校長 教頭等 8.1 25.4 40.8 10.9 11.9 0.7 2.2 教育長 13.6 33.1 34.1 7.8 6.5 4.3 0.6 首長 12.9 38.2 33.5 6.9 4.7 2.5 1.3 0% 25% 50% 75% 100% 賛成まあ賛成どちらともいえないまあ反対反対よくわからない無答 不明 保護者 学校評議員 一般教員 校長 教頭等は 全国の公立小中学校から無作為抽出した学校 ( 保護者 :25 校 学校評議員 :941 校 教員 校長 教頭等 :1,219 校 ) に調査票を送付して調査を依頼 教育長 首長は悉皆調査 回収数は 保護者 6,742 学校評議員 808 教員 校長 教頭等 2,503 教育長 1,038 首長 785 文部科学省 義務教育に関する意識調査 ( 平成 17 年 ) 10

小学校高学年を教科担任制にすることについての意識調査結果 保護者 17.9 26.2 36.9 5.8 5.9 5.8 1.6 学校評議員 16.5 32.3 32.2 8.0 5.6 3.7 1.7 一般教員 17.9 33.9 31.1 6.8 6.9 0.4 3.1 校長 教頭等 22.7 42.5 24.0 4.9 4.2 0.5 2.0 1.1 教育長 首長 11.0 22.1 39.1 40.6 38.1 25.0 5.3 4.3 0.7 2.7 5.6 1.3 2.3 0% 25% 50% 75% 100% 賛成まあ賛成どちらともいえないまあ反対反対よくわからない無答 不明 保護者 学校評議員 一般教員 校長 教頭等は 全国の公立小中学校から無作為抽出した学校 ( 保護者 :25 校 学校評議員 :941 校 教員 校長 教頭等 :1,219 校 ) に調査票を送付して調査を依頼 教育長 首長は悉皆調査 回収数は 保護者 6,742 学校評議員 808 教員 校長 教頭等 2,503 教育長 1,038 首長 785 文部科学省 義務教育に関する意識調査 ( 平成 17 年 ) 11

中央教育審議会答申 新しい時代の義務教育を創造する ( 抄 ) ( 平成平成 17 17 年 10 10 月 26 26 日 ) 第 1 章教育の目標を明確にして結果を検証し質を保証する - 義務教育の使命の明確化及び教育内容の改善 - (3) 義務教育に関する制度の見直し 義務教育を中心とする学校種間の連携 接続の在り方に大きな課題があることがかねてから指摘されている また 義務教育に関する意識調査では 学校の楽しさや教科の好き嫌いなどについて 従来から言われている中学校 1 年生時点のほかに 小学校 5 年生時点で変化が見られ 小学校の 4~5 年生段階で発達上の段差があることがうかがわれる 研究開発学校や構造改革特別区域などにおける小中一貫教育などの取組の成果を踏まえつつ 例えば 設置者の判断で 9 年制の義務教育学校を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化など 学校種間の連携 接続を改善するための仕組みについて種々の観点に配慮しつつ十分に検討する必要がある 12

教育振興基本計画 ( 抄 )( )( 平成平成 20 20 年 7 月 1 日閣議決定 ) 第 3 章 今後今後 5 年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策 総合的な学力向上策の実施 6-3-3-4 制の弾力化に関し 小中一貫教育やいわゆる飛び級を含め 幼児教育と小学校との連携など 各学校段階間の円滑な連携 接続等のための取組について検討する 学校段階間の連携 接続等に関する作業部会において 小 中学校間の連携 接続の在り方に関する審議を開始 13