がん学会教育講演 化学療法2016 ホームページ用.pptx

Similar documents
がん学会教育講演 化学療法 2015.pptx

究極の癌患者の看護を目指して

治療学犬と猫の化学療法 (3) 静脈内点滴が必要なほど重度な胃腸障害が発生 した場合 化学療法の延期が必要な状況 (4) その他, 動物の生活の質 (QOL) を極端に落とす 1 副作用が発生したとき 1

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

減量・コース投与期間短縮の基準

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され

「             」  説明および同意書

1)表紙14年v0

がん登録実務について

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

がんの治療

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

分子標的薬アプデート 2018

130724放射線治療説明書.pptx

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

頭頚部がん1部[ ].indd

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

を優先する場合もあります レントゲン検査や細胞診は 麻酔をかけずに実施でき 検査結果も当日わかりますので 初診時に実施しますが 組織生検は麻酔が必要なことと 検査結果が出るまで数日を要すること 骨腫瘍の場合には正確性に欠けることなどから 治療方針の決定に必要がない場合には省略されることも多い検査です

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

外来在宅化学療法の実際

2. どんなリンパ腫があるのですか? 犬では 多中心型 ( 体中のリンパ節が同時に腫れるタイプ ) 皮膚型( 皮膚に潰瘍やかゆみを伴う病変ができるタイプ ) 消化器型( 腸に腫瘤ができるタイプ ) 前縦隔型 ( 胸の中に塊ができるタイプ ) などが多くみられます 猫では 消化器型と鼻腔型 ( 鼻の中

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

抗がん剤を受けられる皆様へ

臨床No208-cs4作成_.indd

第16回日本臨床腫瘍学会学術集会 共催セミナー報告集

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

JBVP リンパ腫 2015ハンドアウト.ppt

タフィンラーカプセル50mg/75mg、メキニスト錠0.5mg/2mg 添付文書改訂のお知らせ

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

レジメン名抗がん剤 ( 一般名 ) 抗がん剤 ( 商品名 ) 用量用法 1 クール適応 シタラビン (AraC) キロサイド注 75mg/ m2 静脈内注射 day 36, 1013, 17 20, メルカプトプリン (6MP) ロイケリン散 60mg/

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

第58回日本臨床細胞学会 Self Assessment Slide

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73>

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

第15回日本臨床腫瘍学会 記録集

Microsoft Word - CDDP+VNR患者用パンフレット doc

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

化学療法剤の適切な使い方について

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

PowerPoint プレゼンテーション

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法


< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

Microsoft PowerPoint - 印刷用 DR.松浦寛 K-net配布資料.ppt [互換モード]

IARC/IACRにおける多重がんの判定規則改訂版のお知らせ

PT51_p69_77.indd

テイカ製薬株式会社 社内資料

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

Microsoft Word - 眼部腫瘍.doc

PowerPoint プレゼンテーション

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

院内がん登録について 院内がん登録とは がん ( 悪性腫瘍 ) の診断 治療 予後に関する情報を収集 整理 蓄積し 集計 解析をすることです 登録により収集された情報は 以下の目的に使用されます 診療支援 研修のための資料 がんに関する統計資料 予後調査 生存率の計測このほかにも 島根県地域がん登録

Transcription:

日本獣医がん学会教育講演化学療法 抗がん治療の治療効果の判定 埼玉動物医療センター腫瘍科林宝謙治 WHO と RECIST WHO RECIST 効果判定 2 方向で計測 最長径 CR 病変無し 病変無し PR 50% 縮小 30% 縮小 SD PR< 病変 <PD PR< 病変 <PD PD 25% 以上の増大 20% 以上の増大 奏効率と臨床的有用率 ² 奏効率完全寛解と部分寛解を加えたもの n 病変が 50%(30%) 以上縮小した症例の割合 n 維持病変は含めない ² 臨床的有用率 n 10 週間以上, 維持病変以上が持続した症例の比率 RECIST:Response Evaluation Criteria in Solid Tumors ( 固形腫瘍の反応評価基準 ) 抗がん剤 : 各論, リンパ性白血病 n 様々な肉腫 ( 骨肉腫, 軟部組織肉腫 ) n 甲状腺癌 n 乳腺癌 n 血管肉腫投与経路 n 静脈内点滴 1

禁忌 n 心収縮力が著しく低下した動物 (FS が 28% 以下 ) n 総ビリルビンが1.5mg/dl 以上では50% 減量 n ヘパリン生食でのフラッシュを避ける ( 沈殿する ) ² 1. 心臓毒性 n 投与できる量に制限がある (180mg/ m2 ) 2. 絶対に漏らしては駄目! n 血管外に少しでも漏れたら断脚となることもあり ² 3. 胃腸障害 4. 骨髄抑制 5. 脱毛 6. アレルギー ² 血管外に漏らさないようにするには! n 留置針は確実に入れること n 投与中は確実に監視する n 保定しながらの投与 n 暴れる動物は鎮静下で投与 ( 点滴 ) ² 漏れてしまった時の対処法 1. 投薬を中止 2. 留置針は引き抜かず, その留置針周囲から周囲に漏れた薬液を可能な限り吸引 3. 患部を冷やす : 冷湿布 n 1 回 10 分,1 時間毎,24 時間 4. 漏れた場所を外科的に切除? 5. 拮抗薬 :2014 年から日本でも発売開始 拮抗薬 : デクスラゾキサン 漏出疑い 3 時間以内に 600mg/ m2を生理食塩水に希釈し 15 分かけて静脈内投与 漏れた薬剤を局所に留めることが重要! サビーン 500mg 45 593 円 (2014 年 4 月 17 日 ) 2

ビンクリスチン ビンクリスチン n 軟部組織肉腫 (VACプロトコール) n 可移植性性器肉腫代謝 排泄 n 肝臓で代謝され胆汁から排泄 n 便秘 ( 末梢神経毒性 ) n L- アスパラギナーゼとの同時投与で重度の骨髄抑制 n 血管外漏出で周辺組織の壊死 n : 総ビリルビンが 1.5mg/dl 以上の動物では 50% の減量が必要 ビンクリスチンを漏らしたら! ビンクリスチン 1. 投薬を中止 2. 留置針は直ぐに引き抜かない! 3. 留置針から周囲に漏出し薬剤を可能な限り吸引 4. 生理食塩水を局所注射 5. 温湿布を数時間適用 保存方法 n 室温 25 で3 日間 n 冷所 (8 ) で7 日間 n 保存剤の添加なし 無菌操作極めて重要 局所吸収を促進することが重要! ビンブラスチン ビンブラスチン n 肥満細胞腫 ( 猫 ) でビンクリスチンの代替薬として n T.Bil 1.5mg/dl 以上の動物では 50% 減量 n 骨髄抑制 n 血管外漏出で周辺組織の壊死 n 神経毒性は稀 Krick E,JVIM 2013 保存方法 n 冷所 (5 ) で 14 日間 n 保存剤の添加なし 無菌操作が極めて重要 3

n 白血病 n 骨髄異形成症候群 n 軟部組織肉腫 シクロフォスファミド n 免疫抑制剤として様々な免疫疾患に 投与経路 n 静脈内投与, 経口投与 ( 空腹時に投与 ) ² シクロフォスファミド 1. 出血性膀胱炎 これが最も重要な ² 出血性膀胱炎が起こるメカニズム n 膀胱内にアクロレインが蓄積 2. 胃腸障害 3. 骨髄抑制 シクロフォスファミド クロラムブシル ² 取り扱いの注意 n 安全キャビネットがない施設では, 錠剤を潰して粉にしては駄目!( 原末の調剤も ) n 分割する際も必ず手袋, マスク着用 n 分割には専用のピルカッターを使用 n 投与後の尿に注意 ( 特に小さい子供 ) n 慢性リンパ性白血病 n 肥満細胞腫 n 多発性骨髄腫投与経路 n 経口投与 クロラムブシル メルファラン ² 1. 遅延性 蓄積性骨髄抑制 2. 胃腸障害 ( 稀 ) ² 1. 粉にしては駄目! 分割も要注意! 2. 要冷蔵 3. 日本未発売 4. 薬剤出荷後の有効期限は 12 ヵ月間 n 多発性骨髄腫 n 慢性リンパ性白血病 n 慢性骨髄性白血病 投与経路 n 経口投与 と n クロラムブシルと似る n 骨髄抑制はクロラムブシルより強い 4

ロムスチン ロムスチン n 肥満細胞腫 n 脳腫瘍 n 組織球性肉腫 n 皮膚型リンパ腫 投与経路 n 経口投与 ² 1. 蓄積性骨髄抑制 ( 重度 ) 2. 肝酵素上昇 n 必ず投与直前に肝酵素もチェックする事! 3. 胃腸障害 ( 稀 ) 4. 蓄積性腎毒性 ( 稀 ) 無症候性門脈シャントの症例にも注意が必要かも? シスプラチン シスプラチン n 悪性中皮腫 n 骨肉腫 n 様々な上皮性腫瘍 n 腎毒性 n 投与直後の重度の嘔吐 n 骨髄抑制 n 聴覚器毒性 n 猫には禁忌 ( 肺水腫が発現 ) n クレアチニンが上昇している犬では使用を控える n 投与前後の点滴 ( 利尿 ) が必須保存方法 n 室温で3 年間保存可能 ( プリプラチン ) カルボプラチン カルボプラチン n 骨肉腫 n 悪性黒色種 n 様々な上皮性腫瘍 n 猫の鼻鏡の扁平上皮癌 n 骨髄抑制 ( 蓄積性 ) n 胃腸障害 ( 通常は軽度 ) n 生理食塩水で希釈しては駄目! シスプラチンに変化 n 5% ブドウ糖で希釈する n 猫でも使用可能 保存方法 n 注射水溶液で販売されているものは室温で 2 年間 5

L アスパラギナーゼ L アスパラギナーゼ n リンパ性白血病 n 過敏症 n 急性膵炎 過敏症の予防には投与 30-60 分前のデキサメサゾン, ジフェンヒドラミンの投与を行う! n 過去に急性膵炎の病歴がある動物には特に注意が必要 n ビンクリスチンと同時投与で強い骨髄抑制あり保存方法 n 保存不可 ( 溶解後は速やかに使用 ) 分子標的薬 獣医学領域の分子標的薬 l がん細胞の特定の分子を狙い撃ちし, がん細胞の増殖を抑制する薬 l 従来の抗癌剤は, がん細胞だけでなく正常な細胞も区別なく攻撃してしまうため重度のあり l 分子標的薬はがん細胞を狙い撃ちできるためが軽減 1. イマチニブ 2. トセラニブ 3. マシチニブ l イマチニブ : 肥満細胞腫 ( 犬, 猫 ),GIST( 犬 ), 肉腫 l マスチニブ : 肥満細胞腫 ( 犬 ) l トセラニブ : l 犬肥満細胞腫, 肛門嚢アポクリン腺癌, 転移性癌, 移行上皮癌, 多発性骨髄腫, 悪性黒色種, 肉腫 l 猫肥満細胞腫, 扁平上皮癌, 注射接種部位肉腫, 乳腺癌, 様々な癌腫, 肉腫 イマチニブ イマチニブの報告 標的 :KIT,PDGFR,Acl となる腫瘍 1. 転移性あるいは切除不能の肥満細胞腫 ( 犬, 猫 ) 2. GIST( 消化管間質腫瘍 ) 1. 胃腸障害 2. 肝障害 Ø 肥満細胞腫の犬 21 例に対しイマチニブ (10mg/kg SID) Ø 全例で肉眼的病変あり Ø 腫瘍直径の中央値 =7.2cm Ø 全体の奏効率 = 48%(10/21) Ø c-kit に変異がある症例の奏効率 = 100%(CR= 1, PR= 4) Ø 肝毒性を含め明かななし Isotani M, JVIM, 2008 6

イマチニブの報告その 2 Ø 肉眼病変を有する肥満細胞腫の犬 13 頭 Ø 全体の奏功率 :61.5%(8/13, CR=5,PR=3) Ø c-kit 変異あり =100%(6/6,CR=3,PR=3) Ø c-kit 変異なし =28.5%(2/7,CR=2) Ø 奏功期間の中央値 :30 日 (n=8) Ø CR 188 日 (n=5) Ø PR 22 日 (n=3) Nakano Y,Chushorin Proc,2010 トセラニブ 2014 年に日本で発売開始! 標的 :KIT,VEGFR,PDGFR,Fit-3 l 臨床応用 l 犬 肥満細胞腫, 肛門嚢アポクリン腺癌, 転移性癌, 移行上皮癌, 多発性骨髄腫, 悪性黒色種, 肉腫 l 猫肥満細胞腫, 扁平上皮癌, 注射接種部位肉腫, 乳腺癌, 様々な癌腫, 肉腫 トセラニブの MCT に対する効果 Ø 再発性あるいは外科不の肥満細胞腫の犬 Ø グレード II III Ø 無作為化二重盲検比較臨床試験 (n= 149) Ø 全体の奏効率 = 42.8%(CR= 14.5%, PR= 28.3%) Ø 奏効期間の中央値 = 12 週間 Ø 無進行期間の中央値 = 18.1 週間 Ø c-kit 変異あり Ø 奏功率 =81% Ø c-kit 変異なし Ø 奏功率 =30% London CA, Clin Cancer Res, 2009 イマチニブ vs トセラニブ Ø 本邦では c-kit 変異のある肥満細胞腫に対して第 1 選択となるのはイマチニブの事が多い Ø 理由 Ø イマチニブはが非常に少ない Ø 薬価? Ø 米国では, 肥満細胞腫でもトセラニブが第 1 選択? Ø 都市伝説でイマチニブの肝毒性が懸念? Ø トセラニブは発売に先立って専門医に無料で配布 Ø トセラニブは肥満細胞腫以外の固形がんに試されている Ø イマチニブにはない血管新生阻害作用に期待 固形癌におけるトセラニブの臨床応用 Preliminary evidence for biologic activity of toceranib phosphate (Palladia ) in solidtumours C. London et.al Veterinary and Comparative Oncology 2011 肛門嚢アポクリン腺癌 32 頭 u 25 頭が以前に何らかの治療 u 7 頭に高 Ca 血症 u トセラニブ 2.81mg/kg (2.2-3.25mg/kg) u EDO, 週 2 回, 月, 水, 金 u PR 25%(med duration 22weeks) u SD 62.5%(med duration 30,5 weeks) u 治療期間中央値 :31 週 7

骨肉腫 23 頭 ( 転移症例 ) u 21 頭が手術 + 化学療法 u 1 頭は無治療,1 頭は放射線治療のみ u トセラニブ 2.7mg/kg(2.3-3.25 mg /kg) u EOD, 月, 水, 金 u PR 1 頭 (4.3%),SD 10 頭 (43.5%) u 治療期間中央値 :24 週 甲状腺癌 ( 犬 15 頭 ) u 15 頭中 10 頭は以前に何らかの治療あり u 手術 4, 化学療法 7, 放射線 3 u 原発性腫瘍は 13 頭 u 9 頭は肺転移,1 頭は肝臓, 脾臓に転移 u PR 4 頭 (26.7%) SD 8 頭 (53.3%) u 治療期間中央値 :25 週 頭頸部癌 8 頭 u 鼻鏡の扁平上皮癌 4 頭 u 口腔内扁平上皮癌 3 頭 u 耳道腺癌 1 頭 u 5 頭は無治療,2 頭が手術,1 頭が放射線治療 u 2 頭で下顎リンパ節転移,1 頭で肺転移 u CR 1 頭 (12.5%),PR 5 頭 (62.5%),SD1 頭,PD1 頭 u 治療期間中央値 :20 週 鼻腔内腺癌 7 頭 u 4 頭が以前に放射線治療 u 4 頭でリンパ節転移,1 頭で肺転移 u 治療後に CT を取れた犬は 2 頭のみ u 1 頭は CR, 1 頭は SD u 3 頭で臨床症状が改善 (CT なし ) u 全体の奏効率は 71.4%(5 頭 ) u 5 頭の治療期間の中央値 :18 週 トセラニブとメトロノーム u 約半数で NSAID とシクロフォスファミドのメトロノームを併用 u 本当にトセラニブのみの効果? u 真の評価には比較臨床試験が必要 本論文のトセラニブの u 全体として85 頭中 66 頭 (77.6%) で何らかのあり u 胃腸障害 u 下痢 (n = 44,51.8%), 食欲不振 (n = 30,35.3%), 嘔吐 (n = 16,18.8%) u 筋骨格疼痛および / または虚弱 (n = 16,18.8%) u 体重減少 (n = 15,17.6%) u 嗜眠 (n = 11,12.9%) u 好中球減少 (n = 9,10.6%) u 皮膚障害 (n=6,7.1%) 膿皮症色素脱失 8

1. 消化器症状 n 下痢 (46%), 血便 (12.6%), 嘔吐 (32.2%) 2. 食欲不振 (34%) トセラニブ : 2009 年の報告 ( トセラニブ :3.25mg/kg,n=87) 3. 跛行, 筋骨格疾患 (25%) 4. 骨髄抑制 n 好中球減少症 (46%), 血小板減少症 (24.1%) 5. ALT 上昇 (24.1%) 6. アルブミン低下 (12.6%) London CA, Clin Cancer Res, 2009 u Phase Ⅰ u ピロキシカムとの併用 u ビンブラスチンとの併用 u CCNU との併用 多剤併用効果 u との併用 ( 血管肉腫 ) u 生存期間を改善なし u カルボプラチン, メトロノームとの併用 ( 骨肉腫 ) u 生存期間の改善なし Pan X, Vet Compar Oncol, 2014 Robat C, Vet Compar Oncol, 2011 Chon E, Vet Compar Oncol, 2011 Gardner HL, BMC Vet Res,2015 London CA,PLOS One,2015 マシチニブ マシチニブ ヨーロッパで 2008 年から発売 ( 日本未発売 ) 標的 :KIT,PDGFR 肥満細胞腫 ( 犬 ) 1. 消化器症状 : 下痢, 嘔吐, 食欲不振 2. 脱毛 3. 腎不全 4. 好中球減少症 5. 浮腫 獣医学領域の分子標的治療薬まとめ まとめ 薬剤名商品名ターゲット腫瘍薬用量 Ø 化学療法は, 誰にでもできそうだが本当は難しい Toceranib Palladia KIT VEGFR PDGFR FLT3 Masitinib Kinavet Masivet KIT PDGFR MCT 癌腫肉腫メラノーマ骨髄腫 MCT 3,25mg/kg EOD 2,5-2,75mg/kg EOD 12.5mg/kg SID Ø 薬剤の特性やを熟知してから使用すべき Ø を抑えこみながら薬剤強度を高く保つ事が重要 Ø 今後は従来の化学療法と新規薬剤 ( 分子標的薬など ) の併用の時代に Imatinib Gleevec KIT PDGFR Acl MCT GIST 5-10mg/kg SID 9