消防活動等の知識 技術伝承に関する調査検討会 ( 第 3 回 ) 議事要旨 大量退職への危機感は 消防本部の規模が大きくなればなるほど危機感 は高い 大きな消防本部は自分のところで その検証も必要だが 小さい消防本部にどう適用していくのか それが必要 また 大きい消防本部はプログラムをいろいろ考えられているにも関わらず 危機感が高く うまくいくのだろうか という不安を持っており 小さな消防本部と対比的である 大量退職に際して 対策を講じていない消防本部が講じていない理由と して 日常でもうやっているからいい 消防学校へ行かせている また 最終的には 余裕がない という話になる ベースの議論であるが こういうことが必要なんだよ という説明がまず必要である 分析から大きな消防本部は不安満々 コツ ポイント の伝承が減少していると思う この伝承について 1 大量退職により教える人が減る 2 火災現場での経験が減る この 2つがベースの議論として必要なのではないか 相当有用な報告書になると思うが 危機感をもっていない消防本部には 有用な報告書が届いても 活用せず 棚に置いておくだけ 必要だという 何か掘り起こ すものがあってもいいと思うが 昔 例えば 10 年前と今を比べて 自分の消防本部に足りないものを認識 すべきである あなたの消防本部に足りないものは何なのか という注意喚起が必要 そして 足りない部分だけすぐ見られるような 例えばインデックスを作ることが有効で はないか 当直責任者 係長全てが どういう部隊であるべきかというしっかりと したビジョンを持っているところは 火災が少なくても常に危機感を持っている これら の職員がしっかりとした危機感を持っていろいろなことを考えていれば 退職者イコール 技術の低下にはならない 若い人はベテランの方に比べたら技術は低い しかし彼らにはベテラン にはないパワーを持っている そのパワーとベテランが持っていたノウハウをプラスすれ ば良い結果が出るはず そんな報告書になれば良いと思う 小さな消防本部は 周りが密集していない場所での火災が大変多い 都 市部のような火災が少ない小さな消防本部では 事例としてあげられた伝承方法 若い職 - 1 -
員の技術をあげる方法を吸収すれば良いと思う 報告書には 自分の消防本部との関わり合いは何か 興味深く見られる ような形 書き方 あるいは量が多いので必要な情報が早く抜き出せるようなインデック ス そんな工夫が必要である 東京消防庁や京都市消防局のように実火災体験型の施設を持てない消防 本部が 90% 以上あるということが大きな痛手 どこの消防本部でも 何らかの方法で訓練をやっている それが ここ で言っている知識 技術の伝承なのか あるいは基本的な訓練の繰り返しなのか その 2 つに分かれると思う 訓練施設に乏しいという消防本部が多いが そのような環境でも何 かしらやらなくてはならない 規模の大きな消防本部が実施している取組み 小さな消防本部に興味を もってもらえるところ 2 本立てにする必要がある あと目標をどこに定めるか 目標と するところをどうするのかというのをひとつ考えなくてはいけない 個人的にはブロック単位当たり 国から訓練施設を提供していただくよ うな 予算的な話に持っていっていただけるとありがたい ブロック単位が無理であれば 全国に 3 カ所でも 4 カ所でも結構なので研修施設的なもの 消防大学校とはまた違った部 分で 比較的気軽に警防隊員が訓練を積めるような施設があるとありがたい 事務局 事務局 訓練施設のあり方はまた別途考えたいと思う 消防学校で持てればかなり違うと思う かなり良いと思うが いきなりは難しい 少なくともそのような ( 実火災体験型 ) 訓練施設はぜひ必要だと思う 非常に不足していることは確かなことであるのだから この問題 少し外れるところもあ るが何か一言報告書に書いてもよいのでは まとめに入っているところで申し訳ないが このようなまとめ方だと どこでもこの程度の訓練はやっているよという話になる ここまで全体を見て分からないことは 知能と技能のレベルのところで ( 資料 2) 結局 消防隊員一人一人の能力に還元しようとしていること ヒヤリハットについて分析したが 例えばベテランと初心者 消防の現場が劣悪な状況の場合は 初心者は個人技能が足りないと思い それが原因でヒヤリハットを経験すると考えている ところがベテランの人はかなり複雑な状況で 込み入った状況で足場が悪い - 2 -
ときに 組織的な問題 例えばコミュニケーションがうまくとれていない 指示がうまく伝達できていない 隊長と仲間との間のコミュニケーションができていない これらが問題になると考えている 本検討会で考えられている個人技能というのは訓練さえしていればある程度対応できる しかし そういう技能で対応できるのはたぶん小さな火災 あるいは比較的良好な環境で起こった火災 逆にもっと複雑で暗くてやじ馬が多くて足場が悪いとき 不規則なことが起こっているときにどう対応するか それは 明らかに組織的な要因 このようなことをやっていないでしょう そうすると危険ですよ という話 そこに実は消防の知恵というのがある だから状況要因と個人の心理的要因 それから組織的な要因は 非常に高い関連性があり ベテランと初心者の違いがある その辺が技能の解明に役立つのではないかと思う その部分が抜けているのではないか 資料 2 は 基本的に個人を中心に表したもの 個人が消防の組織では 隊員であったり 指揮者であったり いろいろなポジションがある 例えば隊員であれば個人の活動の内容になり 指揮者になれば個人をまとめて組織的な活動をするポジションなので 指揮という組織的な活動をするためのノウハウを持っているということで それが経験年数によって段々増えている形で積み上がっていくということを概念的に表したもの 例えば 上級指揮者であれば多くの部隊を指揮する組織的な活動や安全管理を図るというノウハウを持っている また 隊員で辞められる方は 自らの身を守るためのノウハウを持っており そこまでのイメージはこの中には示せないのでこのような概念図とした グループ単位で訓練をさせて グループ単位での評価をする 例えば先 ほど東京消防庁の実火災体験のコンテナの中で行われていることは 火を感じるというこ とが一番大事だが 実際の現場ではそういう状況の中でどうコミュニケーションをとれる か そこが大事なのではないか 個人の技術の伝承と混在しているところがあると思う 要するに技術の 伝承というのは資料 2で言えばこの知恵の部分だと思う あくまでも資料 2については 同じ階級の土俵で作成しなければ意味がないのではないか 例えば 階級が上がり 大隊長になり その人がホースを伸ばす技術が隊員より速くても何の意味もない その辺を間違えなく伝えないと変な方向に行ってしまうのではないか 隊員の技術というものと チームを取りまとめるための指揮者の技術という2 本立てをやらないと この消防全体のレベルアップについては図れないのではないか - 3 -
状況の判断と行動の繰り返しが実は訓練のキーだと思う 個人技能の議 論をしている場合の状況判断と指揮者の状況判断 これは致命的に大事 そうすると訓練の仕方が違ってくるものだと思う 資料 2の課題 1と課題 2に対する資料のほとんどは 個人に関する状況判断と行動の話 現場はグループ チームで動いているのだから 組織の話をしておくべきだと思う 退職される方 その方が持っているノウハウ 技術の伝承について 誰 にばらまくのかによって全然違うと思う 事務局 実態調査の結果から 対象はおおむね全職員 ただそうなると 消防学校を出てきたばかりの人たちに言うものと 指 揮者になり得る人に言うのでは違う それぞれ必要としている要素が違う 消防はチームワークが大事 半年ごと 3 カ月ごと もっと小さく言え ば毎日チームが違うこともある 同じチームワークで火災現場へ行くわけではないので 個人的な能力を一緒に持ち合った中で良いチームづくりをするかということに押し上げていく方策でいった方がいいと思う 少しでもレベルを上げる そういう技術の伝承が本来のあるべき姿かと思う 事故が起こりそうな場合ベテランは原因を組織的要因に帰属させる傾向 があり 初心者ほど個人の技能に帰属させる傾向があるというのが実際にデータで出ている ベテランの職員が辞めるということは 組織的要因に原因があるとたぶん思っている それが大事だということはみんな知っているが なかなか言葉にできなくて伝えられない 学校で教えることは個人の測定可能な技能ばかり 今そのベテランの職員たちが辞めてしまうことは 組織的な要因がすごく大事だということを伝えなくてはならない まさに大量退職によって一番致命的に欠落する知識はそこではないかと思う 大量退職という引き金からこの調査が始まっており そこから個人の知 恵がなくなる それで 新しい人にもそれだけのものを伝えたいということだと思う その中に 消防の場合は指揮能力 指揮の技術 そういうものも出てくる ただ先ほどのように ごっちゃにするとおかしなことになるのか私にはよくわからない 私はそれでいいと思う 要するにベテランの職員がこれを見たときに これでは本当に伝えたい ことが伝えられない と思うのではないか それこそが現場の知恵だと思う ベテランからのいろいろな言葉がたくさん入っているので チームワー - 4 -
クの必要性 判断の方法等も読める 今話があったようなことは盛り込んであると思われ る コピーをつくるわけではなくて 多分年配というか 退職されるとチー ムの編成も代わり そこで新しいチームにしていかなければならない そのための知恵を 組織に残すという形であればそれなりの書き方をすれば良いのではないかと思う 役に立たないものでも意味がないので 指揮能力や統率力についても含 まれているということもある程度表現していただきたい 事務局 資料 5-1 5-2 資料 6 を説明 指導者を養成して認定して対象者を指導するという 指導者自体にこの 技術の伝承が必要だという議論になると 指導者は どうするのかという話にならないか この話になると 結局最終的には消防学校を出た人がターゲットになっている姿に見える 若い指導者が増えるというのも問題だと思う 要するに我が消防本部で も一番の課題で 部下に訓練させられない指導者が今たくさんいる どのように訓練を指 導したら良いかがわからない指導者がいる 今問題になっていることは 火災件数の減少で現場経験が少なくなるこ と あるいは現場経験の少ない指揮者が現場活動を指揮すること そうした中で 経験不足を補うのは訓練しかない だから1つは効果的な訓練のやり方 判断力であり安全管理であるというような能力を向上させるための訓練の手法をしっかりし それを回数を重ねて実施していく以外に経験を補うということはできないと考える また もう一方でベテランの職員が今まで経験を積んできて 経験から得られたものを組織にどう残していくか この2 点が重要だと思う 事務局 この前の議論の中で問題となっているのはベテランが抜け その後若い年 齢をいかに高く上げるのかということが問題になっていたと思うので 隊員のところにク ローズアップしてきた しかし階級社会の中で 隊員のまま辞める人は少ないということは認識 しておかなければいけない そのあたりは消防本部の規模によっても違うと思う 報告書を見たときに ちょっと興味を持って入っていけるようなまとめ 方が良いと思う - 5 -