中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応に関するQ&Aについて

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通知(写入)

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資料2旅館業法整理(案)

(地Ⅲ  )

BSL4の稼働合意について

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

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PowerPoint プレゼンテーション

都道府県医師会 情報システム担当理事殿 ( 情シ 35) 平成 30 年 11 月 6 日日本医師会常任理事石川広己 医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の周知について 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます 日頃より会務運営に対しましてご高配を賜り深く感謝申し上げます 医療機関でのIT

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

【資料1】結核対策について

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(地Ⅲ116)

Microsoft Word - 【案1】登録認証機関立入要領改正通知(Ver )

名称未設定

( 保 8) 平成 31 年 4 月 3 日 都道府県医師会 社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本吉郎 出産育児一時金等の受取代理制度の届出について ( 平成 31 年度 ) 出産育児一時金等の受取代理制度の届出につきましては 平成 23 年 2 月 7 日付け日医発第 1009 号 ( 保

Microsoft Word _特定施設水道連結型スプリンクラー設備の配管における適切な施工について.docx

( 保 99) 平成 29 年 9 月 4 日 都道府県医師会 社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本純一 被保険者証の氏名表記について 被保険者証の氏名表記につきましては 性同一性障害を有する被保険者又は被扶養者から 被保険者証において通称名の記載を希望する旨の申出があったことから 保険者が

薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

【1】【01】150511(一部改正)エボラ発生対応通知

3. 定期接種の接種時期について結核の定期接種の対象者については 1 歳に至るまでの間にある者と予防接種法施行令 ( 昭和 23 年政令第 197 号 ) 第 1 条の3に規定されているが 本件に伴い 2に記載した方法を検討してもなお やむを得ず1 歳を超えて接種を行った者に対して定期接種の対象外と

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年管管発第 1026 第 2 号平成 24 年 10 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局年金調整 ( 年金管理 ) 課長殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 通知 ) に基づく保護を受けている外国人の国民年金保険料免除の申請の

DOTS 実施率に関する補足資料 平成 26 年 12 月 25 日 結核研究所対策支援部作成 平成 23 年 5 月に改正された 結核に関する特定感染症予防指針 に DOTS の実施状況は自治体による違いが大きく実施体制の強化が必要であること 院内 DOTS 及び地域 DOTS の実施において医療

( 保 241) 平成 30 年 11 月 29 日 都道府県医師会社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事松本吉郎 高齢者に係る高額療養費制度の見直し等について ( 再々周知 ) 平成 30 年 8 月 1 日から 70 歳以上の高齢者に係る高額療養費制度が見直されたことに伴い 診療報酬請求書等の記

【01】(一部改正)エボラ発生対応通知

老発第    第 号

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

( 介 197)( 保 310)F 平成 31 年 3 月 12 日 都道府県医師会社会保険担当理事殿介護保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本吉郎 江澤和彦 要介護被保険者等である患者に対する入院外の維持期 生活期の 疾患別リハビリテーションに係る経過措置の終了に当たっての必要な対応について 入

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障発 第 7 号 平成 31 年 2 月 15 日 都道府県知事 各指定都市市長殿 中核市市長 厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部長 ( 公印省略 ) 障害者に対する航空旅客運賃の割引について の一部改正について ( 通知 ) 身体障害者 知的障害者及び精神障害者に係る航空旅客運賃

事務連絡(平成30年大阪府北部を震源とする地震)

消防救第 86 号 医政指発 0330 第 1 号 平成 22 年 3 月 30 日 各都道府県消防 防災主管部 ( 局 ) 長殿衛生主管部 ( 局 ) 長殿 消防庁救急企画室長 厚生労働省医政局指導課長 消防機関における自動体外式除細動器 (AED) の取扱いについて 今般 平成 21 年度厚生労

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

【1】【01】151109(一部改正)エボラ発生対応通知

00 事務連絡案

1. 検疫感染症と空港検疫の実際 検疫の目的 検疫法第一条 この法律は 国内に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止するとともに 船舶又は航空機に関してその他の感染症の予防に必要な措置を講ずることを目的とする 2

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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( 別添 ) 薬食発 0513 第 1 号平成 23 年 5 月 13 日 都道府県知事各保健所設置市長特別区長 殿 厚生労働省医薬食品局長 薬事法の一部を改正する法律等の施行等についての一部改正について 薬事法の一部を改正する法律 ( 平成 18 年法律第 69 号 ) については 関係政省令とと

Microsoft Word - 02-頭紙.doc

管下関係業者に周知いただくとともに 適切な指導を行い その実施に遺漏な きようお願いいたします 記 第 1 体外診断用医薬品の製造販売業又は製造業を行う旨の届出等について 1. 届出対象者旧薬事法に基づき 体外診断用医薬品を取り扱う以下の者 (1) 旧薬事法第 12 条第 1 項の第二種医薬品製造販

【事務連絡】160421平成28年熊本地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

長は 特措法第 39 条第 1 項に規定する地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等の探索に必要な限度で その保有する同項に規定する土地所有者等関連情報を その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができることとなります ( 特措法第 39 条第

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

老発第    第 号

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特定健康診査及び特定保健指導に係る自己負担額の医療費控除の取扱いの一部変更について(厚生労働省健康局長、保険局長:H )

Microsoft Word - 介護保健最新情報vol.583.doc

「配偶者からの暴力を受けた被扶養者の取扱い等について」の一部改正について

2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

日医発第437(法安23)

④登録要領(医療分野)

起案

00(自治体宛て)病院、診療所等の業務委託について 新旧対照表

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「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

消防災第 71 号 平成 22 年 2 月 24 日 各都道府県消防防災主管部長殿 総務省消防庁国民保護 防災部防災課長 ( 公印省略 ) 公務員の消防団への入団促進について ( 通知 ) 消防団員は 普段はそれぞれに他の職業をもつ地域住民により構成され 非常災害が発生した際に 自らの地域は自らで守

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Microsoft Word _正当理由通知(薬局医薬品) (反映)

◎外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

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薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

01_ポスター(ラグビー協会)

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

01 表紙 老人保健課

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る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

実務上の取扱い(改正)

03-01【局長通知・特例】施術管理者の要件に係る取扱の特例について

2. 様式の改正については平成 25 年 4 月 1 日付けで行う予定としているが 4 月以降も当面の間は改正前の様式を引き続きご利用できること 3. 改正後の新様式で届出を行う場合の記載方法等については別添 1 改正前の様式で届出を行う場合の記載方法については別添 2のとおりリーフレットを作成した

別紙 1 消防危第 174 号 平成 25 年 10 月 4 日 < 関係団体の長 > 殿 消防庁危険物保安室長 ガソリン携行缶本体の注意表示の充実に係るご協力のお願いについて 平素から消防行政へのご理解とご協力を賜り 厚く御礼申し上げます 平成 25 年 8 月 15 日に京都府福知山市花火大会で

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

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事務連絡 平成 27 年 3 月 31 日 各都道府県消防防災主管課 東京消防庁 各指定都市消防本部 御中 消防庁予防課 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部 局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドラインに係る執務資料の送付 認知症高齢者グルー

都道府県医師会担当理事殿 年税第 47 号平成 29 年 0 月 0 日 公益社団法人日本医師会常任理事今村定臣 国税庁の確定申告における医療費控除の提出資料変更に係るチラシの設置について 今般 国税庁より 確定申告における医療費控除の提出資料変更について 別添の通り チラシの設置についての協力依頼

表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

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一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

1_【鑑】「生活困窮者自立支援制度と介護保険制度との連携について(通知)」の一部改正について

症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

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( 地 Ⅲ252F) 平成 30 年 3 月 28 日 都道府県医師会 感染症危機管理担当理事殿 日本医師会感染症危機管理対策室長 釜萢敏 愛知県知多半島の犬におけるエキノコックス ( 多包条虫 ) 感染事例について 愛知県における犬のエキノコックス症感染事例について は 平成 26 年 4 月 1

3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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麻しん 2

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

平成 30 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書の概要 消防庁救急企画室 はじめに 消防庁救急企画室では 高齢化を背景として救急需要が増大する中 救急車の適正利用の推進や救急業務の円滑な実施と質の向上等 救急業務を安定的かつ持続的に提供し救命率の向上を図ることを目的に 平成 30 年度救急業務の

Transcription:

( 地 Ⅲ56F) 平成 27 年 6 月 12 日 都道府県医師会 感染症危機管理担当理事 殿 日本医師会感染症危機管理対策室長 小森 貴 中東呼吸器症候群 (MERS) の国内発生時の対応に関する Q&A について 韓国における中東呼吸器症候群(MERS) への対応について は 平成 27 年 6 月 4 日付 ( 地 Ⅲ 48F) 中東呼吸器症候群 (MERS) の国内発生時の対応について は 平成 27 年 6 月 11 日付 ( 地 Ⅲ53F) をもって貴会宛お送りいたしました 今般 中東呼吸器症候群 (MERS) の国内発生時の対応に関する自治体向けQ&Aが取りまとめられ 厚生労働省健康局結核感染症課より各都道府県等衛生主管部 ( 局 ) 宛別添の通知がなされました つきましては 貴会におかれましても本件についてご了知のうえ 貴会管下郡市区医師会 関係医療機関等に対する周知方について ご高配のほどよろしくお願い申し上げます

事務連絡 平成 27 年 6 月 12 日 都道府県 各保健所設置市 衛生主管部局御中 特別区 厚生労働省健康局結核感染症課 中東呼吸器症候群 (MERS) の国内発生時の対応に関する Q&A について 韓国における中東呼吸器症候群 (MERS) の発生を受け その対応につきましては 韓国における中東呼吸器症候群 (MERS) への対応について ( 平成 27 年 6 月 4 日健感発 0604 第 1 号 ) 及び 中東呼吸器症候群 (MERS) の国内発生時の対応について ( 平成 27 年 6 月 10 日健感発 0610 第 1 号 ) により 当該感染症に感染した疑いのある患者への対応についてお願いしているところです 今般 これらの対応に関するQ&Aを別添のとおり取りまとめたので 業務の参考として送付いたします

自治体向け中東呼吸器症候群 (MERS)Q&A( 平成 27 年 6 月 12 日版 ) 別添 ( 渡航歴 ) 問 1 6 月 4 日通知の定義にある 対象地域 : アラビア半島又はその周辺諸国 とは 具体的にどの国又は地域のことですか? 答アラビア半島や周辺諸国のうち 発生国 ( 輸入例ではない MERS の確定患者の発生が認められた国 ) のことで 具体的には アラブ首長国連邦 イエメン オマーン カタール クウェート サウジアラビア ヨルダン (6 月 11 日現在 イラン及びレバノンは 輸入例の発生であるため 含まない ) のことを指します ( 渡航歴 ) 問 2 対象地域の空港で乗換え ( トランジット ) は 対象地域に渡航したことに当たりますか? 答ケースバイケースですので 対象地域においてどのように滞在したか 状況をよく聴取してください 例えば 乗り換えに何日も要し 途中で空港敷地外に出て観光するなどした場合は 患者に接触した可能性を考えて 渡航したことに当たりますが 単に空港の一画で短時間 乗り換え便を待つだけでは 渡航したことには当たりません ( 接触歴 ) 問 3 中東産のヒトコブラクダの食用肉を 中東以外の地域で喫食した場合は ヒトコブラクダとの濃厚接触歴 と判断できますか? 答ヒトコブラクダとの濃厚接触歴とは 未殺菌乳の喫食等を想定しています 現在 非加熱の場合に 食用肉から感染するリスクについては不明ですが 中東地域で喫食した場合は濃厚接触として取り扱います また 中東以外の地域で喫食した場合は 濃厚接触歴とは扱いません ( 保健所の健康相談 ) 問 4 本人から健康相談を受けた際に 保健所は必ず本人に面会 ( 診察 ) しないといけないですか? 答健康相談の目的の一つは 相談者が疑似症患者定義に合致し 感染症指定医療機関に搬送するかを判断することです 保健所への健康相談の内容から 疑似症患者定義に合致すると判断できれば 保健所の医師が疑似症として届け出て 速やかに患者を感染症指定医療機関へ搬送してください 他の病因と考えられる場合など電話だけでは判断できない場合は 面会して状況をよく聴取することを検討してください ( 搬送 )

問 5 医療機関を受診させる際に 必ず都道府県が搬送しないといけませんか? 答疑似症として扱う場合は 都道府県が搬送できます 感染症法第 26 条 二類感染症の場合 搬送しなければならないものではありませんが 搬送者が適切な感染予防策をとった上で搬送するように指示してください ( 問 6 参照 ) ( 搬送 ) 問 6 医療機関を受診させる際に 家族が自家用車を運転して連れて行ってもいいですか? 答疑似症患者の移送については 保健所が疑似症患者を収容して感染症指定医療機関に搬送することが望ましいですが できる限り速やかに医療機関に受診させる観点から 家族等による搬送も可能です ただし 二次感染リスクを防止するため 1 公共交通機関を利用せず他者との接触を避けて移動できること 2 適切な感染予防策 ( マスクの着用等 ) をとること 3 家族が同行する場合 家族にも適切な感染予防策をとること等を指導した上で 速やかに指定した感染症指定医療機関に受診するよう指示してください その場合 受け入れる感染症指定医療機関と十分な連絡 連携を図るとともに 濃厚接触者となる可能性がある家族については 居所の把握等の対応について適切に指示をお願いします ( 検疫所の対応 ) 問 7 検疫所では 入国者に対してどのような対応を行っていますか? 答サーモグラフィーによる体温測定に加え ポスターの掲示やリーフレットの作成 検疫官による呼びかけを行い 発熱等の症状がある者や MERS が疑われる患者と接触した可能性がある者に自己申告を求めています また 韓国からの航空便において 検疫官への自己申告を促す機内アナウンスを実施してもらっています 検疫の結果 接触歴があり 発熱等の症状のある者については 検体検査を行うとともに 自治体と連携し 医療機関に入院することとしています 症状がなくとも 接触歴があれば 健康監視の対象とし 検疫所からも定期的に健康状態を確認することとしています ( 疑似症の届出 ) 問 8 疑似症の届出をするのは 感染症指定医療機関の医師又は健康相談を受けた保健所の医師に限られますか? 答疑似症患者の届出は 感染症指定医療機関以外の医師 例えば 検疫所の医師 保健所の医師 医療機関の医師等によってもできます ( 入院医療機関 ) 問 9 感染症指定医療機関ではない医療機関に入院している患者 (ICU で個室 陰圧管理 中など ) でも MERS の疑似症患者であれば 必ず感染症指定医療機関に転院させなけれ

ばいけませんか? 答原則として感染症指定医療機関に入院させる必要がありますが 緊急その他やむを得ない理由があるときは 知事の判断により適当と認める医療機関に入院させることができます 感染症指定医療機関が満床である場合や 重篤な合併症等のため搬送が不適当である場合 他の医療機関で合併症の治療が必要になった場合 より重篤な感染症患者の入院が必要になった場合 などを想定しています 感染症法第 19 条 ( 陰性の確認 ) 問 10 任意で実施した MERS 検査の結果が陰性であった場合 再検査は必要ですか? 答不要です ただし 健康監視中の方が 14 日間の健康監視中に 疑似症患者の定義に合致する状態となった場合には 改めて検査が必要となります ( 国への検体の搬送手段 ) 問 11 国立感染症研究所へ検体を送付する際は どこに送付すればいいですか? 答国立感染症研究所ウイルス第三部 ( 村山庁舎 東京都武蔵村山市学園 4-7-1) へ送付してください MERS コロナウイルスに係る検査マニュアル ( 第 1 版 ) 平成 26 年 5 月 30 日 車両で搬送する際には 事前に 搬送者の所属及び氏名 搬送車の車種及びナンバー 到着予定時刻 について 厚生労働省健康局結核感染症課宛てに御連絡をお願いします 搬送時に 搬送者は身分証明書を携行し 国立感染症研究所の職員の求めに応じて身分証明書の提示をしてください ( 国への検体の搬送手段 ) 問 12 国立感染症研究所へ検体を送付する際は ゆうパックで送付してもいいですか? また 警察車両による伴走は必要ですか? 答直接生物テロに使用されるおそれが低い臨床検体については 病原体等管理の規制の対象としていませんが 臨床検体の取扱いに関しては 十分留意した上で特定病原体等に準じた取扱いをすることが好ましいです 具体的には迅速かつ確実に送付及び検査を実施するため 公用車や航空機等で自治体職員によって直接搬入してください ( ただし 航空機による場合は 手荷物として持ち込むことはできず 貨物として危険物の申告が必要 ) 各自治体で 事前に想定される交通手段の確保をお願いします また 警察車両の伴走は不要です ( 費用負担 ) 問 13 任意で検査するために入院させた場合 入院医療費の取扱いはどうなりますか? 答疑似症患者や確定患者に対して行う入院措置に基づく入院医療費については 公費負担の対象です 一方 疑似症の定義に該当しないが 患者の症状の程度等に応じて 医師

の判断に基づき念のために検査を行うために 入院させた場合は 感染症法に基づく措置 ではないため 入院医療費は公費負担の対象外となり 一般診療と同様に医療保険と患者 の自己負担によります ( 費用負担 ) 問 14 任意で検査する場合は 検査費の負担はどうなりますか? 答疑似症の定義に該当しないが 医師の判断に基づき 念のために検査を行う場合は 実施の可否は自治体が判断し その検査費用は原則自治体が負担します ( 疑似症の場合は 行政検査の費用の1/2を国が負担します ) ( 院内感染対策 ) 問 15 MERS 患者と接触する際には エボラ出血熱対応の際のように上下つなぎ服を着用する必要がありますか? 答 中東呼吸器症候群(MERS) 鳥インフルエンザ(H7N9) に対する院内感染対策 (2014 年 7 月 25 日 国立感染症研究所感染症疫学センター 国立国際医療研究センター病院国際感染症センター ) において 患者 ( 確定例 ) に対して推奨される具体的な院内感染対策として ガウン ( 適宜エプロン追加 ) を着用 とあります これは 防水性を有する 標準的な接触感染対策のための一般的な防護服のことであり 上下つなぎ服である必要はありません ( 消防機関との協力 ) 問 16 消防機関に患者の移送をお願いする際には どのようにしたらいいですか? 答感染症法に規定する患者の移送についての事務は都道府県等において実施されることになります 消防機関の救急業務と MERS 患者の関わりについて 平成 27 年 6 月 9 日付けで別紙の通知が出されています これは 消防機関の救急業務の中で MERS 患者の疑いのある傷病者への対応の具体的手順について示したもので 消防機関が MERS の健康観察対象者を覚知したときに 速やかに保健所に連絡する等の対応を引き継ぐ旨を周知しているものです 患者の移送について消防機関に協力を求める必要がある場合には あらかじめ各保健所において消防機関との連携体制の構築を進めていただくようお願いします その際には厚生労働省健康局結核感染症課長通知 エボラ出血熱患者等の移送に係る消防機関の協力について ( 平成 26 年 11 月 28 日付健感発第 1128 第 1 号 ) を参考にしていください

消防救第 306 号 平成 27 年 6 月 9 日 各都道府県消防防災主管部 ( 局 ) 長様 消防庁救急企画室長 ( 公印省略 ) 韓国における中東呼吸器症候群 (MERS) の発生について 標記の件については 先般 消防庁において 韓国における中東呼吸器症候群 (MERS) の発生について ( 平成 27 年 6 月 3 日付け消防救第 75 号消防庁救急企画室長通知 以下 6 月 3 日通知 という ) により 各消防機関における基本的な対応を定めたところです 今般 厚生労働省において 韓国の状況を踏まえ 中東呼吸器症候群 (MERS) への感染が疑われる患者の発生時に 行政検査 患者搬送及び入院措置等の対応が迅速に行えるよう 当面の間 疑似症患者の定義及び疑い患者等が発生した場合の自治体の基本的な対応が変更されたことに伴い ( 韓国における中東呼吸器症候群(MERS) への対応について ( 平成 27 年 6 月 4 日付け健感発 0604 第 1 号厚生労働省健康局結核感染症課長通知 )( 別添 1) 韓国における中東呼吸器症候群(MERS) への対応に関する具体的な運用について ( 平成 27 年 6 月 5 日付け事務連絡 )( 別添 2)) 下記のとおり 6 月 3 日通知を改正します 貴職においては 下記の内容について十分に留意するとともに 貴都道府県内市町村 ( 消防の事務を処理する組合を含む ) に対して この旨を周知されますようお願いします なお 本通知は 消防組織法 ( 昭和 22 年法律第 226 号 ) 第 37 条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます 記 1 消防機関の救急業務と中東呼吸器症候群 (MERS) 患者との関わり今般 厚生労働省から各都道府県 保健所設置市及び特別区の衛生主管部 ( 局 ) に対して示された基本的な対応においては 健康監視対象者から健康相談を受けた保健所の医師が 中東呼吸器症候群 (MERS) 疑似症患者の定義に該当すると判断した場合 当該者を疑似症患者として取り扱うこととされた 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 平成 10 年法律第 114 号 ) において 中東呼吸器症候群 (MERS) は二類感染症に指定されており 中東呼吸器症候群 (MERS) の患者 ( 疑似症を含む ) として都道府県知事が入院を勧告した患者又は入院させた患者の医療機関までの移送は 都道府県知事 ( 保健所設置市の場合は市長又は区長 ) が行う業務とされている しかしながら 消防機関が行う救急業務に関して 傷病者を搬送後 その傷病者が中東呼吸器症候群 (MERS) に感染していたと判明する場合もありうることから 下記 24 に留意するとともに 消防機関としても 地域における保健所との連絡体制の構築に協力されたい

2 消防機関における傷病者への対応の具体的手順について救急業務の実施に当たっては 保健所との連絡体制を確保した上で 傷病者に対して以下のとおり対応することを基本とされたい 1 全ての傷病者に対して 標準感染予防策 ( 感染症の患者の移送の手引き ( 別添 3) 参照 ) を徹底すること なお 中東呼吸器症候群 (MERS) の患者搬送における感染対策 ( 別添 4) についても参考とすること 2 救急要請時に発熱症状又は急性呼吸器症状 ( 軽症の場合を含む ) を訴えている者については 過去 14 日以内の渡航歴の有無 中東呼吸器症候群 (MERS) に関する健康監視対象者用指示書の有無等の確認を行い 当該者がMERSの健康監視対象者であることが判明した場合は 直ちに保健所に連絡し 対応を引き継ぐこと ( 当該者は保健所の医師の判断に基づきMERSの疑似症患者として取り扱われる可能性があり 疑似症患者として取り扱われる場合は保健所により感染症指定医療機関への移送等の措置がとられるものであること ) 3 救急要請時に中東呼吸器症候群 (MERS) の健康監視対象者であることを確認できなかった場合でも 現場到着時に発熱症状及び健康監視対象者であると確認した場合には 直ちに保健所に連絡し 対応を引き継ぐこと 4 傷病者を搬送後 当該傷病者が中東呼吸器症候群 (MERS) に感染していたと判明した場合には 保健所から助言を得ながら 対応に当たった救急隊員の健康管理及び救急車の消毒等を徹底すること 3 消防庁救急企画室への報告について各消防本部において 22~4 のような事案に対応した場合には 直ちに消防庁救急企画室に報告されたい 問い合わせ先 消防庁救急企画室田中補佐 寺谷専門官 芝 TEL:03-5253-7529 ( 直通 ) FAX:03-5253-7539