一般社団法人住宅生産団体連合会 ( 住団連 ) について 業務内容 住宅生産供給に関する団体間の調整等 住宅生産供給に関する提言 要望等 住宅生産供給に関する調査及び研究 住宅生産供給に関する国際交流 構成団体 ( 一社 ) プレハブ建築協会 ( 一社 ) 全国住宅産業協会 ( 一社 ) 全国中小建

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はじめに我が国経済は アベノミクスによるデフレからの脱却に向けた大胆な金融政策や財政出動 規制緩和などにより 株価の上昇 賃金水準の向上 雇用の拡大など明るさを取り戻しつつある しかし 地方経済や中小事業者にまで経済政策の効果が十分に行き渡ったとはいえず 今後経済の好循環が隅々まで拡大されることが期

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第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

平成27年度 住宅・土地関連税制改正、住宅関連予算要望

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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平成 26 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 一般社団法人住宅生産団体連合会 日本経済は デフレからの脱却に向けた政府の政策により 円安による輸出環境の改善 大胆な金融緩和や財政出動による株式市場の活況など再生の兆しが見えてきているところである これからは 規制改革や税制による支援などで

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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(3) 居住用財産の買換えに伴う長期譲渡所得の課税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) を延長する Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 国家戦略特区に係る特例の延長 拡充 (1) 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進

国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

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消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

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の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

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平成 31 年度税制改正概要 ( 住宅局 ) 結果特例措置税目 - 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅ローン減税の控除期間を 3 年間延長 ( 建物購入価格の消費税 2% 分の範囲で減税 ) 所得税個人住民税 延長 拡充 空き家の発生を抑制するための特例措置 ( 延長 ) 相続した空き家につ

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

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4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

公的な住宅改修制度について

やさしい税金教室

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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要望理由 (1) 政策目的我が国の住宅ストックのうち 高齢者が安心し自立して暮らせるバリアフリー化された住宅は極めて限られている状況を踏まえ サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することにより 高齢者に適した住まいの確保を図る (2) 施策の必要性本特例措置により 1 高度のバリアフリー化 2 安

税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

事業用資産の買換え等 用資産を譲渡し あらた 中小企業 適用実積の 8 の場合の課税の特例措 に事業用資産を取得し 割以上が地方関連であ 置の延長 ( 法人税等 ) た場合 譲渡した事業用 り 中小企業の設備投資 29.4~32.3 資産の譲渡益について 等の促進による生産性 80%( 一部 75%

平成 25 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 ( 社 ) 住宅生産団体連合会 日本国内は 東日本大震災からの復興需要から明るさが見えてきてはいるが ヨーロッパの金融不安の再燃による経済の不透明感やその影響による中国をはじめとする新興国の経済成長率の鈍化 更に日本の株安円高などの不安定要因

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

PowerPoint プレゼンテーション

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

平成 28 年度国土交通省税制改正要望 ( 主要項目 ) Ⅰ. 豊かで安全 安心な暮らしの実現 赤枠が住宅局関係項目 1. 住まいの質の向上 無理のない負担での住宅の確保 1 新築住宅に係る税額の減額措置の延長 ( 固定資産税 ) 2 認定長期優良住宅に係る特例措置の延長 ( 登録免許税 不動産取得

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

2. 要望事項は 9 つのテーマ 一般社団法人プレハブ建築協会の要望事項は 以下の 9 項目となっている 要旨を紹介する 1. 住宅取得に係る消費税の負担軽減措置を含む住宅税制の見直しついて 住宅に係る税制は 消費税をはじめ多重に課税されており 特に住宅取得時には大きな負担となっている このため 国

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設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

2. 省エネ改修工事 耐震改修工事をした場合の所得税額の特別控除に係る工事範囲の拡充 (1) 改正の趣旨 背景 新築の長期優良住宅の認定基準制度に加え 平成 28 年 2 月 増改築による長期優良住宅の認定基準が制定された 長期優良住宅であると認定されることで 税制上様々な優遇措置を受けることができ

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

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13全日総第16号

H28秋_24地方税財源

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資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

る 1 減価補償金を交付すべきこととなる被災市街地復興土地区画整理事業において 公共施設の整備改善事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 2 第二種市街地再開発事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等が 国

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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(0830時点)PR版

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

所得税確定申告セミナー

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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平成18年度地方税制改正(案)について

平成 29 年度税制改正要望 平成 28 年 9 月 5 日一般社団法人不動産協会 我が国の経済は緩やかな回復を続けているが 世界経済のリスクなどにより 先行きは不透明な状態となっている 我が国の経済がデフレからの脱却を確実なものとし GDP を拡大していくためには 経済効果の高い大都市が牽引すると

普及 促進を通して 豊かな国づくりに貢献していきたいと考えている 住宅は国民生活の基盤として生命や財産を守る機能を果たすとともに まちなみや地域のコミュニティを形成する 社会的資産 である これからの ストック型社会 住宅の長寿命化時代 にふさわしい税制のあり方について真摯な議論を行い 国民の理解を

固定資産税等の概要及び税収動向等 3-1

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

計資料 50 設

NO 年 1 月 23 日発行 編集 発行公益財団法人住宅リフォーム 紛争処理支援センター 東京都千代田区九段北 九段センタービル3F TEL FAX 消費者が安全で安心して暮らせる豊かな住生活の実現に

スライド 1

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契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

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表紙


障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

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平成 28 年度住宅土地関連税制改正住宅関連予算要望 平成 27 年 8 月 19 日 一般社団法人住宅生産団体連合会

一般社団法人住宅生産団体連合会 ( 住団連 ) について 業務内容 住宅生産供給に関する団体間の調整等 住宅生産供給に関する提言 要望等 住宅生産供給に関する調査及び研究 住宅生産供給に関する国際交流 構成団体 ( 一社 ) プレハブ建築協会 ( 一社 ) 全国住宅産業協会 ( 一社 ) 全国中小建築工事業団体連合会 ( 一社 ) 日本ツーバイフォー建築協会 ( 一財 ) 住宅生産振興財団 ( 一社 ) 日本木造住宅産業協会 ( 一社 ) リビングアメニティ協会 ( 一社 ) 新都市ハウジング協会 ( 一社 ) 輸入住宅産業協会 1

目次 Ⅰ. 安定的な住宅取得環境の整備 1. 住宅消費税に対する恒久的な負担軽減措置として軽減税率の早期導入 3 2. 新築住宅に係る固定資産税の軽減措置の延長 5 Ⅱ. 安全 安心 環境に優しい住まいの 街の形成 1. 良質な住宅ストック整備に向けた長期優良住宅の整備促進への支援の充実 6 2. 認定低炭素住宅に係る特例措置の延長 7 3. 家庭部門における省エネルギー強化のための支援の拡充 継続 8 4. 耐震性不足住宅の解消に向けた支援制度の創設 9 5. 住宅 建築物安全ストック形成 ( 耐震改修促進 ) 事業の継続 9 6. 景観や防災に配慮した街づくりのための無電柱化に対する支援制度の創設 9 Ⅲ. 既存住宅流通 建替え リフォーム市場の形成 1. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例措置の延長 10 2. 買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の軽減措置の延長 11 3. 改修された住宅に係る固定資産税の軽減措置の延長 11 4. 一定の住宅用地に係る不動産取得税の軽減措置 ( 新築期限の特例 ) の延長 12 5. 宅地建物取引業者が取得する新築住宅に係る不動産取得税の軽減措置 ( 取得日に係る特例 ) の延長 12 6. 空家住宅の利活用等促進のための税制特例の創設 13 7. マンション建替え事業に係る登録免許税 不動産取得税の軽減措置の延長 13 8. 長期優良住宅化リフォーム推進事業の支援制度の継続 14 Ⅳ. 高齢者が安心して暮らせる住宅 街の形成 1. サービス付き高齢者向け住宅に係る所得税 法人税の軽減措置の延長 15 2. サービス付き高齢者向け住宅整備事業の継続 15 Ⅴ. 中小事業者への支援 1. 地域型住宅グリーン化事業に対する支援制度の継続 16 2. 建築技能者及び後継者育成のための支援制度の創設 16 3. 住宅の省エネ義務化に向けた中小事業者への支援制度の創設 16 2

<Ⅰ. 安定的な住宅取得環境の整備 > ( 消費税 ) 1. 住宅消費税に対する恒久的な負担軽減措置として軽減税率の早期導入 住宅は国民生活の基盤であり 住宅取得は国民の夢であり 住宅投資は内需の柱で ある 民間の住宅投資を誘導し 国民の住生活の安定の確保と向上の促進を図ることは 国の基本政策である 住宅取得の中核である若年勤労世帯の住宅取得能力が年々低下する中 国民の夢 である住宅を安心して計画的に取得できる環境を整備すべきである 消費税を導入している欧米先進諸国では 住宅の特性を踏まえ 食料品等と並び住宅 に対する軽減措置を講ずることは標準的であり 我が国においても恒久的な負担軽減 措置として税率 10% 引上げ時に軽減税率を導入すべきである 3

欧米先進国の消費税制度の概要 消費税制度を導入している欧米先進国では 住宅取得に対して軽減税率 ゼロ税率 非課税 税額還付など様々な軽減策を講じており 住宅に対する消費税の軽減措置は一般的である 欧米先進国の消費税 25% 20% 20% 19.6% 19.6% 19% 21% 15% 10% 5% 10% 8% 8.88% 非課税 非課税 ゼロ税率 ゼロ税率 7% 5.5% 非課税 7% 4% 10% 4% 還付 13% 後の実質負担率 5.2% ゼロ税率 0% 標準税率 日本 標準税率 住宅 1 食料品 アメリカニューヨーク州 標準税率 住宅 食料品 標準税率 社会住宅等 2 住宅 食料品 イギリスフランスドイツイタリア 標準税率 住宅 3 食料品 標準税率 住宅 奢侈な住宅 食料品 標準税率 住宅 4 カナダオンタリオ州 食料品 1 アメリカでは 50 州中 46 州が売上税を採用し いずれも住宅は非課税 2 フランスの社会住宅等の年収制限は パリの 4 人世帯の場合で 6.7 万ユーロ ( 年収約 900 万円 ) 3 ドイツでは原材料の消費税額 5% 程度が販売原価に算入される 4 カナダでは他の州でも還付制度がある 5 各国とも一部の食料品 ( レストランでの食事等 ) に対しては標準税率等の高い税率を課している 2012 年 12 月 1 日現在 住団連調査 4

H12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ( 税制 ) 2. 新築住宅に係る固定資産税の軽減措置の延長 本制度は昭和 27 年より運用が開始され 約 60 年の永きにわたって措置されてきたもの 住宅の一次取得者の中心である 30 歳代の年収は近年一貫して低下しており 消費税率が 8% 引き上げられたことなどによる可処分所得の減少と相俟って 住宅取得能力は低下している 仮に 本制度が廃止された上に 消費税が増税されればますます住宅取得が困難となる 住宅展示場アンケート結果では 仮に本制度が廃止された場合には 予算を減らす 先送り あきらめる の回答が 80% 本制度の 恒久化 継続 を望む声が 95% となっている 固定資産税の減額措置 一般の新築住宅 3 年間 2 分の 1( 中高層 5 年間 2 分の 1) 対象面積 120 m2までの部分 ( 対象住宅 : 居住部分の床面積 50 m2 ( 共同賃貸住宅 40 m2 ) 以上 280 m2以内 ) 30 歳代の年収は大きく減少 先送り あきらめる 予算を減らすが 8 割 継続 恒久制度にすべきが 9 割 万円 30~34 歳 35~39 歳 600 580 550 500 485 450 499 438 その他 1% 影響はない 21% 予算を減らす 59% 先送り あきらめる 19% 改廃する 4% H28 年 4 月以降も継続 43% その他 1% 恒久制度にすべき 52% 400 * 国税庁 民間給与実態統計調査 より * 平成 27 年住団連展示場調査 5

<Ⅱ. 安全 安心 環境に優しい住まい 街の形成 > ( 予算 税制 ) 1. 良質な住宅ストック整備に向けた長期優良住宅の整備促進への支援の充実 良いものを作って 適切に管理して 長く大切に使うストック型社会の構築に向けて 長期優良住宅等の良質な住宅ストックの整備を促進する必要がある 長期優良住宅の認定制度 が平成 21 年 6 月より実施されたが 未だ住宅着工戸数の 1 割強に留まっており ストックに占める割合も 1% 弱である 住宅ストック全体の質を高めるために 長期優良住宅の新設 建替えを促進するための支援策を充実すべきである (1) 長期優良住宅に係る特例措置の拡充 延長 1 固定資産税の減額措置の拡充 5 年間 1/2( 中高層 7 年間 ) 10 年間 1/2 2 不動産取得税の課税標準の特例 課税標準から1,300 万円を控除 ( 一般住宅 1,200 万円 ) 3 登録免許税の税率の軽減措置 保存登記 : 税率 0.1%( 一般住宅 0.15%) 所有権移転登記 : 税率 0.2%( 一般住宅 0.3%) (2) 長期優良住宅の整備に対する支援制度の創設 良質なストック型社会の早期実現に向け 長期優良住宅の整備を促進するために長期優良住宅に対する支援制度を創設すべきである 1,500 単位 : 千戸 1,000 500 0 775 57 (7.4%) 長期優良住宅の認定は 未だ 1 割強 住宅着工数 819 104 (12.7%) 841 893 106 (12.5%) 長期優良住宅認定実績 108 (12.0%) 987 880 115 (12.1%) 100 (11.4 %) 選択理由の第 1 位は 税制上のメリット 0 10 20 30 40 50 60 70 80% 税制上のメリットが大きい住宅ローンの金利優遇が受けられる資産価値の下落が少ないメンテナンス費用が少なくて済む その他 住団連 2014 年戸建注文住宅の顧客実態調査より 6

(3) 長期優良住宅化等リフォーム推進事業の支援制度の継続 多様な消費者ニーズに応えるとともに 環境問題 少子高齢化などの市場の変化に対応した中古住宅流通とリフォーム市場の拡大は今後の重要課題である ストック型社会の構築に向けて 消費者が安心して購入できる良質な中古住宅市場を形成するためには 長期優良住宅化リフォームを推進する事業への補助制度は引き続き継続すべきである 今後ますます増加する社会保障費の削減にむけて 予防介護や子育て支援の観点から二世帯化リフォームなどの普及促進を支援する制度を新たに検討すべきである 既存住宅に対する長期優良住宅の占める割合 長期優良住宅 1% 一般住宅 99% ( 税制 ) 2. 認定低炭素住宅に係る特例措置の延長 * 高齢期に向けた 備え に関する意識調査内閣府平成 26 年 都市の低炭素化の促進に関する法律に基づく 低炭素建築物新築等の計画の認定制度 が平成 24 年 12 月より運用され 地球環境の観点から CO2 の削減は急務であり 本制度は延長すべきである 登録免許税の税率の軽減措置 保存登記 : 税率 0.1%( 一般住宅 0.15%) 所有権移転登記 :0.1%( 一般住宅 0.3%) 4,000 ( 戸 ) 低炭素住宅の認定実績 2,000 0 24 年度 25 年度 26 年度 一戸建て 共同住宅等の住戸 7

( 予算 ) 3. 家庭部門おける省エネルギー強化のための支援の拡充 継続 平成 26 年 4 月のエネルギー基本計画において 2020 年までに標準的な新築住宅で省エネルギー基準の義務化 2030 年までに新築住宅の平均でネット ゼロ エネルギー ハウス (ZEH) の実現を目指すとされた 消費者のコスト負担増には十分配慮し 家庭部門でのエネルギー消費を抑制するためには 住宅のゼロ エネルギー化の推進や省エネ 創エネ機器の普及促進を図ることが重要である 大半を占める既存住宅の断熱性能は 無断熱の住宅など性能的に劣るものが多数存在しており ZEH 化を進めるに当たり要件緩和や補助金を拡充した上で引き続き継続すべきである 要望内容 1ZEH( ネット ゼロ エネルギー ハウス ) の普及促進のための補助制度の拡充 継続 2 住宅のゼロ エネルギー化推進事業の拡充 継続 3 家庭用燃料電池 ( エネファーム ) に対する補助制度の継続 4 定置用リチウム蓄電池に対する補助制度の拡充 継続 5 家庭用太陽光発電の買取制度の継続 6 高性能建材促進事業の継続 ネット ゼロ エネルギー ハウスのイメージ図 40,000 30,000 エネファームメーカー販売台数 200,000 150,000 住宅用太陽光発電補助金交付決定件数 新築既築 20,000 100,000 10,000 50,000 0 0 8

( 予算 ) 4. 耐震性不足住宅の解消に向けた支援制度の創設 木造密集市街地などで耐震性に劣る既存住宅の建替えに対して 大地震時等の防災性の向上を図るために除却費の一部を支援して耐震化を進めるべきである 平成 32 年度までの耐震化率 95% を達成するためには 今後 7 年間で 650 万戸の耐震不足住宅の解消 ( 毎年 90 万戸以上 ) が必要であり 生命の安全確保の観点からも建替え 改修の促進を図る必要がある 要望内容 補助対象 : 昭和 56 年以前に建築された住宅で 耐震診断により建替えが必要とされたもの 補助内容 : 除却費用の 1/2( 上限 100 万円 ( 予算 ) 平成 25 年平成 32 年 ( 目標 ) 650 万戸の解消 5. 住宅 建築物安全ストック形成 ( 耐震改修促進 ) 事業の継続 平成 25 年度より実施されている耐震改修促進事業が平成 27 年度に終了することになっているが 災害時の救援等緊急性の高い緊急輸送道路沿道 避難路沿道の住宅の建替えや除却に対する当支援制度は延長すべきである 耐震性あり約 600 万戸 耐震性なし約 900 万戸 S56 以前 S57 以降 S57 以降耐震性あり約 3,700 万戸 * 平成 25 年度住宅土地統計調査より推計 耐震性あり約 650 万戸 耐震性なし約 250 万戸 S56 以前 S57 以降 S57 以降耐震性あり約 4,350 万戸 * 住生活基本計画の目標 ( 予算 ) 6. 景観や防災に配慮した街づくりのための無電柱化に対する支援制度の創設 大規模災害に備えるとともに美しい街並みを形成するために 一定規模以上の新規分譲地や住宅市街地における無電柱化を促進するための支援制度を創設すべきである IT などを活用した環境 エネルギーに配慮し 子供や高齢者に優しいスマート ウェルネス シティや世界に誇れる街並みの実現には 無電柱化による安全 安心対策や景観の向上が必要である 9

<Ⅲ. 既存住宅流通 建替え リフォーム市場の形成 > ( 税制 ) 1. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例措置の延長 労働市場の多様化や高齢社会の進展に伴う居住環境の変化から 子育て支援や介護のための同居 近居など 居住用資産を買換えるケースが今後も増加するものと思われる 循環型社会を実現するためには ライフステージに合わせた住み替えを支援することが重要である 譲渡益が発生した場合 1 特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例 個人が所有期間 10 年超の居住用財産を譲渡し 買換えた場合に譲渡益が発生した時は 課税を繰り延べる ( 譲渡した居住用財産の譲渡価格が 1 億円以下が対象 ) 譲渡損が生じた場合 2 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 個人が所有期間 5 年超の居住用財産を譲渡し 買換えた場合に譲渡損失が発生したとき 他の所得と損益通算及び翌年以降 3 年間の繰越控除が出来る 3 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 個人が所有期間 5 年超の居住用財産を譲渡し 譲渡損失が発生した時は 譲渡した資産に係る住宅ローン残高から譲渡価格を控除した額を限度に 他の所得と損益通算及び翌年以降 3 年間の繰越控除が出来る 住宅地価格は依然デフレ傾向 住宅地の 平均 価格の推移 平成 26 年地価公示資料より 10

( 税制 ) 2. 買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の特例措置の延長 住宅事業者が一旦買取り 一定基準以上の性能を確保するリフォームを行った上で再販する中古住宅は 消費者が安心して購入できる制度であり 今後の中古住宅市場の活性化を支援する措置としての効果が大きいことを考慮し延長すべきである ( 税制 ) 登録免許税の軽減措置 所有権移転登記 0.1%( 本則 2% 一般住宅特例 0.3%) 3. 改修された住宅に係る固定資産税の軽減措置の拡充 延長 既存ストックにおいては 耐震性を満たしていない住宅や無断熱住宅 バリアフリー化されていない住宅が未だ多数存在しており これらの解消を図るために支援措置を延長すべきである また バリアフリー 省エネ改修工事の対象に それぞれ平成 19 年以降の新設住宅と平成 20 年以降の新設住宅を追加すべきである 改修工事名固定資産税の減額割合減額期間 耐震改修工事 1/2 1 年間 省エネ改修工事 1/3 1 年間 耐震性あり約 600 万戸 バリアフリー改修工事 1/3 1 年間 耐震化状況省エネ化の状況バリアフリー化の状況 (3 点セット ) 耐震性なし約 900 万戸 S56 年 以前 S57 年以降 S57 以降耐震性あり約 3,700 万戸 無断熱, 39% (2,000 万戸 ) H11 年基準, 5% S55 年基準, 37% H4 年基準, 19% なし 90.5% あり 9.5% 11 * 平成 25 年住宅土地統計調査より推計 * 平成 20 年住宅土地統計調査 ( 世帯数 :4997 万世帯 ) *3 点セット 1 手摺 2 カ所以上 2 段差のない屋内 3 廊下幅が車椅子通行可

( 税制 ) 4. 一定の住宅用地に係る不動産取得税の軽減措置 ( 新築期限の特例 ) の延長 住宅用地の取得から造成や建築に要する期間は 現下の職人不足などの影響等を十分考慮して 住宅用土地に対する不動産取得税の軽減措置を受ける場合の期間要件に係る特例措置を延長すべきである 本則特例 2 年 3 年 (100 戸以上の共同住宅等は 4 年 ) ( 税制 ) 5. 宅地建物取引業者が取得する新築住宅に係る不動産取得税の軽減措置 ( 取得日に係る特例 ) の延長 消費税率引上げ後の住宅市場は一部を除き厳しい状況にあることを考慮し 新築住宅のみなし取得時期の特例措置は延長すべきである 本則 特例 6 ヶ月 1 年 12

( 税制 ) 6. 空家住宅の利活用等促進のための税制特例の創設 人口減少や高齢化の進展に伴い 多くの空き家が未活用の状態で放置されている 子育て世帯の多くは賃貸住宅に居住しており その床面積は誘導居住面積水準以下が多くミスマッチが生じている 活用できる空家は改修した上で賃貸などに転用し 耐用年数が過ぎた空家は更新するなどの利活用を図るべきである このため 空家になっている住宅を改修したり 除却や用途転用などを行うことを支援する税制措置の創設を検討すべきである 320 万戸の利活用 ( 改修 建替え ) 売却用の住宅, 30.8 万戸 4% 空家 820 万戸の内訳 その他の住宅, 318.4 万戸 39% 別荘など二次的住宅, 41.2 万戸 5% 賃貸用の住宅, 429.2 万戸 52% 平成 18 年以降, 2.4% 平成 8 年 ~17 年, 8.3% 昭和 56~ 平成 7 年, 17.4% 昭和 46~55 年, 24.4% 空家の建築時期 不明, 3.0% 昭和 45 年以前, 44.5% * 平成 25 年住宅 土地統計調査資料より作成 ( 総務省 ) * 平成 25 年住生活総合調査資料より作成 ( 国土交通省 ) ( 税制 ) 7. マンションの建替え事業に係る登録免許税 不動産取得税の軽減措置の延長 耐震基準を満たしていない老朽化マンションが多数存在し 安全上の問題や社会的ニーズにも合わなくなっていることなどから 建替え等を促進するための特例措置は延長すべきである 現行特例 1 マンション建替え事業に係る登記の非課税の特例 2 マンション敷地売却事業に係る登記の非課税の特例 3 マンション建替え事業に係る要除却認定マンション及びその敷地の取得の非課税の特例 4 マンション敷地売却事業に係る要除却認定マンション及びその敷地の取得の非課税の特例 13

( 予算 ) 8. 長期優良住宅化等リフォーム推進事業の支援制度の継続 ( 再掲 ) 多様な消費者ニーズに応えるとともに 環境問題 少子高齢化などの市場の変化に対応した中古住宅流通とリフォーム市場の拡大は今後の重要課題である ストック型社会の構築に向けて 消費者が安心して購入できる良質な中古住宅市場を形成するためには 長期優良住宅化リフォームを推進する事業への補助制度は引き続き継続すべきである 今後ますます増加する社会保障費の削減にむけて 予防介護や子育て支援の観点から二世帯化リフォームなどの普及促進を支援する制度を新たに検討すべきである 14

<Ⅳ. 高齢者が安心して暮らせる住宅 街の形成 > ( 税制 ) 1. サービス付き高齢者向け住宅に係る所得税 法人税の軽減措置の延長 高齢者が安心して健康に暮らせるサービス付き高齢者向け賃貸住宅は 平成 32 年度までに 60 万戸の供給目標が定められており 平成 26 年度末までに 18 万戸弱が認定された 今後は 高齢者支援施設などとの連携を深めるとともに 高齢者がより安心して暮らせる住まいへの投資を一層促進するためには本制度を延長すべきである ( 予算 ) 所得税 法人税住戸の戸数各独立部分の床面積 割増償却率 14%( 耐用年数 35 年以上は 20%) 10 戸以上 25 m2以上 2. サービス付き高齢者向け住宅整備事業の継続 民間投資による当事業は 社会的意義のある事業としての役割が高いものの 一般の賃貸住宅経営と比較して採算性が低いのが実情である 高齢者が安心して健康 快適に自己実現して暮らせる生活支援サービス等の充実や地域コミュニティとの連携を図りながら いきいきとした生活や活動ができる環境整備などが必要であり 支援を継続すべきである ( 棟 ) 6,000 4,000 2,000 0 H23. 12 H24.1 23 4 56 棟数 7 89 サービス付き高齢者住宅の登録状況 10 11 12 H25.1 23 戸数 4 56 7 89 10 11 12 H26.1 23 4 56 7 89 10 11 12 H27.1 23 4 56 ( 戸 ) 180,000 130,000 80,000 30,000-20,000 人口 130 = 単 110 位百 90 万人 70 50 総人口に占める65 歳以上の割合 26.8 29.1 30.3 31.6 33.4 23.0 40 30 20 10 6 5 歳以上の割合 = 単位 0 2010 2015 2020 2025 2030 2035 % 総人口 65 歳以上の割合 (%) 15

<Ⅴ. 中小事業者への支援 > ( 予算 ) 1. 地域型住宅グリーン化事業に対する支援制度の継続 地球環境 エネルギー問題等から循環型社会に向けて 認定長期優良住宅や認定低炭素住宅 ゼロ エネルギー化住宅の普及促進が重要である 良質な木造住宅の生産体制を強化して 地域における中小住宅事業者の育成を支援する当事業を継続すべきである ( 予算 ) 2. 建築技能者及び後継者育成のための支援制度の創設 長期優良住宅 低炭素住宅 ゼロ エネルギー住宅や長期優良化リフォームの普及促進が課題となっているが 一方で建築技能者は急速に高齢化が進行しており 若い技能者や後継者の育成が急務となっている 地域経済や住宅産業の将来の担い手である建築技能者の育成を支援するための制度を講ずるべきである 具体的要望事項 1 登録基幹技能者育成に対する支援制度の創設 2 高校の建築学科卒業生が安定して中小工務店で働けるような雇用助成制度の創設 3 大工職を契約社員化した場合の雇用安定化に向けた助成制度の創設 4 技能評価に基づく地位向上と職の安定化を目指した全国ネットワークの立上げに対する助成制度の創設 ( 予算 ) 3. 住宅の省エネ義務化に向けた中小事業者への支援制度の創設 2020 年より実施される住宅の省エネ性能の義務化に向けて 中小事業者の技術力向上等への支援を実施して着実な実行が図られるようにすべきである 16