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発行体は グリーンボンド発行を通じて明確な環境面の便益を有するプロジェクトに資金提供を行うことによって 社内外において グリーン及び環境問題に対する自らのコミットメントを表明することができる また 投資家層の拡大により 潜在的な投資家需要拡大とそれに伴うメリットを享受することができる 4. プロジェ

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はじめに 積水ハウス リート投資法人 ( 以下 SHR ) はグリーンボンドを発行するための SHR グリーンボンドフレームワーク ( 以下 フレームワーク ) を策定し 調達した資金を新規又は既存のグリーンビルディング ( 環境配慮型建物 ) の取得資金 グリーンビルディングの取得に要した借入金の

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SDGs に貢献する金融商品に関するワーキング グループ ( 第 1 回 ) 平成 30 年 9 月 13 日午後 1 時 30 分 ~2 時 30 分協会第 3 会議室 次 第 1. 本 WG の進め方について 2. SDGs 債 の定義 範囲について ( 案 ) 3. 会員役職員向けの手引き (

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

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これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

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社会環境報告書2013

IFRS基礎講座 IAS第37号 引当金、偶発負債及び偶発資産

目次 1 適合性確認対象の概要 2 ESCO 事業とは 2 2 発行予定条件 2 3 グリーンボンドフレームワークの形成に至る経緯 3 ESCO 事業の課題と本プロジェクトの意義について 3 4 スキーム図 4 5 スキームの流れ 4 6 発行体その他のスキーム関係者 5 7 想定スケジュール 6

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Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

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本日の説明内容 1. グリーン購入法の概要 2. プレミアム基準策定ガイドライン

なぜ社会的責任が重要なのか


審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

2019 年 2 月末基準 確定拠出年金データ集 あいおいニッセイ同和個人型野村プラン 当資料は 確定拠出年金法第 24 条およびその他関係法令に規定する運用の方法に関する情報の提供並びに確定拠出年金法第 22 条に規定する資産の運用に関する基礎的な資料の提供に資するために 信頼できると判断したデー

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内部統制ガイドラインについて 資料

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

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15 変更管理

財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書

Transcription:

Page 1 of 14 日立造船株式会社 グリーンなごみ焼却発電プロジェクト グリーンボンド適格性債券発行前アセスメント報告書 DNV GL セカンドパーティオピニオン 2018 年 08 月 DNV GL ビジネス アシュアランス ジャパン株式会社

Page 2 of 14 目次 I まえがき ( 発行体とグリーンボンド概要について ) 3 Ⅱ スコープと目的 5 Ⅲ 発行体と意見表明提供者としてのDNV GL の責任 8 Ⅳ DNV GL 意見の規準 9 Ⅴ 評価項目 ( 作業範囲 ) 10 Ⅵ 評価結果とDNV GL 意見表明 ( グリーンボンド規準に対する適格性 ) 11 1. スケジュール 1 対象プロジェクト概要 14

Page 3 of 14 日立造船株式会社グリーンボンド DNV GL セカンドパーティオピニオン I まえがき ( 発行体とグリーンボンド概要について ) 日立造船株式会社 ( 以下 日立造船又は発行体 ) は 1881 年に E.H. ハンターにより創業された大阪鉄工所を祖とするプラント エンジニアリング企業です 創業以来の造船業で培った技術を元に 2002 年の造船部門の分離後は エンジニアリングとものづくりで社会に役立つ価値の提供を目指して 環境 プラント 機械 インフラ の分野での事業をグローバルに展開しています 日立造船本社は 日本の大阪に所在しており 従業員数 10,377 名 ( 連結 2018 年 3 月末現在 ) 連結子会社計 114 社 (2018 年 3 月末現在 ) を擁し 世界 19 か国で事業を実施しています 日立造船では 1992 年に職員にとり良き企業市 としての拠り所となる 環境基本 針 1 を策定するとともに企業としての環境管理体制の整備を行い 環境問題へ積極的に取り組む準備を早くから行っています そのうえで 日本国内で培った技術と誠意を地域の人々や社会になじむ形にアレンジすることで社会的な課題の解決を行う機能を地球規模で提供していきます 1: 環境データブック 2017 ( 日立造船株式会社 ) http://www.hitachizosen.co.jp/ir/data/pdf/db2017_j.pdf

Page 4 of 14 日立造船では 1993 年より行動指針を具体的な行動計画にまとめた Hitz 日立造船環境保護推進プラン を策定し 従来の地域環境保全活動に加えて オゾン層の保護 地球温暖化防止 廃棄物のリサイクル 減量化などの地球環境の保護活動に取り組んでいます なお 2016 年度の実績は以下のとおりです - CO2 排出量の 18.4% 削減 (2005 年度比 ) - 廃棄物の発生量 17.4% 削減 (2000 年度比 ) - 廃棄物埋立量の 66.4% 削減 (2000 年度比 ) 日立造船は 日立造船が推進する環境への取組に対応する技術とサービスを提供するための 設備の建設と運営にかかる資金をグリーンボンドにより調達します この資料では 債券の財務的なパフォーマンスに関する評価 債券取引に関するいかなる投資 もしくは 期的な環境効果についての評価は提供されません DNV GL の目的は次頁以降に示すグリーンボンド原則とそれらに関連する技術的な基準を充足しているかについて アセスメントを実施することです

Page 5 of 14 Ⅱ スコープと目的 日立造船は以下の特定のプロジェクトカテゴリーに対する投資のための資金調達を行います - 汚染の防止と管理に関する事業 ( 省エネ 省排出型の廃棄物発電 ) - 日立造船が計画するグリーンボンドプロジェクトは 補助的 ( 二次的 ) な便益として CO 2 削減 が考えられます - 日立造船が計画する資金総額 50 億円のうち グリーンな活動に充当される資金は 50 億円です - 日立造船は 当該事業によるネットでの CO 2 削減効果がネガティブな効果を上回る事業に充当します - 適格グリーンボンドプロジェクトは 環境リスクを低減するために 日本の環境影響評価法に定められている環境影響アセスメントの手続きに従い 環境調査や予測 評価を実施し 重大な環境への影響を防ぐ対応を実施していることを確認したものとしています - 表 -1 に対象プロジェクトを示します 表 -1 対象プロジェクト ( 省エネ 省排出型の廃棄物発電 ) * 詳細はスケジュール-1 参照 対象プロジェクトサイト 定格発電出力 竣工予定年月 京都市 ( 京都市伏見区 ) 14.0MW 2019 年 3 月 菊池環境保全組合 ( 熊本県合志市 ) 2.8MW 2021 年 3 月 * ごみ焼却発電施設概要ごみ焼却発電施設は 廃棄物を燃やし衛生的に処理すると同時に 大切なエネルギー資源として発電する施設です ごみはいまだに望まれない生成物ではありますが その生成は社会にとって不可避なものである一 で重要なエネルギー源ともなり得るものです 日立造船はごみからのエネルギーの回収は これ以上再利用 再活用できない廃棄物を処理すること 及び エネルギーの新たな創出という 2 つの問題を同時に解決する手段であり 今後世界的に予測されるエネルギー不足の深刻化の有効な解決手段を提供するものと考えています

Page 6 of 14 我々 DNV GL はこのグリーンボンドアセスメントサービス提案で実施する範囲に関し 日立造 船とは直接的な資本に関する一切の業務上の関係 利害関係が生じることはありません

Page 7 of 14 日立造船は いかなる未充当資金についても グリーンボンドフレームワークの資金使途及び 調達資金の管理のセクションで設定した 法に従います DNV GL ビジネス アシュアランス ジャパン株式会社 ( 以下 DNV GL) は グリーンボンド発行前セカンドパーティオピニオンを提供することを 日立造船から依頼されています 我々が依頼内容を達成するために用いる手法は 後述の 評価項目 ( 作業範囲 ) に記載されています 我々は独立した認証対応や他の監査活動は提供しません また 債券発行体の財務業績 債券のいかなる投資に関する価値 もしくは 期的な環境効果に対する業務に関連した認証を提供するものではありません 我々の目的は 債券が後述される目標とする基本となる確立された規準に適合するかについてアセスメントを提供することです この DNV GL 意見表明の範囲は グリーンボンド原則 2018 で定められる範囲です DNV GL は また このアセスメントにおいては グリーンボンドガイドライン (2017 年環境省 ) 及び気候ボンド標準 (2.1 版 ) の要求事項を考慮します しかしながら 現時点では 気候ボンド標準では 廃棄物発電に関する技術基準は未だ使用できません そのため 気候ボンド標準に対する適合性に関する意見はここでは表明されず また ここでは認証も行われません 将来的に気候ボンド標準に基づく認証を行うかどうかについては 発行体である日立造船により判断されることになります

Page 8 of 14 Ⅲ 発行体と意見表明提供者としての DNV GL の責任 日立造船は DNV GL がこのレビューを提供する期間において 必要な情報を提供するものとします 我々の意見は独立したオピニオンであり 日立造船及び債券の他の利害関係者に対し 我々に提供された情報を基に 確立された規準がグリーンボンドの適格性を満たしているかどうかについて情報提供することを意図しています 我々の意見表明では 我々は日立造船から提供された情報を信頼しています DNV GL はこの意見表明の中で参照する選定された資産に対する責任は負わないことと 試算 観察事項 意見もしくは結論が正しくない場合には それに対し責任を負うことができません このように DNV GL は日立造船から提供される情報やデータ 及びこのアセスメントの基本となる情報やデータが正しくない または完全な状態でない場合には責任を負うことはできません

Page 9 of 14 Ⅳ DNV GL 意見の規準 債券発行会社である日立造船に対し 可能な限り柔軟な対応を提供するため 我々はグリーンボンド原則 (GBP) *1 グリーンボンドガイドライン *2 気候ボンド標準 *3 を用いたアセスメントを採用しています これらは GBP の要求事項を包含しており 日立造船のプロジェクトに応じてグリーンボンド適格性アセスメント手順 ( 以下 手順 ) を作成することができます 我々 DNV GL の手順は DNV GL の意見表明の根拠に資する適切な一連の規準を含んでいます 規準の背後にある全体的な基本理念は 資本調達 及び 環境への利益を伴う新規プロジェクトもしくは既存プロジェクトへの投資を可能にする グリーンボンドです 我々の手順 すなわち レビューされるボンドに対する規準は以下の 4 つの要素 ( 原理 ) にグループ分けされます 要素 1: 調達資金の使途 : 調達資金の使途の規準は グリーンボンドの発行体が適切な活動に対する融資として調達した資金を使わなければならない という要求事項によって定められています 要素 2: プロジェクトの評価及び選定のプロセス : プロジェクトの評価及び選定規準は グリーンボンドの発行体が グリーンボンド実行に使用する投資の適格性の決定を行う際に従うプロセスの概要を示さなければならない また プロジェクトが目的に対する影響をどのように考慮しているかの概要を示さなければならない という要求事項によって定められています 要素 3: 調達資金の管理 : 調達資金の管理の規準は グリーンボンドが発行体組織によって追跡管理されなければならないこと また 必要な場合には 区別されたポートフォリオが 未充当資金がどのように扱われるか公表するという観点で 作成されなければならないことが 要求事項によって定められています 要素 4: レポーティング : レポーティングの規準は 債券への投資家に対して 少なくとも 資金の充当状況及び 定量的もしくは定性的な適切なパフォーマンス指標を用いた サステナビリティレポートの発行を行う という推奨事項によって定められています *1: グリーンボンド原則 (2018 年国際資本市場協会 ICMA) *2: グリーンボンドガイドライン (2017 年版 ) H29 年 3 月環境省 *3: 気候ボンド標準 2.1 版 ( 気候ボンドイニシアチブ )

Page 10 of 14 Ⅴ 評価項目 ( 作業範囲 ) 我々が請け負った業務 ( 評価項目 ) は 有効な情報 ( 日立造船から我々に提供された情報が正確であるという認識 ) に基づく上位レベルのレビューで構成されています 我々は 我々に提供された情報の正確さについて監査やテストによるチェックを行いません 我々の意見表明を作成する際の業務は以下を含みます 債券発行への適用を目的とした 日立造船プロジェクトの手順の作成 債券に関して日立造船より提供された文書のアセスメント 及び 上位レベルデスクトップ調査による補足的なアセスメント これらのチェックは 最新の良好事例及び標準的な 法を参照します 日立造船との協議 及び 関連する文書のレビュー 各規準に対する指摘事項 ( 観察事項 ) の文書作成 我々の意見表明 ( 詳細は後述 ) はこれらのを要約したものです

Page 11 of 14 Ⅵ 評価結果と DNV GL 意見表明 ( グリーンボンド規準に対する適格性 ) 1. 要素 1: 調達資金の使途日立造船が調達する資金は 以下のグリーンボンド適格クライテリアを満たす 2 つのごみ焼却発電プロジェクトに充当される計画であることを確認しました グリーンボンド適格クライテリア : 汚染の防止と管理に関する事業具体的には 調達資金は 全て 上記グリーンボンド適格クライテリアに含まれる 省エネ 省排出型の廃棄物発電 (GBP2018) の建設とそれに関連する作業に充当される計画です 調達した資金はスケジュール-1 に示す 2 つのプロジェクト ( 京都市及び菊池環境保全組合 ) に充当されます 各プロジェクトの概要は主に一般ごみを焼却する過程で発生する熱エネルギーを利用してボイラで蒸気を発生させ その蒸気で蒸気タービン及び蒸気タービンに連結された発電機を回転させることで最終的に熱エネルギーを電気エネルギーに変換し電力として供給するものです 日立造船では このプロセスをさらに有効活用にするために独自技術で開発した高効率ボイラを設置し 高温高圧蒸気を発生させることで発電効率の向上を図ると共に ごみ焼却に伴い発生する排ガスを必要に応じて多重の浄化設備で処理する 省エネ 省排出型の廃棄物発電 を設置する予定です プロジェクトの実行により新たな CO 2 排出を伴わない電力が供給されることになり エネルギー起源の CO 2 排出削減に貢献することができると判断されました DNV GL は日立造船の計画する当該プロジェクトについて グリーンボンド適格性があると評価 確認しました 2. 要素 2: プロジェクトの評価と選定のプロセス DNV GL は 日立造船の 環境基本 針 及び Hitz 日立造船環境保護推進プラン を含む環境分野への貢献に対する具体的な取組としてスケジュール-1 で示される2つのプロジェクトの評価と選定が 日立造船社内の関連部署で適切なプロセスを経て決定されたことを レビューを通じて確認しました また 当該プロジェクトの実行に当たっては 定期的に改善の機会 ( 可能性 ) を判断 評価し また活動計画の立案 実行を通じて生じる環境や社会に対してネガティブな影響を低減するための自主的な活動を行う計画であることをレビューを通じて確認しました 具体的には ごみ焼却発電所建設に伴うネガティブな側面に関し プロジェクトごとに作成された環境評価書により適切な評価 ( 環境要素の選定等 ) 及び対策が講じられていることを確認しました また ごみ焼却発電設備運転に伴い発生する付随的な CO 2 発生 ( ごみ選別の前処理プロセス

Page 12 of 14 等で発生する CO 2 ) についても考慮されており これらが ごみ焼却発電によって削減可能な CO 2 排出と比較して十分に小さいと試算されることを確認しました 3. 要素 3: 調達資金の管理 DNV GL は 日立造船が債券発行以降の債券からの支払いについてどのように追跡管理するかの計画についてレビューにより確認しました また資金総額の管理 法に関する計画が適切かつ明確になっていることを確認しました 具体的には 調達資金の充当が決定されるまでの間は 日立造船が資金と等しい額を現金及び現金同等物にて管理する計画です DNV GL は日立造船が 定期的に債券の残高をレビューする計画であることを確認しました なお 先述の通り ここでは DNV GL は財務成績や投資の価値 取引に関する影響等については何ら評価はしません 4. 要素 4: レポーティング DNV GL はグリーンボンドで要求される特定の項目に関して 日立造船が 日立造船のウェブサイト又は統合報告書にて定期的に報告 公開する計画であることを確認しました また ここには プロジェクト概要 ( 進捗状況を含む ) 資金充当 運用状況並びに関連する定量的及び定性的な環境評価 (CO 2 削減効果 ) の評価結果についての記載が含まれる計画であることを確認しました なお 環境評価 (CO 2 削減効果 ) は 各プロジェクトの運用実績等 ( 運転記録等 ) に基づき適切な 法により算出し 報告される計画であることを確認しました DNV GL は CO 2 排出削減量について 定期レポートの際にレビューと意見表明を行う予定です 以上から DNV GL は日立造船のグリーンなごみ焼却発電プロジェクトが 関連するグリーン ボンド規準 ( グリーンボンド原則 気候ボンド標準及び環境省グリーンボンドガイドライン ) に従 って計画され また実行される予定であることをレビューを通じて確認しました

Page 13 of 14 DNV GL ビジネス アシュアランス ジャパン株式会社 2018 年 8 月 31 日 Mark Robinson Manager, Sustainability Services DNV GL Business Assurance, AUS マークロビンソン サステナビリティサービスマネージャー DNV GL ビジネス アシュアランス オーストラリア Naoki Maeda Managing Director DNV GL Business Assurance Japan K.K. 前田直樹 代表取締役社 DNV GL ビジネス アシュアランス ジャパン株式会社 Masato Kanedome Project leader DNV GL Business Assurance Japan K.K. 金留正人 プロジェクトリーダー DNV GL ビジネス アシュアランス ジャパン株式会社 About DNV GL Driven by our purpose of safeguarding life, property and the environment, DNV GL enables organisations to advance the safety and sustainability of their business. Combining leading technical and operational expertise, risk methodology and in-depth industry knowledge, we empower our customers decisions and actions with trust and confidence. We continuously invest in research and collaborative innovation to provide customers and society with operational and technological foresight. With our origins stretching back to 1864, our reach today is global. Operating in more than 100 countries, our 16,000 professionals are dedicated to helping customers make the world safer, smarter and greener.

Page 14 of 14 1. スケジュール 1 対象プロジェクト概要 Ref. 対象プロジェクト及び資産 GBP 分類 GBP サブ分類充当額 ( 計画時 ) 特記事項 01 ごみ焼却発電施設 ( 廃棄物発電 ) 汚染の防止と管理に関する事 省エネ 省排出型廃棄物 発電出力 :14.0MW 一般ごみ 京都市南部クリーンセンター第 業 発電 竣工予定 :2019 年 3 月 二工場 ( 仮称 )( 京都府京都市伏 見区 ) 02 ごみ焼却発電施設 ( 廃棄物発電 ) 汚染の防止と管理に関する事 省エネ 省排出型廃棄物 50 億円 (2 プロジェクト合計 ) 発電出力 :2.8MW 一般ごみ 菊池環境保全組合新環境工場 業 発電 竣工予定 :2021 年 3 月 ( ごみ処理施設 ) 整備及び運営 事業 ( 熊本県合志市 )