目次 コスト算定条件 試算モデル 前回 ( 平成 16 年 ) 以降の環境変化 フロントエンド バックエンド 直接処分 工程別の事業要素の単価について 計算法 再処理等 高レベル廃棄物処分 直接処分他 核燃料サイクルコスト 計算法 感度解析 プルトニウム 回収ウランクレジット 2011/11/24

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核燃料サイクルコストの試算 解説資料 平成 23 年 11 月 24 日 内閣府原子力政策担当室

目次 コスト算定条件 試算モデル 前回 ( 平成 16 年 ) 以降の環境変化 フロントエンド バックエンド 直接処分 工程別の事業要素の単価について 計算法 再処理等 高レベル廃棄物処分 直接処分他 核燃料サイクルコスト 計算法 感度解析 プルトニウム 回収ウランクレジット 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 1

コスト等検証委員会の依頼事項 原子力発電の核燃料サイクル費用 原子力発電から生じる使用済核燃料の処理方法については 様 な方策が考えられるが それらについて 最新動向などを踏まえ その費用を算出する必要があります 2010 年モデルプラントの主な諸元や試算の条件 プラント規模 諸元ベース 120 万 kw 最近 7 年間に稼働した発電所のデータ 設備利用率 80%, 70%, 60% 稼働年数 40 年, 30 年, 16 年 ( 法定耐用年数 ) 為替レート 85.74 円 /$ 割引率 0%, 1%, 3%, 5% 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 2

コスト算定条件試算モデルの考え方 1 本試算では 今後 各電源別の発電コスト比較の際に活用されることから モデルプラント方式 を前提に 原子力発電の燃料費部分に相当するコスト ( 核燃料サイクルコスト ) を求める 試算対象は以下の 2 モデル 核燃料リサイクルを行う再処理モデル 核燃料リサイクルを行わない直接処分モデル このほか 参考として日本の現状を考慮し コストを算出現状モデル 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 3

コスト算定条件試算モデルの考え方 2 燃料の取得 原子炉への装荷から派生する将来コストと発生エネルギーを現在価値換算し 均等化発電単価 ( 円 /kwh) を算出 平成 16 年から現在までの情勢変化を反映した現時点での核燃料サイクルコストを評価 コスト小委 [1] の試算と同手法を採用 ウラン資源価格の高騰為替レートの円高基調 再処理等積立金法の施行など [1] 総合資源エネルギー調査会電気事業分科会コスト等検討小委員会 ( 平成 16 年 ) http://www.meti.go.jp/policy/electricpower_partialliberalization/contentscost.html 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 4

コスト算定条件試算モデルの考え方 3 コスト小委の方法論 核燃料サイクル部分については 六ヶ所再処理工場の運転開始前だったため 六ヶ所再処理 + それに続く再処理 サイクルを想定 発電規模などを想定のうえ 再処理工場の処理能力からみて使用済燃料の再処理量は発生量の 64% と想定し 残り 36% は中間貯蔵を行うと想定 今回は 再処理モデルと直接処分モデルのコストを試算 同時に 現状モデルに基づく試算を参考値として提示 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 5

コスト算定条件サイクルコスト試算条件 ( 共通事項 ) 項目コスト小委 ( 平成 16 年 ) 今回 ウラン燃料濃縮度 平均取出燃焼度 BWR 3.8% PWR 4.1% UO 2 燃料 :45,000 MWd/t MOX 燃料 :40,000 MWd/t 再処理モデル BWR 3.7% 現状モデル PWR 4.6% 直接処分モデル PWR 4.5% 再処理モデル 現状モデル 炉内滞在時間 5 年 熱効率 34.5% 為替レート 121.98 円 /$ 85.74 円 /$ 割引率 0, 1, 2, 3, 4 % 0, 1, 3, 5 % 再処理 : 中間貯蔵比率 64:36 50:50 次世代生成率 15% 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 6

試算モデル 再処理モデル 使用済燃料を再処理してリサイクル ウラン燃料製造 発電 再処理等 MOX 燃料製造 5 年 3 年 1 年 発電 繰り返し 再処理等 MOX 燃料製造 発電 放射性廃棄物処分 使用済燃料は全て再処理 再処理して取り出されたプルトニウムは MOX 燃料としてリサイクル 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 7

試算モデル 直接処分モデル 使用済燃料全量を中間貯蔵後に直接処分 ウラン燃料製造 発電中間貯蔵直接処分 5 年 59 年 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 8

参考試算モデル 現状モデル 使用済燃料の一部を再処理してリサイクルし 残りは中間貯蔵の後に再処理 使用済燃料の貯蔵期間 (20 年 ) は 最新の日本原燃の事業計画をもとに設定 ウラン燃料製造 発電 再処理等 MOX 燃料製造 発電 再処理等 MOX 燃料製造 発電 5 年 20 年 1 年 繰り返し 放射性廃棄物処分 中間貯蔵 再処理等 MOX 燃料製造 50 年 1 年 発電 繰り返し 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 9

前回以降の環境変化フロントエンド ウラン精鉱 ( イエローケーキ ;U 3 O 8 ) のスポット価格は 近年著しく変動し かつて 1 ポンド当たり 10 $ 程度であったものが 一時期 130 ドル以上となり 平成 20 年 ~ 平成 22 年の市場価格はの推移は 40~60$/lb U 3 O 8 で推移 為替レートは円高基調であり 平成 16 年 8 月頃には 約 110 円 /$ であったが平成 22 年度平均では約 86 円 /$ 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 10

前回以降の環境変化バックエンド 再処理等積立金制度が整備 (P.12 参照 ) 平成 17 年より再処理に係わる費用 ( 廃止費用 TRU 廃棄物処分費用を含む ) の積立てを開始 積立額は電気料金として回収 六ヶ所再処理工場で平成 18 年 3 月から使用済燃料を用いた試験 ( アクティブ試験 ) を開始 ガラス固化体製造工程で難航し 平成 24 年 10 月にしゅん工を延期 プルサーマルが 4 つの発電所で開始 平成 22 年 10 月に六ヶ所 MOX 燃料加工工場が着工 平成 28 年 3 月のしゅん工予定 青森県むつ市に国内初の使用済燃料中間貯蔵施設が平成 22 年 8 月着工 平成 24 年 7 月の事業開始を予定 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 11

前回以降の環境変化再処理等積立金に係る制度措置等の整備 再処理等積立金法が平成 17 年に施行 ( 六ヶ所再処理工場分 ) 核燃料の燃焼に応じて発生する使用済燃料について 六ヶ所再処理工場で再処理される分の再処理等費を積立て 費用化していく 再処理等費の年度展開と対象使用済燃料発生の年度展開を割引率を用いて使用済燃料発生時点で同時点換算し 単位重量当たりの均等化単価を算出 電気事業分科会平成 19 年投資環境整備小委員会報告において 六ヶ所再処理工場で再処理される以外の使用済燃料 ( 通称 白地 ) の再処理等費についても 会計的に引当計上行うこととなった 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 12

前回以降の環境変化直接処分 基本的な考え方 基本的な技術はガラス固化体の地層処分の技術を流用できる 先行している海外事例 ( スウェーデン, フィンランド等 ) における既存情報や技術開発動向について調査等を実施する 成立性やコストへの影響の観点から不確定要因があるとされた項目 1. 放射線分解や酸化還元フロント進展の挙動と影響 処分環境やキャニスター ( 鉄 ) の存在を考慮すると影響は顕著でない 2. 廃棄体発熱量などの処分施設設計への影響評価 前回大綱策定時の技術小委における処分施設専有面積 (m 2 /tu) については スウェーデン, フィンランドのそれと比較しても大きな差はない 3. 廃棄体定置方法および地下施設設計手法 処分坑道断面積大幅減尐の可能性があるが 前回大綱策定時の技術小委における横置き方式の参考幅の中にほぼ入る 4. 臨界回避 評価 燃焼度クレジットと FP の考慮が重要である 5. 燃料集合体の発熱量 核種量の評価 設定 LWR や LWR-MOX の解析例を調査した 第 4 回新大綱策定会議資料 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 13

工程別の事業要素の単価について ウラン燃料の原子炉への装荷から派生する将来コストを算出するに当たっては 各事業要素の単価 ( ウラン燃料 1 トン当たりでの費用 ) を算定しておくことが必要 フロントエンドバックエンド ウラン燃料 MOX 燃料 再処理 高レベル放射性廃棄物処分 中間貯蔵 直接処分 電力各社の至近の調達実績 平成 16 年コスト小委で用いた算定に対し 最新の建設費の動向を考慮 直近の電気事業者及び日本原燃からの届け出を基礎として 法に基づき 国 ( 経済産業省 ) において算定している再処理費を基に算定 直近において 法に基づき 国 ( 経済産業省 ) において算定している処分費を基に算定 平成 16 年コスト小委で用いた算定のうち 最新の建設費の動向を考慮 前回の技術小委での試算をもとに 最新の技術的知見を考慮 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 14

工程別事業要素の単価 ( 再処理 ) 工程別事業要素の単価 再処理事業については 平成 16 年 1 月のコスト小委において 六ヶ所再処理工場の操業体制や運転保守の合理的な見積もりを基に その総事業費を約 12.6 兆円と試算した その後 再処理等積立金制度 (P.17 参照 ) が始まり 電気事業者及び日本原燃 ( 株 ) からの届け出を基礎として 毎年度 法に基づき 国 ( 経済産業省 ) において総事業費を算定している ここでは 六ヶ所再処理工場の竣工延期による影響等も反映 そこで 今回の試算に用いる再処理事業の単価は 直近の事業者からの届け出を基礎に算定した総事業費 (P.18 参照 ) を基に算出する 合理的な見積もりが困難なリスクを想定し 必要に応じて感度分析を行う 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 15

工程別事業要素の単価 ( 再処理 ) 再処理等積立金のスキーム 金融 機関 電力 需要家 国債等購入定期預金等 元金 利息 電力供給 積立金の積立て 電気料金 ( 一部が積立金原資 ) ( 公財 ) 原子力環境整備促進 資金管理センター ( 資金管理指定法人 ) 再処理等積立金の管理 再処理等業務に確実に支出されたことの確認 再処理等費用の支出 積立金の取り戻し 電力会社 ( 特定実用発電用原子炉設置者 ) 指定 監督 再処理等の実施計画等の届出 積立額の通知 国 ( 経済産業大臣 ) 再処理等の事業を実施するための再処理等積立金法の立案 施行 平成 17 年度平成 18 年度平成 19 年度平成 20 年度平成 21 年度平成 22 年度 総見積額 126,850 126,873 127,038 118,958 121,308 122,516 積立金残高 10,384 12,479 15,682 18,389 21,443 24,416 平成 23 年度総見積額 : 122,237 億円 ( 平成 23 年 3 月に事業者から届け出のあった基礎資料より算定 ) 総見積額は法に基づき算定 再処理等積立金の積立て状況 ( 単位 : 億円 ) 総見積額は六ヶ所再処理工場で再処理される使用済燃料 (32,000tU) に係る再処理等の金額 再処理事業者等 再処理等の実施計画等の届出 再処理等積立金の基本的スキーム 出典 : 資源エネルギー庁提示資料より内閣府作成 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 16

工程別事業要素の単価 ( 再処理 ) 再処理等総事業費の状況 (1) 前提とした再処理計画 最新届出額 2005~ 再処理期間 2052 年度 コスト等検討小委 2005~ 2046 年度 再処理総量約 3.2 万トン約 3.2 万トン 再処理単価については 本表より該当部分を抽出した上で算出 単位 : 百億円 最新 コスト等 届出額 検討小委 六ヶ所 再処理 操業 927 905 返還高レベル放射性廃棄物管理 返還低レベル放射性廃棄物管理 処分場への廃棄物輸送 廃棄物処分 廃止措置 廃棄物貯蔵 廃止措置 廃棄物貯蔵 廃止措置 高レベル 低レベル 再処理期間 6 年延長に伴う操業費用増 増資に伴う支払利息減 税制改正 ( 償却前倒し ) による支払利息減 資材関係指標下落 154 155 コスト等検討小委時の単価 物量を基礎 1 に 物価変動等の状況変化を反映 29 1 18 1 27 1 35 4 日本原燃の最新事業計画に基づく建設 貯蔵期間 2 年延長に伴う費用増 2 等投資額 運転保守費 その他諸経費コスト等検討小委時の単価 物量を基礎 資材関係指標下落 0 に 物価変動等の状況変化を反映コスト等検討小委時の建設等投資額 運 代替取得反映に伴う低レベル廃棄物量減 16 転保守費 その他諸経費を踏襲コスト等検討小委時の単価 物量を基礎 資材関係指標下落 3 に 物価変動等の状況変化を反映 代替取得反映に伴う貯蔵本数減 10 21 9 22 1 1 最終処分法に基づく拠出単価 代替取 代替取得反映に伴う高レベル廃棄物量増 輸送関係指標上昇 代替取得反映に伴う低レベル廃棄物量減 輸送関係指標上昇 代替取得反映に伴う項目追加 高レベル 0.3 0.3 得分高レベル放射性廃棄物量低レベル最終処分法に基づく拠出単価 最終処 最終処分法改正に伴う物量減及び同法に 37 78 41 [ 地層処分 ] 分法に基づく地層処分廃棄物量基づく拠出単価の適用低レベルコスト等検討小委時の単価 物量を基礎 最終処分法改正に伴う物量増 23 23 0 [ その他 ] に 物価変動等の状況変化を反映 代替取得反映に伴う低レベル廃棄物量減 合計 1,222 1,259 37 差届出額算定の基本的考え方コスト等検討小委からの主な状況変化 日本原燃の最新事業計画に基づく建設等投資額 運転保守費 その他諸経費 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 22 出典 : 資源エネルギー庁提示資料より内閣府作成 17

工程別事業要素の単価 ( 再処理 ) 再処理等総事業費の状況 (2) 返還高レベル放射性廃棄物管理 返還低レベル放射性廃棄物管理 処分場への廃棄物輸送 廃棄物処分 廃棄物貯蔵 廃止措置 廃棄物貯蔵 廃止措置 高レベル 低レベル 高レベル 低レベル [ 地層処分 ] 低レベル [ その他 ] 最新届出額 1,222 百億円のうち 国内での再処理に伴い生じる費用は 1,168 百億円 第 1 回原子力発電 核燃料サイクル技術等検討小委員会資料抜粋 単位 : 百億円 最新 国内再処理に 左記以外 届出額 伴い生じる費用 ( 返還廃棄物関係費用 ) 六ヶ所 再処理 操業 廃止措置 日本原燃の最新事業計画に基づく建設等 927 927 投資額 運転保守費 その他諸経費 コスト等検討小委時の単価 物量を基礎 154 に 物価変動等の状況変化を反映日本原燃の最新事業計画に基づく建設等 29 投資額 運転保守費 その他諸経費コスト等検討小委時の単価 物量を基礎 1 に 物価変動等の状況変化を反映コスト等検討小委時の建設等投資額 運転 18 保守費 その他諸経費を踏襲コスト等検討小委時の単価 物量を基礎 1 に 物価変動等の状況変化を反映 10 21 0.3 37 23 最終処分法に基づく拠出単価 代替取得分高レベル放射性廃棄物量 最終処分法に基づく拠出単価 最終処分法に基づく地層処分廃棄物量 コスト等検討小委時の単価 物量を基礎に 物価変動等の状況変化を反映 合計 1,222 1,168 54 154 18 1 9.7 0.6 20.0 23 29 1 0.5 0.3 34 2 備考 六ヶ所再処理工場の費用 全て国内再処理関係費用 海外への再処理委託に伴い返還される廃棄物の国内での管理費用 全て返還廃棄物関係費用 六ヶ所での再処理で生じる廃棄物の輸送費用と 海外への再処理委託に伴い返還される廃棄物の輸送費用の合算値 単価 国内再処理分廃棄物量 が国内再処理関係費用 海外への再処理委託に伴い返還される代替取得分廃棄物の国内での処分費用 全て返還廃棄物関係費用六ヶ所での再処理で生じる廃棄物の処分費用と 海外への再処理委託に伴い返還される廃棄物の処分費用の合算値 単価 国内再処理分廃棄物量 が国内再処理関係費用 全て六ヶ所での再処理で生じる廃棄物の処分費用 単価 国内再処理分廃棄物量 が国内再処理関係費用 出典 : 資源エネルギー庁提示資料より内閣府作成 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 18

工程別事業要素の単価 ( 高レベル放射性廃棄物処分 ) 工程別事業要素の単価 廃棄物処分事業 ( ガラス固化体処理 ) については 平成 12 年 9 月の総合資源エネルギー調査会原子力部会において 日本原子力研究開発機構 ( 旧核燃料サイクル開発機構 ) の研究開発結果や原子力委員会における処分概念の検討結果等から明らかにされた標準的な工程や技術的条件を基に 高レベル放射性廃棄物 ( ガラス固化体 )4 万本を地層処分する費用が約 2.9 兆円となることが確認された その後 最終処分拠出金制度 (P.20 参照 ) が始まり 毎年度 法に基づき 国 ( 経済産業省 ) において人件費単価等の最新価格を踏まえながら総事業費を算定している そこで 今回の試算に用いる廃棄物処分事業の単価は 直近に算定した総事業費 (P.21 参照 ) を基に算出することとしてはどうか 合理的な見積もりが困難なリスクを想定し 必要に応じて感度分析を行う 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 19

金融 機関 電力 需要家 工程別事業要素の単価 ( 高レベル放射性廃棄物処分 ) 最終処分拠出金のスキーム 国債等購入定期預金等 元金 利息 ガラス固化体の最終処分については実施に必要な処分費用を計画的に確保することが極めて重要であることから 法 に基づき ( 公財 ) 原子力環境整備促進 資金管理センターが平成 12 年に資金管理業務を行う指定法人として指定され 原子力発電環境整備機構 (NUMO) からの拠出金を管理している 積立に必要な拠出金の単価は毎年 国が見直しを行い積み立てが行われている 電力供給 法 : 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律 ( 平成 12 年法律第 117 号 ) ( 公財 ) 原子力環境整備促進 資金管理センター ( 指定法人 ) 最終処分積立金の管理 最終処分業務に確実に支出されたことの確認 拠出金の外部管理 電気料金 ( 一部が積立金原資 ) 積立金の取り戻し 原子力発電環境整備機構 ( 認可法人 ) 最終処分の実施 施設の建設 改良 維持等 概要調査地区等の選定 拠出金の徴収等 拠出金の納付 電力会社等 ( 発電用原子炉設置者等 ) 指定 監督 機構の実施計画策定国による承認 設立の認可 監督不測の事態への対応解散の歯止め 拠出金単価の決定 最終処分積立金の基本的スキーム 国 ( 経済産業大臣 ) 基本方針の策定 最終処分の基本的な方向 関係住民の理解促進の為の施策等 最終処分計画の策定 最終処分を実施する時期 量 最終処分積立金の積立状況 平成 23 年度総見積り額 :27,183 億円 総見積額は総合エネルギー調査会原子力部会で確認された積算方法に基づき算定 総見積額は NUMO で地層処分されるガラス固化体 4 万本を処分するために必要な金額 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 20 ( 単位 : 億円 ) 平成 12 年度平成 13 年度平成 14 年度平成 15 年度平成 16 年度平成 17 年度 総見積額 29,305 28,911 28,819 28,297 27,843 27,652 積立残高 0 1,020 1,705 2,372 2,940 3,566 ( 単位 : 億円 ) 平成 18 年度平成 19 年度平成 20 年度平成 21 年度平成 22 年度 総見積額 27,728 27,879 27,582 27,922 27,769 積立残高 4,241 4,999 5,763 6,498 7,394 出典 : 資源エネルギー庁提示資料より内閣府作成

工程別事業要素の単価 ( 高レベル放射性廃棄物処分 ) 廃棄物処分費 ( ガラス固化体処理 ) の状況 平成 23 年度 平成 12 年度 軟岩系 硬岩系 平均 軟岩系 硬岩系 平均 平均差 平成 12 年度からの主な状況変化 技術開発費 1,031 1,031 1,031 1,118 1,118 1,118 87 人件費単価の減 調査費及び用地取得費 人件費単価の減 1,591 1,782 1,687 2,252 2,501 2,376 689 TRU 導入に伴う按分による減 土地単価の減 人件費単価の減設計及び建設費 9,750 8,110 8,930 10,476 8,725 9,600 670 設備関係指標の下落 操業費 7,041 7,674 7,358 6,805 7,736 7,271 87 資材関係指標の上昇 解体及び閉鎖費 861 909 885 801 884 842 43 資材関係指標の上昇 モニタリング費 1,187 1,187 1,187 1,236 1,236 1,236 49 設備関係指標の下落 プロジェクト管理費 人件費単価の減 5,407 4,722 5,065 6,132 5,396 5,764 699 TRU 導入に伴う按分による減 固定資産税の減 消費税 1,055 1,020 1,037 1,107 1,087 1,097 60 合計 27,927 26,438 27,183 29,927 28,683 29,305 2,122 算定における考え方 < 積算の方法 > 人件費 材料費 機械経費等の直接費及び現場管理費 一般管理費等間接費を積算 積算方法及び人件費単価 材料費単価については 一般的な土木工事や地質調査 一般公共工事等に用いられている価額 手法を採用 < 算定のケースの設定 > 岩種 深度の設定によって最終処分費用が変化するため 軟岩系 ( 堆積岩 )500 m 硬岩系 ( 結晶質岩 )1000m のそれぞれのケースで算定し それらの平均値を採用 < 施設の規模 > ガラス固化体 4 万本を処分する施設と設定 < 費用算定上の各段階におけるサイト数 > TRU 廃棄物と合わせて 文献調査 10 地区 概要調査 5 地区 精密調査 2 地区 最終処分施設建設地 2 地区と仮定して費用を算定 < 処分スケジュール > 2000 年に実施主体を設立 2036 年から操業を開始 2086 年に処分施設の解体 閉鎖開始 2096 年に坑道を閉鎖 その後 300 年間モニタリング等の措置を実施 出典 : 資源エネルギー庁提示資料より内閣府作成 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 21 単位 : 億円

工程別事業要素の単価 ( 直接処分 ) コスト試算ケース 今回はモデルプラントとして 国外で主流の縦置き定置で 1 サイト建設するケースを採用 岩種 平成 16 年 [1] 試算ケース 定置方法収納本数サイト数 前回の総費用 ( 兆円 ) 今回試算対象ケース 軟岩 硬岩 1 2 体 1 7.80 2 縦 4 体 1 6.03 3 2 体 2 9.46 補足検討 1 横 2 体 1 4.09 補足検討 2 4 体 1 3.84 1 2 体 1 5.33 縦 2 2 体 2 7.34 補足検討 2 横 2 体 1 4.54 硬岩縦置き定置での集合体 4 体収納ケースは 熱的制限値を満たさないため 検討除外している [1] 原子力委員会新計画策定会議技術検討小委員会 ( 平成 16 年 ) http://www.aec.go.jp/jicst/nc/tyoki/tyoki_gijyutu.htm 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 22

工程別事業要素の単価 ( 直接処分 ) コスト見直しのポイント 平成 16 年の技術検討小委員会 [1] での内容から 以下の点について最新の知見を反映し 直接処分コストの見直しを行う 1. 処分坑道仕様の設定見直し直接処分で先行しているフィンランド スウェーデンにおける使用済燃料の定置方法 ( 使用済燃料を横置きで搬送 ) の最新の検討例に基づき 処分坑道等の仕様の見直しを実施 [ 縦置きのみ 横置きは変更なし ] ( 処分坑道径等の減少による坑道断面積の低減 ) 2. コスト試算の設定方法等は 上記平成 16 年報告と同様とするが 試算に使用する単価に建設に係わる最新の公開単価を使用 3. その他前提条件については平成 16 年報告の内容から変更なし [1] 原子力委員会新計画策定会議技術検討小委員会 ( 平成 16 年 ) http://www.aec.go.jp/jicst/nc/tyoki/tyoki_gijyutu.htm 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 23

H 4.76m 工程別事業要素の単価 ( 直接処分 ) 処分坑道の設定見直しについて (1) わが国の直接処分検討例 ( 硬岩の場合 ) キャニスター (4 体収納 ) 処分坑道 処分孔の仕様定置方法 厚さ :190mm ( 蓋 :230mm) 材質 : 炭素鋼 処分坑道 :H7.8m, W6.5m 処分孔 :φ 2.70m, H7.40m 縦置き運搬 定置 ( ガラス固化体と同様 ) φ 1.24m ( 核燃料サイクル開発機構,1999) ( 原子力委員会,2004) ( 原子力委員会,2004) ( 核燃料サイクル開発機構,1999) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 24

H 4.83m H 5.25m 工程別事業要素の単価 ( 直接処分 ) 処分坑道の設定見直しについて (2) 海外の事例 種別キャニスター処分坑道 処分孔の仕様運搬 定置方法 フィンランド ( 硬岩 ) 厚さ :50mm ( 側部 48mm) 外側 : 銅, 内側 : 鋳鉄 φ 1.05m 処分坑道 :H4.4m, W3.5m 処分孔 :φ 1.75m, H8.25m スロープ :X1.0m, Y1.0m 平成 20 年 11 月原子力委員会政策評価部会 横置き運搬 縦置き定置 (Raiko, 2005 に加筆 ) (Saanio et. al., 2007) x Y スウェーデン ( 硬岩 ) (Andersson, 2002) 厚さ :50mm 外側 : 銅内側 : 鋳鉄 処分坑道 :H4.0m, W3.6m 処分孔 :φ 1.75m, H7.83m スロープ :X1.6m, Y1.2m Y x 横置き運搬 縦置き定置 (SKB, 2007) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 25

工程別事業要素の単価 ( 直接処分 ) 処分坑道の設定見直しについて (3) 原子力委員会 (2004) の仕様 平成 20 年 11 月原子力委員会政策評価部会 フィンランド (POSIVA) やスウェーデン (SKB) の定置方法 ( 使用済燃料を横置きにて搬送 ) を参考に検討し 硬岩系における処分坑道断面積は前回の検討に比べて約 65% 減尐する仕様を採用 今回検討の仕様 H=7.8m, W=6.5m, S=46.2m 2 H=4.0m, W=4.6m, S=16.0m 2 断面積の約 65% 減少 ( 幅については, 作業性を考慮してスウェーデンの仕様を参考に低減 ) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 26

工程別事業要素の単価 ( 直接処分 ) 想定した事業スケジュール 前回技術小委と同じとする 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 27

工程別の事業要素の単価 各事業要素の単価 割引率 0% 1% 3% 5% ウラン燃料 ( 万円 /tu) 25,900 26,200 27,100 28,200 MOX 燃料 ( 万円 /thm) 40,600 40,700 41,500 42,700 再処理等 ( 万円 /tu) 37,200 37,800 41,100 46,400 SF 輸送 ( 発電所 再処理 ) SF 輸送 ( 発電所 中間貯蔵 ) ( 万円 /tu) 1,700 1,700 1,700 1,700 ( 万円 /tu) 1,600 1,600 1,600 1,600 中間貯蔵 ( 万円 /tu) 3,600 4,000 5,200 6,900 高レベル放射性廃棄物処分 SF 輸送 ( 中間貯蔵 直接処分場 ) ( 万円 /tu) 8,500 8,700 11,000 15,700 ( 万円 /tu) 1,600 1,600 1,600 1,600 直接処分 ( 最小値 ) ( 万円 /tu) 13,200 13,700 17,400 24,900 直接処分 ( 最大値 ) ( 万円 /tu) 15,700 16,300 20,100 27,600 出典 : 電気事業者 日本原子力研究開発機構及び資源エネルギー庁提示資料より内閣府作成 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 28

工程別の事業要素の単価前回検討における単価内訳と今回提示の内訳との関係 今回の単価項目前回の単価項目今回用いた諸元 ウラン燃料 - MOX 燃料 再処理等 使用済燃料 (SF) 輸送 ( 発電所 再処理又は中間貯蔵 ) 中間貯蔵 高レベル放射性廃棄物処分 MOX 燃料加工 再処理 HLW 貯蔵 HLW 輸送 TRU 廃棄物処理貯蔵 TRU 廃棄物処分再処理工場廃止措置 目的地への SF 輸送 中間貯蔵 HLW 処分 SF 輸送 ( 中間貯蔵 直接処分場 ) - 中間貯蔵への輸送単価を流用 直接処分 - 電力各社の 2008 年度 ~2010 年度における調達実績及びリードタイムを基に燃料初装荷時点に換算した単価を電気事業連合会から入手 最新の建設費の動向 (1,200 1,900 億円に増 ) を踏まえ 平成 16 年コスト小委時単価 1,900/1,200 とした 直近の電気事業者及び日本原燃からの届け出を基礎とし 国 ( 経済産業省 ) において算定している再処理等費に 日本原燃より聴取した東日本大震災を踏まえた対策費を織り込んだ再処理等費用に基づき 再処理等単価計算シート により算定 また コスト小委時との想定と比べ 実際の施設の区分が異なることや 日本原燃が株式会社として効率化を進めながら 累積損失の解消 利益の創出を目指していくために 操業費総額での管理を主眼としていることから 電気事業者及び日本原燃における区分管理は前回とは異なっている 平成 16 年コスト小委時の算定手法は変えず 原子力発電所から六ヶ所再処理施設への輸送契約の至近の実績を用いて最新化 最新の建設費 ( むつ ) の動向 (1,300 1,000 億円 :300 億円減 ) を踏まえ 平成 16 年コスト小委時単価 (2,091-300)/2,091 とした ( 表 3 表 4) (2,091 億円 : 平成 16 年コスト小委時の 1 サイト当たりの事業費総額 ) 直近において 法に基づき 国 ( 経済産業省 ) において算定している処分費を基に HLW 処分単価計算シート にて算定 平成 16 年技術小委 [1] で前回の技術小委での試算をもとに 最新の技術的知見を考慮し 直接処分単価計算シート にて算定 [1] 原子力委員会新計画策定会議技術検討小委員会 ( 平成 16 年 )http://www.aec.go.jp/jicst/nc/tyoki/tyoki_gijyutu.htm 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 29

工程別の事業要素の単価ウラン燃料 MOX 燃料 ウラン燃料単価と内訳 割引率 0% 1% 3% 5% ウラン精鉱要素 ( 万円 /tu) 10,900 11,100 11,600 12,200 それ以外の要素 ( 万円 /tu) 15,000 15,100 15,500 16,000 合計 ( 万円 /tu) 25,900 26,200 27,100 28,200 MOX 燃料単価 割引率 0% 1% 3% 5% H16コスト小委 ( 万円 /tu) 25,600 25,700 26,200 27,000 今回 ( 万円 /tu) 40,600 40,700 41,500 42,700 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 30

工程別の事業要素の単価中間貯蔵 割引率 0% 1% 3% 5% H16 コスト小委 ( 万円 /tu) 4,200 4,700 6,100 8,100 今回 ( 万円 /tu) 3,600 4,000 5,200 6,900 平成 16 年コスト小委時の 1 サイトあたりの中間貯蔵事業費の内訳 (5,000tU 貯蔵施設 ) 建設費 105 億円コスト小委資料 [1] 表 -6 より 資本費 キャスク費 1,195 億円コスト小委資料 [1] 表 -6 より 解体 処分費 10.5 億円 コスト小委資料 [1] 表 -6 より即ち 建設費 (105 億円 ) 10%=10.5 億円 運転費 238 億円コスト小委資料 [1] 表 -7 より 敷地造成費用 4.3 億円 コスト小委資料 [1] 表 -7 より即ち 43 億円 /1,188,000 m2 119,000 m2 =4.3 億円 港湾施設費用 188 億円コスト小委資料 [1] 表 -7 より 貯蔵用キャスク解体処分費 合計 350 億円 2,091 億円 コスト小委資料 [1] 表 -7 より即ち 0.7 億円 / 基 500 基 =350 億円 [1]: 平成 16 年コスト小委資料 1-7: 電気事業連合会 使用済燃料輸送費用 中間貯蔵費用について (H15.12.25) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 31

工程別の事業要素の単価 核燃料サイクルコストの計算手法 (1) 工程別単価 下記の計算式で役務開始時点に価値換算 F a0 i1 Fai (1 q) ii0 m i1 Wai (1 q) ii0 F a0 : 工程 a の実施時点単価 F ai : 工程 a の i 年度の費用支出 W ai : 工程 a の i 年度の役務量 ( 再処理量, 処分量等 ) q : 割引率 i0: 基準年度 ( 各工程の役務開始年度 ) l: 費用支出終了年度 m: 役務終了年度 各工程の単価計算 再処理等, 高レベル放射性廃棄物処分, 直接処分は今回上記計算式で算出 MOX 燃料加工に関しては平成 16 年コスト小委で用いた算定に対し 1,900 億円 /1,200 億円を乗じて算出 中間貯蔵に関しては平成 16 年コスト小委で用いた算定に対し むつリサイクル燃料備蓄センターの建設費 1,000 億円を勘案して算出 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 32

2005~ 2009 2010~ 2014 2015~ 2019 2020~ 2024 2025~ 2029 2030~ 2034 2035~ 2039 2040~ 2044 2045~ 2049 2050~ 2054 2055~ 2059 2060~ 2064 2065~ 2069 2070~ 2074 2075~ 2079 2080~ 2084 ( 再百処億理円等 / 費年用 ) 工程別の事業要素の単価 単価算定の考え方 ( 再処理等費用単価 ) 基準年 30.0 27.9 25.8 25.0 22.6 現在価値換算 20.0 19.1 18.7 18.1 18.6 18.5 17.2 15.4 15.0 10.4 10.1 10.0 費用支出 5.0 5.2 4.2 0.0 0.8 1.1 0 再 ( 処 t 理 / 操年業 ) 計画 200 400 600 800 140 181 104 80 320 480 640 800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800800 役務量 1,000 現在価値換算 トン当たり単価 = 再処理等費用 [ 基準年価値への換算値 ] 再処理量 [ 基準年価値への換算値 ] 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 33

工程別の事業要素の単価再処理等費用の試算に用いた年度展開 注 : 事業基準年を 1 年目として単価を算出 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 34

工程別の事業要素の単価 HLW 処分費用の試算に用いた年度展開 注 : 事業基準年を 36 年目として単価を算出 100 年目 ~395 年目までのモニタリング費用は省略した 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 35

工程別の事業要素の単価直接処分費用の試算に用いた年度展開 ( 軟岩ケース 1) 注 : 事業基準年を 35 年目として単価を算出 100 年目 ~395 年目までのモニタリング費用は省略した 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 36

工程別の事業要素の単価直接処分費用の試算に用いた年度展開 ( 軟岩ケース 2) 注 : 事業基準年を 35 年目として単価を算出 100 年目 ~395 年目までのモニタリング費用は省略した 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 37

工程別の事業要素の単価直接処分費用の試算に用いた年度展開 ( 硬岩ケース 1) 注 : 事業基準年を 35 年目として単価を算出 100 年目 ~395 年目までのモニタリング費用は省略した 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 38

核燃料サイクルコスト核燃料サイクルコストの計算手法 (2) ウラン燃料 初装荷時点単価に換算して使用 その他工程別単価 k1 r Fa Fa 0 ym( k1) k1 (1 q) 発電電力量 1 P H 24 (1 L) 1000 T 核燃料サイクルコスト Fa Fb C P F a : 工程 a の初装荷時点単価 F a0 : 工程 a の実施時点単価 q : 割引率 r : 使用済燃料の再処理によって新たに得られる次世代の燃料の生成率 m : 再処理ケースは 9 中間貯蔵ケースは 51 η: 熱効率 (0.345) T dx 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 39 1 x k1 0 m( k1) 1 q k1 (1 q) r y : 各工程のラグタイム P : 発電電力量 ( 初装荷時点換算 :kwh) H : 平均取出燃焼度 (MWd/t) L : 所内率 (0.035) T : 炉内滞在期間 (5 年 ) C : 核燃料サイクルコスト

核燃料サイクルコスト核燃料サイクルコストの試算イメージ ( 再処理モデル ) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 40

核燃料サイクルコスト 各モデルのコスト (1) - 割引率 0%,1%- 項目 再処理モデル 割引率 0% 割引率 1% 直接処分 現状 再処理 直接処分 モデル モデル モデル モデル ( 円 /kwh) 現状モデル ウラン燃料 0.62 0.72 0.62 0.65 0.75 0.68 MOX 燃料 0.17-0.17 0.16-0.12 ( フロントエンド計 ) 0.79 0.72 0.79 0.82 0.75 0.80 再処理等 1.10-1.10 1.06-0.79 中間貯蔵 - 0.14 0.07-0.12 0.06 高レベル廃棄物処分 0.24-0.24 0.16-0.12 直接処分 - 0.41~0.48 - - 0.24~0.28 - ( バックエンド計 ) 1.34 0.56~0.63 1.41 1.21 0.37~0.41 0.98 計 2.14 1.28~1.35 2.21 2.03 1.11~1.15 1.78 註 ) 各項目ごとの四捨五入の関係で合計があわない場合がある ( 送電端 ) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 41

核燃料サイクルコスト 各モデルのコスト (2) - 割引率 3%,5%- 項目 再処理モデル 割引率 3% 割引率 5% 直接処分 現状 再処理 直接処分 モデル モデル モデル モデル ( 円 /kwh) 現状モデル ウラン燃料 0.73 0.81 0.77 0.81 0.88 0.86 MOX 燃料 0.15-0.07 0.14-0.04 ( フロントエンド計 ) 0.88 0.81 0.84 0.94 0.88 0.90 再処理等 1.03-0.46 1.04-0.30 中間貯蔵 - 0.09 0.05-0.07 0.04 高レベル廃棄物処分 0.08-0.04 0.05-0.01 直接処分 - 0.10~0.11 - - 0.05~0.05 - ( バックエンド計 ) 1.11 0.19~0.21 0.55 1.08 0.12~0.12 0.36 計 1.98 1.00~1.02 1.39 2.03 1.00~1.01 1.26 註 ) 各項目ごとの四捨五入の関係で合計があわない場合がある ( 送電端 ) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 42

核燃料サイクルコスト 過去の試算との比較 (1)- 割引率 3%- 割引率 3% 項目 再処理モデル 現状モデル平成 16 年今回コスト小委 ( 円 /kwh) 直接処分モデル平成 16 年今回技術小委 ウラン燃料 0.73 0.77 0.59 0.81 0.64 MOX 燃料 0.15 0.07 0.07 - - ( フロントエンド計 ) 0.88 0.84 0.66 0.81 0.64 再処理等 1.03 0.46 0.65 - - 中間貯蔵 - 0.05 0.04 0.09 0.12 HLW 処分 0.08 0.04 0.12 - - 直接処分 - - - 0.10~0.11 0.12~0.21 ( バックエンド計 ) 1.11 0.55 0.81 0.19~0.21 0.24~0.33 計 1.98 1.39 1.47 1.00~1.02 0.9~1.0 注 1) 各項目ごとの四捨五入の関係で合計が合わない場合がある注 2) 平成 16 年の検討では HLW 処分は拠出金単価 ( 割引率 2%) を一律に適用していたが 今回は割引率ごとに試算 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 43

核燃料サイクルコスト 過去の試算との比較 (2)- 割引率 0%- 割引率 0% 項目 再処理モデル 現状モデル平成 16 年今回コスト小委 ( 円 /kwh) 直接処分モデル平成 16 年今回技術小委 ウラン燃料 0.62 0.62 0.49 0.72 0.57 MOX 燃料 0.17 0.17 0.11 - - ( フロントエンド計 ) 0.79 0.79 0.60 0.72 0.57 再処理等 1.10 1.10 1.05 - - 中間貯蔵 - 0.07 0.06 0.14 0.18 HLW 処分 0.24 0.24 0.12 - - 直接処分 - - - 0.41~0.48 0.51~0.87 ( バックエンド計 ) 1.34 1.41 1.23 0.56~0.63 0.69~1.05 計 2.14 2.21 1.83 1.28~1.35 1.26~1.62 注 1) 各項目ごとの四捨五入の関係で合計が合わない場合がある注 2) 平成 16 年の検討では HLW 処分は拠出金単価 ( 割引率 2%) を一律に適用していたが 今回は割引率ごとに試算注 3) 平成 16 年の検討では 割引率 0% での直接処分モデルは試算しておらず 比較の観点から当時の計算方法により改めて算出 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 44

核燃料サイクルコスト 算定結果について フロントエンド 為替レートは円高となっているものの 特にウランの精鉱の取得価格が大幅に上昇しており 直接処分モデルのコストにも影響 MOX 燃料費については 原子炉への装荷割合が小さく フロントエンドコストへの影響は小さい 再処理等 再処理モデルと直接処分モデルとの差は約 1 円 /kwh( 割引率 3%) であり 再処理等の工程の有無に起因 核燃料リサイクルを行う場合について 再処理モデルと現状モデルとの差は約 0.6 円 /kwh( 割引率 3%) であり 貯蔵期間の設定に起因 今後 さまざまな核燃料サイクルオプションについて 引き続き 経済性以外の評価軸も含め 総合的に評価を実施 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 45

核燃料サイクルコストの感度解析感度解析 (1) 再処理 MOX 単価 現状モデル ( 基本ケース ) に対し 再処理等及び MOX 燃料単価の 1.5 倍の感度解析 ( 感度解析ケース ) を実施する 再処理等 定格再処理量 (800tU/ 年 ) 到達時期の遅延等による再処理数量減 ( 稼働率低下 ) あるいは 今後計画されている増設施設の建設費上昇 及び稼働率維持のための追加投資の可能性を完全に否定することは困難 MOX 燃料 建設費は 建設用資材等の価格上昇 耐震対応等により 1,200 億円から 1,900 億円に上昇 今後 2016 年 3 月の竣工までに 同様の理由による さらなる建設費上昇の可能性を完全に否定することは困難 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 46

核燃料サイクルコストの感度解析 6.0 億円 / トン 感度解析での 1.5 倍の根拠について 現行見積単価の 1.5 倍 5.6 億円 / トン 5.0 億円 / トン B C 費用が現行見積から 3 兆円増加した場合 単価 4.0 億円 / トン 3.0 億円 / トン A 費用が現行見積のままの場合 2.0 億円 / トン 1.0 億円 / トン 0.0 億円 / トン 3.3 費用 現行見積 費用 :11.7 兆円再処理量 :3.2 万トン ( 竣工 5 年目に800トン / 年 ) 単価 :3.7 億円 / トン 再処理計画 3.2 万トン 3.1 万トン (97%) 800 トン / 年到達 再処理量 3.0 万トン (94%) 感度 1.5 倍の範囲で 上記ケース C を超える場合まで包含 2.9 万トン (91%) 2.8 万トン (88%) 再処理量 () 内は対 3.2 万トン比 2.7 万トン (84%) 2.6 万トン (81%) 現行 A B C 11.7 兆円 現行見積のまま 現行見積 現行見積 +3 兆円 +3 兆円 竣工後 5 年目 竣工後 10 年目 竣工後 5 年目 竣工後 10 年目 ( 現行から5 年遅れ ) ( 現行と同じ ) ( 現行から5 年遅れ ) 3.2 万トン 3.0 万トン 3.2 万トン 3.0 万トン 単価 3.7 億円 / トン 3.9 億円 / トン 4.6 億円 / トン 4.9 億円 / トン ( 現行比約 5% 増 ) ( 現行比約 25% 増 ) ( 現行比約 30% 増 ) 3 兆円の費用増 : 今後の投資額を含む建設費 3.3 兆円と同規模の費用増に相当 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 2.5 ( ) 内は対 3.2 万トン比 47

核燃料サイクルコストの感度解析感度解析結果 (1) 再処理 MOX 単価 ( 割引率 3%) ( 円 /kwh) 現状モデル 項目 基本ケース 感度解析ケース コスト比 ウラン燃料 0.77 - MOX 燃料 0.07 0.10 1.5 再処理等 0.46 0.68 1.5 中間貯蔵 0.05 - HLW 処分 0.04 - 計 1.39 1.64 1.2 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 48

核燃料サイクルコストの感度解析 感度解析 (2) フロントエンド単価 再処理 直接処分 現状の各モデル ( 基本ケース ) に対し ウラン燃料単価におけるウラン精鉱要素について 2.0 倍の感度解析 ( 感度解析ケース ) を実施する ウランスポット価格は 現在約 140$/kgU であり 過去 3 年間ではおよそ 100~180 $/kgu 将来の価格見通しについて公的機関が公表しているものは無いが 参考に OECD/NEA と IAEA の報告を参照した OECD/NEA と IAEA が発表した Uranium2009(2010 年 7 月 ) では ウラン生産コストの上昇とウラン市場の基調を反映し 新たに 260$/kgU までの生産コストによる資源量を分析 ( 以前は 130$/kgU 以下 ) 過去 ウランスポット価格が 一時 260$/kgU を超えて急騰したこともあり 将来的にウラン価格が 2 倍程度に上昇する可能性を考慮 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 49

核燃料サイクルコストの感度解析ウラン需要の将来予測について (1) 2030 年のウラン需要は現在の需要の約 2 倍 JAEA 須藤収, ウラン資源に関する最近の動向 (2010.11) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 50

核燃料サイクルコストの感度解析ウラン需要の将来予測について (2) ウラン価格は他の化石資源価格と連動 WEO 予測では 2030 年の石油価格は現在価格の 2.25 倍 ウラン ( 円 / トン ) 80,000 70,000 60,000 図の追加 天然ガス 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 ( 万円 /kl) 7 6 5 4 3 2 1 石油 0 ( 円 / トン ) 輸入原料炭輸入一般炭国内原料炭国内一般炭 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 石炭 ( 推定 ) 出典 : 財務省貿易統計 0 0 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 09 ( 年度 ) '83 '84 '85 '86 '87 '88 '89 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 ( 出典 ) 財務省 貿易統計 石油連盟 内外資料 をもとに作成 ( 出典 ) 日本貿易統計 コール ノート2003 年版 ただし2009 年度の値は2008 年 4 月から11 月までの平均値 出典 : 新大綱策定会議資料 ( 第 4 回 ) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 51

核燃料サイクルコストの感度解析 感度解析結果 (2) フロントエンド単価 ( 円 /kwh) 項目 基本ケース 再処理モデル直接処分モデル現行モデル 感度解析ケース 価格比 基本ケース 感度解析ケース 価格比 基本ケース 感度解析ケース 価格比 ウラン燃料 0.73 1.04 1.4 0.81 1.16 1.4 0.77 1.10 1.4 MOX 燃料 0.15 - - - - 0.07 - 再処理等 1.03 - - - - 0.46 - 中間貯蔵 - - - 0.09-0.05 - HLW 処分 0.08 - - - - 0.04 - 直接処分 - - - 計 1.98 2.29 1.2 0.10~ 0.11 1.00~ 1.02 - - - - 1.35~ 1.36 1.3~1.4 1.39 1.72 1.2 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 52

核燃料サイクルコストの感度解析 感度解析結果 (3) 埋設処分単価 HLW 処分 直接処分について 単価を 1.5 倍とする感度解析を実施 割引率 3% の場合 ( 円 /kwh) 項目 直接処分モデル 現状モデル 基本ケース感度解析ケース価格比基本ケース感度解析ケース価格比 U 燃料 0.81-0.77 - MOX 燃料 - - - 0.07 - 再処理等 - - - 0.46 - 中間貯蔵 0.09-0.05 - HLW 処分 - - - 0.04 0.05 - 直接処分 0.10~0.11 0.15~0.17 - - - - 計 1.00~1.02 1.05~1.07 1.05~1.05 1.39 1.41 1.01 サイクル全体への影響は HLW 処分を行う現状モデルでは 1% 程度 直接処分では処分法により 5% 程度 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 53

プルトニウム 回収ウランクレジット Pu クレジットの取り扱い Pu クレジットが確定していれば ウラン燃料として初装荷され炉外へ取出されるまでの 1 ライフについて フロントエンド費用 (U 精鉱 転換 濃縮 加工 ) とバックエンド費用 ( 再処理 廃棄物処分 ) の合計から Pu クレジットを引き去り 発電量で除すことにより ウラン燃料サイクルコストを計算 また MOX 燃料加工費に Pu 購入費用として Pu クレジットを加えて MOX 燃料単独のサイクルコストを計算 しかし 実際には Pu を取引する市場は存在せず 我が国では 電力会社は自社で保有する原子炉の使用済燃料の再処理から回収した Pu は 自社の原子炉で平和利用することが基本原則 (Pu 利用計画を公表 ) また ウラン資源価格の変動が激しく MOX 燃料加工コストの不確実性も否定できない中では Pu クレジットを確定することが難しく 仮定の置き方によって Pu クレジットは正にも負にもなり得る そこで 従来から燃料サイクルコスト計算では Pu クレジットを Explicit に扱う必要が無いよう 発生した Pu を自ら使うサイクルを無限に繰り返す手法を採用 リサイクルを無限に繰り返しても 費用と発生エネルギーの積算は いずれも時間遅れに伴う割引と 軽水炉の使用済燃料再処理からMOX 燃料を再生できる比率が1より小さいことの2 点から 無限級数は必ず収束 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 出典 : 日本原燃 ( 第 4 回資料第 2 号 ) 54

プルトニウム 回収ウランクレジット Pu クレジットの計算例 図は ウラン燃料サイクルコストと MOX 燃料サイクルコストを等しくする Pu クレジット (Indifference value) を計算した例 ウラン価格 50 $/lbu 3 O 8 と 現在の MOX 燃料加工単価では Pu クレジットは負だが 過去に実績のあるウラン価格の高騰時には Pu クレジットは正 ウラン燃料再処理単価の増加 MOX 燃料加工単価の増加などの条件の変化でも Pu クレジットは正にも負にもなり得る ボストン コンサルティング グループ ( BCG) 報告に載る 160 $/kgu(24 $/gpuf に相当 ) マサチューセッツ工科大学 (MIT) 報告の 15,743$/kgPu(-24 $/gpuf に相当 ) は 本計算結果の範囲にある 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 単一サイクル燃料費 ( 円 / k W h ) 3 2.5 2 1.5 1 0.5 A B 0-60 -40-20 0 20 40 60 Pu クレジット ($/gpuf) ウラン燃料 (50$/lbU3O8) ウラン燃料 (100$/lbU3O8) ウラン燃料 (150$/lbU3O8) MOX 燃料 出典 : 日本原燃 ( 第 4 回資料第 2 号 ) C 55

プルトニウム 回収ウランクレジット回収ウランクレジットの取り扱い 回収ウランを転換 再濃縮 加工すれば ウラン精鉱の購入費用を節約してメリットの出る可能性あり ( 回収ウラン価値 ) 近年の高燃焼度化で回収ウランの残留濃縮度は下がり 天然ウランと比べ有意に高いとは言えなくなりつつある 燃焼中に生成する 236 U は中性子吸収して反応度損失を発生するため 分離作業量 ( SWU 所要量 ) を増やす方向 やはり使用済燃料に含まれる 232 U 234 U の娘核種はガンマ線が強く 転換 濃縮 燃料加工などの工程で遮蔽が必要となり これらの工程費用を増加 しかし 六ヶ所再処理工場の後工程となる回収ウラン利用プロセスは 未だ設計が無く 費用を算定できる段階には無い ウラン精鉱の価格が上昇して回収ウラン利用にメリットが現れ 再処理工場の運転実績も出て回収ウランが有意に蓄積すれば 再濃縮 利用を行うので 必ず燃料サイクルコストは下がることになる 現在の燃料サイクルコスト計算では 回収ウラン貯蔵による費用増加のみを算入し 回収ウランクレジットの減算は考慮していない 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 出典 : 日本原燃 ( 第 4 回資料第 2 号 ) 56

プルトニウム 回収ウランクレジット回収ウラン再濃縮の燃料取得費 図は 天然ウラン濃縮による燃料取得原価と 回収ウランを再濃縮する場合の燃料取得原価とを比較 ( それぞれ炉心装荷時点換算 ) 回収ウランの転換 濃縮 加工単価が 天然ウランの場合の 1.5 倍としても 現在のウラン価格 50 $/lbu 3 O 8 で既にメリットが出ている 回収ウランのフロント処理単価を天然ウランの場合の 2 倍としても 精鉱代が 70 $/lbu 3 O 8 で等価 即ち 回収ウランの再濃縮利用はメリットの出る可能性が高い 燃料取得単価 ( 万円 / トン ) 50,000 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 0 A ウラン燃料 0 50 100 天然ウラン価格 ($/lbu3o8) 回収ウラン燃料 回収ウラン燃料 *1.5 回収ウラン燃料 *2.0 出典 : 日本原燃 ( 第 4 回資料第 2 号 ) B 57

プルトニウム 回収ウランクレジット回収ウランクレジットの計算例 図は 天然ウラン濃縮燃料と回収ウラン再濃縮燃料との間で燃料サイクルコストを等しくする回収ウランクレジット (Indifference value) を計算 した例 回収ウラン燃料の転換 濃縮 加工単価を 1.5 倍と仮定した場合 天然ウラン価格 50 $/lbu 3 O 8 と等価になる回収ウランクレジットは 50 $/kgru 天然ウラン価格が 100 $/lbu 3 O 8 の場合 回収ウラン燃料のフロント処理単価が 2 倍でも 回収ウランクレジット 100 $/kgru 弱を得られる BCG 報告の 30 $/kgsf(32$/kgru に相当 ) MIT 報告の 108.3 $/kgru は この計算の範囲内にある 出典 : 日本原燃 ( 第 4 回資料第 2 号 ) 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 単一燃料サイクル費 ( 円 / k W h ) 2 1.8 1.6 1.4 1.2 1 A 0 50 100 150 回収ウランクレジット ($/kgru) ウラン燃料 0$/lbU3O8 ウラン燃料 50$/lbU3O8 ウラン燃料 100$/lbU3O8 回収ウラン燃料 *1.0 回収ウラン燃料 *1.5 回収ウラン燃料 *2.0 B 58

プルトニウム 回収ウランクレジット Pu 回収 U クレジットの算入 Pu クレジット (-40 $/gpuf) および回収 U クレジット (50 $/kgru) を考慮して単一サイクルの燃料サイクルコストを試算し その影響を評価 無限リサイクル計算の場合 Puクレジットが相殺されるが 一方 MOX 燃料に係わる処理単価がExplicitに考慮されるため 両者の計算結果は殆ど同じ 従って 軽水炉の燃料費評価では 1.36 MOXの計算を省いてPuクレジット 単一 ( = 0) で扱うことも簡便で 結果は 大差無し 1 回収 U の利用は 現在の燃料サイクルコスト計算 ( 無限リサイクル ) で考慮されていないため 回収 U クレジット有無による差は明確に出現 なお 本計算では 使用済燃料の半分は中間貯蔵に行くことを考慮 出典 : 日本原燃 ( 第 4 回資料第 2 号 ) 1.5 0.5 0 1.39 1.39 無限リサイクルレファレンス 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 燃料サイクルコスト ( 円 / k W h ) 単一サイクル Pu クレジット考慮 単一サイクル回収 U クレジット考慮 1.38 単一サイクル Pu 回収 U クレジット考慮 59

参考資料 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 60

核燃料サイクルコスト計算シートの例 ( 再処理モデル ) ケース : 再処理 単価 0% 1% 3% 5% U 燃料 万円 /tu 25,900 26,200 27,100 28,200 MOX 燃料 ( 万円 /thm) 40,600 40,700 41,500 42,700 再処理等 ( 万円 /tu) 37,000 37,600 40,800 46,200 再処理への輸送 ( 万円 /tu) 1,700 1,700 1,700 1,700 高レベル廃棄物処分 ( 万円 /tu) 8,500 8,700 11,000 15,700 割引率 3% ラグタイムコスト ( 円 /kwh) 発電電力量 (kwh/t) 3.9E+08 U 燃料 7.3E-01 MOX 燃料 8 1.5E-01 再処理等 8 9.8E-01 再処理への輸送 6 4.3E-02 高レベル廃棄物処分 48 8.1E-02 計 1.98 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 61

シナリオの時間軸設定 ( 年 ) 工程 再処理モデル 直接処分モデル 現状モデル再処理中間貯蔵 *1 *2 MOX 燃料 8-25 50 *1 再処理等 8-25 50 *1 *1 SF 輸送 ( 発電所 再処理 ) 6-6 50 SF 輸送 ( 発電所 中間貯蔵 ) - 10-10 *1 SF 輸送 ( 中間貯蔵 直接処分場 ) - 58 - - *1,3 中間貯蔵 - 34-30 HLW 処分 48-65 90 *1 直接処分 - 59 - - *1 *1 *1,4 *1,4 *2 *1 *1 *1 *1 *1 *1 前回技術小委を参考に設定 *2 現在の国内サイクルの実態を反映 *3 施設へ輸送されてくる 10 年目から処分場へ輸送される 58 年目の中間点 *4 再処理後 40 年目 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 62

海外でのサイクルコスト試算例 (1) BCG 報告書 (2006 年 ) 処分場コスト 統合リサイクル施設 ( 再処理 +MOX 加工施設 ) による再処理路線 リサイクル優位 直接処分路線再処理路線項目割引前割引後項目割引前割引後中間貯蔵 150 125 統合リサイクル施設 630 525 基準ケース 直接処分優位 経済性同等 最終処分 700 320 最終処分 175 80 輸送 (SF) 70 55 輸送 (SF, HLW) 95 75 Pu, U クレジット -190-160 合計 920 500 710 520 ウラン価格 ($/kg, 割引率 3%) 出典 :Boston Consulting Group (BCG) Economic Assessment of Used Nuclear Fuel Management in the United States, 2006 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 63

海外でのサイクルコスト試算例 (2) MIT 報告書 (2011 年 ) 直接処分 1 回再処理 直接処分 再処理第 1 サイクル :U 燃料 再処理第 2 サイクル :MOX 燃料 ウラン 2.76 ウラン 2.76 劣化ウラン 0.03 Pu -4.39 第 1 第 2 サイクルサイクル 燃料製造 4.35 燃料製造 4.35 燃料製造 7.38 バックエンド 1.30 再処理 2.36 バックエンド 6.96 高レベル処分 0.4 回収 U 価値 -0.14 回収 Pu 価値 0.25 燃料費合計 8.41 燃料費合計 9.98 燃料費合計 9.98 ( ミル /kwh) 再処理シナリオでは 第 1 サイクルはウラン燃料を装荷し再処理 第 2 サイクルは MOX 燃料を装荷し直接処分 出典 :Massachusetts Institute of Technology(MIT), The Future of Nuclear Fuel Cycle, 2010 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 64

海外でのサイクルコスト試算例 (3) OECD/NEA 報告書 (2010) 核燃料サイクルに関する詳細な分析はなく 全ての評価に下記の前提を使用している フロントエンド : $7 /MWh バックエンド : $2.33 /MWh 原子力 石炭 ガス 風力の発電単価比較 ( 割引率 5%) 出典 :OECD/NEA, Projected Costs of Generating Electricity, 2010 edition 2011/11/24 核燃料サイクルコストの試算解説資料 65