土砂災害について 石川県土木部砂防課 1. 土砂災害とは 2. 全国 石川県での土砂災害 3. ハード対策について 4. ソフト対策について 平成 28 年 12 月 1 日作成
1. 土砂災害とは
土砂災害 とは 土石流 長雨や集中豪雨などによって土石混ざりの水が一気に下流へ押し出る現象 流れの速さは 20~40km/h 地すべり 斜面の土塊が地下水などの影響によりゆっくりと斜面下方へ移動する現象 土砂の移動スピードは遅い (1cm/day 程度 ) が 土砂の量は多い がけ崩れ 雨や地震などの影響によって 急激に斜面が崩れ落ちる現象 移動の速さは非常に早い 資料 : 国土交通省砂防部
2. 全国 石川県の土砂災害
H28 平成 28 年年全国の土砂災害発生状況 資料 : 国土交通省水管理 国土保全局砂防部
全国の土砂災害の発生件数 全国の土砂災害発生件数 ( 土砂災害発生件数 ) 1,441 1,422 最近 10 年 (H18~H27) 平均 1,046 件 966 695 1,058 1,128 837 941 1,184 788 死者 行方不明者数 25 0 20 22 11 85 24 53 81 2 最近 10 年 (H18~H27) 平均 32 名 国土交通省水管理 国土保全局砂防部資料より作成
熊本地震により発生した土砂災害 土砂災害発生件数 190 件 (H28 年 8 月 15 日時点 ) 土石流 57 件 地すべり 10 件 がけ崩れ 123 件 写真提供 : 国土交通省水管理 国土保全局砂防部熊本地震で発生した大規模な崩壊 ( 南阿蘇村阿蘇大橋地区 )
平成 26 年広島県広島市の土砂災害 写真 : 国土交通省水管理 国土保全局砂防部 1) 場所 : 広島県広島市安佐南区 安佐北区 2) 発災日 : 平成 26 年 8 月 20 日 ( 水 ) 3) 被災概要 人的被害死者 74 名 家屋被害全壊 133 戸 半壊 122 戸 一部損壊 175 戸 ( 広島県災害対策本部より ) 安佐南区八木地区
石川県の土砂災害 (H26 年 8 月 羽咋市鹿島路町地内 ) 流域概要図 ( 被災状況 ) 被災状況 人家 2 戸, 非住家 1 戸床下浸水 主要地方道七尾羽咋線 L=100m, 及び市道 L=100m 埋塞 耕地 A=0.24ha 冠水 土砂氾濫区域 県道埋塞状況 人家被害状況 ( 土砂氾濫 ) 人家被害状況
頻発する集中豪雨 アメダス地点で 1 時間降水量が 50mm 以上となった年間の発生回数 (1,000 地点あたりの発生回数に換算 ) 赤い直線は期間にわたる変化傾向を示す 近年の降雨の傾向 時間 50mm 以上の雨は 非常に激しい雨 時間 80mm 以上の雨は 猛烈な雨 と表現され 視界が悪く運転等に危険を生じる 出展 : 気象庁 HP 雨の強さと降り方より 1975 年から 2015 年までの 1 時間降水量 50mm 以上の年間発生回数は増加傾向が明瞭に現れている 集中豪雨の発生が増加している 資料 : 気象庁
3. ハード対策について
石川県が実施した土石流対策事例 土石流災害 地すべり災害 がけ崩れ災害 下流 砂防堰堤 土砂を捕捉し 土石流を減勢します 集水井 地すべりの原因となる地下水位を下げます 擁壁 法枠 人家の手前で土砂を食い止めます 資料提供 NPO 法人土砂災害防止広報センター
県内の土砂災害のおそれのある箇所 土砂災害特別警戒区域 土砂災害警戒区域 全国には約 65 万箇所の 土砂災害のおそれのある箇所が存在 石川県には 4,420 箇所 うち 766 箇所 だけで土砂災害の防止施設が整備済 整備率は 3 割に満たない整備に多くの時間を要する 平成 27 年度末時点 ソフト対策が重要!!
4. ソフト対策について
石川県の土砂災害対策 ( ソフト対策 ) 〇どこが危ないのか 〇いつ逃げればいいのか 〇実際に逃げられるか
土砂災害防止法による区域の設定 警戒避難体制の整備 土砂災害警戒区域の指定 ( 都道府県知事 ) ( 土砂災害のおそれがある区域 ) ( 通称 : イエローゾーン ) 警戒避難体制の整備 土砂災害から生命を守るため 災害情報の伝達や避難が早くできるように警戒避難体制の整備が図られます 市町地域防災計画への記載 土砂災害ハザードマップによる周知の徹底 など
土砂災害防止法による区域の設定 住宅地等の新規立地の抑制 土砂災害特別警戒区域の指定 ( 都道府県知事 ) ( 建築物に危害が生じ 住民に著しい危害が生じるおそれがある区域 ) ( 通称 : レッドゾーン ) 特定開発行為の制限 宅地分譲や老人ホーム 病院など要配慮者利用施設の建築を行う場合の開発行為には許可が必要です 建築物の構造制限 想定される衝撃等に対して建築物の構造が安全であるかどうか建築確認が必要です 移転勧告 著しい損壊が生じるおそれのある建築物の所有者等に対し 移転等の勧告が行えます
土砂災害ハザードマップ例 土砂災害ハザードマップ一例 各市町ホームページにて全域を確認することができます 資料提供金沢市
石川県の土砂災害対策 ( ソフト対策 ) 〇どこが危ないのか 〇いつ逃げればいいのか 〇実際に逃げられるか
20 防災情報の効果的な利用 ( 大雨の場合 ) 防災情報の効果的な利用 資料 : 気象庁 気象台が発表する気象情報 市町の対応 大雨の可能性が高くなる 大雨注意報 洪水注意報 注意呼びかけ ( 防災行政無線など ) 大雨が始まる強さが増す 大雨警報 ( 土砂災害 ) 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報 避難場所の準備 開設 必要地域に避難準備情報発令 応急対応体勢確立 大雨が一層激しくなる 被害の拡大が懸念される 土砂災害警戒情報土砂災害の危険度がさらに高まった場合に発表 避難勧告発令 避難呼びかけ 避難指示発令 広い範囲で数十年に一度の大雨 大雨特別警報 ( 浸水害 ) 大雨特別警報 ( 土砂災害 ) 重大な災害の起こるおそれが著しく大きい 資料提供気象庁
避難情報の種類 避難情報について 避難情報の種類発令の目安住民の皆さんの行動 1 避難準備情報 土砂災害による人的被害の発生する可能性が高まった状態 家族との連絡 救急持ち出し袋の準備などの避難準備を開始して下さい 自力で避難することが困難な要配慮者の方は 指定された避難施設への避難行動を開始して下さい 2 避難勧告 土砂災害警戒情報レベル 前兆現象の発見等 土砂災害による人的被害の発生する可能性が明らかに高まった状態 指定された避難施設への避難行動を開始して下さい 3 避難指示 土砂災害の発生等 きっぱくした状況で人的被害の発生する可能性が非常に高い状態 ただちに指定された避難施設へ避難して下さい 避難が困難な場合には 生命を守る行動として 2 階以上 ( 斜面と反対側の部屋 ) に避難しましょう 避難準備情報が発令されたら 1 雨量や土砂災害の起きうる前兆現象など情報収集を行う 2 避難行動に移る準備を行う
写真提供 : 国土交通省水管理 国土保全局砂防部 ( 参考 ) 早めの避難が必要だった事例防災情報の効果的な利用 ( 大雨の場合 ) 1) 場所 : 栃木県鹿沼市日吉町 ( 日吉地区 金山地区 ) 2) 発災日 : 平成 27 年 9 月 10 日 ( 木 ) 3:50 頃 3) 被災概要死者 1 名 人家全壊 1 戸 半壊 2 戸 土砂に押され家が傾斜 1 階は土砂で埋まっている
かぬまひよし 平成 27 年栃木県鹿沼市日吉町で発生したがけ崩れ 資料提供 : 国土交通省水管理 国土保全局砂防部 土砂災害警戒情報 :16 時 55 分 避難勧告 :0 時 30 分 災害発生 :3 時 50 分 ( 深夜 ) 夜中の避難は危険な場合もある 早めの避難 早めの情報収集
石川県の取り組み ~SABO アイについて ~ 土砂災害の危険な場所はどこか 大雨が降っているが 避難しないといけないのか 石川県ホームページの SABO アイ で検索 http://sabo.pref.ishikawa.jp/sabo-i/ 得られる情報 [ 事前情報 ] 土砂災害の一般的な知識 土砂災害警戒区域など [ 緊急情報 ] 降雨状況や今後の予測 土砂災害警戒情報 危険度情報など 例えば 大雨が降っている時に〇どこで〇土砂災害の危険が高まっているか 等の情報を得ることができます
緊急速報メールいち早く土砂災害警戒情報をお届け!! 土砂災害の緊急速報メールが始まりました
石川県の土砂災害対策 ( ソフト対策 ) 〇どこが危ないのか 〇いつ逃げればいいのか 〇実際に逃げられるか
土砂災害前兆現象 土石流 時間的切迫性 山鳴り 地鳴り 土石流発生 流水の異常な濁り 流木発生渓流内の転石の音 水位の急激な低下 がけ崩れ 湧水量の増加 がけ崩れ発生 小石がぱらぱら落下 小石がぼろぼろ落下 地すべり 湧水が濁り 亀裂の発生 地すべり発生 湧水量の増加 井戸水の濁り 亀裂の発生 山鳴り 地鳴り 資料提供 :NPO 法人土砂災害防止広報センター
土砂災害に対する避難方法 がけ崩れがけ崩れは一瞬のうちに起こる 早期の避難が必要 施設外へ避難するときはがけから離れるように避難すること 土石流土石流は流れてくるスピードが速い 流れてくる向きに対して直角方向に避難すること がけ崩れ 土石流施設内避難は土砂災害の危険側とは反対側の高層階に避難すること