本単元における本質的な問い 芭蕉はどのような思いで おくのほそ道 を書いたのだろうか 永続的理解 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て, 推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めようとした パフォーマンス課題 江戸時代前期, 松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文 おくのほそ道 は, 多くの人に愛され,

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中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

第○学年○組 学習指導案

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第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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作中の価値観や人生観がどのように異なっているか または同じところはどこかなどを考えさせる 枕草子 については主に季節感を捉えさせ 自分の季節感を記述し発表したり 互いに鑑賞し合ったりする学習活動としていく さらに 矛盾 では 漢文に慣れるとともに様々な故事成語について知識を深め 我が国の文化に根ざし

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

国語科学習指導案 平成 25 年 6 月 25 日 ( 火 ) 5 校時 第 3 学年 A 組 ( 男子 12 名, 女子 15 名計 27 名 ) 授業教室 3A 教室 指導者相田健太郎 (T1) 柿内香予 (T2) 1 単元の学習指導について (1) 単元名 近現代の短歌 俳句 読もう 詠もう短

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(3) 文語の決まりや音読の仕方を知り, 古文を音読して古文特有のリズムを味わいながら古典の世界に 触れ, 古典には様々な種類の作品があることを知ることができる ( 伝統的な言語文化と国語の特質 に関する事項 ) 3 本単元における言語活動 昔話とその原典である古典を読み比べ, その内容の違いや古文

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

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問い1, 問い2のどちらも誤答した児童は, しかし や ~が というような逆説の接続詞の意味を読み取ることができずその前に書かれている内容を選択している また, 問い3では, 文章の一部を読んだだけで答えを選択している児童が多かった これらのことから, 本学級の児童は, 接続詞の意味をしっかりと捉え

ICTを軸にした小中連携

4. 上記の一連の学習で目指すゴール おくのほそ道 の学習において 芭蕉の思いを想像して作成した俳句をもとに 芭蕉が旅や人生に寄せるものの見方や考え方への理解を深め 作品に込めた芭蕉の思いについて 自分の考えをもち 文章にまとめることができる 5. 生徒の既有知識 学習の予想これまでに生徒達は古典学

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

d 単元について 第 2 学年 5 組国語科学習指導案単元名 : 謎解きインタビュー記事を書こう教材文 : 走れメロス 男子 21 名女子 16 名計 37 名 指導者水田陽子 単元観本単元は, 中学校学習指導要領国語科第二学年, C 読むこと の指導事項 イ文章全体と部分との関係, 例示や描写の効

国語科学習指導案

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

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Microsoft Word - 社会科

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

作品の世界に没頭することで 新たな古典の世界への一歩を踏み出し 自分の世界を広げることに 繋がるのではないだろうか 生徒観 9 月に実施した古典学習についての事前アンケートにおいて 古典の学習は楽しいと思いますか の質問に肯定的な解答をした生徒の割合は 19% で その理由としては 昔のことが分かる

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

2 児童への事前調査 調 査 事 項 好き どちらかとどちらかというと好きいうと嫌い 嫌い Q1 国語の学習は, 好きですか Q2 説明文の学習は, 好きですか Q3 物語の学習は, 好きですか Q4 話し合う学習は, 好きですか Q

解答類型

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作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

るようにしていく 深く考える力教材文で述べられているロボットや, 図鑑や事典などで収集したロボットのそれぞれの違いやよさを比較するために, ベン図 を用いて視覚的に理解を促す また, 自分の既有のロボットについての認識と教材文を結び付けて考えさせることにより, ロボットのよさに気付かせていきたいが,

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

第 1 学年 国語科学習指導案 1 単元名 オツベルと象 を読む ~ 読みの交流を通して~ 学習指導要領との関連 C 読むこと (1) エ文章の構成や展開 表現の特徴について 自分の考えを持つこと 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ ( ア ) 音声の働きや仕組みについて関心を持ち 理解を深

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そのために, 児童が感じたおもしろさを分類し, それらを読みの視点として, 物語のおもしろさを見付けながら読むことを通して, より深く登場人物の心情を読み取ったり, 想像豊かに読んだりしながら物語のおもしろさを味わうことができるようにする さらに, 見付けた物語のおもしろさを, で紹介し合う活動を取

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

第 2 学年 1 組国語科学習指導案 指導者平方舜 1. 単元名二千五百年前からのメッセージ - 孔子の言葉 - 2. 単元について (1) 単元観本題材に用いられる 論語 は古代中国の思想家 孔子とその弟子たちの言行を記録したものである 簡潔な文章で書かれていて 抽象的なメッセージが多く それゆえ

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項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

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エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

3 人権教育の視点英語科の授業を通して 文化や習慣には多様性があることを理解させる そしてその中から 表現の仕方の違いや考え方の違いに気づかせ 互いに違いを認め合い尊重しながら共に生きようとする態度 他者 文化に興味 関心をもち 良い人間関係を築きながら生活する力を持った生徒を育成したい そこでこの

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

第 6 学年 2 組国語科学習指導案平成 29 年 2 月 1 日 ( 水 )2 校時単元名 : ぼくのわたしのプロフェッショナルとは プロフェッショナルたち 単元について 指導者渡邉圭 本単元は, 小学校学習指導要領国語科第 5 学年及び第 6 学年 C 読むこと の指導事項 オ本や文章を読んで考

第1学年国語科学習指導案

書いたものを発表し合い 表現の仕方に着目して助言し合うこと 本単元では 経験したことや想像したことを基に俳句をつくり 互いに読み合う言語活動を行う 身近な情景や生活の中での出来事を捉え 俳句の特徴を生かした創作を行うことによって 言葉の調子やリズムに親しみ 凝縮した表現で捉える面白さや楽しさを味わわ

3 指導観本単元では C 読むこと ウ場面の移り変わりに注意しながら 登場人物の性格や気持ちの変化 情景など について 叙述を基に想像して読むこと の力を身につけさせることをねらいとしているそこで本単元では まず 3 年生の国語の教材 モチモチの木 で物語文の読み取り方を想起させる本学級は情景描写か

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3 僕が蝶を一つ一つつぶしたのは償いのためであとすこれらは 生徒の感想や疑問をもとに教師が設定した人物像 行動 結末の意図に焦点を当てて3つに絞ったそれぞれを賛成 反対 2つの視点から読み進めていくには 討論会の形式で提示すことが有効であ討論会の班編成は まず課題に対して自分が肯定か否定かを考えさせ

さらに自ら調べようと意欲を高めるだろう 2 児童観児童は 文字を50 音すべて学習し 少しずつ読める字や書ける字が増えてきた これまでに音読をしたり 想像したことを話したりしながら ある程度のまとまった文章がよめるようになってきている 5 月の教材 とんこととん では 登場人物のしたことを中心に想像

2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

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第4学年算数科学習指導案

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平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

第○学年 ○○科指導計画

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

第 2 学年 3 組国語科学習指導案 単元名 : いろいろなどうぶつのすづくりすごろく を作ろう ビーバーの大工事 単元について 指導者呉市立横路小学校西宮和子 本単元は, 小学校学習指導要領の C 読むこと ( 第 1 学年及び第 2 学年 )(1) イ 時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内

7 児童の実態 書くこと に関わる活動では これまでに 読書生活について考えよう の単元において アンケートを作成して自分が知りたい情報を集め それを整理して表やグラフにして表すとともに 自分の考えや感想を交えて報告書の形に表す活動を行った また 新聞を作ろう の単元では 社会科の学習と関連して ご

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

平成29年度 中学校国語科教育

の一部のみであるしたがって教科書の本文だけから小説 こころ の全体像を浮かび上がらせることは難しいしかし 掲載された部分だけでも 先生 と という二人の青年の揺れ動く こころ を描き 生徒たちを作品の中に引き込む力は群を抜いたものであると考える高校 3 年生である生徒たちは 心の葛藤というものを多く

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

第○学年 ○○科指導計画

単元の学習を進めるに当たっては, 下記の5つの言語意識を明確にする 相手意識 学級の友達や家の人に 目的意識 動物の赤ちゃんの特徴を分かってもらうために 場面 状況意識 どうぶつの赤ちゃんずかん を作る 方法意識 どうぶつの赤ちゃん で読み取ったことをもとに, カードを作る 評価意識 動物の赤ちゃん

Taro-第3学年国語科学習指導案「

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

児童は, これらの 読みの観点 を使いながら, 物語のしくみや中心人物の心情の変化を捉える経験を積んできている しかし, 作品の価値や作者の思いに気付いたりすることは十分ではない (2) 教材観本単元で取り扱う教材は, 作者である小林豊氏がアフガニスタンを訪問した際の経験を基に書いた三部作の中から教

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表 2 家庭にミシンがあり, 家族 ( 自分を含む ) が使用している 37% 家庭にミシンはあるが, ほとんど使用していない 26% 家庭にミシンがない 37% 指導観 1 年生にとって, 中学校に入学して初めての被服製作題材である 小学校の家庭科でも布を用いた製作を行ってきているが, 授業後,

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社会科学習指導案

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

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第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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論理的な読解力を伸ばす授業 - 漢文学習における根拠を明確にした読解 - 1 科目名 国語総合 2 単元名 漢文入門 3 教材名 故事成語 ( 本時の振り返りシート ) 4 単元の内容 単元の目標と評価規準 評価方法 1 単元の目標ア文章の内容や形態に応じた表現の特色に注意して読もうとする ( 関心

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

Transcription:

中学校第 3 学年国語科学習指導案単元名 : おくのほそ道 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領国語 3 年 読むこと C(1) エ 文章を読んで人間, 社会, 自然などについて考え, 自分の意見をもつこと 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 ア ( ア ) 歴史的背景などに注意して古典を読み, その世界に親しむこと を受けて設定したものである おくのほそ道 は, 松尾芭蕉が江戸時代に著した紀行文で, 日本の紀行文学の中でも最も優れた作品の一つとしてよく知られている 構成や表現の特色として, 文章と句が効果的に組み合わされていることが挙げられる 地の文があることで, 芭蕉の思いや考え方を読み取ることができ, 句の情景が具体的にイメージしやすくなっている また, 日程や事情に虚構を交えていることも大きな特色であり, 芭蕉が おくのほそ道 を単なる旅行記ではなく, 格調高い文学作品に仕上げようとしたのではないかと言われている 本単元で取り上げられている冒頭部と平泉の場面もこれらの特色が表れており, 芭蕉の旅への思いやどのような思いで おくのほそ道 を書いたのかを深く考えることができる 学習を通して古典を表面的ではなくじっくりと読み深めることで, 古典に対する親しみを高めることが期待できる単元である (2) 生徒観本学年の生徒はこれまでに,1 年生では 竹取物語,2 年生では 平家物語 の学習を通し, 古典の文章に出会い, 音読や朗読を中心に古文に親しんできた また, 古人の生き方やものの見方を読み取り, 古文に対する興味 関心を高めてきた しかし, 古典に対する苦手意識をもっている生徒も多い 10 月に行ったアンケートでは, 古典の学習は好きだ という問いに対する肯定的回答は 49% であった 否定的回答の理由としては, 言葉が難しく, 意味が分かりにくい なぜ古典を学習しなければいけないのか分からない などが挙げられた この結果から, 古典の文章を読んでだいたいの内容を理解することはできても, 文章に表れているものの見方や考え方について自分の考えをもつことで, 古典を読み味わうことが難しいと考えられる (3) 指導観この単元では, 目的をもって主体的に古典を読み深めていくために おくのほそ道の魅力を説明する というパフォーマンス課題を設定した より深い読みを促すために, 文章を読む前に歴史的背景や作者の人物像や人生観などについて調べ学習を行う 冒頭部では, 芭蕉の旅への思いを理解させるために, 原文の随所に描かれた芭蕉の旅への思いをとらえさせる この際, なぜ死を覚悟してまで旅に出たのか 考えさせることで芭蕉の人生観や, 俳句の芸術性を高めたい強い思いを掴ませたい 平泉の場面では, 涙を流す芭蕉の思いを考えさせることで, 単に風景を見て詠む俳句だけでなく, 史実をもとに知識も入れた文学性の高い俳句を作ったことに気付かせる また, 五月雨の の句については, 芭蕉と同行した曽良の旅行記 曽良旅日記 と読み比べることで, おくのほそ道 の虚構に気付かせ, 文学的な完成度を高めようとした芭蕉の思いに迫りたい 単元の目標 歴史的背景などに注意して古典を読み, その世界に親しむことができる 国語への関心 意欲 態度 文章を読んで人間, 社会, 自然などについて考え, 自分の考えを深めることができる 読むこと 歴史的背景などに注意して古典を読み, その世界に親しむことができる 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項

本単元における本質的な問い 芭蕉はどのような思いで おくのほそ道 を書いたのだろうか 永続的理解 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て, 推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めようとした パフォーマンス課題 江戸時代前期, 松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文 おくのほそ道 は, 多くの人に愛され, その後俳諧は一大ブームとなりました なぜ おくのほそ道 は多くの人に愛され, 今も読み継がれているのでしょうか この作品の素晴らしさについて, 旅に対する芭蕉の思いを踏まえて説明しましょう B 評価の基準 芭蕉の旅への思い, ものの見方考え方や, 虚構を交えて おくのほそ道 の文学的価値を高めようとしたことについて, 句と地の文から読み取れることや歴史的背景を踏まえて説明している 単元 ( 題材 ) の評価規準 ア国語への関心 意欲 態度 1 おくのほそ道 を, 様々な見方で読み味わって自分の意見をもとうとしている イ読む能力 1 文章に表れた松尾芭蕉のものの見方や考え方について, 歴史的背景を踏まえたり, 知識や経験と関連付けたりして, 自分の考えをもっている ウ言語についての知識 理解 技能 1 歴史的背景などに注意して おくのほそ道 を読み, その世界に親しんでいる 本校で育成しようとする資質 能力とのかかわり 主体性 物事を自分の事として捉え, 積極的に関わろうとする パフォーマンス課題を自分の課題として捉え, その解決に向けて積極的に関わろうとしている 共感力 使命感 互いの意見を尊重しながら, 同じ目標に向かって物事を進める 互いの意見を尊重しながら課題解決に向けて班の話し合いを建設的に進めている 指導と評価の計画 ( 全 7 時間本時 3/7) 次学習内容 関読知 評評価規準 ( 評価方法 ) 価 関連する資質 能力 課題の設定 情報の収集 1 パフォーマンス課題を知り, 学習の見通しをもつ おくのほそ道 や松尾芭蕉について, 疑問に思うことを調べてまとめる (2) ア -1 おくのほそ道 や松尾芭蕉について, 積極的に調べ学習に取り組んでいる ( 行動観察 ワークシート ) 主体性

情報の収集 (2) 冒頭部を通読し, 現代語訳を中心に内容をつかむ (1) ア -1 作品に関心をもち, 作品の表現の特徴に注意して積極的に音読しようとしている ( 行動観察 ) 芭蕉がどのような思いでおくのほそ道への旅に出たのか考える (1)( 本時 ) イ -1 旅立ちにあたっての芭蕉の思いについて, 叙述を根拠に自分の考えをまとめている ( ワークシート ) 思考力 判断力 表現力 共感力 使命感 情報の収集 (3) 2 平泉 の場面を通読し, 現代語訳を中心に内容をつかむ (1) 平泉 の部分を読み, 芭蕉が平泉で感じた思いを理解する (1) ウ -1 歴史的背景などに注意して おくのほそ道 を読み, その世界に親しんでいる ( 行動観察 ) イ -1 歴史的背景を踏まえ, 夏草や 五月雨の の句に込められた思いをまとめている ( ワークシート ) 思考力 判断力 表現力 共感力 使命感 芭蕉が おくのほそ道 に虚構部分を作った理由を考える (1) イ -1 曽良旅日記 と読み比べ, 芭蕉がなぜ虚構の部分を作ったのか自分の考えをまとめている ( ワークシート ) 思考力 判断力 表現力 まとめ 創造 表現 振り返り 3 パフォーマンス課題に取り組み, おくのほそ道 の魅力について, 自分の考えをまとめる (1) イ -1 これまでの学習をもとに, おくのほそ道 の魅力について, 自分の意見をまとめている ( ワークシート ) 主体性 本時の学習 (1) 本時の目標 おくのほそ道 の冒頭部を読み, 叙述を根拠に芭蕉の旅への思いをとらえることができる (2) 評価規準 読む能力 旅立ちにあたっての芭蕉の思いについて, 叙述を根拠に自分の考えをまとめている (3) 関連する資質 能力 主体性 共感力 使命感

(4) 本時の学習展開 学習活動 1 前時の振り返り (2 分 ) 2 単元全体における本時の位置付けの確認 (2 分 ) 指導上の留意事項 () ( 特別な支援を必要とする生徒 努力を要する状況 と判断した生徒への指導の手立て ) ( ICTを活用した指導の工夫) 芭蕉の 人生は旅そのものである という人生観を確認する 評価規準 観点 ( 評価方法 ) 関連する資質 能力 3 課題の設定とめあての確認 (3 分 ) 課題 : 芭蕉はどのような思いで旅に出たのだろうか 4 芭蕉が旅に出発するときの思いを考える (13 分 ) < 予想される生徒の反応 > めあて : 芭蕉が旅に出発する時の思いをとらえよう 本文を根拠に考えさせる 現代語訳を参考に, 芭蕉の思いが分かる箇所に線を引かせる 旅 は芭蕉にとって人生そのものである 古人も多く旅に死せるあり とあるので, 古人に憧れ同じように生きたいという思い そぞろ神のものにつきて心を狂わせ から, 何も手につかなくなるくらいとにかく旅に出たかった 住める方は人に譲り とあるので, 一生を旅にささげる覚悟だった 5 当時の旅事情を踏まえ, 芭蕉の旅に対する覚悟を確認する (3 分 ) 交通手段 旅の期間や移動距離 芭蕉の年齢と当時の平均寿命 自分が旅行に出るときと比較させて, 芭蕉の強い覚悟に気付かせる 6 資料も活用しながら, 芭蕉の旅に対する思いを捉える (22 分 ) 個人 グループ 全体 < 予想される生徒の反応 > 古人 や旅の目的地に関する資料を提示し, 考える手がかりにする 現代の 旅 のイメージや目的と比較しながら芭蕉の思いを考えさせる 松島の月まづ心にかかりて とあり, 歌枕の地を多く訪れている 観光というよりも, 実際に目で見てその感動を句にしたかったのではないか 自分たちの旅の目的は観光であることが多いが, 芭蕉は 住める方は人を譲り とあり, 死を覚悟する強い思いで旅に出ている 古人 とは, 杜甫や李白のことを指しており, これらの古人のように文学を確立させたいという思いがあった 旅立ちにあたっての芭蕉の思いについて, 叙述を根拠に自分の考えをまとめている ( 観察 ワークシート ) 思考力 判断力 表現力 共感力 使命感

7 本時の振り返り (5 分 ) 本時の学習をもとに, 芭蕉の旅への思いや旅の目的について, 自分の言葉でまとめて振り返りをさせる 命をかけてまで旅をする芭蕉の思いに共感できるか考えさせる 芭蕉は旅は人生そのものであると考えていた 詩歌の道の先人のように旅に生きようと強い覚悟で旅に出た 旅の中で歌枕の地を多く訪れて俳句を詠んでいる 実際に見聞したことをもとに, よりよい俳句を作りたいという思いで芭蕉は おくのほそ道 への旅に出たのだろう 太線囲みは言語活動