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はじめに パーソナルスペースとは 個人の身体を取り巻く目に見えない空間領域 携帯用の縄張り パーソナルスペースの役割 コミュニケーション相手と適切な距離を取ることによって, やり取りを円滑に行う パーソナルスペースが保証されている間は快適であり, 逆にこの空間に他者が侵入すると不快になる 1 出典 : 渋谷昌三 : 人と人との最適距離, 日本放送出版協会 pp.11-40,(1990)

現実空間のパーソナルスペース 接近実験 ( 実験参加者が接近 ) 被接近実験 ( 他人が接近 ) 内向性の人より外向性の人の方がパーソナルスペースが短い 2 出典 : 田中政子 : Personal Space の異方的構造について, 教育心理学研究,pp.223-232,(1973)

メタバースとは インターネット上の 3D 仮想空間 アバタ ( ユーザの分身 ) を用いたコミュニケーションを行う セカンドライフや PLAYSTATION Home など 3 出典 : Ad Innovator PS3 用の Second Life,PlayStation Home <http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2007/03/ps3second_lifep.html>

先行研究 (1) 分析方法 接近者 ( アバタ ) との親密度 ( 既知 未知 ) や性別の違いによるパーソナルスペースの比較 社交的な人 と 非社交的な人 のパーソナルスペースの比較 実験参加者 ( アバタ ) 接近者 ( アバタ ) 実験システム ( メタバース ) 4 出典 : 佐々木理, 和田幸司, 神田智子 : メタバースアバタの属性がパーソナルスペースの形状に及ぼす効果分析,HAI シンポジウム 2011

先行研究 (2) 男性参加者 接近者 ( アバタ ) との親密度 ( 既知 未知 ) によってパーソナルスペースを変化させる 接近者 ( アバタ ) が未知の場合, 自身のパーソナリティ ( 社交的 非社交的 ) によってパーソナルスペースを変化させる 女性参加者 自身のパーソナリティ ( 社交的 非社交的 ) より接近者 ( アバタ ) との親密度や性別によってパーソナルスペースを変化させる 実験参加者はメタバースにおいて 実体がないにも関わらず, 身体性を持ち続けていることが示唆された 5 出典 : 佐々木理, 和田幸司, 神田智子 : メタバースアバタの属性がパーソナルスペースの形状に及ぼす効果分析,HAI シンポジウム 2011

目的と仮説 目的 メタバースでのアバタには実体がないにも関わらず, 現実空間同様に身体性を持ち続けていることを示すことで, メタバースでも身体性を考慮したインタフェースやインタラクションが重要であることを示す 仮説 現実空間同様にメタバースでも外向的性格の人は内向的性格の人よりパーソナルスペースの距離が短い 6

主要 5 因子性格検査 (BigFive) 以下の 5 つの尺度で性格を表す 1 外向性 :( 例 ) 話し好き 2 情緒不安定性 :( 例 ) 心配性 悩みがち 3 開放性 :( 例 ) 独創的な 臨機応変な 4 誠実性 :( 例 ) 勤勉な 5 調和性 :( 例 ) 温和な 60 項目 ( 各尺度 12 項目 ) 7 段階評価 7: 非常にあてはまる から 1: 全くあてはまらない 7 出典 : 和田さゆり : 性格特性用語を用いた BigFive 尺度の作成, 心理学研究, 67, 61-67,(1996)

性格の分類基準 男性 平均点 [1] 51.74 点 ( 最大 84 点 ) 基準 平均点上下 10% 外向性 :57 点以上 内向性 :47 点以下 女性 56.4 点 ( 最大 84 点 ) 平均点 外向性 :57 点以上 内向性 :56 点以下 実験参加者 男子大学生 12 名 ( 外向性 6 名, 内向性 6 名 ) 女子大学生 11 名 ( 外向性 5 名, 内向性 6 名 ) 8 [1] 齊藤祟子 中村知靖 遠藤利 横山まどか (2001) 性格特性用語を用いた BigFive 尺度の標準化, 九州大学心理学研究 2, 135-144, 2001-03-31

実験条件 実験参加者に対する接近者の性別と実験参加者の性格の 2 2 条件 同性 外向 同性 内向 異性 外向 異性 内向 接近者 初対面 同年代 性別 ( 同性, 異性 ) 性格 ( 外向, 内向 ) 9

実験環境 ( 現実空間 ) 人 中央 : 実験参加者 ( 人 ) 側 : 接近者 ( 人 ) 3m 45 実験参加者 ( 人 ) を中心に 8 方向に線を引き, その線に沿ってそれぞれ 8 方向から接近者 ( 人 ) が接近 接近を行う方向間の順序はランダムとする 実験参加者 ( 人 ) 接近者 ( 人 ) 10

実験環境 ( メタバース ) アバタ 教示条件 操作説明 中央 : 実験参加者の分身となるアバタ 側 : 実験参加者が操作する接近者のアバタ 実験参加者 ( アバタ ) 接近者 ( アバタ ) 実験参加者 ( アバタ ) を中心にそれぞれ 8 方向から接近者 ( アバタ ) が接近 接近を行う方向間の順序はランダムとする キー操作を用いて接近者 ( アバタ ) を移動 11

実験手順 (1) 現実空間でのパーソナルスペースを計測 1 同性または異性のいずれかの条件を教示 (8 方向 ) 21で行っていない条件を教示 (8 方向 ) (2) メタバースでのパーソナルスペースを計測 1 同性または異性のいずれかの条件を教示 (8 方向 ) 21で行っていない条件を教示 (8 方向 ) Stop-Distance 法 実験参加者に対して他者が近づき, これ以上近づいて欲しくない という時点でストップをかけ, その時の対人距離を測定する方法 なお, 順序効果を考慮し,(1) と (2) の順序, 同性異性の順序はそれぞれ 50% の確率で実験を行った. 12

分析方法 仮説の検証 外向的性格の実験参加者と内向的性格の実験参加者とのパーソナルスペースの比較 接近者の性別によって変化するパーソナルスペースの分析 接近者が実験参加者の性別に対して同性の場合と異性の場合のパーソナルスペースの比較 13

男性参加者の性格によって変化するパーソナルスペース ( 現実空間 ) 対同性 対異性 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 外向的性格の男性参加者 :6 名内向的性格の男性参加者 :6 名 同性内向 同性外向 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 外向的性格の男性参加者 :6 名内向的性格の男性参加者 :6 名 異性内向 異性外向 方,, 同性外向 < 同性内向 14 (p 1 p 5) 方, 外向的性格 < 内向的性格 方, 異性外向 < 異性内向

男性参加者の性格によって変化するパーソナルスペース ( メタバース ) 対同性 対異性 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 外向的性格の男性参加者 :6 名内向的性格の男性参加者 :6 名 同性内向 同性外向 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 外向的性格の男性参加者 :6 名内向的性格の男性参加者 :6 名 異性内向 異性外向 全方向同性外向 < 同性内向 15 (p 1 p 5) 全方向異性外向 < 異性内向 外向的性格 < 内向的性格

女性参加者の性格によって変化するパーソナルスペース ( 現実空間 ) 対同性 対異性 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 外向的性格の女性参加者 :5 名内向的性格の女性参加者 :6 名 同性内向 同性外向 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 外向的性格の女性参加者 :5 名内向的性格の女性参加者 :6 名 異性内向 異性外向 16 全方向有意差なし (p 1 p 5) からにかけて異性内向 < 異性外向 自身の性格によってパーソナルスペースを変化させない

女性参加者の性格によって変化するパーソナルスペース ( メタバース ) 対同性 対異性 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 外向的性格の女性参加者 :5 名内向的性格の女性参加者 :6 名 同性内向 同性外向 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 外向的性格の女性参加者 :5 名内向的性格の女性参加者 :6 名 異性内向 異性外向 (p 1 p 5) 横から斜めにかけて, 同性内向 < 同性外向異性内向 < 異性外向自身の性格によって 17 パーソナルスペースを変化させない

考察 ~ 仮説の検証 ~ 男性参加者 現実空間 ( 方, ) 外向的性格の人 < 内向的性格の人 メタバース (8 方向 ) 外向的性格の人 < 内向的性格の人 仮説 現実空間同様にメタバースでも外向的性格の人は内向的性格の人よりパーソナルスペースの距離が短い は支持された 女性参加者 現実空間 自身の性格によってパーソナルスペースを変化させない メタバース 自身の性格によってパーソナルスペースを変化させない 仮説 現実空間同様にメタバースでも外向的性格の人は内向的性格の人よりパーソナルスペースの距離が短い は支持されなかった 18

男性参加者 : 接近者の性別によって変化するパーソナルスペース ( 現実空間 ) 外向的性格 内向的性格 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 外向的性格の男性参加者 :6 名 外向同性 外向異性 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 内向的性格の男性参加者 :6 名 内向同性 内向異性 (p 1 p 5), 全方向外向同性 < 外向異性有意差なし接近者 ( 人 ) の性別によってパーソナルスペースを変化させない 19

男性参加者 : 接近者の性別によって変化するパーソナルスペース ( メタバース ) 外向的性格 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 外向的性格の男性参加者 :5 名 外向同性 外向異性 内向的性格 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 内向的性格の男性参加者 :6 名 内向同性 内向異性 20 (p 1 p 5) 全方向, 有意差なし内向同性 < 内向異性接近者 ( アバタ ) の性別によってパーソナルスペースを変化させない

女性参加者 : 接近者の性別によって変化するパーソナルスペース ( 現実空間 ) 外向的性格 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 外向的性格の女性参加者 :5 名 外向同性 外向異性 内向的性格 [m] 1.5 1.2 0.9 0.6 0.3 内向的性格の女性参加者 :6 名 内向同性 内向異性 全方向外向同性 < 外向異性 21 (p 1 p 5) 全方向内向同性 < 内向異性同性 < 異性

女性参加者 : 接近者の性別によって変化するパーソナルスペース ( メタバース ) 外向的性格 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 外向的性格の女性参加者 :5 名 外向同性 外向異性 内向的性格 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 内向的性格の女性参加者 :6 名 内向同性 内向異性 全方向外向同性 < 外向異性 22 (p 1 p 5) 同性 < 異性 全方向内向同性 < 内向異性

考察 ~ 接近者の性別によって変化するパーソナルスペース ~ 男性参加者 現実空間 接近者 ( 人 ) の性別によってパーソナルスペースを変化させない メタバース 接近者 ( アバタ ) の性別によってパーソナルスペースを変化させない 男性参加者は現実空間, メタバースのどちらの空間においても接近者の性別によってパーソナルスペースを変化させない 女性参加者 現実空間 (8 方向 ) 同性 < 異性 メタバース (8 方向 ) 同性 < 異性 女性参加者は現実空間, メタバースのどちらの空間においても接近者の性別によってパーソナルスペースを変化させる 23

有意差が見られなかった方向について 現実空間 実験参加者 ( 人 ) がを振り向くことが出来なかった から接近してくる接近者 ( 人 ) との距離感がつかめなかった メタバース 1 人称視点 俯瞰目線の為, 全体を見ることが出来た から接近してくる接近者 ( アバタ ) との距離感がつかめた 俯瞰目線 視点を統一する必要がある 24

まとめ 男性参加者 相手の性別よりも自身の性格によってパーソナルスペースを変化させる 縄張り意識 警戒心が強い 女性参加者 自身の性格よりも相手の性別によってパーソナルスペースを変化させる 女性同士の接触行動が多い 実験参加者は現実空間と同様に, メタバースにおいて実体がないにも関わらず, 身体性を持ち続けていることが示唆された 25

今の展望 1 人称視点のメタバースでの被接近実験 異文化の人やアバタとのパーソナルスペースの形状比較 アバタを用いたメタバースでのコミュニケーションを円滑に行うための足掛かりとなることを期待している 26

関連発表 村田誠弥, 森原海里, 神田智子. 個人の性格によって変化するパーソナルスペースの形状比較. HAI シンポジウム 2011,2011/12. 27