目 次 1. はじめに 1 2. 現状と課題 1 備蓄に係る都民の意識等 備蓄品の管理の状況 3. 自助による備蓄の必要性 3 (1) 大規模地震の発生により東京で想定される事態 3 被災後の生活拠点 ライフラインの被害 負傷者の発生と救出救助 物資供給の停滞 (2) 自助による備蓄の必要性 5 想

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家庭での災害用食品備蓄に活用ください

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平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

今やろう防災アクション_備蓄

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H25 港南区区民意識調査

平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

首都圏で大地震が起きると 建物 が 倒 れ ま す! 揺れで建物が倒れます 窓ガラスが割れ 道路に飛び散ります 火災があちこちで起きます 特に木造の建物が集まっている 火災 が 起 き ま す! 地域では 大規模な火災が起きる場合があります 道路 が 通れ な く な り ま す! 建物が倒れて道路

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4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

台谷町内会 自主防災組織 防災マニュアル

4 回答者属性 (1) 性別 人数割合 (%) 男性 女性 49.4% 0.4% 男性 5 女性 % 2 0.4% (2) 年代別 人数割合 (%) 20 代 % 30 代 % 40 代 % 50 代 % 60~6

【東日本大震災発生から7年】「災害への備えに関する調査」結果 ~あなたのご家庭の備えを点検しませんか~_損保ジャパン日本興亜

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職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

() 港南区の防災 箇条 港南区の防災 箇条は平成 年に定められましたが 初めて言葉を聞いた が% と最も多く 認知度は低くなっています 内容を知っており 箇条をもとに災害時の備えを実施している は% にとどまっています [ 性年代別防災五箇条認知度 ] 高齢者の方が認知度が高くなる傾向にあり 男女

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目次 1. はじめに 2. 基本的な考え (1) 家庭内備蓄 (2) 企業内備蓄 (3) 流通在庫備蓄 3. 行政備蓄の果たす役割 4. 行政備蓄の対象人口の想定 5. 行政備蓄品目および目標数 (1) 食料等 (2) 生活必需品等 (3) 資機材 6. 行政備蓄品の保管について 7. 資料編年次整

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

【ペット&ファミリー】ペットオーナーの防災対策意識調査

本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめています

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

平成 30 年度第 9 回ネット モニターアンケート防災意識及び大規模地震発生時の行動について アンケートの趣旨名古屋市は 今後発生が危惧されている南海トラフ巨大地震などの大災害に備え 平成 27 年度 新たに防災危機管理局を設立し 市全体の防災対策を総合的かつ計画的に推進していくとともに 地域防災

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2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

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奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

排尿トラブルに関する調査 結果報告書

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資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

の課題フェイズごとの食に関する問題 大規模な水害や地震が起きると ライフラインが寸断されたり家屋が倒壊 損傷したりして自宅で食事を摂ることができなくなります しばらくすると支援物資が運ばれてきますが 道路の寸断により時間がかかり食料が手に入りにくい状況も想定されます また 避難所や野外へ避難する人が

- 目次 - 第 1 章総則 1 第 1 節計画策定の趣旨 1 第 2 節計画策定に当たっての考え方 1 第 3 節自助 共助 公助の基本的な役割 1 第 2 章自助 共助による備蓄 2 第 1 節県 2 第 2 節自主防災組織 4 第 3 節事業所 5 第 3 章公助による備蓄 調達 6 第 1

1 地震等の大規模な災害や 新型インフルエンザ等の新型感染症の発生時には 食料供給の減少が予想されるほか 保存性の高い食料品を中心に食料品の需要が一時的に集中し 一部の食料品が品薄状態や売り切れ状態になるおそれがあります 平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災では 物流の混乱等により 満足に食

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各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

自主防災組織をつくろう

ウ食事で摂る食材の種類別頻度野菜 きのこ 海藻 牛乳 乳製品 果物を摂る回数が大きく異なる 例えば 野菜を一週間に 14 回以上 (1 日に2 回以上 ) 摂る人の割合が 20 代で 32% 30 代で 31% 40 代で 38% であるのに対して 65 歳以上 75 歳未満では 60% 75 歳以

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10月2日 シンポジウム 「要配慮者の被災と災害食」

Q. 断層帯の発生確率をおしえてください A. 地震調査委員会が発表した 立川断層帯の長期評価について ( 平成 15 年 8 月 7 日 ) によりますと 下記のような発生確率がでています 今後 30 年以内の地震発生確率 : 0.5%~2%( 1, 2) 今後 50 年以内の地震発生確率 : 0

(3) 事前対策リスト ( 自助 ) 家の中の安全 避難救護 水や食料 避難生活用品 家具が転倒しないように固定する 耐震診断 耐震補強をする 寝室には家具を置かないか 寝床に向かって転倒しないようにする 玄関などの出入り口までは物を置かずに避難できるようにする ベランダの避難用の隔壁 避難ハッチ周

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(3) 事前対策リスト ( 自助 ) 家の中の安全 避難救護 水や食料 避難生活用品 家具が転倒しないように固定する 耐震診断 耐震補強をする 寝室には家具を置かないか 寝床に向かって転倒しないようにする 玄関などの出入り口までは物を置かずに避難できるようにする ベランダの避難用の隔壁 避難ハッチ周

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平成 29 年度 消費者の意識に関する調査 結果報告書 食品ロス削減の周知及び実践状況に関する調査 平成 30 年 3 月 消費者庁消費者政策課

計画の今後の方向性

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1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

H27年度3月

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

調査結果サマリー 1. 災害時に はぐれた場合でも6 割以上が 優先して探し 避難所への移動時も9 割以上の方が 行動を共にする と回答 ( 次頁設問 1 2 3) 災害に見舞われた時 ペットの対処について尋ねたところ はぐれた場合でも 優先して探す と答えた方が62.9% また指定避難所への移動を

南海トラフ地震発生時の不安 南海トラフ地震が発生した場合 不安や危険に思うことは何ですか?( は 3 つまで ) 66.7% の人が 自宅の倒壊や損壊 49.2% の人が 家族等の安否やその確認手段 と答えています 自宅の

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未曾有の被害をもたらした東日本大震災は 安全 安心な生活と それを守るための平素からの防災 減災への取り組みや投資の大切さを あらためて認識する機会となりました 東日本大震災から間もなく2 年が経とうとしています そこで 経済広報センターは 全国の様々な職種 世代により構成されている当センターの 社

Ⅱ. 調査データ 第一章非常時の水確保に関する調査結果 対象者既婚女性 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 全体 ,000 調査地域 北海道 東北地方関東地方中部地方近畿地方中国地方四国地方九州地方 全体

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

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★★★備蓄計画★★★

38 災害緊急時における聴覚障害者の情報伝達保障支援の状況分析 表2 生の協力のおかげで遂行することができた 避難訓練の年間実施回数 回 回 2回 3回 4回 5回以上 4 6 35 9 図 避難所担当者との連携 図2 避難訓練の年間実施回数 Ⅳ 調査研究の経過および結果 なかでも年2 3回実施して

地震や防災に関する情報の取得源はテレビが最も多い 地震や防災に関する知識をどこで得ているかをたずねたところ テレビ と回答をする方が 66.6% と多数を占め の イ ンターネット (45.3%) 新聞 (30.7%) といった回答を大きく引き離した結果となりました テレビは昨年 一昨年に続き最も多

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地震と地震保険に関するアンケート調査結果について

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第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

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第2章 調査結果の概要 3 食生活

(3) 事前対策リスト ( 自助 ) 家の中の安全 避難救護 水や食料 避難生活用品 家具が転倒しないように固定する 耐震診断 耐震補強をする 寝室には家具を置かないか 寝床に向かって転倒しないようにする 玄関などの出入り口までは物を置かずに避難できるようにする ベランダの避難用の隔壁 避難ハッチ周

1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

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備蓄品リストの一例 ( その 1) 区分 品目 災害対策本部用 帰宅困難者用 徒歩帰宅者用 毛布 ( 防災用毛布 ) 全社員の 80%~90% 用途 備考 宿泊 生活 非常用食料 飲料水 寝袋 本部要員用 キャンピングマット 全社員の 80% 簡易トイレ トイレットペーパー 必要量 非常持ち出し袋

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

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大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

5 防災の日を知っている方は約 8 割 防災の日については知っている 聞いたことがあると答えた方が 8 割以上を占めました 9 月 1 日が防災の日 であることまでご存知の方は全体のうち 57.5% でした (Q10 参照 ) アンケート概要 アンケートタイトル地震防災に関するアンケート リサーチ実

小郡市災害時備蓄計画 目次 Ⅰ. 総則 1 1. 本計画の位置付け 2. 基本的な考え方 3. 行政備蓄の対象人口 Ⅱ. 備蓄品目 3 1. 食料 2. 生活必需品 3. 避難所資機材 4. 水防に関する防災資機材 Ⅲ. 備蓄目標 4 1. 食料 2. 生活必需品 3. 避難所資機材 4. 水防に関

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

HACCP 導入率 ( 参考 ) 平成 27 年度 29% ( コーデックス原則のみ ) 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 30% 40% 50% 60% 80% 推進に当たっては 以下を 中間アウトカム目標 として取り組んでいく 1 平成 31 年度までに業界団体による手

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都民の備蓄及び管理 消費の 促進について報告書 平成 27 年 2 月 備蓄消費に係る検討会

目 次 1. はじめに 1 2. 現状と課題 1 備蓄に係る都民の意識等 備蓄品の管理の状況 3. 自助による備蓄の必要性 3 (1) 大規模地震の発生により東京で想定される事態 3 被災後の生活拠点 ライフラインの被害 負傷者の発生と救出救助 物資供給の停滞 (2) 自助による備蓄の必要性 5 想定される事態を踏まえた自助による対応の必要性 自宅で生活する場合に備えた備蓄確保の促進 4. 都民の備蓄及び管理 消費の促進に向けて 6 (1) 備蓄の考え方 6 備蓄の考え方 災害に備えて備蓄が必要なもの (2) 最小限備えておくべきもの 7 特に示す必要があるもの 最小限備えておくべきもの 最小限備えておくべきものを提示するにあたっての留意事項 (3) 備蓄及び管理 消費の実践を促す取組 ( 普及啓発 ) 9 5. おわりに 10 検討経過 11

1. はじめに 過去の大規模な地震災害では 道路等の断絶 生産拠点の被災 燃料不足等により物資の供給が困難な状況に陥ったことから 首都直下地震等の大規模災害に見舞われた場合には 都内において物資供給が減少したり 品薄となったりすることが懸念される 東京都では 東京都地域防災計画震災編において 3 日分 ( 島しょにおいては 1 週間分 ) の食料品 生活必需品等を確保することとしており 公助としての取組を進めているところである 一方で 自助の取組として 各家庭においても 発災後の生活を支えるため 食料品や生活必需品の備えが欠かせない いつ起こるか分からない首都直下地震等に備え 都内のすべての家庭で備蓄がなされるよう そして その取組が継続的なものとなるよう促進していく必要がある そこで こうした取組を東京都が進めるにあたっての方向性について 都民の備蓄及び管理 消費の考え方 としてとりまとめるものである 2. 現状と課題備蓄のあり方を検討するにあたって 備蓄をとりまく都民の意識等の状況は以下のとおりとなっている 備蓄に係る都民の意識等 発災時の避難意識 ライフラインは停止しているが 自宅が倒壊等の危険がない場合は 自宅にとどまりたいとする傾向にある 備蓄品を活用することによって または食料は避難所に取りに行くことによって 自宅にとどまる と回答した人は 77% 弱で 年代が上がるほど多くなっている ( 平成 26 年度東京都調査 ) 備蓄の意識 備蓄に関する備えや取組が不十分と感じ 必要な備蓄品 量について知りたいと考えている人が多い 防災用品や食料 飲料水などの備蓄 を挙げた人が 54% と最も多い [ 図 1] どれくらいの量を備蓄したらよいか を 47% が どのような防災用品を準備したらよいか を 36% が知りたがっている [ 図 2] ( 以下省略 ) 図 1 これまでの備えや取組で不十分な部分 ( いくつでも ) ( 平成 26 年度東京都調査 ) 1

( 以下省略 ) 図 2 地震への備えに関して知りたいこと ( いくつでも )( 平成 26 年度東京都調査 ) 備蓄の状況 都民の備蓄は一定程度進んでいるが 備蓄品目にばらつきがある 家庭において 半数以上は 飲料水 や 食料 を備蓄し 携帯ラジオ 懐中電灯 乾電池など は 6 割が備蓄 一方 常備薬 おむつ 簡易トイレ などは 2~3 割程度の備蓄にとどまっている [ 図 3] 図 3 自宅で備蓄しているもの ( いくつでも )( 平成 26 年度東京都調査 ) * 参考 : 東京都の家族構成平成 22 年国勢調査に基づく 世帯主が 34 歳以下 35~64 歳 65 歳以上の世帯ごとの家族構成の傾向は以下のとおり いずれの年齢層でも 単身世帯 が多くを占める 特に 世帯主が 34 歳以下の世帯の約 72% が 単身世帯 である 世帯主が 35~64 歳の世帯では 単身世帯 の約 36% に次いで 夫婦と子 の世帯が約 35% を占める 65 歳以上では 単身世帯 の約 38% に次いで 夫婦のみ の世帯が約 31% を占める 2

備蓄品の管理の状況 備蓄品の管理状況 備蓄品の賞味期限が過ぎている または 賞味期限を確認していない 人は約 26% で 管理まではできていない人もいる [ 図 4] 図 4 自宅で備蓄している食料 飲料水の賞味期限の確認 ( 平成 25 年度警視庁 震災対策における都民等の意識調査 ) 備蓄を行わない理由 ( 飲料水の場合 ) 民間会社の調査 によると 消費期限の管理が難しい が 31.5% 継続が面倒 が 28.2% となっている 平成 26 年キリンビバレッジ 震災後の水分補給とストックに関する調査 * 参考 : 期限切れを起こしたことのある食品 ( 同調査 ) 1 水 2 カップラーメン 3 レトルト食品 4 お菓子 5 調味料 3. 自助による備蓄の必要性備蓄の必要性についてはこれまでも様々な場面で叫ばれてきたが 大規模災害の発生に備えて 都民一人ひとりがなぜ備蓄を行う必要があるのかを 改めて整理して示すことが 都民の具体的な取り組みにつなげていくうえで 非常に重要である (1) 大規模地震の発生により東京で想定される事態 被災後の生活拠点 東北地方太平洋沖地震を踏まえて東京都防災会議が平成 24 年 4 月に公表した 首都直下地震等による東京の被害想定 によると 避難所避難者数 1 は約 220 万人と想定される ( 最大被害が見込まれる東京湾北部地震冬 18 時 風速 8m/s の場合 以下の被害想定データにおいても同様 ) 一方で 東京都の人口は 1,316 万人弱 ( 平成 22 年国勢調査 ) であることから 1 千万人近くの都民が 発災後も当面自宅で生活することになると考えられる 1 建物被害やライフライン被害等に伴い住居から避難する人数のうち 避難所 に向かう人数を 避難所避難者数として計上 3

ライフラインの被害 被害想定によるライフライン被害及び東京都地域防災計画震災編に掲げる復旧目標 2 は 下表のとおりである 自宅で生活する場合にも ライフラインに支障がある中での生活となる可能性がある 2 各ライフラインの機能を 95% 以上回復させるための目標日数 ライフライン被害区部多摩部都合計復旧目標 停電率 24.9% 2.0% 17.9% 7 日 固定電話不通率 10.0% 0.7% 7.6% 14 日 都市ガス供給支障率 34.3~ 88.7% 0.0~ 22.6% 26.8~ 74.2% 60 日 断水率 45.0% 11.7% 34.5% 30 日 下水道管きょ被害率 27.1% 17.7% 23.0% 30 日 負傷者の発生と救出救助 被害想定によると 約 14.7 万人の負傷者が発生すると見込まれている ( うち重傷者は約 2 万人 ) 大規模災害が発生した場合 発災直後の的確かつ迅速な初動対応が多くの命を救うことにつながる 特に 人命救助に重要とされている発災後 72 時間は 東京都 区市町村をはじめ自衛隊 警察 消防など公的機関は 主要道路の早期の障害物除去等を実施し 各機関の円滑な連携のもと 負傷者の救出救助活動に注力することが容易に想定される 物資供給の停滞 発災直後には 道路障害物除去作業が完了していないことや 人命救助活動が優先されること また燃料が不足することなどから 平常時のような物資輸送が困難になると予想される 特に東京は 都外から流入する多くの物資に生活を頼っており 都内への物資の流入等に支障が出ることによって 物資供給が停滞する恐れがある * 東京都食料自給率 ( 平成 23 年度確定値 ) カロリーベース 1% 生産額ベース 4%( 農林水産省 平成 24 年度都道府県別食料自給率 ) * 飲食料品卸売業の年間商品販売額の全国に占める東京都の割合 24.7%( 東京都 平成 19 年商業統計調査報告 ( 卸売 小売業 ) ) 仮に流通が一定程度は機能したとしても 食料品や生活必需品など必要なものが必ずしも入手できない可能性がある また 社会人や学生をはじめとする単身世帯などについては 日常から 外食中心の生活や必要なものは必要な時にすぐに入手できるという利便性の高い生活をしている可能性が高いということも考慮する必要 4

がある その場合 自宅に食料品や生活必需品の買い置きが少ないことが想定され 発災後の物資供給の停滞により 生きていくために最小限必要なものがないといった事態が起こりうる * 東京都の夕食の外食率 ( 調理済み食 外食 ) 11.4% ( 東京都 東京都民の健康 栄養状況 ( 平成 24 年 ) ) / 全国の夕食の外食率 ( 調理済み食 外食 ) 8.6% ( 厚生労働省 国民健康 栄養調査 ( 平成 24 年 ) ) (2) 自助による備蓄の必要性 想定される事態を踏まえた自助による対応の必要性 ひとたび大規模な地震が起これば 都民 1,300 万人全員が被災者になる可能性を想定することが重要である その際には 公助は火災等の消火活動や負傷者の救出救助 地震等による家屋の倒壊 焼失などで被害を受けた避難所避難者への支援に忙殺されることから 自宅の倒壊等を免れた大多数の都民への対応は 発災から当面の間できないことが想定される こうしたことから 都民一人ひとりが 物資供給の停滞や電気 ガス 水道などのライフライン被害が想定される状況の下で 自分の身の回りにあるものを使って 当面生活していかなければならなくなる 自宅で生活する場合に備えた備蓄確保の促進 避難所避難の際には避難先にとっさに持ち出す非常持出し用の備蓄が必要なことはもちろん 大多数の都民が自宅にとどまることを踏まえ 自宅で当面の生活ができるだけの自助による備蓄の確保が必要となる 非常持出し用の備蓄では 調理が不要な非常食や いざという時にすぐ持ち出せる非常用の生活必需品が一時的には適当であるが 長期にわたる被災生活において 発災後も当面自宅で生活を続けていく上での備蓄では 普段から家にある食料品や生活必需品を活用することが有用である 普段から使いなれたものを食べたり利用したりすることによって 栄養の偏りも防げ 心身への負担等の低減や生活するうえでの安心感にもつながる こうした認識を都民に持ってもらい 家庭における備蓄を促進する必要がある 家庭における備蓄については ライフラインの被害や物資供給の停滞といった事態を踏まえると 3 日分は当然として 流通が徐々に回復したとしても 必要なものがすぐに入手できるようになるとは限らないことなどから 1 週間やその先も見据えた備蓄を意識して進めていく必要がある こうした認識のもと 都民一人ひとりが 発災時に向けた備えを常日頃から進めておく必要がある 5

4. 都民の備蓄及び管理 消費の促進に向けて 備蓄といえば特別に備えなければならない という意識が都民一人ひとりの心の中に根づいており それが都民の家庭内での備蓄が進まず また管理 継続を難しくしているものと考えられる 家庭内での備蓄を促し 取組を継続するには 新たな 備蓄の考え方 を提示し 都民の備蓄に対する意識を変えていく必要がある そのうえで 都民が備蓄しておくべき品目等について 過去の大規模災害の経験等から得た教訓を踏まえて 最小限を提示し 備蓄の考え方 とあわせて都民に普及啓発していくことが 都民の具体的な行動につなげるうえで重要である (1) 備蓄の考え方 3(2) でも記載したとおり 都内のすべての家庭で 発災後も自宅で生活を続ける場合を想定した備えがなされるよう 都民一人ひとりの取組を促すとともに その取組が継続的なものとなるような 備蓄の考え方 を示す必要がある 備蓄の考え方 備蓄は特別な準備を必要とするものではなく 日頃から自宅で利用 活用している食料品や生活必需品を少し多めに備えておくことによって 災害時にも活用できるという 日常備蓄 という考え方 日常備蓄 の考え方をとることによって 普段の生活の中での消費や更新が 備蓄品の 管理 消費 にもつながっていくことになる 災害時には買いだめに走るのではなく 家庭内にあるものをまず賢く使うという考え方 日頃の備えの延長で備蓄を考えることで 災害時にも都民一人ひとり が普段に近い形で生活でき それがストレスの軽減にもつながるという考え方 こうした考え方を東京都として取りまとめ 普及啓発を図り 都民の備蓄に対する意識を変えていき より多くのものが 1 週間やその先も見据えて備えられている状態につなげていくことが重要である なお 山間部 島しょ部など 災害時に孤立の可能性が高まる地域では 多めに食料品や生活必需品を備えるよう促す必要がある ただし 災害に備えて備蓄が必要なものもあり それらについては最小限の範囲で示す必要がある 例えば アルファ化米や 懐中電灯 簡易ト 6

イレ等は 災害時には有用でも 日頃から自宅で利用 活用しづらい こういった備蓄品については 定期的に保存年限の確認等を行う必要があることを併せて周知する必要がある 備蓄 日常的に使用するもの 日常利用している食料品や生活必需品を少し多めに購入 日常的に使用しないもの (= 災害に備えて備蓄が必要なもの ) 個別に準備が必要 ( 例 : アルファ化米 簡易トイレ等 ) 管理 消費普段の生活で消費 更新 定期的に保存年限等を確認 注 ) 日常的に使用するもの と 災害に備えて備蓄が必要なもの の区分は家庭によって異なる (2) 最小限備えておくべきもの日常利用している食料品や生活必需品を少し多めに備えておくことによって 災害時にも活用できるという 備蓄の考え方 を基本とすると 日常の生活が一人ひとり異なるならば 災害への備えもまた 人によって異なるものであるといえる 災害発生直後は 電気 ガス 水道 下水道などのライフラインが使用できない恐れがあり こうした中でもなるべく普段に近い生活が可能になるよう 一人ひとりが必要と考えるものを日常の中で備えていく必要があるが 被災地での経験を踏まえて必要な品目 また高齢者等に必要な品目について は 最小限必要なものとして示すべきである 特に示す必要があるもの特に留意すべき示す必要がある品目 事項は 以下のとおり 被災地を経験して 重要だったもの [ 日常的に使用するもの ] [ 災害に備えて備蓄が必要なもの ] 水 カセットコンロ カセットガスボンベ 常備薬等 乳幼児や高齢者を抱えている場合 ( 必要なものをしっかり蓄えておかないと 命にかかわる場合もある ) 乳幼児 水 ( 軟水 ) 粉ミルク 哺乳瓶 離乳食 おむつ 愛着のあるもの ( 絵本 おもちゃ ) 等 簡易トイレ 懐中電灯 乾電池 充電式等のラジオ等 [ 日常的に使用するもの ] 高齢者 やわらかい食品 ( 必要に応じて ) 入歯 杖 補聴器 メガネ 持病の薬 おむつ等 病気 療養食が必要な方 アレルギー体質の方についても備えは必須であることを示す必要がある 7

単身世帯には 普段食べているもの等を少し足して買っておくように 特に注意喚起する必要がある [ 日常的に使用するもの ] 単身世帯の備え レトルト食品 ( ご飯等 ) 即席めん 栄養補助食品 ナッツ類 ドライフルーツ ペットボトル等 その他 示しておかないと気づかないもの 被災をしなければ気づかないものについても 示しておくことが望ましい 野菜ジュース 大型ビニール袋 ラップ 野菜不足によるミネラルやビタミンの不足を補う 給水の際の給水袋のほか トイレの袋やごみ袋として利用 三角巾や包帯の代用食器に敷いて使えば ラップを換えるだけでお皿を洗わずに使用できる 最小限備えておくべきもの ( 再掲含む ) 種別品目食料品 [ 日常的に使用するもの ] 飲料水 調理等に必要な水など 主食( レトルトご飯 麺 シリアル等 ) 主菜( 缶詰 レトルト食品 冷凍食品等 ) 缶詰( 果物 あずき等 ) 野菜ジュース 加熱せず食べられるもの( かまぼこ チーズ等 ) 菓子類( チョコレート等 ) 栄養補助食品 調味料( 醤油 塩等 ) 調理器具等 [ 日常的に使用するもの ] カセットコンロ カセットガスボンベ等の燃料 ビニール袋 食品包装用ラップ生活用品 [ 日常的に使用するもの ] 生活用水 持病の薬 常備薬 救急箱 ティッシュペーパー 8

トイレットペーパー ウェットティッシュ ( 女性の場合 ) 生理用品 使い捨てカイロ ライター ごみ袋 大型ビニール袋 [ 災害に備えて備蓄が必要なもの ] 簡易トイレ ラジオ ( 充電式等 ) 携帯電話の予備バッテリー ラテックス手袋 ( 使い捨てゴム手袋 ) 懐中電灯 乾電池 最小限備えておくべきものを提示するにあたっての留意事項 備蓄の考え方 や最小限備えておくべきものについては 今後作成する防災ブックを活用するなど 都民に広く周知する必要がある 今後 最小限備えておくべきものを普及啓発する際には 各家庭の家族構成を踏まえて 視覚的に分かりやすく示したり その品目がなぜ必要なのかを解説するなど 都民の理解を促す工夫を講じていくべきである なお 必要な備蓄品を知りたいという都民が多いことから 最小限備えておくべきものを目安として例示したが あくまで例であり リストにあるものだけを備えておけば安心ということではない これを基本に都民一人ひとりが自分に合った備えを行うよう促していくことが重要である また 家にあるものをいろいろ活用できるという工夫例を提示することによって 都民一人ひとりが何を備えればいいかをイメージしやすくなる ( 例 ) キャリーバッグとビニール袋は給水を受けた水の運搬に活用できる 昔からの知恵である 長期保存のための工夫 ( 味噌漬け 塩漬け 酢漬け 乾物にするなど ) も活用できる等 食料品は 発災時に冷蔵庫にあるものを活用することができるが 傷みやすいものから使用するよう注意を促す必要がある なお 自宅に食料品や生活必需品を置くスペースがないといったことも想定されるが 例えば車がある場合は 備蓄品の置き場所として活用するなど分散して備えることが可能であるほか 災害時には車のラジオやカーナビから情報を得ることや エアコンを利用し暖をとることができることなど 様々な視点から都民に啓発していくことも重要である (3) 備蓄及び管理 消費の実践を促す取組 ( 普及啓発 ) 4(1) で示した 備蓄の考え方 について普及啓発し 都民の備蓄に対する意識を変えていくことが重要である 9

また 家庭において備蓄及び管理 消費の実践を促すための取組として 区市町村や民間団体等と連携して取り組むべき事例を掲げた ( 取組の例 ) 親子でサバイバルクッキングなど ターゲットごとに直接働きかけ 備蓄の日などを設定して それに合わせて防災フェアを行うなど 東京都全体で備蓄及び管理 消費に取り組む仕掛け 商店街や事業者など 民間企業と連携した取組みを推進し 東京都全体で備蓄及び管理 消費に向けた機運を醸成 学校において 防災学習等とあわせ 備蓄品を食べる機会を設けるなど 備蓄及び管理 消費の習得及び実践を促進 保護者が用意したものを学校で備蓄するなど自立した備蓄の推進 上記の取組を実施するにあたっては 費用対効果等も踏まえながら 準備の整ったものを中心に順次進めていくべきである また ここに掲げた取組がすべてではなく 都民の意識変化等を踏まえながら さらなる施策展開を図っていくべきものであることに留意すべきである また 職場においても 従業員一人ひとりが 例えば机の引出しなどを活用して 個別に備蓄を進めるよう普及啓発することは 自助による備蓄の確保につながるとともに 男女のへだてなく備蓄及び管理 消費に取組む機運を醸成するうえでも重要である こうした様々な普及啓発を組み合わせ 東京都のみならず 区市町村や民間企業も巻き込んで 重層的に働きかけていくことによって 都民に 備蓄の考え方 を浸透させ 都民一人ひとりが備蓄を行っている状況を実現していくべきである 5. おわりに 大規模災害の発生時に 一人ひとりがまずは自らの命を守り つないでいくこと そして 地域の人たちと相互に助け合うことがいかに大切であるかは 過去の災害から得た貴重な教訓から明らかである いつ起こるかわからない大規模な災害に備えて 都民は 自助 共助の意識を持って 自らのこととして取組みを進めるとともに 近隣など地域との関係をあらかじめ構築しておくことの重要性もあわせて指摘しておきたい 一方で 行政側も公助の立場から 学校や職場での備蓄 高齢者や障害者など要配慮者の家庭内備蓄推進のため 防災部門に限らず 教育や福祉などの関係部門とともに 新たな 備蓄の考え方 等を普及啓発していく必要がある そのうえで こうした考え方等が都民に浸透し 都民が自宅や職場等で備蓄を行うようになることで 大規模な災害が起きても一人ひとりが普段に近い生活をすることができる 災害対応力を備えた東京を実現していくことになると期待する 10

検討経過 備蓄消費に係る検討会検討経過 回開催日議題 第 1 回平成 26 年 12 月 15 日 備蓄及び管理 消費の考え方について 最小限備えておくべきものについて 第 2 回平成 27 年 1 月 30 日 都民の備蓄及び管理 消費の促進について 備蓄等の活用等による普及啓発の方向性について 第 3 回平成 27 年 2 月 17 日 都民の備蓄及び管理 消費の促進について 備蓄消費に係る検討会委員 ( 五十音順 敬称略 ) 氏名池上三喜子石川伸一市古太郎国崎信江 役職 公益財団法人市民防災研究所理事 宮城大学食産業学部フードビジネス学科食品分子栄養学研究室准教授 首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学域准教授 株式会社危機管理教育研究所代表 重川希志依 常葉大学大学院環境防災研究科教授 : 座長 11