Trend Report 日本銀行の金融政策とドル 円相場の見通し長期金利のさらなる低下を容認か 今回の予想 :12 月 20 日発表金融政策などは現状維持の予想 長短金利操作 ( イールドカーブ コントロール ) 現状維持の予想 短期金利 : 日本銀行当座預金のうち政策金利残高に -0.1% のマイナス金利を適用 長期金利 :10 年物国債金利が 0% 程度で推移するよう 長期国債の買入れを実施 国債買入れ額については 保有残高の増加額年間約 80 兆円をめどとしつつ 弾力的な買入れを実施 政策金利のフォワードガイダンス現状維持の予想 経済 物価の不確実性を踏まえ 当分の間 きわめて低い長短金利の水準を維持することを想定 資産買い入れ方針現状維持の予想 ETF および J-REIT: 保有残高が それぞれ年間約 6 兆円 年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う CP 等 社債等 : それぞれ約 2.2 兆円 約 3.2 兆円の残高を維持する 日本銀行の黒田総裁は今月 7 日 衆議院財務金融委員会に出席し 日本経済の動向と日本銀行の金融政策運営について説明しました 黒田総裁は 消費者物価の前年比はプラスで推移していますが 景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると 弱めの動きが続いています と指摘し その背景として 長期にわたる低成長やデフレの経験などから 企業の慎重な賃金 価格設定スタンスや家計の値上げに対する慎重な見方が根強く残っていることが 大きく影響している と述べています ただ 先行きについては マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続けることや中長期的な予想物価上昇率が高まることなどを背景に 消費者物価指数は前年比 2% に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる との判断を維持しています 世界経済の成長減速に対する警戒感が広がっているものの 金融政策の見直しについて検討する状況ではないと思われます 日本銀行の金融政策見通し : 長期金利のさらなる低下を容認する可能性 黒田日銀総裁は 7 日の衆議院財務金融委員会で先行きのリスクについて 保護主義的な動きの帰趨とその影響など 海外経済の動向を中心に下振れリスクの方が大きいと考えている との見方を示しています 中国を含めた世界経済の成長減速への懸念が高まっていることから 金融調節を通じて長期金利が 0% 近辺まで低下することを容認する可能性があります 日本銀行の金融政策 : 現状維持も長期金利のさらなる低下を容認する可能性 ドル 円相場の見通し : 米利上げペース減速を織り込む展開 18-19 日開催の米連邦公開市場委員会 (FOMC) の声明内容には さらなる緩やかなフェデラルファンド (FF) 金利の目標誘導レンジの引き上げ との文言が引き続き含まれる見込みです ただし FOMC の金利 経済予測における来年以降の政策金利と物価の見通しは下方修正される可能性があります その場合 2019 年における米利上げは 2 回以内 2020 年は利上げなしとなりそうですが 米利上げ終了を受けて日本銀行は金融緩和策を強化するとの見方もあるため 日米金利差拡大の可能性を想定してリスク回避的なドル売り 円買いは抑制される可能性があります ドル 円の想定レンジ :111.00 円 -115.00 円 2019 年の日本銀行金融政策決定会合の開催スケジュール 1 月 22-23 日 3 月 14-157 日 4 月 24-25 日 6 月 19-20 日 7 月 29-30 日 9 月 18-19 日 10 月 30-31 日 12 月 18-19 日 ( 全 8 回 )
円 N 先週のメキシコペソ相場今週の見通し 12 月 17 日 - 12 月 21 日取引レンジ 5.53 円 - 5.67 円想定レンジ 5.50 円 - 5.70 円 対円レートは強含み 大幅な歳出拡大計画の発表が期待されており 歳出拡大による景気浮揚への期待が高まったことから 投機的なペソ売りは縮小した 米国株安に対する警戒感はあるものの リスク回避的な米ドル買い ペソ売りはやや抑制されており ペソの対円レートはやや強い動きとなった 対円レートはもみ合いか ロペスオブラドール大統領は 2019 年予算案を今月 23 日までに議会通過させることを求めている 23 日までに可決すれば好材料となりそうだが 14 日の米国株安を受けて資金流出に対する警戒感は消えていない 週明け後も米国株安が続いた場合 ペソは対円で弱含みとなる可能性がある 5.63 5.61 5.58 5.56 5.53 5.51 5.48 6.15 6.00 5.85 5.70 5.55 5.40 5.25 債券相場動向 ( メキシコ 5 年債 ) 先週の概況利回りは弱含み ロペスオブラドール大統領は12 日にトランプ米大統領と電話で会談 移民問題について協議し 中南米とメキシコの発展と雇用のための共同プログラムを打ち出す可能性についても話し合ったとされる 債券買いにつながった公算 今週の見通し 利回りは上昇か ロペスオブラドール大統領は 13 日の定例会見で 中米移民への対策として 2019 年予算で 50 億ドルを計上する方針と明らかにしている 先週は低下した利回りだが あらためて財政への懸念の高まりにつながり 利回りは上昇に向かう公算も 買い要因 新貿易協定 USMCA) の署名 国内政治の安定化 主要国の株価安定 売り要因 予算規模拡大で財政悪化の可能性残る 世界経済の成長減速懸念 金利先高観の後退
N 円 先週の南アランド 円相場今週の見通し 12 月 17 日 - 12 月 21 日取引レンジ 7.80 円 - 8.07 円想定レンジ 7.70 円 - 8.00 円 もみ合いも弱含み 週末に発表された中国の経済指標では 小売売上高や鉱工業生産の伸びが鈍化し 中国景気の鈍化懸念からランド売りの動きが強まった 金 鉱業 製造業生産が予想を上振れたことで 週央にはランドも堅調な動きとなっていた もみ合いを予想 米連邦公開市場委員会が焦点となる 今回の追加利上げ実施は織り込み済みで影響は限定的となるが 米連邦準備制度理事会 (FRB) 議長の発言がハト派寄りになれば ドル売り 新興国通過買いの流れからランドも買われやすいだろう 8.30 8.23 8.15 8.08 8.00 7.93 7.85 9.25 8.90 8.55 8.20 7.85 7.50 7.15 債券相場動向 ( 南アフリカ 10 年債 ) 先週の概況利回りは上昇 生産者物価指数の上昇は市場予想と一致したが 消費者物価指数の上昇率は昨年 5 月以来の高水準となり 利回りの上昇につながった また 週末の中国経済指標の想定以上の悪化なども利回り上昇要因に 今週の見通し利回りは横ばいか 世界的な景気減速懸念が強まり ランド債の売り要因 ( 利回り上昇要因 ) となるが 米連邦公開市場委員会 (FOMC) でハト派的なスタンスが示された場合は ドル安新興国通貨買いとなり ランド債利回りの低下要因となろう 買い要因 売り要因 米国金利の先高観後退 主要国の株安 南ア中銀は物価安定に注力 通貨安抑制の方針堅持 欧州向け輸出の伸び悩み 原油安 インフレ率高止まり 増税による景気悪化の可能性
円 N 先週のトルコリラ相場今週の見通し 12 月 17 日 - 12 月 21 日 取引レンジ 20.90 円 - 21.37 円想定レンジ 20.50 円 - 21.50 円 弱含み 米国株安を受けて新興国市場からの資金流出に対する警戒感が再浮上し リスク回避的なリラ売り 米ドル買いが観測された トルコ中央銀行は予想通り 政策金利の据え置きを決定したが インフレ加速の思惑はやや後退しており 金利引き下げの可能性があることから リラは対円でも弱含みとなった 対円レートは伸び悩みか 米国株式の動向を意識した取引が続きそうだ 14 日の米国株式は大幅安となったことから リスク回避的な米ドル買い リラ売りは継続する可能性がある 米国株安が一服した場合 リラ売りは縮小すると予想されるが 新たな買い材料が提供されない場合 対円レートは伸び悩む可能性がある 21.93 21.75 21.57 21.39 21.21 21.03 20.85 30.50 28.00 25.50 23.00 20.50 18.00 15.50 債券市場動向 ( トルコ 5 年債 ) 先週の概況利回りは上昇 米ドル高 リラ安の相場展開となったことから 債券利回りは強い動きを見せた トルコ中央銀行は13 日 政策金利を24.00% に据え置いたが 経済見通しは不透明であり すみやかな金利低下は期待できないとの見方が広がったことから 長期債などの売りが優勢となった 今週の見通し利回りは下げ渋りか 通貨安やインフレ高止まりを意識してトルコ中央銀行の政策金利は当面据え置きとなる可能性が高まっており 長期債などの利回り水準は下げ渋る展開となりそうだ 米国株安を意識して新興国市場からの資金流出が警戒されていることも 債券利回り低下を阻む一因となる 買い要因 原油安 対米関係の改善期待 経常収支の改善期待 売り要因 経常収支の大幅な改善は期待薄 高インフレは経済成長を阻害するとの見方 ユーロ圏経済の成長鈍化懸念
11 月 N ディスクレーマー ( 免責条項 ) 本レポートは 本取引所が フィスコから提供を受けて 公表しているものであり 本レポートの 20.50 21.50 内容に関する一切の権利は フィスコに帰属いたします 本取引所は 本レポートの正確性 完全性 適時性等を保証するものではありません また 本取引所は 本レポートを用いて行う一切の行為及び本レポートに基づいて被った損害について 何ら責任を負うものではありません 株式会社東京金融取引所 ( 以下 [ フィスコ ] という ) は株価情報および指数情報の利用について東京証券取引所 大阪取引所 日本経済新聞社の承諾のもと提供しています JASDAQ INDEX の指数値及び商標は 株式会社東京証券取引所の知的財産であり一切の権利は同社に帰属します 掲載される情報はフィスコが信頼できると判断した情報源をもとにフィスコが作成 表示したものですが その内容及び情報の正確性 完全性 適時性について フィスコは保証を行っておらず また いかなる責任を持つものではありません 本資料に記載された内容は 資料作成時点において作成されたものであり 予告なく変更する場合があります 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はフィスコに帰属し 事前にフィスコへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正 加工することは堅く禁じられています また 本資料およびその複製物を送信 複製および配布 譲渡することは堅く禁じられています フィスコが提供する投資情報は あくまで情報提供を目的としたものであり 投資その他の行動を勧誘するものではありません 本資料に掲載される株式 投資信託 債券 為替および商品等金融商品は 企業の活動内容 経済政策や世界情勢などの影響により その価値を増大または減少する事もあり 価値を失う場合があります 本資料は 本資料により投資された資金がその価値を維持または増大する事を保証するものではなく 本資料に基づいて投資を行った結果 お客様に何らかの損害が発生した場合でも フィスコは 理由のいかんを問わず 責任を負いません フィスコおよび関連会社とその取締役 役員 従業員は 本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります 投資対象および銘柄の選択 売買価格などの投資にかかる最終決定は お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします 以上の点をご了承の上 ご利用ください 第 5 回北米自由貿易協定 協議妥結への期待 インフレ抑制でメキシコ中銀は適切に対応の見方