資料 平成 29 年度第 3 回審査会での質問と回答 ( 金城ふ頭地先公有水面埋立て ) 質問 意見の概要審査会での事務局の回答事業者の補足説明 1 2 準備書 149 頁や 153 頁において 予測結果が環境目標値以下であっても 目標値に対して 8 割から 9 割程度の値の場合には 議論が必要ですか 準備書 149 頁では 工事による寄与率が 1% 未満であり 重合を考慮しても 5% 程度であるため 工事の影響により予測結果が環境目標値に近い値になっているという評価ではない という解釈でよろしいでしょうか 寄与率を考えると バックグラウンド濃度がほぼ日平均値の年間 98% 値になっているという状況です 例えば バックグラウンド濃度が既に環境目標値を超えている場合には そこに工事車両等の影響が上乗せされるとなると より環境保全のための措置を考慮する必要が出てきますので そういった視点も含めてご審査いただければと考えています 事務局の補足説明 環境影響評価技術指針では 各種基準等との整合性の他 事業者により実行可能な範囲内で環境影響の回避 低減が図られ 必要に応じて適正な配慮がされているか などについて評価することとしていますので そうした視点等についてもご審査いただければと思います 3 準備書 125 頁の図の煙源の配置は 工事船あるいは工事車両がどこにいるか分からないので 工事エリアに均一にあるという想定で計算されたのですか ご指摘の通りです 予測期間である 12 ヶ月の間に 建設機械が同じ場所で稼働し続けるのではなく 施工区域内を移動して順次作業を行うため 区域内に均等に煙源を配置し 予測計算を行いました - 1 -
4 予測結果では 海側で少し環境目標値を超えているのですけれども 対岸の東海市のところは 新日鐵住金の工場等でしょうか 東海市側も臨港地区になりまして ご指摘の通り新日鐵住金等があるエリアです なお 対岸までの距離は約 1km ですが 住宅地までは約 3.5km です 5 煙源が地面に近く 施工区域のすぐ外側の風下側で降下した結果 環境目標値を超えているというように見えます 風下に行くほど急激に濃度が下がっているのは 拡散がかなり効いているという感じがします 実際は 船が移動したりするため 平均的な状況として煙源を設定しているのですね 海側が 少し厳しめの評価をしているように思います 事務局の補足説明 環境影響評価技術指針では 評価は 環境影響の回避 低減及び環境の改善に係る評価 及び 国又は名古屋市等による環境保全施策との整合性に係る評価 等に基づき 事業者の見解を明らかにすることにより行うとしています そのため 各種基準等との整合性についても評価していただいています なお 本事業における予測手法は 他事業でも使用されている一般的な予測手法となります 大気汚染物質の拡散は 環境影響評価手法において一般的に用いられるプルーム パフ式を用いています 供用時の使用船舶の稼働と比較し 工事中の建設機械の稼働による大気汚染物質の拡散は 煙源からの距離に伴い濃度の減少が大きくなっていますが これは 建設機械の煙源高さが使用船舶と比較し低いことが主な要因です なお 工事中の煙源は 施工区域内に均等に配置し 予測期間である 12 ヶ月間の平均的な状況を表しています 6 窒素酸化物と硫黄酸化物の評価時期が異なるのは 使われている機械の燃料の違いによるものであり 主に硫黄酸化物の方は重油を使う工事船等が稼動する時期が想定されているということでしょうか ご指摘の通りです 資料編 7 頁 8 頁の月毎の年間排出量の推移によると 窒素酸化物や浮遊粒子状物質と比べ 硫黄酸化物のグラフの傾向は同じですが ピークが若干異なっています ご指摘のとおり 工事前半は主に重油を使用する工事用船舶が多く稼働し 工事中盤から終盤にかけては 軽油を使用する工事用機械が多く稼働します 軽油は硫黄分が極めて少ないので 硫黄酸化物のピークは工事前半から中盤までとなります - 2 -
- 3 - 質問 意見の概要審査会での事務局の回答事業者の補足説明 7 休日は工事を行わないということですが 国民の祝日も含めて行わないということでしょうか 特定建設作業に係る重機を使う作業は 祝日や日曜日の実施が制限されています 基本的には 日曜日は休みで 祝日はそれ以外の作業を行う可能性があると思います 事務局の補足説明 都市計画区域ではない海域は 騒音規制法等に基づく特定建設作業に係る規制が適用されないため 作業実施制限を受けないこととなります 日曜日及び祝日については特定建設作業を原則行いません 予測は 予測期間である 12 ヶ月間に稼働する建設機械の延べ稼働時間より年間排出量を計算し これを時間排出量に割り戻して拡散計算を行っているため 平日 休日の区分はなく 平均的な排出を前提としています 8 全体的には 供用時の方が工事中に比べて影響が小さいという評価ですか 供用時は 環境目標値は超えておらず 工事中と比べて比較的影響は小さいという状況です 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質については 予測条件とした供用時の年間排出量が 工事中の年間排出量を下回るため 工事中の寄与濃度の方が小さくなります 二酸化硫黄については 予測条件とした供用時の年間排出量が 工事中の年間排出量を上回りますが 排出源高さが工事中よりも高いため 拡散されることにより 工事中と同程度の寄与濃度となります 全体的には 供用時の方が工事中と比べて影響は小さいと考えます
9 工事中は比較的影響が大きく 環境目標値を超えているという評価結果も出ています 居住地は近くにありませんが ある程度配慮する必要があると思いますので 工事の平準化等で排出量を抑えるよう さらに対応していただきたい というような意見を付け加えていただきたいと思います 当初 7 年としていた工事期間が 今回 3 年に設定されておりますので 特に大気汚染物質排出量が多い建設機械や大きな騒音 振動を発生する機械がなるべく同時に多数稼動しないような工事計画としていただくよう 事業者に求めてまいります 工事中の影響を低減するため 不要なアイドリングのストップ 建設機械の効率的な運用や 十分な点検 整備による性能の維持などの環境保全措置を講ずる計画です 今後 工事計画の具体化にあたっては 大気汚染物質排出量が多い建設機械や 大きな音や振動を発生する建設機械がなるべく同時に多数稼動しないような工事計画に努めてまいります 10 悪臭 海底土砂を採取して測定されたということですが 採取場所によって土砂の悪臭傾向が違うということはないのでしょうか 同じ名古屋港内での調査結果であるとして 類似事例に採用されていますが 事業者に確認します 名古屋港内で採取した土砂の悪臭調査は 資料編に示した類似事例の調査以前に 稲永ふ頭 空見ふ頭 弥富ふ頭 飛島ふ頭等の周辺海域で行った事例があります これらの結果は いずれも基準値以下を示しており また 検出される物質の傾向に 各地点で大きな違いはみられませんでした - 4 -
11 水質 底質 日頃から港湾維持のために浚渫をされていると思いますが 浚渫に伴う水の濁りに係る実績等の情報が得られる可能性はあるのでしょうか 事業者に確認して 何かしらお示しできるような内容があれば 次回以降にお示ししたいと思います 事業予定地の前面海域において 航路泊地の浚渫工事が予定されていますが 実施時期は 本事業における濁りの発生がピークとなる時期とは重ならない予定です また 名古屋港内で実施された同様の浚渫工事における 濁りの影響を調査した事例を挙げますと グラブ浚渫船による浚渫のケースでは 施工場所から約 200m 離れた位置で最も影響の大きい底層において 2mg/L 程度となること 並びにドラグサクション船による浚渫のケースでは 施工場所から約 50 m 離れた位置で濁りの影響が現れなくなることを確認しています - 5 -