◆JREI固定インフォ No18◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

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◆JREI固定インフォ No17◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆JREI固定インフォ No9◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆JREI固定インフォ No25◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

Microsoft Word - 暱京髟裆 平拒16年(衄ㇳ)32.docx

◆JREI固定インフォ No15◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

税理士法人チェスター【紹介】

す ) 5 地区 地域内の各筆の評価 ( 一画地の宅地ごとに評価額を算出します < 土地に対する課税 > (1) 評価のしくみ固定資産評価基準によって 地目別に定められた評価方法により評価します 平成 6 年度の評価替えから 宅地の評価は 地価公示価格の 7 割を目途に均衡化 適正化が図られています

Microsoft Word - H30 市税のしおり最終版

固定資産評価審査申出とは

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

固定資産税の課税のしくみ < 評価額と課税標準額と税額の推移 > ( 土地編 ) 課税標準額 評価額 税 額 なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 2 なぜ, 平成 6 年評価額が急激に上昇したの!? 3 < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > < 地価公示価格の一定割

路線価図

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

販売用不動産の時価評価の基準(案)と論点

11総法不審第120号

平成  年(オ)第  号

12. 地価公示は 土地鑑定委員会が 毎年 1 回 2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め その結果を審 査し 必要な調整を行って 標準地の正常な価格を判定し これを公示するものである 13. 不動産鑑定士は 土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては 近傍類地の取 引価格から

Microsoft Word _大和システム瓦版.docx

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

11総法不審第120号

第 1 基本的事項 1 業務内容についての順守事項本業務を行う不動産鑑定士又は不動産鑑定士補 ( 以下 不動産鑑定士等 という ) は 本業務が単に個別地点について行う鑑定評価と異なり 同一価格時点で大量に行う鑑定評価であり 特に面的な価格の均衡が求められる固定資産税評価のための基礎資料を作成するも

目 次 1 固定資産税と固定資産税評価 1 1 固定資産税とは 1 2 固定資産税の課税のしくみ 2 (1) 固定資産税を納める人 ( 納税義務者 ) 2 (2) 税額の計算 2 2 固定資産税評価のあらまし 1 固定資産税評価の意義 2 固定資産税評価によって求める価格とは 3 固定資産の価格を求

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

処分済み

~ 都市計画道路予定地の評価 ~ 今回の豆知識では 我々不動産鑑定士が日常の評価業務において良く目にする 都市計画 道路予定地 の評価について取り上げてみたいと思います 1. 都市計画道路とは? 都市計画法では 道路 公園 下水道処理施設等の施設 ( 都市施設 ) のうち必要なものを都市計画に定める

第 6 回令和元年度固定資産評価実務者勉強会 第 3 部 税理士による最近の各種課税評価に関するお話 講師 : 税理士 不動産鑑定士 赤川明彦 ( 株式会社土地評価センター取締役 ) copyright 2019 KOTOBUKI PROPERTY ASSESSMENT all rights res

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

処分済み

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

一団地認定の職権取消し手続きの明確化について < 参考 > 建築基準法第 86 条 ( 一団地認定 ) の実績件数 2,200 ( 件 ) 年度別 ( 住宅系のみ ) S29 年度 ~H26 年度 実績件数合計 16,250 件 用途 合計 ( 件 ) 全体 17,764 住宅系用途 16,250

記者発表資料

スライド 1

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

<4D F736F F D D D8689FC90B382BF82E782B588C481698DC A2E646F63>

11総法不審第120号

11総法不審第120号

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

不動産鑑定士からみた広大地評価の留意点 (1) 広大地かどうかを判断するには 1 チェック項目 大規模工業用地ではない? または 1,000 m2以上? はい 1,000 m2以上あります 最寄の駅から徒歩 15 分以上? はい 15 分以上かかります周辺は住宅地でマンションが建っていない? はい

11総法不審第120号

11総法不審第120号

Taro-03_H3009_ただし書同意基準

スライド 1

Microsoft Word - 優秀作品(土地)

別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

LEC 東京リーガルマインド 複製 頒布を禁じます 平成 29 年度不動産鑑定士論文式試験 ズバリ的中 鑑定理論 論文問題 問題 1 (50 点 ) 移行地に関する次の各問に答えなさい (1) 不動産の種別における移行地の定義について 見込地と比較した上で 説明しなさい (2) 移行地の個別的要因に

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

1000 Copyright(C)2009 All Rights Reserved - 2 -

73,800 円 / m2 幹線道路背後の住宅地域 については 77,600 円 / m2 という結論を得たものであり 幹線道路背後の住宅地域 の土地価格が 幹線道路沿線の商業地域 の土地価格よりも高いという内容であった 既述のとおり 土地価格の算定は 近傍類似の一般の取引事例をもとに算定しているこ

長は 特措法第 39 条第 1 項に規定する地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等の探索に必要な限度で その保有する同項に規定する土地所有者等関連情報を その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができることとなります ( 特措法第 39 条第

7 固定資産税に関する事務 基礎項目評価書

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

(審42)参考 福島県内の宅地の調査

市税のしおり2016表紙再3

Microsoft Word - 第4回(2015年4月)国際指数_記者発表_final

(Microsoft Word - fiÁ‰L”dŠl‘‚‡g33.doc)

議案用 12P

(審47)参考2 福島県内の宅地の調査

大阪市再開発地区計画にかかる

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

日影許可諮問(熊野小学校)

第 5 章 N

不動産経済 表紙OL

11総法不審第120号

『知っておきたい 不動産所有コストの中身と抑えるコツ』

例会レジュメ

相続財産の評価P64~75

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

計算式 1 1 建物の価額 ( 固定資産税評価額 ) =2 長期居住権付所有権の価額 +3 長期居住権の価額 2 長期居住権付所有権の価額 ( 注 1) =1 固定資産税評価額 法定耐用年数 ( 経過年数 + 存続年数 ( 注 3)) 法定耐用年数 ( 注 2) 経過年数 ライプニッツ係数 ( 注

Microsoft Word - 別添資料

目次 1. 概要 2. 計算例 3. 住宅用地に対する課税標準の特例 4. 判例紹介 5. 是正制度

11総法不審第120号

[2] 道路幅員による容積率制限 ( 基準容積率 ) 敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合を 容積率 といい 用途地域ごとに容積率の上限 ( 指定容積率 ) が定められています しかし 前面道路の幅員が 12m 未満の場合 道路幅員に応じて計算される容積率 ( 基準容積率 ) が指定容積率を下回る

PowerPoint プレゼンテーション

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

目 次 [Ⅰ] 調査方法 2 [Ⅱ] 地域区分図 3 [Ⅲ] アンケート調査票 4~5 [Ⅳ] 第 2 回不動産市況 DI 調査結果の概要 6 [Ⅴ] 設問ごとの回答内訳 [-1] 設問 2,3( 住宅地価格 ) 7~9 [-2] 設問 2,3( 商業地価格 ) 10~12 [-3] 設問 2,3(

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会


11総法不審第120号

固定資産評価業務委託 ( その 1) 仕様書 第 1 章総則 ( 趣旨 ) 第 1 条本仕様書は 委託者武豊町 ( 以下 甲 という ) が 受託者 ( 以下 乙 という ) に委託して行う固定資産評価業務委託 ( 以下 業務 という ) の内容 方法等について定めるものである ( 業務目的 ) 第

(審44)参考2  福島県内の宅地の調査

3-3 新旧対照表(条例の審査基準).rtf

タイトル

阪神間都市計画新住宅市街地開発事業の変更(兵庫県決定)

電子メール テンプレート (標準)

市町村合併の推進状況について

1/12 三豊市若者定住促進 地域経済活性化事業補助金交付要綱 三豊市若者定住促進 地域経済活性化事業補助金交付要綱平成 24 年 7 月 10 日告示第 256 号改正平成 26 年 3 月 20 日告示第 46 号平成 26 年 3 月 31 日告示第 88 号平成 27 年 3 月 31 日告

目次 1. 敷地と道路等との関係について ( 接道 ) P1 2. 法第 42 条第 1 項第 1 号道路について P1~2 3. 法第 42 条第 1 項第 4 号道路 ( 事業計画のある道路 ) について P2 4. 法第 42 条第 1 項第 5 号道路 ( 位置指定道路 ) について P2

Transcription:

JREI 固定インフォ No18 日本不動産研究所からの固定資産税評価に関連する情報配信です 平成 22 年 6 月 16 日 財団法人日本不動産研究所固定資産税評価研究会です 目次 ========================================= = 1. 最高裁が 不服審査なしで国家賠償請求を認める 判決 2. 行政刷新会議の規制 制度改革に関する分科会 ( 第 3 回 ) が開催 3. 国交省が土地白書を公表 4. 内閣府が 景気動向指数 と 景気ウォッチャー調査 を発表 5. 日中韓国際不動産シンポジウム を開催しました 6. 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 ( 連載 ) 第 11 回 所要の補正と鑑定評価における個別的要因( その7) =============================================== = - 1. 最高裁が 不服審査なしで国家賠償請求を認める 判決 - 最高裁判所第一小法廷は 6 月 3 日 ( 木 ) に 違法な固定資産税の賦課決定によって損害を被った納税者に対して 固定資産評価審査委員会の審査申出を行わないで 国家賠償請求を行い得ると判断しました http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspdetail&hanreisrchkbn=02&hanreino=80271&hanreikbn=0 1 この裁判は 課税対象の倉庫の所有者である倉庫業者が 昭和 62 年度から平成 13 年度までの間の評価額の誤り ( 冷凍用倉庫を一般の倉庫として評価 ) について 過失が認められると主張し 不服申立手続きを経ることなく 国家賠償法 1 条 1 項に基づき 固定資産税等の過納金等の損害賠償を求めるものです 判決文には 固定資産の価格の決定及びこれに基づく固定資産税等の賦課決定に無効事由が認められない場合であっても 公務員が納税者に対する職務上の法的義務に違背して当該固定資産の価格ないし固定資産税等の税額を過大に決定したときは これによって損害を被った当該納税者は 地方税法 432 条 1 項本文に基づく審査の申出及び同法 434 条 1 項に基づく取消訴訟等の手続きを経るまでもなく 国家賠償請求を行い得るものと解すべ

き として 地方税法の趣旨を潜脱するばかりか 課税処分の公定力をも実質的に否定することになって妥当では ない と判断していた原判決を破棄しています - 2. 行政刷新会議の規制 制度改革に関する分科会 ( 第 3 回 ) が開催 - 6 月 7 日 ( 月 ) に 行政刷新会議の規制 制度改革に関する分科会 ( 第 3 回 ) が開催されました http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/index.html 規制 制度改革に関する分科会は 政府の行政刷新会議の下に 規制 制度改革に関する調査を行うために設置された分科会であり その分科会の下に グリーンイノベーションWG ライフイノベーションWG, 農業 WGの3つのワーキンググループを設置しています 3 月 29 日 ( 月 ) に開催された第 1 回分科会では 検討テーマと分科会 WGの役割と今後の進め方について検討され 4 月 30 日 ( 金 ) の第 2 回分科会では 各 WGからの報告及び対処方針が決定されました 今回の第 3 回分科会では 第一次報告 ( 案 ) について検討されました 第一次報告 ( 案 ) のなかで グリーンイノベーションWGの住宅 土地サブグループにつきましては 規制改革事項としまして次の3つが挙げられています 1 容積率の緩和 2 既存不適格建築物の活用のための建築基準法の見直し 3 建築確認 審査手続きの簡素化また 今後の検討項目としましては 老朽化した建物の円滑な建替え 改修を可能にするための環境の整備 が規制改革事項として挙げられています

3. 国交省が土地白書を公表 国交省は 6 月 11 日 ( 金 ) に 平成 21 年度土地に関する動向及び平成 22 年度土地に関する基本的施策 ( 土地白書 ) を閣議に報告し ホームページ上で公表しました http://www.mlit.go.jp/report/press/land02_hh_000049.html 土地白書は土地基本法 ( 平成元年法律第 84 号 ) 第 10 条第 1 項及び第 2 項の規定に基づき 土地に関する動向及び政府が土地に関して講じた基本的施策 また 講じようとする基本的な施策について 毎年国会に報告しているものです 第 1 部の 土地に関する動向 の第 2 章の バブル崩壊後 20 年の不動産市場 では 昭和 55 年以降の地価の変化率とGDPの変化率の関係の分析から バブル崩壊前後で地価からGDPに与える影響について構造的な変化が生じている可能性がある として 地価とマクロ経済の相関が弱まっている傾向にあるとしています また 第 1 部第 3 章の 経済社会情勢の変化に伴う土地利用転換の現状 では 次の3つの問題とその取り組みについての紹介をしています 1 大規模店舗の撤退とその跡地の状況 2 工場の移転 撤退とその跡地の状況 3 耕作放棄地の状況 さらに 平成 22 年度土地に関する基本的施策 としましては 第 3 章の 地価動向の的確な把握等 の第 4 節 公 的土地評価の均衡化 適正化 におきまして 適正な地価の形成及び課税の適正化を図るため 固定資産税及び 相続税における土地の評価について 引き続きその均衡化 適正化を図る としています 4. 内閣府が 景気動向指数 と 景気ウォッチャー調査 を発表 内閣府は 6 月 8 日 ( 火 ) に平成 22 年 4 月の 景気動向指数 を発表しました http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html 一致指数は101.6となり 前月と比較して1.1ポイントの上昇となりました これは 13ヶ月連続の上昇となります ただし 先行指数につきましては 前月比 0.2ポイント下降の101.7となり 14ヶ月ぶりの下降となりました

内閣府では前月と同様に 改善を示している と景気の基調判断を据え置いています また 内閣府の 景気動向指数研究会 が6 月 7 日 ( 月 ) に開催され いわゆる 景気の谷 を2009 年 ( 平成 21 年 )3 月であったと暫定設定をしています http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di_ken.html つまり 内閣府では 景気が後退から拡大に転じた転換点である 景気の谷 を2009 年 3 月と判定し 景気の回復局面が1 年以上にわたって続いているとの見方を示したわけです 一方で内閣府は 6 月 8 日 ( 火 ) に平成 22 年 5 月調査の 景気ウォッチャー調査 の結果も発表しました http://www5.cao.go.jp/keizai3/2010/0608watcher/menu.html こちらの 街角景気 の5 月の全国の現状判断 DIは 前月比 2.1ポイント低下の47.7となり 6ヶ月ぶりに低下しました これは 環境対応車への購入補助 減税の効果が続いているものの 月中旬以降の低温 大雨の影響による客数の減少 季節商品の販売不振のほか 薄型テレビの家電エコポイント対象商品の変更による駆け込み需要の反動で家電販売が鈍化していること等 により低下したとしています また 2~3ヶ月の景気の先行きを判断する5 月の先行き判断 DIも 前月比 1.2ポイント低下の48.7となっています このような調査結果から 内閣府では基調判断を前月同様の 景気は厳しいながらも 持ち直しの動きがみられる として据え置いています 5. 日中韓国際不動産シンポジウム を開催しました 弊所は 6 月 3 日 ( 木 ) に 日 中 韓 3カ国国際シンポジウム を開催しました http://www.reinet.or.jp/news/detail.cgi?id=94 日中韓国際不動産シンポジウム は 国土交通省 中華人民共和国国土資源部( 国土資源省 ) 大韓民国国土海洋部 ( 国土海洋省 ) のご後援をいただき 開催をいたしました 今回のシンポジウムは 弊所と中国土地佑価師協会及び韓國鑑定院の3 機関の協力 連携の一環として開催をいたしました 3 機関の不動産鑑定士や不動産の専門家が東京に集結し グローバルマーケットの中で 今後重要な位置を占めていくであろう 東アジア不動産マーケット の繁栄と安定に向けた議論 特に投資マーケットとして捉えた場合の 3 力国の不動産マーケットの魅力や課題などについて 基調講演とパネルディスカッションを行いました

6. 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 ( 連載 ) 第 11 回 所要の補正と鑑定評価における個別的要因( その7) 前回の ( その6) では 道路との高低差 角地その他の接面街路との関係 について説明しましたが 今回は 接面道路の道路幅員 についてご説明いたします 道路の幅員の測定方法は 道路区域を測定する場合と有効幅員を測定する場合の2とおりが考えられます 建築基準法による道路は 道路区域を幅員としています しかし 地価公示 地価調査による幅員は有効幅員となります 固定資産税の標準宅地の鑑定評価では 測定方法の定めはありませんが 公的評価の一環として考えれば有効幅員による測定となります ただし 固定資産税の標準宅地の鑑定評価の目的が 固定資産評価額の均衡にあることを考慮すると 固定資産税評価の一連の手順を考え 路線を付設した全ての街路の幅員の測定方法に基づくことが望ましいと考えられます 道路幅員で最も悩ましい点は 同一路線でも幅員が異なる場合です 幅員の異なる区間ごとにそれぞれ路線を付設する方法もありますが 実務的にも管理上も困難であり 通常は 交差点から交差点による街路を路線単位として 最小幅員 若しくは 代表的な幅員のいずれかを採用することになります 道路の幅員の比準表での格差率で最も重要な点は 幅員 4m 未満の建築基準法第 42 条第 2 項によるみなし道路の取扱です 2 項道路に接面する画地は 道路中心線から水平距離で2mまでを道路境界として セットバックしなければなりません このため 2 項道路に接面する不動産を一般の鑑定評価をする場合には セットバックによる減価要因は画地条件とし 該当する部分の地積はないものとして評価を行うことが通常です 不動産の取引において 現行建物を継続して使用する場合は セットバック分に使用価値を考慮することもありますが 更地の場合は通常 セットバック部分は無価値として取引する傾向にあります 2 項道路は 通常 その幅員が一定であることは少なく 画地面積に対するセットバック部分の割合が個々の画地で異なることや既にセットバック済みの画地が混在するケースもありますので 固定資産税評価においては所要の補正で行うことが望ましいです しかし 実務上の対応が困難な場合は 路線価評定で対応することになります 路線価評定で対応する場合は 幅員の測定方法により 幅員に係る比準表の格差を考慮する必要があります 街路の最小幅員 若しくは 代表的な幅員のいずれかを採用するとしても セットバックの占める面積割合は個々の画地ごとに異なることから 4m 未満の街路につきましては 測定方法を考慮した格差率を設定する考え方が実務

的な対応となります 固定資産税評価の場合 同一所有者により現況利用を継続する場合には セットバックによる減価が顕在化しないことに着目して 路線価については 更地としての評価を前提としつつも現況の土地利用が継続することを考慮した評定となります 次回は 街路の種別 についてご説明いたします 情報配信サービス ( このメール ) についてこのメールの内容等に関するお問合せは お手数ですが 各担当までお願い申し上げます また このメールの記事を許可なく転載することを禁じます Copyright(C) Japan RealEstate Institute All rights reserved 編集 発行 : 財団法人日本不動産研究所 http://www.reinet.or.jp/ システム評価部固定資産税評価研究会情報配信担当 [TEL] 03-3503-5341 [FAX] 03-3503-4550 メールの配信停止 配信先の変更に関しては こちらにご連絡をお願い申し上げます JREI-sysinfo@imail.jrei.jp