H ■再発防止策総務課修正版(最終)_Ⅰはじめに

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Taro-07_学校体育・健康教育(学

104 (3) 全中学校において アクティブスクール を展開 全中学校を アクティブスクール として位置付け 自校の目標 ( 値 ) や取組内容を定めた 体力向上推進計画 を作成し 取組を強力に推進している (4) スーパーアクティブスクール や アクティブライフ研究実践校 による取組中学校 47

平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

02-01 ビジョンの基本的考え方

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

(2) 熟練技能者等の派遣による若年技能者等に対する実技指導ものづくりマイスター対象職種以外の職種で企業等から実技指導の要請を受けた場合 熟練技能者等を派遣し実施します (3) 学校単位の製作実演のイベント熟練技能者等を小中学校 訓練施設等へ派遣し 製作実演 ものづくり体験等を行う ものづくり体験教

学校の危機管理マニュアル作成の手引

問 3 問 1 で複数種目を回答した場合 指導形態について該当するものを選んでください ( 問 1 で複数種目回答していない場合は回答不要 ) 1 学校が選択した複数種目をすべての生徒に履修させている 2 学校が提示した複数種目から生徒が選択して履修できるようにしている 3 その他 ( 具体的な指導

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

(2) 全国 近畿レベル 職務専念義務免除の基準に該当すると認められる場合には 職務専念義務免除の取扱いを行うこととする この場合 公務災害の適用はされない なお 大阪府で開催される全国 近畿レベルのものに出席 参加する場合は 府レベルとして取扱うこととする ( 注 ) 特別支援学校については 全国

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中学校就学援助費 国庫補助金 市費 事業費 9,8 国 財県源市債内訳一般財源 9,5 9,8 87 9,74 4( 額 ) 9,8 88 9,64 6=+4+5 9,8 88 9, 経済的理由により就学困難な生徒に対し 義務教育を受けるために必要な経費を援助する 就学援助費

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

外部指導者制度の推進 ―学校運動部活動顧問との連携による運動部活動の充実―

新規文書3

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

はじめに 学校を取り巻く環境は, 社会や経済の変化に伴い, より複雑化 多様化しており, 学校には, これまで以上に子供たちに対するきめ細かな対応が求められております また, 情報化やグローバル化といった社会の急速な変化が進む中, 知識を活用し, 協働して新たな価値を生み出せるよう, 主体的な学びを

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

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別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

目次 Ⅰ 福島県教育委員会経験者研修 Ⅰ 実施要項 1 Ⅱ 高等学校経験者研修 Ⅰ 研修概要 1 研修体系 2 研修の目的 研修の内容等 4 研修の計画及び実施 運営等 4 5 研修の留意点 4 表 1 高等学校経験者研修 Ⅰ の流れ 5 表 2 高等学校経験者研修 Ⅰ 提出書類一覧 5 Ⅲ 高等学

4 副校長 教頭の長時間業務改善への取組 学校内施設 ( 校舎等 ) の鍵の開閉は 副校長 教頭のみが行うこととせず 全教職員等で協力して行います ( 警備員が配置されている学校においては そのシステムを適切に活用します ) 児童生徒の登校時間については 学校と県教育委員会 市町村教育委員会が連携し

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英語教育改善プラン

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資料 2 東区まちづくり推進事業の検証結果について ( 平成 29 年度第 2 回東区まちづくり懇話会 ) 開催概要 開催日時 : 平成 29 年 9 月 15( 金 ) 午前 9 時 30 分 場 所 : 東区役所 3 階すこやかホール 熊本市東区役所

政策評価書3-3(4)

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別紙(例 様式3)案

学力向上のための取り組み

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

研修の手引

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

DPAT活動要領

スライド 1

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

英語教育改善プラン

総合型地域スポーツクラブの特色ある事例

( 報道発表資料 ) 2016 年 4 月 22 日 西日本電信電話株式会社中国事業本部 株式会社保安企画 株式会社オール オン スポーツ ジャスプ ジュニアアスリートサポートプログラム(JASP ) の提供開始について ~ スポーツ医 科学を活用した情報提供により中学校 高等学校の運動部活動をサポ

神奈川県立逗子高等学校いじめ防止基本方針 1 いじめの防止等に関する基本的な考え方 ( 本校のいじめ防止に関する基本的な姿勢 ) いじめは いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず その生命又は身体に重大な危険を生じさせるお

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

施策吊

厚生労働省(職業能力開発行政)におけるキャリア教育の捉え方と関連する取組について

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

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1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

平成 28 年度学校空手道実技指導者講習会開催要項 1 目的平成 24 年度より実施されている中学校武道必修化にあわせ 保健体育科教員及び運動部活動指導者 ( 外部指導者を含む ) に対し 空手道の指導者としての資質向上を図るための講義及び実技指導を行い 学校における武道指導の充実に資する 2 主催

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

平成23年度 「課題別研修受講者推薦依頼表」の作成の手引き 【学校用】

目次 第 1 部調査の概要 Ⅰ 調査目的 4 Ⅱ 調査内容 4 Ⅲ 調査対象 6 Ⅳ 調査時期 6 Ⅴ 調査方法 6 Ⅵ 回収結果 6 Ⅶ 標本抽出方法 6 Ⅷ 回答者の属性 7 第 2 部調査結果 Ⅰ 中学生 高校生の現状 意識 12 1 中学生 高校生全体 12 2 運動部活動に所属する生徒 1

1 目次 2 背景 目的 指針 設備 整備基準 対策 保守 大会終了後 進捗状況の把握およびフォローアップ / 7

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

資料1 「次世代の学校・地域」創生プラン~学校と地域の一体改革による地域創生~

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平成18年度標準調査票

スライド 1

1) すべての子供達に 心のバリアフリー の指導を 2020 年以降順次実施される学習指導要領改訂において 道徳や体育 図工 美術 音楽などにおける障害者理解を図る 心のバリアフリー の指導や教科書等の充実 [ 文部科学省 ] ( 調整中 ) これらの指導がクロスカリキュラム中で自分事として受け止め


事務連絡 平成 28 年 9 月 26 日 各消防学校長殿 消防庁消防 救急課長 消防職員の厳正な服務規律の確保の徹底について 消防職員にあっては その職務の適正な遂行のため 厳格な服務規律の確保 法令の遵守が求められており 各消防学校におかれては 消防職員の服務規律の確保に日々努められていることと

県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

現在 学校には 急速に変化する社会の中で 自立して生きていく力を育成するための指導の充実が求められております そのためには 教員が健康で生き生きとやりがいをもって働きながら 学校教育の質を高めることができる環境を構築することが必要です しかしながら 北海道教育委員会が平成 28 年度に行った 教育職

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求められる整理編

系統的で一貫性のあ評価指標 評価指標による達成度 総合評価 るキャリア教育の推進に向けて 小 中 1 卒業後の生活につながる客観的 < 評定 > 学部段階での客観的アセスメントに基づいた指導計画 指標に基づいた卒業を立案することができる A B C 後の生活を見据えた教育活動につながる 2 立案され

教職員の働き方改革プラン 2018 岐阜県教育委員会では 平成 29 年 6 月に 教職員の働き方改革プラン 2017 を定め 教職員の勤務の適正化に向けた取組みに着手したところであるが 月 80 時間を超える長時間勤務の解消等は 未だ道半ばの状況にある また ハラスメントやメンタル不調等への対応に

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Microsoft PowerPoint - 9月末公表(栃木県正社員転換・待遇改善実現プラン)

金融円滑化に対する当金庫の取組状況 平成 27 年 11 月 13 日 高岡信用金庫

な取組 日本や東京の文化 歴史を学び 日本人としての自覚と誇りを涵養主な取組 東京都国際交流委員会 * を再構築し 外国人への生活サポートを推進主な取 様々な広報媒体の活用などによる障害者への理解促進主2020 年に向けた取組の方向性 1 オリンピック パラリンピック教育を推進するとともに 多様性を

2009高体連男子大会要項

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ソフトテニス長期基本計画 2017 ( 公財 ) 日本ソフトテニス連盟は 昭和 58 年 (1983 年度 ) 以来 ソフトテニスの抱える現状や課題に対応すると共に ソフトテニスの一層の普及振興を図るため 将来像の基本となる方向性を示す長期基本計画を策定し その方針に沿って総合的かつ計画的に取り組ん

18 定期的にモニタリンク を行い 放課後等ディサービス計画の見直しの必要性を判断しているか 19 カ イト ラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか 20 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか 関係機関や保護者との連

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 奄美信用組合 奄美信用組合は 奄美地区における金融の円滑化への取り組みをこれまで以上に強化するとともに その取り組み姿勢をお客様にご理解していただき 借入の条件変更等に関する ご要望 ご相談に迅速

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

1 目標 安芸高田市立甲田中学校 ( 以下 学校 という ) の運動部活動において, 安芸高田市立中学校に係る運動部活動の方針 ( 以下 安芸高田市方針 ) に則り, 生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点に立ち, 以下の点を重視して地域, 学校, 競技種目等に応じた多様な形で最適に実

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

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第 1 章 解説 平成 27 年度 スクールソーシャルワーカー活用事業 の概要と成果等について紹介します

登録団体 各位

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

9/12 回 講義 演習 いじめの理解と対応 講義 実習 学校環境衛生活動及び医薬品等の管理 10/17 講義 特別支援教育の理解と養護教諭の役割 ( 水 ) 講義 演習 発達段階を踏まえた児童生徒理解 10/12 回 講義 演習 保健室における情報活用と情報管理 協議 自己課題研修の検討 3 10

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加須市審議会等の会議の公開に関する要綱の運用の手引

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

Transcription:

那須雪崩事故を教訓とした学校安全のための取組 Ⅰ はじめに 平成 29 年 3 月 27 日に那須町で発生した雪崩事故においては 生徒 7 名と引率教員 1 名がお亡くなりになりました 改めて心から哀悼の意を表しますとともに 御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます また けがをされた多くの方々に対し お見舞いを申し上げます 今回の事故の要因は 那須雪崩事故検証委員会の報告書にもありますとおり 春山安全登山講習会における計画全体のマネジメントと危機管理意識の欠如であり これには 県高等学校体育連盟や県教育委員会の組織体制の不備が大きく関係しているものと考えております そして 事故のあった本講習会が学校教育活動の一環として行われた部活動でもあることから 県教育委員会としてその責任を痛感しているところです 県教育委員会では こうした点を深く反省し 関係する多くの方々の思いを重く受け止め 二度とこのような事故を起こさないよう 県教育委員会 各学校 県高等学校体育連盟が一体となって再発防止に取り組むべく 今般 那須雪崩事故を教訓とした学校安全のための取組 を策定いたしました この学校安全のための取組では 検証委員会からの様々な指摘や提言等を真摯に受け止め 高校生の登山における安全確保や顧問等の資質向上に加え 運動部活動や学校行事等における安全管理の徹底など 学校教育活動全般にわたり 幅広く対策を講じることとしました 特に 登山活動に関しましては 登山等の安全確保に関する連絡協議会 ( 仮称 ) を新たに設置し 高校生の登山の実施状況等の報告をもとに協議を行い 取組の更なる改善に努めて参ります 今後 事故の教訓を風化させることなく これらの学校安全のための取組を確実に実行し 学校の教育活動を不断に見直すことにより 生徒が安全に 安心して学ぶことのできる教育環境をつくるという決意のもと 全力を挙げて取り組んで参ります 平成 30 年 1 月 9 日 栃木県教育委員会教育長宇田貞夫 1

Ⅱ 学校安全のための取組 学校教育活動全般 1 学校教育活動における安全管理の徹底今回の事故は 登山における安全 危機管理にとどまらず 学校教育活動全体の問題として捉える必要があることから 学校安全 危機管理に関する組織体制の強化や教員研修の充実を図ります (1) 学校安全 危機管理に関する組織体制の強化 学校教育活動全般の安全 危機管理体制を強化するため 各学校の安全 危機管理 の指導 助言 チェック等を専門的に行う新たな組織を県教育委員会に設置します 新たな取組 学校行事等に関する指導 助言 承認 学校 県高等学校体育連盟( 以下 県高体連 という ) 等に対するチェックの実施 事件 事故 ヒヤリハット事例の収集 分析 結果提供 安全 危機管理に関する研修の実施など (2) 学校における危機管理マニュアル見直し各学校における危機管理マニュアルを見直します また 県教育委員会は 専門家による助言 監修を受けながら 学校安全の考え方や留意点など 見直しのポイントを手引きとしてまとめ 各学校を支援します (3) 安全 危機管理研修の充実 1 安全教育指導者研修公立小 中学校 県立学校の安全教育担当教員を対象に 安全教育の充実に資する研修を実施します 2 安全 危機管理研修県立学校の教職員を対象に 安全 危機管理に関する研修を実施します 3 校長研修の充実公立小 中学校 県立学校の校長を対象とした研修に 安全 危機管理に関する内容を加えます 2

4 校内研修への指導主事の派遣各学校が実施する安全 危機管理に関する校内研修に 県教育委員会から指導主事を派遣し 指導 助言を行います 5 学校安全に関する内地留学学校安全を専門とする大学研究室に教員を内地留学させ その研究成果を県内各校に普及することにより 安全管理体制の充実を図ります (4) 運動部活動リスクマネジメント研修の開催 県立学校の教職員を対象に 運動部活動特有のリスクマネジメントに関する研修を 実施します (5) 運動部活動指導者研修会の充実 運動部活動顧問及び運動部活動補助員を対象とした 安全で効果的な指導法を身に つけるための運動部活動指導者研修会について 内容の充実を図ります 2 県高等学校体育連盟等に対する指導 助言 県高体連等が作成する危機管理マニュアルの運用支援を行うとともに 県高体連をはじ めとする競技団体が開催する大会等の安全確保に関する指導 助言も充実を図ります (1) 県高体連等における危機管理マニュアルの適切な運用支援 県高体連等が作成する危機管理マニュアルについて 適切に運用されているかチェ ックを行うとともに 内容を見直す際にも助言を行います (2) 県高体連主催大会等の適切な運営支援 県高体連の各競技種目別専門部が主催する大会等の安全面について チェックを行 うとともに 指導 助言を行います (3) 県中学校体育連盟等に対する指導 助言 県中学校体育連盟やスポーツ少年団などの競技団体が開催する大会等について 各 関係団体との連携を図りながら 安全確保に関する指導 助言を行います 3

登山活動 3 登山活動における安全確保のためのチェック機能の充実今回の事故が発生した春山安全登山講習会は 県の登山計画審査会の対象となっていなかったなど 県のチェックや支援体制の未整備が指摘されていることから 登山計画作成のガイドライン策定や登山計画審査会の機能強化などを行います (1) 登山計画作成のガイドライン策定 各高等学校において登山計画等が適正に立案できるよう 登山計画審査会の意見を 得ながら 登山部活動の指針や計画立案のためのガイドラインを策定します (2) 登山計画審査会の機能強化 登山計画審査会に県外審査員を加え 審査内容の充実等を図り 登山計画のチェッ クの厳正化を図ります (3) 登山届受理システム コンパス の活用 公益社団法人日本山岳ガイド協会が運用している 登山届受理システム コンパス による登山届の提出を徹底し 安全対策及び情報の共有を図ります (4) 高校生の登山等の安全確保に関する連絡協議会 ( 仮称 ) の設置 高校生の登山の実施状況の確認等のための連絡協議会を設置します 4 安全な登山活動のための知識 技術の習得今回の事故では 顧問等の雪崩の危険に関する理解不足など 資質の問題が指摘されていることなどから 登山部顧問等に対して様々な研修を実施するほか 必要に応じて 登山アドバイザーなど 外部の支援を受けられる体制を整備します (1) 登山部顧問等研修会の開催 1 新任顧問等研修登山経験の少ない 若しくは経験のない新任顧問等を対象に 登山に関する知識や技術 危機管理方法 部活動指導の在り方などを習得する研修を行い 登山部顧問として必要な資質の向上を図ります 2 登山部顧問等研修高校生の登山部活動に必要な最新の知識 技術を習得するとともに 危険に対する対処法等を学ぶことで 登山部顧問としての高い意識付けの機会とします 4

(2) 生徒と顧問による登山研修会の開催 (3 月開催 ) 事故の教訓を風化させないため 各校登山部の生徒や顧問が 他校の部員等と交流しながら 自ら登山の意義や安全等について考え 事故の再発防止を考える機会を設けます (3) 登山研修会への派遣 1 安全登山普及指導者中央研修会 ( 国立登山研修所 富山県 ) 登山部顧問の資質向上を図るため 引き続き 国立登山研修所が実施する中央研修会に顧問を派遣するとともに 新たに追加された 高等学校等教職員研修コース にも 顧問を派遣します 2 高等学校等安全登山指導者研修会 ( 国立オリンピック記念青少年総合センター 東京都 ) 国立登山研修所が新設した登山に関する基礎的知識や技術の習得と 高校生を登山に引率する際の危機管理方法を学ぶ研修会に顧問を派遣します 3 全国山岳遭難対策協議会 ( 国立オリンピック記念青少年総合センター 東京都 ) 事故防止に役立てるため 山岳遭難の原因等を研究協議する全国山岳遭難対策協議会に 引き続き顧問を派遣します (4) 登山アドバイザー派遣県山岳連盟等と連携を図り 登山に関する相談体制や山行への同行などの協力体制を構築します また 経験の浅い登山部顧問が引率する場合など 登山計画審査会においてガイド等の同行が望ましいとの意見が付された際には 現地山岳ガイド等の専門家を派遣し 部員の安全確保と顧問のスキルアップ等を図る体制を構築します (5) 安全登山のための装備貸出等 1 安全登山の訓練に必要な装備について 貸し出しができるよう 整備を図ります ビーコン( 電波受発信機 ) プローブ( 雪崩埋没者探索のための金属棒 ) スノーシャベル 2 携帯電話の通話エリア外においても 緊急時の連絡等が可能となるよう 衛星携帯電話の貸し出しを行います 5

(6) 指導者 生徒のためのハンドブックの作成指導者 ( 顧問 ) や生徒 ( 登山部員 ) が登山に関する学習をし 安全な登山が実施できるよう 高校生等と指導者のためのハンドブック ( 仮称 ) を作成し 指導者や生徒による活用を促します (7) 安全登山に関する啓発の場の設置 那須雪崩事故の教訓を語り継ぐとともに 安全登山に関する情報発信等を行うため 本件事故及び登山に係る資料を備えた啓発の場を設置します (8) 国や関係機関等への支援要請スポーツ庁や気象庁等の国の行政機関 国立登山研修所や防災科学技術研究所等の教育 研究機関に対して 指導者用資料の作成や研修会の開催など 必要な支援を行うよう 引き続き 要請していきます 5 被害者等への対応 関係者の心のケアを長期的かつ適切に行っていくことが必要であるため スクールカウ ンセラー等の配置や関係機関等と連携した取組を進めます (1) スクールカウンセラーの配置那須雪崩事故の影響によるPTSD( 心的外傷後ストレス障害 ) への対応など 生徒や保護者の心のケアを充実させるため 春山安全講習会に参加した県立高校等にスーパーバイザーを派遣するとともに 大田原高校にスクールカウンセラーを配置します (2) メンタルヘルス事業関係教職員に対しては メンタルヘルス相談事業 ( 共済組合事業 ) メンタルヘルス講座事業 ( 県事業 ) 学校メンタルヘルスサポート事業 ( 県事業 ) 等の利用促進を図ります (3) 関係機関等との連携 精神保健福祉センターや健康福祉センター等と連携を図りながら 事故の関係者に 対する心のケアに努めます 6

那須雪崩事故を教訓とした学校安全のための取組 学校教育活動全般 登山活動 7 1 学校教育活動における安全管理の徹底 学校安全 危機管理に関する組織体制の強化 学校における危機管理マニュアル見直し 安全 危機管理研修の充実 運動部活動リスクマネジメント研修の開催 運動部活動指導者研修会の充実 2 県高等学校体育連盟等に対する指導 助言 県高体連等における危機管理マニュアルの適切な運用支援 県高体連主催大会等の適切な運営支援 県中学校体育連盟等に対する指導 助言 3 登山活動における安全確保のためのチェック機能の充実 登山計画作成のガイドライン策定 登山計画審査会の機能強化 登山届受理システム コンパス の活用 高校生の登山等の安全確保に関する連絡協議会 ( 仮称 ) の設置 4 安全な登山活動のための知識 技術の習得 登山部顧問等研修会の開催 生徒と顧問による登山研修会の開催 登山研修会への派遣 登山アドバイザー派遣 安全登山のための装備貸出等 指導者 生徒のためのハンドブックの作成 安全登山に関する啓発の場の設置 国や関係機関等への支援要請 5 被害者等への対応 スクールカウンセラーの配置 メンタルヘルス事業 関係機関等との連携