資料 -2 再評価対象事業 河川総合開発事業 五名ダム再開発 平成 27 年 8 月 17 日 河川砂防課 1
五名ダム再開発位置図 湊川 五名ダム再開発事業 2
今回の公共事業評価の位置づけ 平成 26 年度の公共事業評価委員会で 条件付き で継続 の答申 五名ダム再開発事業の検証に係る検討 1. 事業等の点検 2. 目的別の検討 Ⅰ. 治水 ( 洪水調節 ) の観点からの検討 ダム検証に係る検討の結果を踏まえて再度公共事業評価委員会に諮問すること ダム検証に係る検討の手続き 情報公開 意見聴取 香川県ダム検証に係る検討委員会 関係地方公共団体からなる検討の場 学識者への意見聴取 関係地方公共団体の長への意見聴取 Ⅱ. 新規利水の観点からの検討 Ⅲ. 流水の正常な機能の維持の観点からの検討 3. 総合的な評価 4. 県の対応方針 ( 事業継続 ) の決定 検討主体 ( 県 ) 国 パブリックコメント 地元説明会 関係住民 関係利水者への意見聴取 香川県公共事業評価委員会 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議 国土交通省による対応方針 ( 事業継続 ) の決定 調査 設計用地買収工事着手完了 3
五名ダム再開発事業経緯 これまでの事業経緯 平成元年 ~ 平成 6 年 平成 7 年 ~ 平成 11 年 10 月 平成 14 年 8 月 平成 16 年 10 月 平成 22 年 2 月 平成 22 年 9 月 平成 27 年 2 月 今年度 予備調査開始 湊川流域に甚大な渇水被害が発生 ( 全県的な渇水被害 ) 実施計画調査開始 湊川水系河川整備基本方針を策定 湊川水系河川整備計画を策定 台風 23 号により湊川流域に甚大な洪水被害が発生 公共事業再評価委員会で 継続 の答申 国土交通大臣からの要請によりダム検証の対象ダムとなる 公共事業評価委員会で 条件付き で継続 の答申 ダム検証に係る検討の結果を踏まえて再度公共事業評価委員会に諮問すること ダム検証に係る検討委員会の審議終了 (8/5) 県により対応方針 ( 案 ) を作成 今回の公共事業評価委員会で諮問 ( 対応方針の決定 ) 4
ダム検証に係る検討とは ダム検証に係る検討とは (1) ダム計画は適切か (2) ダムより有効な治水対策はないか 治水 河川の氾濫を防ぐこと (3) ダムより有効な利水対策はないか 利水 水を利用すること 五名ダムの利水には 下記の 2 つの目的があります 利水 1 : 新規水道用水の開発利水 2 : 河川に住む生物や河川景観を保全し かんがい用水を確保する = 流水の正常な機能の維持 5
過去の洪水被害 流域の課題 : 洪水による大きな被害 H16 台風 23 号福栄小学校浸水状況 瀬戸内海 S51 台風 17 号白鳥町浸水 ( 通行止め ) 状況 東かがわ市 既設五名ダム 五名ダム再開発 湊川 S49 台風 8 号湊川町道橋 ( 寺前橋 ) 流失 H8.9 徳島県 H16 台風 23 号五名ダム下流被災状況 H16 台風 23 号福栄小学校被災状況 H16 台風 23 号東山川合流点被災状況 6
過去の渇水被害 流域の課題 : 頻発する渇水 平成 6 年には流域に給水車が出動 五名ダムが枯渇 河川から水がなくなる ( 瀬切れ ) 生活に深刻な影響 農作物などに深刻な影響 魚や水生植物が生息できない 7
現行計画 治水 現行計画 概ね 50 年に 1 回発生する洪水を安全に流下させる 利水 1: 新規利水 利水 2: 正常流量 ダムで毎秒 90m 3 カット 及び河川改修 日量 3000m 3 の水道用水を五名ダム再開発により確保 概ね 10 年に 1 回発生する渇水時に おいても流水の正常な機能を維持 8
現行計画 既設五名ダムの下流にダムを建設 既設ダム 下流にダムを建設 湊川 ダムサイトイメージ 9
計画の変更 計画の変更 ( 治水 ) ダムで毎秒 90m 3 カット 及び河川改修 概ね 50 年に 1 回発生する洪水を安全に流下させる 平成 16 年台風 23 号洪水は想定しているよりもさらに大きな洪水だった ダムで毎秒 160m 3 カット 及び河川改修 既往最大の平成 16 年台風 23 号洪水を安全に流下させる 10
計画の変更 計画の変更 ( 利水 ) 日量 3000m 3 の水道用水を 五名ダム再開発により確保 水需要予測の見直し 日量 2000m 3 の水道用水を 五名ダム再開発により確保 流水の正常な機能の維持 に関しては目標の変更なし 11
計画の変更 計画変更の結果どのように変わるのか 既設ダム現行計画変更計画案 五名ダム再開発 五名ダム再開発 ダムの高さが約 0.6m 縮小 ダムサイトイメージ ダムサイトイメージ 総貯水容量 61 万 m 3 総貯水容量約 675 万 m 3 総貯水容量約 645 万 m 3 ダム再開発により現在の約 10.6 倍の容量となり より大きな洪水や渇水にも対応できる 12
計画の変更 計画変更の結果どのように変わるのか 現行計画 容量配分図 変更計画案 容量配分図 ダム高約 56.0m 最高水位 ダム高約 55.4m 最高水位 洪水調節容量約 240 万 m 3 常時満水位 洪水調節容量約 310 万 m 3 利水容量約 400 万 m 3 常時満水位 内上水道分約 190 万 m 3 内不特定分約 210 万 m 3 総貯水容量約 675 万 m 3 [ 既設比 11.0 倍 ] 既設ダム 内上水道分約 100 万 m 3 内不特定分約 200 万 m 3 利水容量約 300 万 m 3 総貯水容量約 645 万 m 3 [ 既設比 10.6 倍 ] 既設ダム 堆砂容量約 35 万 m 3 堆砂容量約 35 万 m 3 事業費 : 230 億円 事業費 : 220 億円 この検討は 現在保有している技術 社会情報の範囲内で算出しており 今後の社会変動によって 変動する可能性があります 13
計画の変更 五名ダムの再開発による効果は 平成 16 年台風 23 号と同じ規模の洪水が発生した場合 福栄小学校付近では約 70cm 程度水位低減 14
五名ダム再開発事業の目的別検討 ( 治水対策案 ) 1 ダム再開発 + 河道改修案 2 遊水地 + 河道改修案 3 放水路 + 河道改修案 4 河道改修案 既設ダム下流にダムを建設して洪水調節を行う ダムサイトイメージ 中流域に遊水地を整備して洪水調節を行う 河川の途中 ( 河口から 4km 付近 ) から放水路を整備して洪水を海に放流する 河口 ~ 東山川合流点まで河道の掘削 引堤を行う 引堤 + 県道の移設 河道改修 ( 引堤 掘削 ) 河道改修 ( 掘削 ) 河道改修 ( 引堤 掘削 ) 河道改修 ( 掘削 ) 放水路河道改修 ( 引堤 掘削 ) 河道改修 ( 掘削 ) 河道改修 ( 引堤 掘削 ) 河道改修 ( 掘削 ) 既設五名ダム 五名ダム再開発 既設五名ダム 遊水地 既設五名ダム 既設五名ダム 約 138 億円約 190 億円約 262 億円約 186 億円 ダム ( 治水分 ) 113 億円河道改修 14 億円維持管理費ダム ( 治水分 ) 11 億円 遊水地 108 億円河道改修 14 億円維持管理費遊水地 27 億円既設ダム ( 治水分 ) 41 億円 放水路 137 億円河道改修 49 億円維持管理費放水路 35 億円既設ダム ( 治水分 )41 億円 河道改修 145 億円維持管理費既設ダム ( 治水分 )41 億円 五名ダム再開発が有利 15
五名ダム再開発目的別検討 ( 新規利水対策案 ) 1 ダム再開発案 2 河道外貯留施設案 3 地下水取水案 既設五名ダムの下流にダムを建設して 新規利水に関する容量 ( 約 100 万 m 3 ) を確保 河道外に貯水池を設け 河川の流水を導水し 貯留することで水源とする方策 伏流水や河川水に影響を与えないように配慮しつつ 井戸の新設により必要量を確保 ダムサイトイメージ 地下水取水施設 中央配水池 河道外貯留施設 ( 貯水池 ) 約 100 万 m 3 浄水場 導水管敷設 約 24 億円約 103 億円約 37 億円 ダム ( 水道分 ) 22 億円維持管理費ダム ( 水道分 ) 2 億円 河道外貯留施設 81 億円維持管理費河道外貯留施設 22 億円 地下水取水施設 28 億円維持管理費地下水取水施設 9 億円 五名ダム再開発が有利 16
五名ダム再開発目的別検討 ( 流水の正常な機能の維持対策案 ) 1 ダム再開発案 五名ダムを再開発し 流水の正常な機能の維持に関する容量 ( 約 200 万 m 3 ) を確保 2 河道外貯留施設案 河道外に貯水池を設け 河川の流水を導水し 貯留することで水源とする方策 ダムサイトイメージ 既設五名ダム 約 19 万 m 3 ( 既設 ) 河道外貯留施設 ( 貯水池 ) 約 180 万 m 3 約 79 億円 ダム ( 不特定分 ) 72 億円維持管理費ダム ( 不特定分 ) 7 億円 約 168 億円 河道外貯留施設 117 億円維持管理費河道外貯留施設 29 億円既設ダム ( 不特定分 )22 億円 五名ダム再開発が有利 17
パブリック コメントに寄せられた意見と県の考え方 治水に関すること 意見の要旨平成 16 年の23 号台風と同規模の雨に対応できるダムを建設するという県の計画に賛同します まずは過去に起こった災害と同じ規模までは早く対応できるようにしていただきたい 想定を超える洪水については 今後流域の住民と一緒になって 減災につながるような防災行動計画 ( タイムライン ) を考えてほしい 利水に関すること 地球温暖化 気候変動の観点からも海水淡水化を準備することを考えた方がよいのではないか 環境に関すること 動物のみならず植物の生きる場も必要だが 生物多様性と言われる中 ダム建設により山林を開発するより 自然な状態に戻していく方が 子孫のためではないだろうか 自然界の声に耳を傾けていただきたい 意見に対する県の考え方 現行計画では概ね 50 年に 1 回発生する洪水に対応するものでしたが 平成 16 年台風 23 号は それを超える規模の洪水でした そこで 既往最大である平成 16 年台風 23 号に対応する計画に変更して再度災害の防止を図ります 今後は ダム事業を早期に再開できるようにダム検証に係る検討手続きを引き続き進めてまいります 想定を超える大規模な水災害による被害を最小化するためには ダムの建設や河川改修工事等の予防策に加え 災害が発生することを前提として 平常時から国 県 市町および住民等が共通のタイムラインに沿った具体的な対応を協議し 防災行動計画を策定し 災害時にはそれを実践していくことは重要であると考えています このため 今後策定にあたっては 市町や流域住民と協議したいと考えています 利水対策案の検討において 海水淡水化を検討していますが 施設整備等に多額の費用を要することから コスト面で現実的ではないと考えております 湊川流域の土地利用や水利用の状況を鑑みますと 人の生命や財産を洪水から守るための治水対策の実施や 頻発する渇水に対して日常生活や河川の環境を守るために利水対策を実施する必要があると考えております 加えて 自然環境との共存のため 環境への影響を極力軽減するための対策は必須であると考えております なお 現在建設中の椛川ダムでは 香川県ダム環境委員会における専門家の意見を聴きながら動植物のモニタリングを実施し 必要に応じて保全措置を講じるなど自然環境に配慮しつつ工事を進めており 今後のダム事業の実施にあたりましても 同様に進めてまいります 18
地元説明会で頂いた意見と県の考え方 治水に関すること 意見の要旨 意見に対する県の考え方 現行計画は概ね50 年に1 回の大雨による洪水を対象としていましたが 平平成 16 年の台風 23 号により テレビでし成 16 年台風 23 号はそれ以上の洪水だったため 今回の検証に係る検討か見たことがないような災害が実際に身の中で 平成 16 年の台風 23 号に対応した変更計画案を検討して より流近に起きて非常に大きな衝撃を受けた 域の安全性を向上させることとしております こういうことが2 度と無いようにしてほしい また 河川についても改修や補修 堤防の点検などを適切に実施してまいります 最近は予想のつかない雨 ゲリラ豪雨が頻発している 是非五名ダム再開発を早急に検討してとりかかってほしい 今回の検証に係る検討の中で 平成 16 年台風 23 号に対応した変更計画案を検討して より流域の安全性を向上させることとしております ダム上流で発生したゲリラ豪雨については 変更計画案のダムを活用することで 洪水に対する流域の安全性が向上します 写真 : 説明会の様子 19
地元説明会で頂いた意見と県の考え方 利水に関すること 新規利水については 人口減少などに伴う水道の需要予測の見直しによって開発量を 3,000m3/ 日から 2,000m3/ 日に変更したということだが それはいつを想定して その時の人口は何人か 当初の計画においても 給水人口は減少する予測を行っており 平成 28 年では 36,156 人との予測でした しかし平成 25 年の給水人口の実績が 31,430 人であり 予測よりも人口減少のペースが早いため 需要予測を見直しました その結果 平成 38 年のダム完成時に給水人口は 25,987 人となりました ダム事業全般に関すること 今までにボーリング調査を実施しているが これまで実施した地質調査の結果 大きな問題となるような地質は確認さその結果ダムサイトの地質は大丈夫か れておりません 総事業費の 220 億円はダム本体のみの事業費か 付替道路などを含めるともっと高騰するのではないか 総事業費は 用地買収費用や付替道路の設計 工事費用など ダムが完成するために必要な費用を含めたものです 今回の説明会で 洪水の状況だとか ダムの必要性や計画の変更についてはよく理解できた しかし 地元住民としては 今後いつごろ用地買収に来るのか ダムはいつごろ完成するのか といったところが知りたい 県内の他のダムの事例を参考に 用地買収などに本格的に着手した後 概ね 10 年程度での完成を見込んでいます 今後は ダム事業を継続して実施し 早期の用地買収等に着手できるように今後のダム検証に係る検討手続きを進めてまいります 私は日下に住んでおり おそらくダム湖に沈む土地を持っている 複雑ではあるが 用地は協力する考えだ 今後は ダム事業を継続して実施し 早期の用地買収等に着手できるように今後のダム検証に係る検討手続きを進めてまいります 20
香川県ダム検証に係る検討委員会で頂いた意見 学識経験者 ダムができることによる生物の多様性の変化をみる視点も必要 新規開発水量を当初計画の 3,000m3/ 日から 2,000m3/ 日に変更することは理解できた その水源確保が必要であるという点はゆるがないようにして説明していくことが必要 ダムの役割としての 利水 の中には 動植物に配慮した環境保護の側面もあり その部分も非常に重要である 計画の変更で対象降雨量を増やしているが それ以上の雨が降らないとも限らない 計画が適正な規模となっているかを丁寧に説明する必要がある ダムができるまでにどうしても時間がかかる その間の流域の住民のために 河川の点検や必要箇所の修繕などを適切に実施することが必要 早く事業を進めるべきである 短期的な視点だけではなく 将来世代を見据えたダム計画としていただきたい 関係自治体 ( 東かがわ市 ) 湊川は東讃地区を代表する河川でありながら 東讃にあるダムの中で容量が一番小さく 流域に対して十分な規模を有していない 平成 16 年台風 23 号では 洪水がダム天端を超えて下流に大きな被害が発生した 五名ダム再開発には治水 利水の両面で住民は期待しており いつ出来るのかと心待ちにしている 一日も早い完成をお願いしたい 21
五名ダム再開発総合評価 ダム検証に係る検討総合評価 ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目 に基づき五名ダム再開発事業の検討を行った結果 目的別の検討において 洪水調節 新規利水 流水の正常な機能の維持 ともに 五名ダム再開発案 が最も有利であるとの結果となった よって 総合的な評価の結果として 計画を変更した 五名ダム再開発案 が最も有利な案となる 香川県ダム検証に係る検討委員会の審議結果 1. 計画を変更した五名ダム再開発案が最も有利であるとした県の検討結果は妥当である 2. 検討段階での意見については 今後の行政施策の実施にあたり適切に対応されたい 22
五名ダム再開発費用便益分析 ダム事業の便益とは : 1 治水便益 2 利水便益 3 その他の便益 23
ダム事業の治水便益 ダムがない場合 ダムがある場合 洪水調節容量 流水の正常な機能の維持 ( 流水の正常な機能の維持 ) ( 渇水対策容量 ) 新規利水容量 堆砂容量 被害額大 ダムにより減少する被害額 被害額小 治水便益 24
ダム事業の利水便益 洪水調節容量 流水の正常な機能の維持の効果 渇水時において 既得用水の安定取水や動植物の保護などの流水の正常な機能維持に要する流量を確保する 流水の正常な機能の維持 ( 流水の正常な機能の維持 ) ( 渇水対策容量 ) 新規利水容量 堆砂容量 利水便益 便益合計 ( 現在価値 )=159.4 億円 25
五名ダム再開発費用 建設費用イメージ 維持管理費用イメージ ダム事業の費用 ( 現在価値 )= 建設費用 + 完成後 50 年間の維持管理費 = 135.2 億円 26
五名ダム再開発費用便益分析 純便益 (B-C) : 24.2 億円 費用便益比 (B/C) : 1.2 内部収益率 : 8.5% 費用 (C) 便益 (B) 135.2 億円 159.4 億円 五名ダム再開発事業を 継続 する 27